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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.3
- 出版社: 実業之日本社
- サイズ:20cm/269p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-408-53525-8
紙の本
Re‐born はじまりの一歩
著者 伊坂 幸太郎 (著),瀬尾 まいこ (著),豊島 ミホ (著),中島 京子 (著),平山 瑞穂 (著),福田 栄一 (著),宮下 奈都 (著)
迷い、揺れ、苦しみながら選びとった、これがわたしの生きる道—。時代を鮮やかに切り取りつづける7人の作家が描く、新たな出会いと出発の物語。オール書き下ろし&オリジナルの珠玉...
Re‐born はじまりの一歩
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商品説明
迷い、揺れ、苦しみながら選びとった、これがわたしの生きる道—。時代を鮮やかに切り取りつづける7人の作家が描く、新たな出会いと出発の物語。オール書き下ろし&オリジナルの珠玉アンソロジー。【「BOOK」データベースの商品解説】
迷い、揺れ、苦しみながら選びとった、これがわたしの生きる道−。時代を鮮やかに切り取りつづける作家たちが描く、新たな出会いと出発の物語。音大附属高校の受験に失敗した私の話「よろこびの歌」など全7作収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
よろこびの歌 | 宮下奈都 著 | 5−31 |
---|---|---|
あの日の二十メートル | 福田栄一 著 | 33−68 |
ゴーストライター | 瀬尾まいこ 著 | 69−102 |
著者紹介
伊坂 幸太郎
- 略歴
- 〈伊坂幸太郎〉1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。吉川英治文学新人賞等を受賞。著書に「砂漠」など。
〈瀬尾まいこ〉1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞。
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紙の本
終わりの始まり
2009/02/06 16:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何か一つのテーマにそって数人の著作をより集めたもの、アンソロジー。
本書は題名の通り、「はじまりの一歩」につながる物語。
本書の著者は瀬尾まいこ、豊島ミホ、中島京子、平山瑞穂、福田栄一、宮下奈都、そして伊坂幸太郎の短編集で構成されていて、そのどれもが爽やかに軽妙に、短編らしい軽いノリで楽しむことが出来る出来である。
なによりこの顔ぶれ。非常に美味しい、お得な一冊であるとオススメしたい。
「はじまり」があるということは当然、終わりがあるということだ。それは人生と同じ、生まれたからにはいつかは死ぬし、おもしろいことも楽しいこともどんな素晴らしい幸福もいつかは終わる。勿論その逆もしかり、嫌のことも辛いこともどんな酷い逆境もいつかは終わり、月並みな言い方だけれど「明けない夜はない」。
逆にいえば終わりがあって、始まりがある。終わりよければすべてよし、なんて言葉もあるけれどむしろ「一年の計は元旦にあり」。どんな未来が待ち受けているかわからない不安があっても、はじめの一歩が強く踏み出せれば、きっとうまくいく、少なくともそう信じて踏み出した「一歩」を残すことが出来るだろう。いつかはわからない、けれど切実に思い当たる、誰もが迎えるいつかの「はじまりの一歩」がこの作品群のなかにあるかもしれない。ないかもしれない。とりあえず楽しんで読んでみてはいかがだろうか。
その中でも最後を閉める伊坂氏の『残り全部バケーション』。
伊坂幸太郎の「残り全部バケーション」。
ヤバイ系の仕事から足を洗う条件として送った携帯スパムメールが届いた先は離婚で最期を迎える家族。なんとも可笑しく軽いノリで彼らはドライブと最後の晩餐へと向かう。登場する人物其々の視点で代わる代わる語られる軽妙で滑稽な展開はなんとも言えない面白さ。
取り合えず生きているこの時間の経過はオートマだ。
途中経過も結果も自分次第だけれど、「はじめ」はいつの間にか過ぎていたりするものだ。
どう踏み込むか、それはやっぱり自分次第だけれど。
紙の本
軽やかに一歩を
2008/04/09 08:19
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
うまくいかない現実にぶつかり煩悶し
ふたたび人生を歩き始めることをテーマに
比較的若手の作家を集めた6編のアンソロジー。
テーマがテーマなだけにストレートに書いては
クサくダサい小説になること間違いなし。
そこでそれぞれ工夫をこらしています。
印象に残ったものだけ書きます。
中島京子の「コワリョーフの鼻」は
人類の鼻の進化論とゴーゴリの「鼻」の解読しながら
妻の鼻の整形に持っていく――。
ゴーゴリが人類の鼻がとれることを
予見していたというのは新鮮な見解ですが
あの小説の鼻と現代の美容整形が結びつくのは、もっと新鮮。
真剣に読んでしまったが、バカバカしい。
でも読まずにはいられない。
平山瑞穂の「会ったことがない女」は一種の幽霊話。
戦後間もない頃、エクスタシーとともに
女に乗り移る女と出会った唐津。
老後、その女を捜し歩きます。
偶然にもそれが、乗り移られた女の孫の再出発へと繋がります。
三世代を超えた人との絡み合い、幽霊などを交えて
うまく描ききって、説得力があります。
伊坂幸太郎の「残り全部バケーション」。
やばい仕事から足を洗いたい岡田は
先輩の溝口から「スパムメールで友達を作れ」と
辞める条件を出されます。
そこでひっかかったのが、離婚してバラバラになる早坂家の三人。
家族三人を連れたドライブが始まる、という
相変わらず人を食ったような展開を淡々と進行させます。
「自然に。なるようになるよ」と軽やかに終わるのがいい。