紙の本
変革は前進あるのみ
2010/03/04 08:45
10人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年アメリカの大統領にオバマ氏が就任したときには、他国のことながら、さすがあの国はいいところもあるではないかと感心したものだ。彼らは「CHANGE(変革)」を選択したのだ。
その風にあおられるようにして、この国の政権も変わった。
もし、アメリカがオバマ氏を選ばなければ、この国の政権も変わらなかったかもしれない。そのとき、機運としては「CHANGE(変革)」はあったはずだ。
しかし、残念ながら、政権が変わったはずなのにこの国の政治は旧態依然とした「金と政治」の議論であり、審議拒否である。
一体何が変わったのだろう。
この国ばかりではない。オバマ大統領の支持率さえ急激に下がっている。やはり、「CHANGE(変革)」などありえないのだろうか。
勝間和代のいう「チェンジメーカー」とは、「日本をより良い方向に変えるため、世界をより良い方向に変えるため」の「変革者」のことである。
本書のもととなった週刊誌連載が始まったのが2009年の初めであるから、おそらくオバマ大統領の就任により、多くの人たちが「CHANGE(変革)」の可能性を信じていたはずだ。
そういう点では、週刊誌連載時には希望に満ちた文章だったろう。
しかし、残念ながら、この国においてはその希望は明らかに萎みつつある。
本書のなかで、勝間和代は「政治家に政治を預けるな」や「「シルバー資本主義」を打ち破ろう」といったように、政治や経済の変革に声高に熱く語っている。
画一的に語ることがすべてではないにしても、共感できる点も多い。
しかし、「CHANGE(変革)」に失敗は許されない。変革の失敗は過度の失望を生む。
「CHANGE(変革)」を信じて初めて投票に行った若者たちは、現状の政治の状況をどうみるだろう。変革がすべてよい選択であるとは思っていない。しかし、少なくとも変革がなされないとき、次善の策は用意しておかなければならない。それこそ変革の技ではないだろうか。
そして、成功体験を持たせることも肝心だ。無為徒労は変革の弊害となる。どのような小さいことであれ、「CHANGE(変革)」の芽を出すこと。これこそ、「変革者」の使命である。
勝間和代のいうように、誰もが「チェンジメーカー」となりうる可能性はある。そのためにも「CHANGE(変革)」は失敗させてはいけない。後退させてはいけない。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
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AMAZONレビューほどは...
2011/06/11 08:34
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
勝間さんの本がとうとう10冊目になりました。自分にとっては「あたりはずれ」がある著者なのですが、今度は...?ひとつ言えるのは「読みやすい」という点です。これに関しては「はずれ」は少ない(「無い」わけではないけれど)。
多分メインと思われる主張は、「今の、そしてこれからの社会は、自分で自分を守ることが必要」「社会を少しでもよいものに変えていくのは、政治でも国でもなく、市民ひとりひとりの力」ということ。もはや多くの人が感じていることだけれども、国や政治、制度が市民を守ってくれることは可能性が低いですね。会社もしかり。これは以前の社会から変化=チェンジしたことの大きなポイントだと思われます。それゆえ、自分を高めて自分を守っていかなければいけない。守るには自分を高めることが近道です。これは確か。この主張は同意です。が、その「変えていかなければいけない社会」については意見が異なります。少子化対策や女性の地位向上のために著者が主張する、「サポートすべきは高齢者ではなくて和若い世代」という点や、「総労働時間規制」というのは、疑問符です。自分が「高齢者」に近づいているせいもあるかもしれませんが、そもそもの「高齢者」という定義(60歳は高齢者じゃないよね)の見直し、とか高齢者の生きる場面を充実させることはやっぱり必要で、優先順位がけして低いものではないと思いますよ。あと、労働時間ですが、「長時間労働が少子化の原因のひとつ」という著者の主張もあながち間違いではないと思います。が、自分の経験からしても若い世代は、長時間働いてもよい、というか、長時間はたらくべきだと思っています。「量から質」ということを実感として信じている自分としては、長時間働いていた経験が、あらゆる場面で役に立っています。技術や仕事術だけではなく、考え方、とかも。もちろん著者は「長時間=悪」ということではなく、選択できる環境を、という主旨で説いているのだと思いますけれどね。
一番不自然だったのは、このように「自分」や「社会」を変える、という、前向きなテーマの間に、「婚活必勝法」なるものが挟まっていること。勝間さんがたまに文章にする「女」というテーマはあまり好きではないなあ。特にこの本のこの内容の中には「必勝法」は不要でした。それは自分が男だから、ではないと思うよ。
