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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2010.10
- 出版社: 実業之日本社
- サイズ:21cm/270p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-408-45301-9
紙の本
病院で使う言葉がわかる本
著者 和田 ちひろ (著),中川 恵一 (監修),蓮岡 英明 (監修)
「標準治療」「治験」「寛解」などの正しい意味は? わかっているようで実は誤解していることが多い病院や病気に関する言葉。その誤解例と正しい意味を紹介する。【「TRC MAR...
病院で使う言葉がわかる本
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商品説明
「標準治療」「治験」「寛解」などの正しい意味は? わかっているようで実は誤解していることが多い病院や病気に関する言葉。その誤解例と正しい意味を紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
和田 ちひろ
- 略歴
- 〈和田ちひろ〉1972年愛媛県生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。患者支援団体「いいなステーション」代表。著書に「全国『患者会』ガイド」「がん闘病記読書案内」など。
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そもそも、医療従事者は患者及びその家族に、状態をはっきり、分からせたいのだろうか。
2010/11/16 22:19
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:7ひきのこぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、大の競馬好きだが、ときどき【今日の出来事】の競走中止に〈予後不良〉という言葉が見受けられることがある。例えば「落馬競走中止=騎手:左鎖骨々折、外傷性ショック ※府中市内の病院へ搬送 馬:右上腕骨々折 ※予後不良」のように。競走馬の場合「予後不良=殺処分」ということは知っていたから、獣医学用語で「殺処分」の言い替えだとばかりに、しばらく思っていたことがある。
ところが、違った。人間にも「予後不良」と、診断を下されることがあるのだ。もっとも、そう判定されたといっても、人間は“殺処分”されないのは、常識で分かる。そもそも「予後不良」の正確な意味は、何なのだろう。あたかも「予後不良」が、四字熟語のように切っても切れない用語と受け止めたのが大間違い。「予後」+「不良」である。「予後とは、病気の経過についての医学的な見通し」のことで、見通しが明るいのなら「予後良好」もありうる。ただ、概して「予後」は「不良」とセットで語られるから、命にかかわる状態と思いがちだが、命に支障がなくて、機能が元通りにならない場合も、医師は「予後がよくない」ということもあるので、突っ込んで“翻訳”してもらおう。
ついでに、冒頭の騎手に競馬場の医師が下した診断は「左鎖骨々折、外傷性ショック」だ。「左鎖骨々折」は、素人でも病名は分かるが「外傷性ショック」はわかるだろうか。普通、一般会話で使う【ショック:予期しない事態にあい、心が動揺すること】で、精神的なものととらえられがち。だが、医療用語として用いられる場合の「ショック」とは、精神的なことではなく、「血圧の異常低下により生命に危険を伴う状態のことを指します」。だから、「左鎖骨々折」だけなら、騎手なら日常茶飯事で、心配することはない? が、そこに「外傷性ショック」が加わると、とりあえず心配しなくてはならない。だから、急ぎ病院に搬送したわけである。
医療者が「ショック」という言葉を、使って緊急性を伝えたいのにもかかわらず、家族に理解してもらえないことも多々あるという。「ショック」の医学的な意味を正しく理解している人は、43.4%で、半分以上が一般的な意味と勘違いされているそうだ。でも、それなら、医師(医療従事者)のほうが、誤解されないように、説明するとき、言葉を言い換えた方が、早いんじゃあないかな。