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アフガンの男 上 (角川文庫)
2006年。アルカイダ幹部が逮捕劇中に死亡、そのパソコンからテロ計画書が発見される。世界を未曾有の恐怖に陥らせる大規模テロ。だが、米英謀報部がどれほど手を尽くしても詳細は...
アフガンの男 上 (角川文庫)
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商品説明
2006年。アルカイダ幹部が逮捕劇中に死亡、そのパソコンからテロ計画書が発見される。世界を未曾有の恐怖に陥らせる大規模テロ。だが、米英謀報部がどれほど手を尽くしても詳細は不明だった。そこで、1人の男に白羽の矢が立つ。マイク・マーティン—かつて湾岸戦争の際にバグダッドへ潜入し、任務を成功させた褐色の元SAS将校が再び敵地へと送り込まれることになる!円熟の著者が放つ、軍事スリラーの金子塔。【「BOOK」データベースの商品解説】
逮捕劇のさなかに死亡したアルカイダ幹部の残したPCから、大規模テロ計画の文書が発見される。米英諜報部は内情を探るため、元SAS将校を収容中のタリバン戦士の替え玉としてアルカイダに潜入させる……。【商品解説】
著者紹介
フレデリック・フォーサイス
- 略歴
- 1938年イギリス生まれ。空軍のパイロットなどを経て、ロイター通信、BBC放送の記者を勤めた後、作家に。71年ドゴール暗殺をテーマに書いた長編『ジャッカルの日』で小説家としてデビュー。綿密な取材とストーリーテリングの天賦の才で世界をわかせ続けている。
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やや凡庸で終わった感がある
2010/09/05 21:25
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
絶筆のはずのフォーサイスがいつの間にかまた書いている。アフガンの男は9.11に刺激されたかのように、アルカーイダへ潜入するスパイの物語である。文庫本上下2冊であるが、文字が小さいので2冊分でもボリュームはある。ここで登場するスパイはすでに自分の小説『神の拳』で登場させたマーティンである。再登場になるが、もう40歳台半ばという年齢で、スパイとしてはやや体力的に心配がある。
と考えるのは素人のようだ。選びに選ばれたアラブのスペシャリストだからである。アフガニスタンの組織なので、とくにアラブということはないはずだが、実在のアラブ人を登場させ、その替え玉という立場なので役が回ってきたという設定である。
フォーサイスの小説がいつもそうであるように、この小説でも実際にことが起きるまでの背景説明や準備、その進行の説明にかなりのページを割いている。いざことが起きるとあっという間に結末に達してしまうのである。映画にでもすればバランスは問題ないのかもしれないが、書籍では均衡がとれないかも知れない。
会話がほとんどなく、ストーリーの進行が淡々と語られるいつもの調子である。アフガニスタンの反政府組織タリバン、アルカーイダなど詳細に説明がなされており、読者はぐいぐいと引き込まれていく。
ただし、9.11を越えるテロ計画を検知したという触れ込みにしては、計画自体の規模などを想像しにくい。しかも、舞台がアフガニスタンなので、日本人にはなじみが薄く、ピンとこない点が多い。計画の準備自体は詳細に語られているのだが、これもなじみがないのでそんなことがどれほどの効果をもたらすのかも想像できない。
というわけで、残念ながらフォーサイスを堪能したとは言えなかった。しかし、こういうスケールで物語がかけるのはフォーサイスを置いて他にはいないのも確かである。そういう点では国際政治、国際経済の分野でそろそろ後継者が現れてもおかしくはないのだが、誰かいるだろうか? あるいは期待の持てる作家はだれであろか?