紙の本
古い古いしきたりに捕らわれた島
2021/08/18 17:39
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投稿者:どらやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
神聖な島に生まれた姉妹の話のように始まりましたが、身分格差や、巫女を讃えすぎる、しきたりに捕らわれた島の話です。 既にこの世にはいない、主人公ナミマの語りで話が進んでいきます。 どんなエンディングになるのか楽しみです。
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毛色の違う
2020/04/24 13:07
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投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで何作か著者の作品は読んできましたが、今回は今までで1番毛色の違う作品でした。ところどころに桐野さん特有の「これでもかって程の不幸」は健在なんですが、神話でラブストーリーといったところでしょうか。ただし、爽やかからはほど遠い内容となっております。掟やルールだらけなのは今の社会と同じですね。ただ縛られるだけのルールではなく、誰かが幸せになれるルールであってほしいですね。
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古事記と空想の島での話。
いままで同様、女性がメインとなっている話で、
幻想的な内容だった。
桐野夏生はもっともっと現実的な泥くさい小説のほうが
私は好み。
ただ、思っていたような「チャンチャン♪」といった
ラストではなかったのが、逆に爽快感があった。
これでこそ、桐野女性小説。
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小さく貧しい南の島には光の国の巫女と闇の国の巫女がいて、闇の巫女として生を受けたナミマはその運命を受け入れることはしませんでした。さすが桐野夏生さんといった感じの、不気味なで陰鬱なストーリーです。後半以降は黄泉の国のイザナミ様が話の中心になっていきますが、そこのインパクトは前半と比べると少し落ちるかなといった印象です。
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古事記!? 神話!?
読み切るのは難しそう。
そう思いながらも買って、結構すぐに手をつけた。
読み方が難しいし、カタカナの名前がどんどん出てくるし。
心の中で泣きそうになりながらも読み切れたのは、適度に流す術を身につけたからだろう。
何年か時間を置いて読み直すのもいいかもしれない。
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遥か南の島、巫女の家に生まれた姉妹。六歳の誕生日、姉は家族から引き離された。大巫女となり、後継ぎの娘を産むのだ。やがて姉の元に食事を届けることが妹の役目に。--ひもじくても、けして食べてはならない。--だが島の男と恋に落ちた妹は、禁忌を破り、聖域に足を踏み入れてしまう。激しい求愛の果て、地下に落ちた妹が出逢ったのは、愛の怨みに囚われた女神・イザナミだった。性と死の神話を、現代に編み直す!
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久しぶりの桐野夏生。
引き込まれてグングン読んだ。
男の身勝手な自己肯定。
女は現実を受け入れる。
人間臭い神様ですこと。
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メガテンや『星を追う子ども』でちょうど日本神話に興味を持ち始めたところで、この本に出会った。
桐野夏生は相変わらずエグくて面白い。
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古事記をモチーフにした「新しい神話」。古事記を知らなくても面白く読める。こういう話、かの時代には本当にあったんじゃないかと思うくらい私にはリアルに感じられた。込められたテーマが沢山ありそうなのも神話的。
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何千年の昔、ヤマトの国のはるか南にある多島海の中の小さく貧しい島。その島でもっとも高位にある大巫女の家系に生まれたナミマと姉のカミクゥは仲の良い姉妹だったが、ある日カミクゥが巫女の跡取りになるべく家を出、二人は離れ離れに。しかしナミマはまだ自分の本当の運命を知らなかった…。
物語は島でのナミマと死後のナミマのいわば二部構成。死後に彼女の目の前に現れたのはイザナミ。ナミマは夫のイザナキに裏切られ黄泉の国の女神となったイザナミに仕えながらイザナミの怨みや自身の怨み、未練に翻弄され暗く冷たい世界に漂う。
世界の神話をモチーフとしたシリーズの日本神話(=古事記)版として書かれたらしいのだが、正直、イザナミ、イザナキの物語よりもナミマの物語のほうが面白かった。そちらだけで独立した物語になっていたほうが楽しめた気がする。禁忌の多い小さな島の人々と歴史をもっとじっくり描いて欲しかった。
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2012/10/13読了。古事記をモチーフとした小説らしい…と、読後にみんなのレビューを見て知りました。
小さな南の島で巫女の家に生まれたナミマ、カミクゥの姉妹の物語と、イザナミとイザナキの物語。
巫女も神も対になっていて、片方は陰、死を司る。もう片方は陽、生を司る。
巫女、神、南の島など、神秘的な要素もあり、裏切った男への恨みや嫉妬や悲しみなどドロドロしたところもあり、不思議な雰囲気の小説でした。
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巫女の家系 古い島の厳しいしきたり 妹のナミマ 姉のカミクゥ 少年マヒト 陰と陽の宿命 村八分 ミクラ様 ナミノウエ様 黄泉の国 女神イザナミ様 日本神話 古事記 イザナミとイザナキの夫婦喧嘩? 女性のもつ苦しみ 自分が死んだあとの世界など見ない方がいい? 怨みはあれど相手が記憶を亡くしてすっ惚けているのはやるせない…
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夏なので怖かったり気持ち悪いやつをひとつ……と思っていた所、裏表紙のアオリ文句が面白そうだったので読んでみました。
期待したほど怖くも気持ち悪くもなかったのですが(そもそも誰もホラーだなんて言ってねえよ)、古事記の見方としてはこういうのもあるのか、と言う感じで面白かったです。少々女の恨み節が強い気がしなくもないんですが。
しかしマヒトは狡い男だよなー。わざとそう書いてるんだろうけど!
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再読。
前編は海蛇島で生まれたナミマと死を司る女神のイザナミ神。
後半はイザナキ神が人間の姿になった八岐那彦と従者の宇為子。
最後はイザナミ神とイザナキ神が遂に再会する。
この世は陰陽で全てが成っている。
生と死、光と闇、昼と夜、男と女、姉と妹、
そして陽=清浄、陰=穢れと優劣が存在する。
古事記に触れた時に男女不平等を感じたことはなかったが、もし神代から男尊女卑が染み付いているのならばそう簡単にはなくならないのも当然だ。
今も神事の際に女人禁制は確かに存在する。
イザナキ神は完全に人間になり死と共に成仏できたのに、何故イザナミ神だけが救われずに黄泉国で死者を選び続けなければならないのか。
どうしたらイザナミ神は苦しみから解放されるのか。
そんなことを考えることこそが
『神と人間は違う。私の苦しみは、お前の苦しみとは違うのだ』
とイザナミ神に一喝されてしまうのかもしれない。
ナミマの心は救われないし、読後感がスッとする展開ではないのだが、まるで桐野さんが実際体験してきたかの様な主人公の語り口にまた読みたくなる不思議な魅力がある。
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女神はイザナミのことだというが、イザナミについての記述は少ない。実質はナミマ記だが、このタイトルにしたのはなぜだろう?
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「東京島」は途中で挫折してしまったけれど、またあらすじに惹かれ桐野作品に挑戦。
再会したマヒトの記憶にナミマがいなかったこと、イザナミとナミマの行き場のない思い…諸々が重くやるせないままに読了。愛に苦しむ二人の生々しい心情に、自分が女であることを強く意識させられた。