全体としては、誰に向けた本なのかなあ、って、なんだか「薄い」感じがする内容でしたが、著者の本のポイントである「読みやすさ」はさすがですね。AMAZONの★はあまりに極端すぎ。そんなにひどくはありません。多少、「子ども手当は私が主張したからだよ」的なところが多いのが気になりましたが...あと、勝間さんの本は、ほぼ必ずご自身の他の著作の引用、紹介があるんだけど、この本にはあまり出てこなかった...と思っていたら、「あとがき」で登場しました。
さすが「クロスセル」を狙いますね。通販企業に勤める身として参考にします。
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良くも悪くも勝間さん
2010/08/23 11:23
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投稿者:JE - この投稿者のレビュー一覧を見る
この方が、自らの肩書を「チェンジメーカー」としていることはテレビなどで見ていても、無いですけど。
いろんな社会的なテーマを勝間さんが切るといった内容です。
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勝間和代さんの著作は初めて読みましたが、大学生の私にも分かりやすく日本の現状とその打開策を提言されていて、すばらしい本だと思いました。
日本を変えたいと思っている全ての人がこの本を読んで行動に移せば、日本は今よりも遥かに生きやすい国になると感じます。
勝間和代さんのことをもっと尊敬するようになりました。
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【感想】
勝間和代さんの本ですが、自己啓発本ではなく、社会変革への提言とでもいう内容の本です。
感想はとても面白いです。
いろいろな本の中で社会と技術と雇用の変化が描かれていますが、
それを一括してまとめてしまったような本です。
これからの社会の生き方と変えていく方法が書かれています。
自分が気に入ったのは6章:転職必勝法、7章:終身雇用神話です。
【転職を視野に】
・会社が消える
・部署が消える
・個人的な事情で仕事を変えざるを得ない
【終身雇用の問題】
・衰退産業から成長産業への人材移動が進まない
⇒終身雇用制度のせい
技術革新のスピードが急激に早くなってきていることは誰もが感じていることだと思います。
それらを考えていくとどの話も納得できる内容となっています。
時代の流れに自己を合わせつつ、少しずつでも社会を変えていこう、と考えるきっかけとなった本でした。
【内容】
若者に資源配分が行かないのは、私たち自身が選挙で投票しないことの合わせ鏡なのです。
魅力的な候補がいないから、私たちが投票に行かない、
私たちがまじめに投票しないから魅力的な候補が出てこない、
なんたる悪循環でしょう
30歳を過ぎると、どうしても体力と記憶力が落ちていきます。
どれだけ基礎スキルを向上させようとしても、20代のときと比べると、穏やかにしか成長できません。
だから、35歳頃までに、プレーヤーではなくマネージャーと脱皮することが必要となります。
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明快な論理で、要所になぜ×5が展開されているので説得力がある
「週間モーニング」連載とのことで、時折入っているイラストが、「西洋の甲冑
を着た若者が、老人と言う怪物に立ち向かっている」とか、「臨終目前で病室の
ベッドに横たわってる老人=日本の現状」とか、表現がドキツクて嫌悪感を
感じた
地方都市の中小企業で働いていると、転職市場だとか自分の市場価値を考える
機会は少なく、「つつがなく定年まで」と思ってしまうが、自分から辞めなくても
リストラや倒産で転職せざるを得ない状況は十分ありうるので、自分のスキルを
見直さないといけない思った
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勝間さんの最近の本では最も良かった。
日本の社会問題を厳しく指摘し、解決策を提案しています。
勝間さんの提言の中でいつも出てくるものですが、「労働一神教をやめる」「転職は当たり前」「終身雇用制度は悪」などは、身を以って実感しているため、読んでいて小気味がいいです。
彼女の本を読むようになってから、仕事以外の時間を大切にするようになったし、かといって仕事をさぼっているわけではなく、効率よく終わらせるための方法を常に考えるようになりました。
最近の不景気で、新卒の採用が激減していることがニュースになっていますが、新卒一括採用なんか止めて、誰もがもっと自由にいつでも職を選べるようになればいいと思います。
終身雇用制度が当たり前の世の中では、新卒で良い会社に入れなかったら一生リベンジもできないわけですし。
