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三つの秘文字 下 (創元推理文庫)
トーラは産科医の知識と立場を生かし、やはり島外出身のため警察内で孤立している刑事デーナの捜査に協力する。だが何者かが自宅へ侵入し、血まみれの心臓を残していく。さらに何人も...
三つの秘文字 下 (創元推理文庫)
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商品説明
トーラは産科医の知識と立場を生かし、やはり島外出身のため警察内で孤立している刑事デーナの捜査に協力する。だが何者かが自宅へ侵入し、血まみれの心臓を残していく。さらに何人もの女性の不審な死が浮かびあがり、ついにトーラは単身、ヨットで嵐の海を渡ることを決意する。謎を解く鍵がひそむ島へ向かい、すべてを暴くために!シェトランド諸島の伝説に彩られた戦慄の雄篇。【「BOOK」データベースの商品解説】
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上巻以上の怒濤の展開。息をつく暇もなかった…。
2011/11/25 16:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻の冒頭で死体を発見した主人公・トーラは、上巻の最後には自分を傷つけようとする者から逃れようと、夫・ダンカンの実家に身を寄せていた。しかし…。そこもまた安全ではないことが、下巻の冒頭で明らかになる。一体、どこまで逃げれば安全だと言えるのだろう。トーラの敵は世界中の何処にでもいるような気分になってくる(実際はイギリスの片隅での事件なのだが)。
心にも身体も傷だらけのトーラ。満身創痍と言ってもよい。謎を追いかけるのはやめようという自分と、追いかけ続けようとする自分と闘ってばかり。結局は後者が勝つのだけれど、何が彼女をそこまで駆り立てるのだろう。「医者」としての良心なのだろうか。それとも…?
上巻では少しずつしか進まなかったように思えるくらい、下巻のストーリー展開のスピードは素晴らしかった。次から次へとトーラを死へと追いやろうとする”者”たち。下巻の途中で謎解きそのものは終わる。けれど、トーラの危機は去らない。そこからまたこれまでにも勝るとも劣らない”冒険”が幕を開ける。ホッと息をつく暇もないくらいだ。
シェトランド諸島に受け継がれる伝説を巧みに物語に織り込んだミステリ。謎解きとしては今一つ追い切れなかった部分もある。ストーリーを追うので必死だった。再読時にはもっと深く読み込めるだろうと期待している。それだけの力を持っていると感じる。
本書の原題は「SACRIFICE」。「生贄」と訳せばいいのだろうか。読み終えた今、そのタイトルの持つ意味がよく分かる。