紙の本
圧倒的なわかりやすさ
2015/10/22 15:42
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投稿者:しろくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともと講義録をもとにしているようで、非常にわかりやすい。読み手に読み続けさせるコツを披露しているが、まさに本書においてそのコツを実践して見せています。扱っている内容は本来難しいものなのでしょうが、現代思想に暗いわたしも最後まで楽しく読めました。
そして、何より、本書に出てくる書籍や映画に思わず手を伸ばしたくなるという、次のアプローチのための華麗なパスを送ってくれます。
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映画の話メインというよりかはタイトルにもある通り映画を通しての現代思想。自分には小難しい部分が多々あり読むのに少々苦労した。ヒッチコック映画の話は興味深かった。映画を見直して再度読み直したい。
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「アメリカは嫌いだ」と、
ぼくはぼく自身がそう思っていると感じている。
しかし無意識は、
「アメリカが好きで好きで仕方が無い」
かもしれない。
けれども、
「アメリカを手に入れられない」
という耐え切れない絶望から逃れるため、
「アメリカは嫌いだ」
という欺瞞で自分自身を守っているような気がした。
ということを考えられる本(どんな本だ)。
前文の「アメリカ」を
「女」に変えると、
この本に書いてある「アメリカのミソロジー(うろ覚え)」と同じである。
他にも、無意識の抑圧やら
代理表象やらを映画を使って説明してくれている。
さすが教師。
わかりやすい。
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現代思想を映画を通じて学ぶという本。映画にながれる現代思想を分析する手法はよくあり、ヒッチコックなどよく取り上げられるが、ゴーストバスターズまで、でてくるとは思わなかった。よく覚えていない映画もあり、その映画を見てから改めて読み直してみたい。
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現代思想による映画分析、ではなくて、映画による現代思想解説。ヒッチコックによるラカン。
私、映画にそれほど興味がないのですが、それでも十分楽しめました。
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さらっと読める、「映画を素材に使った、現代思想の入門書」。
映画批評とかいうと、気合入れて何かを糾弾しているような文章が多かったりするけど、比較的ニュートラルな立場で、材料として映画と向き合っている姿勢にするっと寄り添えました。
映画だけじゃなくて、物語・テキスト・表象・意味・・・そんな広い諸々をいっぺんに考えられるとともに、映画の他にはない特性をはっきりと知ることができる一冊かな、と思います。
次に何か読みたくなるし、観たくなる。
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いろいろと聞きかじってはいるものの、一言で言えば!的にまとめることがとても難しいのが現代思想ですが、この本の最初の30ページくらいはそのざっくりまとめがとてもよいです。構造主義の魅力は、言葉にすることができないことを言葉で追い詰めていくスリル。理論的裏付けとか、厳密性の優先度を落として徹底的にスリルを追求するとこのような文章となるのかと。
ヒッチコックの映画を読み解くのは、トリュフォーの「映画術」でいいかなと思いますが、値段が10倍で版型も厚さもぜんぜん違うので用途によって使い分けるのが吉。
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映画が、見たくなりました。(実際借りてきました)
分かんない言葉は調べつつ読みました。
(なんとか解ったかもしれません)
自分が普段ほとんどしないことをしたくなった、
という意味でとても面白い本でした。
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読もう読もうと思っていた本だが、丁度文庫化されて有り難かった。ただ結論から云うと、個人的に映画の構造分析自体にはあまり興味が湧かないのであったw。ま、この本自体は映画をサカナにして構造論を語ったものである、ということなのだけどね。でもそれ以外の部分におっ、と思わされる、さすが内田樹という記述がちらほら。
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その映画には、一体どんな意味があるのか。その意味から、現代思想を読み解いてゆくという、現代思想の入門書。
心に残る映画は、その当時の思想が深く根を降ろしていることを、有名な映画を思い出しながら辿ってゆける。あのシーン・映画にはこういう意図があったのか、と読みながら懐かしさが少しこみ上げてくる。
心に残る映画とは、思想の根底から土台を作り上げ成り立っていると思った。その思想を、映画監督は意識的/無意識的に演出として映画にし、思想家は分析して論じる。このアウトプットの違いはあるが、この二つの道を上手く結びつけて、本書は現代思想を丁寧に論じている。
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取り上げられている映画の中で、知らないものがいくつかあったため、知っているものが取り上げられている章と比べて、理解に差が出た。
エイリアンとかゴーストバスターズとか、また見たくなったってことは、内田先生にまんまとやられたことになる。
アメリカンミソジニーについて書かれた、最後の章は、映画を知らない割にスラスラ読めた。
柔和で喉越しのいい文章だ。
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本著で取り上げた映画をもう一度観てから、また読んでみたいと思いました。
ほとんど観たことはあったが内容を覚えていないものも多かったので。
■この本を知ったきっかけ
著者のブログで見て。
■読もうと思ったわけ
本屋で見つけて面白そうだったので。
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相変わらずのウチダ節。
でも、なんでもありのブログ本と違って、映画を題材にした現代思想の解説本と、テーマが絞ってあるので、こちらも集中して読めました。
ふつうの解説本なら途中で投げ出したくなるような難しい言葉を、一見易しい言葉で説明してくれているので、最後まで一気に読み通すことができました。ホントに分かったのか、と言われると、心もとないですけど。
映画をこのように見ることができると、楽しみが倍増するでしょうね。
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う〜ん、やっぱり深読み・こじつけが過ぎるんじゃないの?と思ってしまう。
「エイリアン」については私は甚だ疑問で、「裏窓」についてはナルホドねえ〜と面白かった。
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内田さんは何度も何度もおさらいのようにラカンやフロイトのことを説明してくれてとても分かり易い。
それに合わせて映画と照らし合わせてくれてくらるから尚更分かり易い。
エイリアンのリプリーが猫を取りに行くシーンがずっと疑問だったが、なんとなくわかったかな。