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商品説明
あなたは「カツマー」? それとも「嫌・勝間」? ビジネス書を出版してヒットを連発する勝間和代は、なぜ働く女性、ロスジェネ世代、若者たちから支持されるのか。勝間ブームの裏側を徹底検証する。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
いい企画なのだが
2009/11/26 09:19
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日、今年(2009年)の「流行語大賞」の候補語60語が発表された。そのなかに経済評論家勝間和代氏の生き方を支持し、人生の成功をめざす人たちを総称する「カツマー」もはいっていて、あらためて、昨年から今年にかけての勝間氏の活躍を再確認した思いだ。
その一方で、「反・勝間」の声も出てきたのも今年だが、それは言い直せば「カツマー」現象の社会的認知の反証でもあるといえる。
本書はそんな勝間ブームの「裏側を徹底検証する」することで、「なぜ女性と若者から支持される」のかを読み解こうと緊急出版されたものだが、書名や惹句のほどには「徹底検証」がなされていない。
なんだか50歳過ぎのおじさんが居酒屋で「そういえば最近勝間という女性の本が目につくよな」といったような世間話のような内容に終始してしまっているのは残念だ。
勝間氏が元亭主のことをどう書こうが、「ベストセラー作家が自転車で都内を走り回」ろうが、そのことで勝間ブームが解明されるとも思えない。まるで(もちろん著者の意向は別のところにあるのだろうが)「女はおとなしくしていなさい」「お金持ちはお金持ちらしく」みたいな居酒屋的おじさん会話に聞こえてしまう。これでは「カツマー」たちも納得しないのではないだろうか。
おそらく「勝間和代現象を読み解く」には、精緻な時代背景であったり社会現象であったり、勝間氏を受け入れた土壌がどのようなものであるかを検証するしかない。
そして、勝間本の販売には勝間氏も含めた出版社側のマーケティングが働いているはずであるから、彼らがどのような戦略のもとに誰をターゲットに販売しようとしたかが重要だろう。
極論をいえば、勝間氏の論の何十パーセントは「カツマー」といわれる人たちにとっても有効ではないはずだ。それでも、彼らが勝間氏を支持し、「カツマー」と変化する要因があったとすれば、それこそ出版マーケティングのひとつの形を生み出したといえる。
勝間氏の発言には大きな過ちはない。なぜなら、勝間氏の論は過去の成功事例であったり良きアイデアの積み重ねだからだ。勝間氏はある意味その実行者にすぎない。
実行することがこんなにも新鮮に感じられたのだから、その点では勝間氏は評価されていい。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でご覧いただけます。