紙の本
ガーディアン紙が見たウィキリークス
2016/07/16 18:11
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投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウィキリークス本を続けざまに3冊読んだ。ウィキリークスの元No.2による『ウィキリークスの内幕』、独シュピーゲル誌による『全貌 ウィキリークス』、そして英ガーディアン紙による本書だ。いずれも読みごたえがあって面白いが、本書が最もディテールが充実している。そして各章の冒頭に、証言者の印象的なセリフが抜粋されているのが面白い。
紙の本
内容紹介
2011/02/07 13:56
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投稿者:講談社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2010年11月、アメリカ国務省の外交公電を一斉に公開し、
世界中を驚かせた内部告発サイト「ウィキリークス」。
このときリークされた公電の内容がきっかけとなって、
チュニジア・エジプトの政変劇につながったとも言われています。
そのウィキリークスに最も早くから接触し、
アフリカ・イラク戦争の報告書や外交公電のスクープを連発したのが、
調査報道を得意とするイギリスの名門リベラル紙「ガーディアン」でした。
昔のドラマの刑事のような、昔気質のユニークな新聞記者軍団と
ジュリアン・アサンジ率いるミステリアスな組織「ウィキリークス」が
ときには激しく対立し、ときには真摯に協力しながら、
世界を大きく変えるほどのスクープ報道を繰り広げていった、
その壮大なドラマ、全真相を当事者の「ガーディアン」記者チームが描きます。
「ウィキリークス」は何をしたのか?
謎だらけの組織「ウィキリークス」とは何か、
はたしてアサンジとは何者なのか、
すべてが明らかになります!
【著者紹介】
THE GUARDIAN (ザ・ガーディアン)
1821年にマンチェスターで創刊された、イギリスでもっとも権威ある新聞の一つ。中道左派・リベラルを標榜する。権力におもねらず、政府・大企業の汚職や一つのテーマを深く掘り下げた調査報道で知られる。アフガニスタン紛争、イラク戦争時には反戦の立場を貫いた。大手メディアとしてはウィキリークスにもっとも早い段階で接触し、一連のスクープ記事を連発した。
デヴィッド・リー David Leigh
30年以上のキャリアを持つガーディアン紙の調査報道記者。世界第4位、英国最大の防衛関連企業BAEの賄賂疑惑を暴くことに成功、同社に4億ドルにのぼる罰金を支払わせた。最近では、多国籍石油取引大手トラフィグラ社による有害廃棄物の不法投棄問題で報道賞を受賞している。現在は、シティ大学ロンドンで報道について教鞭を執っている。
ルーク・ハーディング Luke Harding
数々の受賞歴を誇るガーディアン紙モスクワ特派員。ニューデリー、ベルリン、ロシア特派員を務めたほか、アフガニスタンやイラクほかの紛争地帯から現地報告するなど、10年以上にわたり同紙で外交問題を担当してきた。
【訳者紹介】
月沢李歌子(つきさわ・りかこ)
津田塾大学卒業後、外資系証券会社勤務を経て翻訳家に。主な訳書に、『フォールト・ラインズ「大断層」が金融危機を再び招く』(共訳、新潮社)、『ラテに感謝! 転落エリートの私を救った世界最高の仕事』(ダイヤモンド社)、『ディズニーが教えるお客様を感動させる最高の方法』(日本経済新聞社)、『営業の赤本 売り続けるための12.5原則』(日経BP社)などがある。
島田楓子(しまだ・ふうこ)
大阪市立大学文学部卒業。翻訳家。主な訳書に、『おもてなしの天才 ニューヨークの風雲児が実戦する成功のレシピ』(ダイヤモンド社)ほか。
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ウィキリークスに最も早くから接触し、外交公電のスクープを連発した英ガーディアン紙によるウィキリークス本。ちなみにガーディアン紙とは、中道左派・リベラルを標榜しており、調査報道で名を知られる名門新聞社である。
◆本書の目次
1 秘密の館
2 技術兵の「正義」
3 ジュリアン・アサンジ
4 ウィキリークスの誕生
5 「アパッチ」のビデオ
6 ラモとの対話
7 取引
8 作戦会議室
