「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:28,600円(260pt)
- 発送可能日:購入できません
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
幕末の混乱の中で皇位に就いた16歳の少年は、いかにして「建国の父祖」の一員へと成長したか。近代憲法にその存在を規定された天皇の政治への意思とは。国民国家の形成とともに「万国対峙」を追求した大帝の時代を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
明治天皇と近代日本。
2011/08/02 21:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治天皇の御生涯を通して見た幕末から崩御までを書いた本であるが、明治天皇の評伝ではない。あくまでも明治という時代を書いた本である。なかなか面白かった。
明治天皇の御写真といえば明治六年の肖像写真ぐらいしか知らなかったが、遠景を撮った写真が結構あるのは知らなかった。
昭憲皇太后には結構ページを割いていて、皇族について書かれた箇所はあるが、韓国併合後に創設された王公族について触れられている箇所は少ない。
気になったのは「敗戦まで国師・禅師号を、仏教者に発給し続けた。」(13頁)とあるが、今年法然上人に大師号が加増されたが、今でも大師・「国師・禅師号を、仏教者に発給し続け」ているのではないだろうか?昭憲皇太后について「皇太后になってのち贈られたので昭憲皇太后となり」(105頁)とあるが、貞明皇后と香淳皇后も追号は「皇太后になってのち贈られた」のでは?
紙の本
鉄漿白粉袴束帯の和装から軍服をまとった帝国の指導者へと変身
2011/09/09 14:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
講談社の天皇の歴史第7巻がいよいよ幕末を経て明治に突入しました。一身にして二生を経た父孝明天皇と同様、明治帝もまた朝廷の奥に巣食う繁文縟礼と神人一体祭政一致の魑魅魍魎の混沌に浮沈しながら、薩長の指導者、元老の補弼に導かれながら、みずからを近代化・西洋化していく。
幼くして宮中の保守的な侍補や儒家、女官の影響下で軟弱に育った頑迷な少年が、西郷、大久保、長じては伊藤博文が描いたグランドデザインに基づいてその怠惰で放恣な性格を矯正し、鉄漿白粉袴束帯の和装から軍服をまとった帝国の指導者へと変身していく姿は感動的ですらある。
川村海軍相の落ち度に対して西瓜を投げつけて叱咤する大西郷の英姿を目に焼き付けた若き日の明治帝が西南戦争で落命したこの最後の武人を追慕して政務を一時拒絶する姿も涙ぐましい。
しかしのもとで政治的人間として成熟した明治帝は、明治憲法が規定する元首として、その掣肘の元で内閣と議会の三角関係の安定正常化に腐心し、これを生涯に亘って巧みに制御することに成功し、あわせて「明治の精神」を文字通り体現したといえるだろう。
彼が生涯につくった御製はなんと九万三千三十二首のおおきに達するそうだが、これは彼が覇王の主たる用務としての文雅の道に忠実であったのではなく、新たに課せられた政務への取り組みの慰謝と代償行為であったのではないだろうか。
しかし明治帝と明治憲法の父とも称すべき伊藤博文は統帥権の独立と日露開戦、国家神道の跳梁を許し、朝鮮併合にあえて反対しなかったことで昭和天皇下の大日本帝国崩壊の素地を用意していたともいえよう。