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商品説明
恋に戦う君を、誰が笑うことができようか?何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化、奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち。【「BOOK」データベースの商品解説】
恋に戦う君を、誰が笑うことができようか? 何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さくて大きな変化。奔放な想像力がつむぎだす、不穏で愛らしい物語たち。『野性時代』掲載に書き下ろしを加えて書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
太陽の上 | 5−26 | |
---|---|---|
空を待つ | 27−48 | |
甘い果実 | 49−70 |
著者紹介
西 加奈子
- 略歴
- 〈西加奈子〉1977年テヘラン生まれ。関西大学法学部卒業。「通天閣」で織田作之助賞受賞。ほかの著書に「きりこについて」など。
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紙の本
謎のナオコーラ
2012/04/17 21:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:お月見 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙のイラストも作者の西加奈子さんが描かれたもの。迫力があって見ているとどきどきします。(西さんのサイトのトップ絵とかギャラリーも、熱くて圧倒される絵で、開放感と閉塞感を同時に感じてどきどきします。西さんの小説にも通じる感覚かもしれません。)
現実と幻想が混じり合った描写が多く、ストーリーがあるようなないような、つかみどころのない印象の短編集です。
一番面白かったのは表題作の「炎上する君」でした。タイトルが印象的で 君、というのは誰のことなのか、ずっと考えながら読んでいました。足が炎上する男の噂話を耳にした主人公と友人が、一度その男を見てみたいと探索をはじめるのですが、この二人のキャラがとんがっていて意固地で、女子高にたま~に居るタイプ。成績は良く仕事もできるけれど男嫌いで友人が少ない。そんな二人がついに、炎上する男に会うことができたのですが、そこから二人の気持ちに変化が訪れます。もしかして、 君、というのは源氏物語の「光る君」のような、いとしの君、といった意味もあるのかしら。ラストは、恋愛中のすべての人に向けて 君、という呼称がつけられていました。恋愛中(とくに片思い中)の人なら元気がでてくる物語だと思います。
一番不思議だったのが、3つめの短編「甘い果実」の中で、作家志望のヒロインがしきりに「山崎ナオコーラ」の名前を連呼していたこと。何故?奥付を見ると、7つの短編が「野性時代」で発表したもので、最後の一編だけが書き下ろしでした。もしかして「甘い果実」が載った野性時代で山崎ナオコーラさんの特集とかしていて、トリュビュート作品だったのかしら?ほとんどやけっぱちみたいにナオコーラナオコーラと言っていたので、おまけにご本人も登場するし、思わずまだ読んだことのない、ナオコーラさんの小説を読みたくなってきたほどでした。