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商品説明
【サントリー学芸賞(第34回)】将棋の王様・阪田三吉の軌跡と大阪の空間性、新世界の荒廃と飛田遊廓、ジャンジャン町の隆盛…。通天閣の見える場所で、人々は彷徨い、遊び、闘い、そして何を生んだか? 圧倒的密度で描く、大阪ディープサウス秘史。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
酒井 隆史
- 略歴
- 〈酒井隆史〉1965年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程満期退学。大阪府立大学人間社会学部准教授。専攻は社会思想史、社会学。著書に「自由論」「暴力の哲学」など。
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著者/著名人のレビュー
20世紀前半期の大阪...
ジュンク堂
20世紀前半期の大阪、「巨大な魔物」ともいうべきこのまちを、さまざまなひとびとが行き交う。労働者、博徒=侠客、娼婦、投機屋、新聞屋、労働運動家、アナキスト…。激しい流動性と重層性に由来する矛盾の複雑さが大阪の近代化につきまとい、さまざまな位相でさまざまな担い手による調停機能を発達させ、ひとびとを共棲させる。(大阪は、いまでも東京以上に国内外の移民からなるモザイク都市である。)
資本主義の原動力である「欲望」は、都市へとひとびとを引き寄せ、都市の中で自らを肥大化させていく。そして同時に、「貧困」の拡大を呼び寄せる。「貧困」は、「過少」を意味しているだけではなく、「過剰」とも親密だからだ。
「欲望」は大阪を肥大化させ、「貧困」と共に南下する。第五回内国勧業博覧会(一九〇三年)会場はやがて「新世界」と呼ばれ、「ジャンジャン横町」から、「飛田遊郭」へと伸びていく。
一九一二年、博覧会の跡地に建設された通天閣は、内外を遮断しかつ結びつける境界なればこそ最も翻弄され、変容していった大阪ディープサウスを、眼下にじっと、眺めつづけた。