9 アフガニスタン戦争報告書
10 イラク戦争報告書
11 公電
12 世界一有名な男
13 パートナーの不安
14 嵐の前に
15 公開日
16 史上最大の機密漏洩
17 ウォンズワース獄舎のバラッド
18 ウィキリークスの行方
ウィキリークスと協働関係にあった新聞社による本は、独シュピーゲル誌による『全貌ウィキリークス』もあるのだが、そちらが客観的な立場で描かれているのに対し、こちらは自社自身も一人のプレーヤーとして主観的に描かれており、表現も生々しい。これは、最終的にウィキリークスと対立関係に陥ったということによる影響もあるのかもしれない。多少センセーショナルな書き方をしているので、良くも悪くも、週刊現代の記事を読んでいるかのような感覚だ。
ウィキリークスに関して保持している情報としては、独「シュピーゲル」誌とほぼ同じであると推測されるが、最も興味を惹かれるのが米外交公電のリークを行う際のジュリアン・アサンジとのやり取りである。互いに協力しあい、キュレーション・ジャーナリズムとでも言うべき新しい道を見出しながらも、ジュリアン・アサンジの必要以上に介入してくる姿に対立構造が深まってくる部分の記述は、本書ならではのものである。
これまでに国内で発売されているウィキリークス本は、ほぼ全て読んできた。いずれも読み応えがあったのだが、どこか自分事化できないのも事実である。幸か不幸か、日本という国に与えたインパクトがそれほど大きくないからであろう。この先、日本を大きく揺るがすような出来事が起こって欲しいような、欲しくないような、実に複雑な気持ちである。そしてこの二面性こそ、ウィキリークスの本質なのだろう。
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インターネットに国境はないけれど、日本と世界との情報の差を痛感させられる内容だった。これだけのことが起きても、ほとんど国内では話題にもされないのだから。もちろん個人的な不勉強も少なからず影響していると思うのだけど・・。
それと、この一連の事件の渦中にあったガーディアン紙が執筆をしているということで、自己弁護に過ぎる感じは否めなかった(そういう意味では新聞社というのはどこもかわらない)。正確な意味で第三者的な立場というものはないだろうけど、別の角度からの考察は必要。
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この本が執筆された時点でムバラクやカダフィーはどんな気持ちだったんだろうか。アメリカはアサンジに対して強烈な攻撃を加えたが、皮肉にもアメリカ掲げる自由が広がる結果になった。これから先の世界はますます隠し事が出来なくなる。何もかもばれてしまう。心して正義を実行しなければ続かない。
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スパイ小説のごとく面白い♫ 日本ではそれほど取り上げられなかったけど、こんな世界もあることを知っておかないといけない‼
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ウィキリークスというよりはアサンジ氏を掘り下げた読み物。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/3894466.html
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Wikileaks、そしてJulian Assangeを知りたいのであれば、まずは本書を読むのが一番良い。
本書を書いたのはガーディアンの記者であり、ガーディアンこそWikileaksとずっとタッグを組んでいたからだ。
Wikileaks以後の世界になった今、必須の一冊。
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初めて読んだWikileaksのノンフィクション。
筆者が実際にWikileaksと密にコンタクトをとっていたガーディアンの記者であるからか、創設者ジュリアン・アサンジの人となりから公文書リークに至るまでの経緯などがとても鮮明に描写されている。
日本のマスコミには取り上げられなくなって久しいが、アサンジを含むリーク関係者の起訴はリアルタイムで進行している。本を読んで興味を持たれた方はCNNなどの海外メディアをフォローするといいかも。