正規/非正規社員の区別によって、仕事の内容が同じにもかかわらず、待遇が全く違ったり、一度正社員のルートから外れてしまったら二度と正社員に戻れないような社会もおかしい。
勝間さんにはこのあたりの提言をずっと続けていってほしいと思います。
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ユニクロの考え方が似ているこの人。
だから好きな種類の人だと思った。
もちろん中身に柳井さんの話もでてくる。
ちなみにサイン本ゲットしました。
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この本は自己啓発書というよりは、政治等の世の中のことを勝間さんの視点から書かれている。日本を変えるには一人ひとりがするべき事を訴えているけれども、今までの勝間本よりもスケールが大きく感じた。
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チェンジメーカー 勝間和代
35才が結婚限界年齢。
理想の年収600万円は夢 結婚して共働きが現実
低い日本の労働生産性を長時間労働でカバーしている。
がんばりすぎる労働一神教から抜け出すことが幸せにつながる。
日本人は「目的思考」ではなく「同調思考」を優先する。
労働時間を短くするとその範囲で成果を出すことを考えるため労働生産性が上がる。
転職
自分の弱みより強みのみを伸ばそうとすれば、自分の価値があがる。
コモディティ企業ではなくスペシャリティ企業を選ぶ
スペシャリティ企業でありつづける会社を選ぶ
成長ステージにある会社を選ぶ
利益部門への配属を望む
自分の強みを積み上げられる転職先を選ぶ。
チェンジメーカーになるためスキル
体系化した知識
多くの実務上の経験 体系化した知識の具現化
具体的な成果
終身雇用
会社の寿命が社員の寿命より短い時代には終身雇用は意味がない。
ポータブルスキル 英語の読み書き等
失業対策
若年層へのセーフィティーネットの拡充と高所得者への寄付の拡充
取引先のめんばーを自社の社員と仮定して仕事をする。
ビジネスモデルの陳腐化の速度が加速
外需に頼らない新しいびじねすモデルが必要
技術革新技術が進歩し過ぎて消費者にはわからない
インターネットの情報の速度を加速する
変化を否定せず正面から向き合って中立的に観察する。
1変化を見方につける
2早めに変化を見つけて対応する。
3自分を否定する。
成功は失敗の母
自分たちがやられたらイヤだと思う競争相手に自分たちがなる。
さらりーまんをしながら経営能力の磨き方
「社長の隠密になる。」
長期ビジョンを持つこと
顧客の変化を見極めること
顧客のにーずを先取りすること
心 技 体をもつ
技はマーケティング技術
体は自分ではなく周りにやりきらせる実行力
自分自信の人生戦略は会社ではなく自分自身
できめる。
格差社会は技術革新によってうまれた。
熟練技術が必要でなくなった
働き方革新が必要
チーム化 些細なことでも相談
仕事の見える化 アウトぷっとの見える化と
ぷろせすの見える化
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少しでも日本をよい方向へ変えられる「チェンジメーカ」になりたいと思いました。そのために下記5点を実施
・ポータブルスキルを身につける:まずは問題解決能力
・社会貢献:ボランティアに参加
・変化を好む
・人生の長期ビジョンを明確にする
・自分会社を経営する
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3ヶ月くらいほったらかしにしていましたが、とうとう読み終えた。
婚活の話は、「何もそこまでビジネス営業的にやらんでも…」と
けっこう引いてしまう(笑)。
ただ、この本の購入動機となった、転職のための心得、考え方、行動の仕方、現状打開の考え方は、やはり勝間式に則った納得の展開。お見事です。
勝間本のみならず、他のビジネス本、思考方法本にも共通の事項が書いてあったことには、やはり心を動かされました。
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■序章
日本の若年層の失業率は、全年代の平均値よりも高い。
■第一章
老人には①変化対応力、②失敗力、③我慢力、がない。
コインの裏返し施策:その場しのぎの質の悪い指示。
そうではなく、もっと細かく具体的な指示に砕く。そのためには、whyを五回繰り返す。
老人の老後への不安感を具体的に取り除くことで、老人の幸福度があがり、老害も減る。
■第二章
政治家が息子の世襲を考える場合は、なるべく覚えやすく、投票用紙に書きやすい簡単な名前にする。一郎とか太郎とか。
J・ウィラード・マリオット:「従業員を大切にしなさい。従業員に接したように、従業員は客に接する。」
私たちが政治家を大切にしないから、政治家も国民をないがしろにするのかも知れない。
■第三章:政治家に政治を預けるな
■第四章:結婚のすすめ
特に35歳を過ぎた未婚社員には、仕事熱心と言うよりも「仕事へのしがみつき」が生じている。
結婚生活のメリット:
