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紙の本
明治の女子留学生 最初に海を渡った五人の少女 (平凡社新書)
著者 寺沢 龍 (著)
明治4年、日本最初の女子留学生として渡米した5人の少女たちが体験した10年余のアメリカ生活とはどのようなものだったのか。初の帰国子女としての波瀾万丈の生涯と、女性として果...
明治の女子留学生 最初に海を渡った五人の少女 (平凡社新書)
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商品説明
明治4年、日本最初の女子留学生として渡米した5人の少女たちが体験した10年余のアメリカ生活とはどのようなものだったのか。初の帰国子女としての波瀾万丈の生涯と、女性として果たした偉業を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
寺沢 龍
- 略歴
- 〈寺沢龍〉1935年大阪市生まれ。会社勤めを定年退職した後、文筆活動を始める。著書に「薬師寺再興」「飛鳥古京・藤原京・平城京の謎」がある。
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紙の本
凛とした女性たちの物語
2009/02/16 23:06
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうか - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治四年、日本最初の女子留学生五人が渡米した。(本書では病のため
一年で帰国した吉益亮子、上田悌子についてもふれられている。)
残った三人、津田塾を建てた津田梅子、東京音楽学校で教えた永井繁子、大山巌夫人となった山川捨松、がアメリカで過ごした日々は十年余りに
およぶ。
確たる目的を持って外国に渡った男子留学生と違って、「普通科」で
アメリカの女性としての生活をし、教養を身に着けた彼女たちに、
帰国当初、日本での活動の場は与えられない。日本語を忘れ、働きの場を
得ず、自分たちを派遣した日本という国への「道義的義務」をひしひしと
感じながら、女子教育への思いを互いに確認しつつ、それぞれの人生を
歩む。
結婚する者、しない者。
職を得る者、得ない者。
彼女たちは「自分」がどう生きるのか、という価値観をアメリカで
得た。帰国して後は、その思いを妨げる環境で生きた。そこに起きる
摩擦や葛藤を、糧として、協力しながらさまざまな成果をあげた。
その生涯はさながら「物語」のようで、歴史とは単なるデータでは
なく、血の通った生身の人間の生の記録の集積なのだと思わせる。
そのような先人たちの努力の上に今があるのだ、と感謝の念をおぼえる。
日本が今のように豊かでなく、先んじた国の文化を懸命に摂取しようと
つとめた時代、自分が社会にできることは何か、を考える人たちが多く
いた時代。そして今、私たちは何を得ているだろうか。
今は購入できないが、類書として『舞踏への勧誘 日本最初の女子留学生永井繁子の生涯』(生田澄江)もおもしろかった。図書館などで見かけたら
ぜひ一読をおすすめします。