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この本だけを読むと、アサンジさんはただのお調子者にしか見えない。
目立ちたがり屋の、お調子者で軽い人間が、思い付きから行動を始めて、周りを巻き込みながら進んでいく。
周りの協力もあって、事は成されるのだけど、当の本人はさらに調子に乗り、そのせいで厄介ごとを引き起こす。
いざ厄介ごとが起きると、本人は情けないほど狼狽し、慌て、さらに事態を悪くさせる。
ひとつもいい印象がないですね。
果たしてそれは真の姿なのだろうか。
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アサンジの人物像と、外交文書公開に至るガーディアン紙らMSM(メーン・ストリート・メディア)の動きを描いた作品。「情報は自由であるべきだ」。マスコミが「正義の味方」でないことがはっきりした現在、この考え方は広く一般に受け入れられると思う。つまり、情報の提供者の質も問題ではないのだろうな。アサンジはまさにそれを体現しているわけだ。あと、ガーディアン紙の自画自賛がいささか鼻につく。
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類書「全貌ウィキリークス」が独シュピーゲル誌がみたウィキリークスであるのに対し、本書は英ガーディアン紙からみたもの。ドイツ版に比べて読みやすく面白い。翻訳もこなれている。
チュニジアのジャスミン革命の際、米公電が公開されたことも一つのきっかけになったという下りが極めて興味深い。米国務省は公電の公開は外交上の問題となるとしたが、むしろ民主革命を進める意味もあった。西側先進諸国とその他の国々とでは受け止め方がかなり違うということだろう。
アサンジの裁判、彼を支持する人々の動きなど、上記以外にも興味深いエピソードが多い。エピローグに書かれているように、本書はウィキリークスを巡る第一章に過ぎないのかも知れない。
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ガーディアン誌の記者?複数の視点から見た、Wikileaks創設者のアサンジの人間性について書かれた本。
記者の目線から主観的に書かれてるだけで、さらに複数の人からの話なので、本を最初から順番に読むだけで「アサンジはこんなひと」っていう唯一のイメージが掴めるわけではない。そういう意味ではちょっと読むのが面倒?退屈?な構成。
そんな中でも、アサンジがそんな「凄い」人ではなく、単に「変な」人なんだなー、という事はわかった。その思想に盲目的に惚れ込む人もいれば、醒めて離れていく人もいる。基本的に「凄い」わけじゃないので、Wikileaksがこれからも続けていけるかはちょっと怪しいのかも。
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ジュリアン・アサンジが英ガーディアンその他4紙と協働して、外交公電約数十万点のうちに2000点を公開するという歴史的行動に移るまでの軌跡。興味深かった点は2つ。まずひとつは外交公電を仮に未編集のまま公開した際に被害を被る人物が出ないよう、ガーディアン含めた報道機関が詳細な裏付け調査をしている点である。ナマの情報をそのまま公開することの危険性は人物への危害だけでなく、現在遂行中の作戦に支障が出るなどいまの自分にはうまくイメージができない範囲にも及んでいた。2つめは数十万点に及ぶ公電を検索するための独自システムを立ち上げて、精査していく過程である。「イラク」とただ打ち込んでも、候補が数千件に及ぶこともある。また死者数についても民間人と反政府側の人間の区別が戦闘開始時期によっては厳密に記録されていなかったり、当然記録漏れもあったりと、そもそも使えるデータとして機能していない場合もある。それらは記事執筆に際しての、「データの信頼度」として考慮すべき点となる。意外なワードを打ち込むと、面白い検索結果が表れてくるというのも、面白かった。
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Wikileaks騒動を考える上で外せない本。それにしてもアサンジ氏がなぜこの書籍刊行前に弁護士を連れて著者らに出版差し止めを求めたのか、ずっと理由が曖昧だったが、どうやら書籍内に書かれた米公電暗号化ファイルのパスワードがモロに書かれていた件が原因だろうと私は推理する。