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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2009.10
- 出版社: PHP研究所
- レーベル: PHPサイエンス・ワールド新書
- サイズ:18cm/239p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-569-77204-2
読割 50
紙の本
あなたにもわかる相対性理論 (PHPサイエンス・ワールド新書)
著者 茂木 健一郎 (著)
「時間の遅れ」「物体の縮み」など、相対性理論をポイントを踏まえてわかりやすく解説。また、アインシュタイン思想の核心を10の視点から捉えなおす。巻末に著者翻訳の相対性理論「...
あなたにもわかる相対性理論 (PHPサイエンス・ワールド新書)
あなたにもわかる相対性理論
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- 税込価格:14,300円(130pt)
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商品説明
「時間の遅れ」「物体の縮み」など、相対性理論をポイントを踏まえてわかりやすく解説。また、アインシュタイン思想の核心を10の視点から捉えなおす。巻末に著者翻訳の相対性理論「第2論文」を全文掲載する。〔「アインシュタインと相対性理論がよくわかる本」(PHP文庫 2016年刊)に改題,加筆修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
天才と勇気は比例する。
2011/07/18 22:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る
米『TIME』誌によって20世紀を代表する人物に選ばれたアインシュタイン。その代表的理論である相対性理論を、アインシュタインを生涯のヒーローと仰ぐ茂木先生が解説した書。
アインシュタインは、ニュートン力学が世の常識としてまだ絶対的な権威を持っていた20世紀初頭に、その絶対的なるものを疑い、宇宙の真理を知りたいという純粋というか一途な思いをE=mc2という極めてシンプルな一行に結実させた。正直、『あなたにもわかる』という題名に納得するほど自分が相対性理論を理解できたがどうかわからないのだが、エネルギーはまったく次元が異なっていそうな質量と光の二乗に等価である、ということを突き止めた、そのとてつもなさはよくわかった。100年あとで、たくさんの解説を読んでも理解しきれないけど、世界は相対性理論によってすでに変化している。わたしたちはそんな、アインシュタイン後の世界にいる。
どんな人間がどんな生活の中でどんな頭の使い方をすれば、そんなすごいことに思い至るのか。詳細な筋道は巻末の論文全訳に譲るとして、その人となりを茂木先生なりに10の人間力として分解しているのが、本書の売り。
1.反発力
2.見えないものを見る力
3.粘り強く考える力
4.平等力
5.ユーモア力
6.浮世離れ力
7.方程式力
8.信じる力
9.自立力
10.友人力
アインシュタインがこのすべてをいつも実践していたかどうか、それは茂木先生にもわからないと思うが、この10個を人生の早い段階から発揮し続けてきたからこそ、誰も到達し得ない真理に辿り着き、億千万の人々の常識を覆すような革命を起こせたのだと思う。その所業は、地球の人類の極点に立ちすくんで独りで宇宙と対峙するような、誰も見たことのないご来光を浴びるような、生命をフル稼働させるようなものだったんだろうなあ。
でもなんで、アインシュタインには見えないものが見えたのか。
それはもしかしたら見えないとみられているようなものを変な偏見に惑わされずにただ見ようとしただけなのかもしれない。2000年も前、カエサルは「人は自らが見ようと欲するものしか見ない」と言ったそうだ。きっとアインシュタインは、見ようと欲したものの範囲がとてつもなく広かったんだろう。それは誰にも止めようもなく、どこまで見ようとするかはきっと、しがない世間になんて囚われず、己に正直になろうとする勇気の問題だ。だから天才と勇気は比例するらしい。良い言葉に出会った。
紙の本
アインシュタインに見る「生きる力」
2009/12/21 16:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒロ1958 - この投稿者のレビュー一覧を見る
TVでお馴染みの脳科学者・茂木健一郎氏が、尊敬(崇拝?)するアインシュタインについて熱く語った本、それが本書だ。
もちろん、題名どおり相対性理論について書かれた本だが、相対性理論を素人にもわかるように解説している本はこれまでにも多々あった。しかし、本書はそうした解説ものとは、一味も二味も違うのだ。
茂木氏は、アインシュタインという人間を描くことによって、相対性理論とは何かについて語り、科学が本来持っているロマンについて語っている。その上で、アインシュタインの天才性は、物理や数学の才能にではなく、その生き方にあると主張する。そして、人間アインシュタインの魅力を、10の「アインシュタイン力(りょく)」として提示し、私たちにも実践できる「よりよく生きるヒント」として紹介しているのだ。
「問いかけは根源的であるほど面白い」と茂木氏は言う。誰もが不変だと思い込んでいた時間や空間。それを、アインシュタインは「本当に不変なのか?」と根底から問い直した。アインシュタインが物理学の「常識」を覆した最大のポイントを、茂木氏はその問いにあると指摘する。まさに批判的思考そのものだ。