①ワークライフバランスを考えざるを得ないので、生産性が向上する
②他人との学び合いの機会を得る
③ダイバーシティーに対する理解が深まる
35歳は、職業人として独り立ちできるかの転換点。それまでに核となる基礎スキルを身につける。
■第五章:労働一神教から抜け出そう
総労働時間を制限して、労働生産性を向上させる。
■第六章:勝間流転職必勝法
①会社の寿命は、個人の仕事人生より短い。
②自分の意志ではなくても、強制的な社内転職があり得る。同じ職種を続けたいのであれば、別企業を渡り歩く必要がある。
③私生活の変化でも、やむなく転職する必要に迫られる可能性がある。
転職する状況が訪れたときに、それをチャンスにする準備が必要。
コモディティ(市場で個性を失った商品)にならないように。小手先の技術を身につけただけでは、転職市場の動向に左右される。
転職前にやっておくべき分析:
①自社状況の分析。自社転換点自分の仕事を客観的に見られるように。
②転職市場の分析。日経の日曜版の求人欄とかで定点観測。20代から30代は、自分が持っているスキルよりも、自分がどの業界に属しているかで、発揮できる能力の幅が決まってしまう。
③自分の市場価値の分析。弱みを補おうとするのではなく、強みをより活かす方法だけを考える。
上記の三つから、自分のマーケティング活動をシミュレーシシナリオを考える。
自分がとれだけ幸福になれるかは、環境八割、実力二割。環境選びは慎重に。
コモディティ企業(どこにでもある会社)ではなく、スペシャリティ企業(市場価値のある特徴を持った会社)を選ぼう。
かつ、成長し続けられる企業・成長ステージにある企業を選ぶ。急激に成長している会社は、人手が足りず、出世のチャンスが多い。
→出世のしやすさも、企業・業界選びの重要なポイント。
自分の強みをさらに磨ける企業へ。
明確な作戦もないまま、なまじその時々の流行の業界を渡り歩いているだけでは、そのうちにスキルも給料も伸びなくなる。
転職は、目的ではなく手段。
スキルには段階がある。分かるとできるは大違い。
「①体系化した知識」→
細かい知識にこだわるのではなく、物事の本質を身につける、理解する。
「②多くの経験」→
一万時間の法則:ある分野の専門家になるには、一万時間を要する。(週50時間でも四年くらい)
「③具体的な成果」→
実際に業務に役立てた実績
■第七章:終身雇用神話にだまされるな
日本の労働生産性は他のOECD諸国と比べて低い。
日本社会のような高齢化状態・多数の高齢者を少数の若年層で支える構造が、将来の日本企業内にも起こり得る。そんな状態で国際競争力が今のように保てているはずはない。
国や企業がセーフティネットを用意できないのであれば、自分で用意する必要がある。その一つは「ポータブル・スキル」。
ポータブル・スキルは、必ずしも転職のためだけではない。現職でスキルを発揮することで、仕事の結果を出して、社内での自由度の向上につなげることもできる。「自分がいる環境で、自分のスキルを最大限に磨く」。
①他業界の事例を積極的に学んで取り入れようとする
②自分の仕事を体系化、普遍化する
③取引先企業の仕事の流儀まで学ぼうとする
■第八章:ビジネスモデルの陳腐化にどう対抗するか
「技術の進歩が限界まで行き着き、消費者には最早違いが分からない程度の革新」と、「逆に、既存の技術を全て無力化するほどの破壊的技術」。
競合相手にやられてイヤなことを考えて、それを自分自身で実行しよう。
■第九章:本当の経営者を育てよう
顧客を創造する方法:
①長期ビジョンを持つ
②顧客の変化を見極める
③顧客のニーズを先取りする
秒針、分針、時針とは別に、「四年針」を持って、長期的な視点で物事を考える。
経営の「定石」を身につけておく。仮説思考、MECE、定量化など。
自分自身を「会社」に見立てて経営者の視点になってみる。
■第10章:男女共同参画社会が日本を幸せにする
製造業の派遣社員解禁は、技術の進歩により熟練工が不要になったのが主要因。規制緩和ではない。
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初カツマー本。
思っていたより面白かった。
特に若者の選挙の話に共感。
まさに労働一神教信者と化した私にとって、働き方変えなきゃ !と思わせるものがあった。
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なぜを5回、繰り返す。
ソーシャルメディアを活用して、実名を使って政治家と対話する機会を増やし、国民的な議論を盛り上げていこう。日本は民主主義国家ですが、政治の世界はいまだに少数の人たちが物事を決めていくという共産主義国家にも似た古いモデル。
コモディティ企業(どこにでもある会社)でなく、スペシャリティ企業(市場価値のある特徴を持った会社)を選ぶ。
知識があっても、実際の知識を駆使して問題を解いていかなければ、本当の実力は身につかない。
1万時間勉強すれば、その道のプロになれる。
自らのビジネスモデルを破壊することは、遠回りのように感じられるかもしれないが、実は新しいビジネスモデルを生む出すための近道。