紙の本
人間観察術をベースにした交渉術は、もちろんビジネスにも応用可能だ
2010/02/04 18:04
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者自身のエピソードも、ふんだんに盛り込まれた「交渉術読本」。
人間観察術をベースにした交渉術は、大いに参考になる。
とくに「トップの孤独」についての考察は実にすぐれたものであり、迫真ある描写となっている。実際に当事者として見聞した観察に基づいており、説得力がある。
人間の強さと弱さについての深い洞察をもとにした、著者の交渉術から学べるものは実に多い。職業外交官によるインテリジェンス活動と交渉術は、もちろんビジネスにも十分に応用可能だ。
「実用書」として、一読をおすすめしたい。
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週刊文秋の連載をまとめたもの。なので、過去の著作に出てくるストーリーが多い。
ただし、知ってる話の間に、初めて読む記述がちりばめられてるので、この辺がにくい。一応最後まで読まなきゃとなる…
国家元首の人物像の部分と、通訳/翻訳者の方の部分は面白かった
(2009.02.14読了)
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国が国民の税金を無駄遣いしているとか、政治家や官僚が良くないことをしている、というようなニュースを目にすると腹が立つのだが。この本を読んで、国益だとか外交カードとか、自分たち庶民の感覚では理解できないようなことが佐藤さんの生きてきた世界では行われていたんだなぁと知り、先に書いたようなことは何も知らないのに外からヤジ飛ばしているのと一緒なのかなと思ってしまった自分がいました。政権が安定しているにこしたことはないけど、トップがコロコロ変わっちゃう今の政権はなんて力も信用もないような印象を外に持たせているんだろう。国益がどうとか言ってるレベルにまでいってない感じで恥ずかしいというか情けないというか。
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日本のスパイ、陸軍中野学校の血を引く最後の言論人、
佐藤優さんが実際にスパイの手練手管を記した作品。
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帯に佐藤優の顔写真が写っている。
渦中の時に比べると穏やかな表情に
なっている。憑きものが取れた?
文藝春秋の連載時から読んでいた
内容であったが、単行本化して
より迫力が増している。
ブルブリスの格言は、さすが大帝国ロシアの
逸材とうならせる。
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おもしろかった。
アブラハムと神との交渉と、
日本なりのハニートラップと、
サウナでのエリツィンさんのいたずらと、
西村氏がアルマジロになるところと、
佐藤さんとムネオと小渕さんがロシアキスするところと、
なんかいろいろおもしろい。
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元外務官僚の佐藤優氏による、交渉指南書。
食うか食われるかという世界で生き抜いてきた佐藤氏のコメントには、重みがある。
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官僚の実際、外務省の体質、研修経歴からくる派閥、学閥、
よくぞくだらない実態を描写してくれたと思う。
かといって、著者に実際、どういう狙いがあるのか、深読みも
してしまった・・。「大いに反省している」
と書いても、許されることではない。
とだけは申し上げておきたい。
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「国家の罠」以来佐藤優氏の本は大変な迫力がある。氏の博識と外務省官僚としての外交交渉、諜報戦の現場の声だからだろうか・・・
橋本・小渕・森の元総理、鈴木宗男氏に対する評価にはちょっと幻滅するが、現場に居た者と部外者では違って当然かもしれない、北方領土返還という大事業を達成しようとする現場の高揚感だろう。
米原万理「私、橋龍に襲われそうになったことがあるの」
1998年4月、川奈会談(橋本・エリツィン)直後、「橋龍に中国人の愛人がいる」
日露の戦略的提携を望まない中国筋が橋本氏の信用失墜のためこの怪情報を最大限に活用している、と分析した。
「霞ヶ関官僚の内在的論理では、自らの出世と省益と国益は一体のものと観念されれている・・・出世は官僚の職業的良心」
ブルプリス「北方4島はスターリン主義による拡張の結果、ソ連領になった。日本から盗ったものだから日本に返さなくてはならない。北方領土問題は露日の外交交渉であるとともにロシア国内での思想問題でもある。スターリン主義と決別するか否かが鍵だ」
ロシアの格言「冗談にはある程度の真理が含まれている」
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佐藤優の経験に基づく著書。
のめり込んで読む。
ハニーとラップの実態、国際的飲酒の実態、賄賂の実態、外務省の機密費の実態、
外務官僚のめちゃくちゃぶり、政治家トップの孤独、政治家のスイッチが入るとき、北方領土交渉の実態などが書かれている。
特に興味深いのは、人間窮地に陥ると、自分の一番の弱点をさらけ出して、危機を乗り切るというもの。恥など関係なし。
外務省の西村六善は、鈴木宗男に「あんたの目は嘘つきの目だ」と言われると、急にうずくまり、死んだふりをしたという。
何なんだろう、と思うが、そうした捨て身作戦で今は大師にまで上り詰めている。参考にするべきかどうか悩む事例だ。
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一気に読了。
内容は、自身が経験した&伝聞のエピソードにつきる。
ハニートラップや賄賂、ソ連時代の外交官の実態や対外要人の接待について等。
登場する名前は、鈴木宗男を筆頭にエリツィン、プーチンその他。
たまに出てくる金言が良し。KGBやMI6の挿話もあり。
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タフネゴシエーターになるための指南書かと思い読んでみたが…
そんなノウハウはほとんど載っていませんでしたな。。。
が、しかし!
内容は非常に面白い!
外交官の裏の裏、政治的駆け引き、裏取引まで、
実の現代(2000年前後)の出来事(特に北方領土問題)の裏でどのようなことが行われてきたか。
非常に面白く受け止めましたぞ!
ミクロな交渉術に対する記述はほとんどないものの、
マクロな交渉における根本的スタンスには色々と参考になる部分があるかもですな。
メディアからの情報では伺い知ることが出来ない政治家の動きが垣間見れるのも、非常に面白いと感じましたな。
特にこの人ね。
http://www.youtube.com/watch?v=pufzJHAfEiY&feature=PlayList&p=11B968ED28F3E480&index=0
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外交にまつわる政治家や官僚の世界を覗けます。自分とは全く縁のない世界だけに興味深かった。国と国との付き合いも、突き詰めれば人対人なんだなーと改めて感じました。
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091201with 『洗練された交渉術.....』 著者と新鮮さに注目
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神をも論破する説得の技法
本当に怖いセックスの罠←100226
私が体験したハニートラップ
酒は人間の本性を暴く
賢いワイロの渡し方
外務省・松尾事件の真相
私が誘われた国際経済犯罪
上司と部下の危険な関係
「恥を棄てる」サバイバルの極意
「加藤の乱」で知るトップの孤独
リーダーの本気を見極める
小渕VSプーチンの真剣勝負
意地悪も人心掌握術
総理の女性スキャンダル
エリツィンの五段階解決論
米原万里さんの仕掛け
交渉の失敗から学ぶには
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交渉術はユダヤ・キリスト教文化圏の思考様式と表裏一体の関係にある。
金銭面に潔白であることはいざというときに身を守るのだ。
インテリジェンス交渉術において、動物行動学の知識が意外と役立つ。イスラエルやロシアでは工作員の教育に動物行動学がとりいれられている。
恥という感覚を無視することによって、相手の虚をつくことができるのである。
部下を呼び捨てにしたり、君付けにせず、さん付で呼ぶ。そうした方が部下の自分に対しる忠誠心が強化されることを計算しているのである。
外務省の場合、大学の語学教育なんて信用していない。