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紙の本
銀しゃり (小学館文庫)
著者 山本 一力 (著)
寛政の江戸深川に「三ツ木鮨」を構えた鮨職人・新吉は親方から受け継いだ柿鮨(こけらずし)の味と伝統を守るため、日々精進を重ねていた。職人の誇りをかけて、満足のいく仕事をする...
銀しゃり (小学館文庫)
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商品説明
寛政の江戸深川に「三ツ木鮨」を構えた鮨職人・新吉は親方から受け継いだ柿鮨(こけらずし)の味と伝統を守るため、日々精進を重ねていた。職人の誇りをかけて、満足のいく仕事をする。それが新吉の信条だったが、ふとしたきっかけで旗本勘定方祐筆・小西秋之助の知己を得る。武家の借金を棒引きにする「棄捐令」に思い悩む秋之助との間に、互いの生き様を通して生まれる男同士の信頼感。住む世界が異なろうとも、そこには己れの仕事に命を燃やす男たちの熱い心意気があった。長屋に暮らす仲間たちと織りなす「笑いあり涙あり」の時代小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
寛政の江戸深川に「三ツ木鮨」を構えた鮨職人・新吉は親方から受け継いだ柿鮨(こけらずし)の味と伝統を守るため、日々精進を重ねていた。職人の誇りをかけて、満足のいく仕事をする。それが新吉の信条だったが、ふとしたきっかけで旗本勘定方祐筆・小西秋之助の知己を得る。武家の借金を棒引きにする「棄捐令」に思い悩む秋之助との間に、互いの生き様を通して生まれる男同士の信頼感。住む世界が異なろうとも、そこには己れの仕事に命を燃やす男たちの熱い心意気があった。
長屋に暮らす仲間たちと織りなす<笑いあり涙あり>の時代小説。【商品解説】
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紙の本
色んな「思いやり」のカタチ。
2011/11/02 11:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
相手を「思う」事と「思いやる」事は全く違う。相手を思う事は自分本位になりやすいけれど、思いやる事は相手の立場になって最上であるように考える事。そしてそれは、あらゆる人間関係で一番大事な事ではなかろうか。親子、兄弟、夫婦、恋人同士、上司と部下、子弟、雇用者に被雇用者等々。その思いやりに「無私」の感情が入ったら、「愛情」となるのだと思う。となればこの作品は、たくさんの「愛情」が織り込まれた物語かもしれない。そのすべての形が、描かれている。
さて毎度色んな職業目線から、江戸の風情と粋な文化を紹介してくれる山本作品。今回の主人公新吉は鮨職人。長い間修行を積んだ新吉が江戸に自分の店を構え、四苦八苦しながらも人々の助けを受けながら精進していく人情物語である。中でも武家の秋之助とのやりとりが胸に来る。これほど理想的な上司部下の関係があるだろうかとさえ思わされた。何せ登場人物がみな粋でカッコいい。読みながら、何度も何度もぐっと来てしまう。日々の人間関係に悩む現代人に、本当に大事な物は何かを思い出させてくれる一冊。それはそんなに難しい事じゃない、シンプルな事なんだよと、語りかけてくれる物語です。
紙の本
三つの話で楽しませてくれる押し鮨職人新吉の粋な人情物語。新吉の工夫を重ねた柿鮨を食べてみたいと思わせる作品。
2010/07/14 19:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
柿鮨(こけらずし)に工夫を重ねていく新吉の姿と、新吉と親交を結ぶようになった旗本家来小西秋之助の世の役に立てていない憂いを中心に描いた作品。
押し鮨職人の新吉は、老舗鮨屋から独り立ちし、商いに工夫を入れて店は活気に満ちていたものの、客の入りは思うように増えなかった。
しかし商いに工夫を入れたことで、店は活気に満ちていた。そんなとき出会ったのが、旗本家来・小西秋之助だった。
秋之助はさまざまな苦悩を抱えていたが、棄捐令による不景気にも負けず商いにひたむきな新吉の人柄を買い、柿の皮を使って甘みを出す合わせ酢の作り方を伝授した。それから二人の親密な交流が始まった。
柿の皮の合わせ酢で作る『柿のうまさがしみこんだ柿鮨』は好評を得た。
ところが、秋之助からただで譲ってもらった小西家秘伝の若柿を鮨に付けて売り出したために、秋之助に新吉への不信が生まれ始めていた。
この作品の魅力は、三つの話で楽しませてくれる新吉の粋な人情物語と、助言を受け工夫を重ねて美味しくなっていく柿鮨の旨さを堪能できるところだろう。柿鮨は読んでいて食べてみたくなるほどである。
大きく分けて三つの話で楽しませてくれる物語は、
●旗本家来小西秋之助の憂いと、独り立ちした新吉と交わす親交
●ある母子との親密な交流と、思わぬ別れ
●親友順平の妹おけいとの急接近、行方知れずとなった順平
が描かれている。
特に、本書の半分を占める『旗本家来小西秋之助の憂いと、新吉と交わす親交』で、小西秋之助の「棄捐令(きえんれい)」を喜ぶ武家への憤り、何も拵えず世の役に立てていないと感じる負い目、新吉と親交で憂いが晴れていく様子、新吉を助けることで世の役に立ったことを喜ぶ姿が濃厚に描かれており、秋之助の助けを借りて商いに工夫を加えていく新吉と相まって、建設的な二人の姿が気持ちよい雰囲気を漂わせている。
少々残念だったのが、小西秋之助のアイデアで押し鮨がさらに魅力的になると決まったところで、ある母子との交流の話に移ってしまうところだろう。
前半は小西秋之助と新吉の物語と言ってもいいほどだっただけに、尻切れに終わったように感じられた。
とはいえ最後に小西秋之助が再び登場するので、なんとかバランスが取れた印象となった。
これまで職人の矜持を前面に押し出した濃厚な山本作品に比べ、この作品は、登場する人物の矜持がスパイスとなって物語を引き締めており、物語の面白さにより集中できる、爽やかで気持ち良いものとなっている。
電子書籍
まっとうな人達のみが出て来る爽快感。
2013/07/06 11:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Bijou - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までの山本一力作品とは違い、渡世人や悪札差に善良市民が虐められる話が殆ど絡まず、後味の良い爽やかな調子で読めました。
一部の登場人物が、かなり書き込まれていたにも関わらず途中で出て来なくなり、その後が気になり消化不良気味なのが不満と言えば不満。でも、他の山本作品でも見られる兆候なので、いつか他の話しでその人物にまた会えればいいかなと思って読みました。
電子書籍
江戸の日常
2017/07/08 09:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とうふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
寿司屋の新吉の周囲で起こる江戸の日常が綴られている。読んだ後にスッキリとした気分になる。