活字離れと同様、青少年の理科離れが叫ばれて久しい。本書は、アインシュタインという20世紀を代表する天才の生き方を通して科学のロマンと感動を呼び覚ます1冊だ。できれば高校生や中学生に読んでほしい。
紙の本
アインシュタインの思考の根源が茂木の筆によってわかり易く表現されていた
2011/05/23 23:33
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チルネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
TVで観ない週はないというほどメディアにどんどん露出している脳科学者・茂木健一郎の著作である。「脳科学の茂木さんが相対性理論?」と思ってしまったが、まぁ科学という繋がりとまえがきを読むと著者が相対性理論(というかアインシュタイン)について述べたかった訳が理解できる。
話が変わるがやっぱりこの「PHPサイエンスワールド新書」というシリーズには一言物申したくなってしまう。以前読んで記事にした常石敬一『原発とプルトニウム』でも言及したように、この新書シリーズのタイトルの付け方には難がある。本書は『あなたにもわかる相対性理論』というタイトルで、相対性理論についても図解や絵などでわかり易く説明している箇所もあるが、本書の内容のほとんどは相対性理論の事というよりかは、「アインシュタインで見る茂木の哲学」みたいなものなのだ。よって、アインシュタインの背景や信念や功績などでほぼ埋められており、これだったら「アインシュタイン入門書」という風なタイトルがしっくりくる。本書がこの新書シリーズ一冊目なのだが、一冊目からしてこういうタイトルの付け方ということは、やはりずっと内容を勘違いしてしまうタイトルだろうから、これからこのPHPサイエンスワールド新書を読まれる方は、タイトルで釣られず少し内容を確認してから購入・読書をはじめたほうがいいかも知れない(苦笑)まぁ悪くばかり言うのもなんなので少しフォローしておくと、このシリーズのラインナップを見るとなかなかすごい面子が執筆していて面白そうな本がいくつもある。池内了、佐藤勝彦、川上紳一、瀬山士郎、日高敏隆、養老孟司などなどなかなかのラインナップでしょ?(笑)
話がそれてしまったので本題に入ると、先にも述べたように本書は相対性理論を詳しく説明した本というよりかは、アインシュタインがいかに凄かったかということを、幼少期にアインシュタインを崇拝し始めた茂木が熱く語っているというものだ。相対性理論についても判りやすい絵などで説明されてはいるが、相対性理論やアインシュタインの関連本に興味があって読んだことがある者なら、すでに心得てるような事象しか載ってないのであまり参考にはならない。しかし、巻末にアインシュタインの最も有名な公式であるE=mc2を導いた【第2論文】がすべて掲載されていて、今までの記述と格段にレベルが違ってくる(笑)これは物理学をしっかりやってる者じゃないと理解できないような数式のオンパレードなので、全くこの導きの理解はできなかった。が、この論文、論文にしてはものすごく短いのだ。この短い論文をもってしてE=mc2という人類史上最もシンプルで美しい公式を導き出したアインシュタインはやはりそれだけで偉大だというのは身に染みてわかった。
でも本書を読んでいるとアインシュタインの偉大さは世紀の大発見をしただけではないというのを感じれること。それは著者の茂木の筆力と言っても過言ではないだろう。まず茂木のアインシュタインに対する眼差しがものすごく熱く、茂木の出発点がアインシュタインであり、科学のあり方をアインシュタインで体現してところが理解しやすい。「アインシュタイン力」という10の項目にわけて「アインシュタインはこうだった、だからこんな偉大なことができた」など、さすが脳科学者だというようなシンプルな言葉だが、誰でも容易に理解できる筆運びをしている。アインシュタインにつてい学びたいと思う方への入門書としてなら本書は満点ではないだろうかと思えるほどである。
特にニュートンの「絶対空間」「絶対時間」というこれまでの科学の前提に置かれていたニュートン力学の難を、疑問に思い続けて「特殊相対性理論」を完成させたアインシュタインの思考の根源にあるものはすごい。権力や既存の絶対的な理論にさえ間違っていると思えば、疑問を抱き続け本当の答えを導き出してしまうその姿勢。そして、その導き出した「特殊相対性理論」でさえ光につていは応用でず、自分が導いた理論であるにも関わらずそれを広げて「一般相対性理論」を構築してしまう柔軟さ。アインシュタインは考え抜く剛の力と何事も柔らかく思考する柔の力を持ってたからこそ世紀の偉大な人物になり得たのだ。どこぞの誰かがアインシュタインの脳を取り出して後世の為に保存するというような突拍子もない考えを実行してしまったのも、なんだが気持ちだけは理解できる気がする。実際やっちゃうのはなんだかなぁという気分にはなるが(笑)
長くなっちゃったのでここで締めくくろうと思うが、「相対性理論を漠然ともわからない」とか「アインシュタインって一体全体何が偉大なの?」と思ってる人にとってものすごく糧になる本だと思う。逆に「アインシュタインにつていもっともっと深く知りたい!」という人にとっては、他にうってつけでディープな本があると思う。だが、本書を読むとアインシュタインの有名な舌を出して写っている写真のあの舌を出した理由、それが茂木健一郎の筆から感覚的ではあるがなんとなくポーズをとっているアインシュタインの姿が想像できてしまうから茂木健一郎の言いたかったこともよくわかる。