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紙の本
美の遍歴 (平凡社ライブラリー)
著者 白洲 正子 (著)
白洲正子の眼には、国宝級の名品を見るときにも普段使いの道具を見るときにも、変わらぬ一本の筋がある。それは、白洲が日常の生活で育んできた凛とした美意識である。したがって、そ...
美の遍歴 (平凡社ライブラリー)
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商品説明
白洲正子の眼には、国宝級の名品を見るときにも普段使いの道具を見るときにも、変わらぬ一本の筋がある。それは、白洲が日常の生活で育んできた凛とした美意識である。したがって、その眼は、日本文化を見るときにも揺らぐことがない。ここに収録した文章は、文筆家として歩き始めた白洲正子がたしなみつつ著した初期の作品群である。【「BOOK」データベースの商品解説】
身近な草花へも、生涯にわたる能とのつきあいにも独自の感性がきらめく−。美を訪ね、自らの感性で新たな価値を見つけていった白洲正子によるエッセイ集。文筆家としての出発点を知る格好の書。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
白洲 正子
- 略歴
- 〈白洲正子〉1910〜98年。東京生まれ。米国ハートリッジ・スクール卒業。作家。「かくれ里」で第24回読売文学賞受賞。ほかの著書に「花にもの思う春」「木」など。
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紙の本
生誕100年・白洲正子さんの没後見つかった原稿をまとめて文庫化
2011/01/26 19:10
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家の白洲正子さんは去年でちょうど生誕100年。
彼女の美意識の高さは良く知られるところでありますね。
この一冊は、彼女が1998年に88歳で亡くなった後に、白洲邸に埋もれていた原稿を集めて公刊された数冊を、まとめて編集、文庫化されたもの。
「白洲正子はともかく自分の足で歩いた。先人たちが周囲の山川草木の歌や声を聞き、ひたすら時間をかけて歩くことで煩悩を鎮めていったその道のりを、先人たちと同じように愛し畏れ敬いながら歩いた」と解説にもあったが、彼女のいろんなものに対する真摯な姿勢に、頭が下がった。そして彼女のみずみずしい感性にいくども心が震える想いがした。
友だちの青山二郎さんとのエピソードも忘れ難い。
ちょっとそこを引いてみますね。
「何々しようと思うけど、どうかしら」と聞いたとき、
「人間は、思ったり、したり、できはしない」といわれたことがある。
何々が何であったか、今は忘れてしまったが、青山さんのことばはあまりに真実で、私は黙らざるを得なかった。
いらい、思うことはふっとやめてしまったが、むろん凡人のことだから、様々な妄想が浮かばぬはずはない。
また、あるとき彼女は銀座の画廊でセザンヌの静物画を見たことがあった。
「感動したなんてものではなく、ショックを受けたのだった。わずか三号ぐらいの小品だが、そこには正しくある充実したものがあった。それは『存在している』としかいいようのない確かさで、私の心身をつらぬき、何が描いてあったか覚えてもいない。」
この心の動きこそ、彼女の美意識の原点なのかなぁ~と思うこと、しきり。幼少のころから、関わりのあった「能」に関してのエッセイも興味深く読みました。