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時代劇は死なず! 京都太秦の「職人」たち (集英社新書)
著者 春日 太一 (著)
1960年後半、京都・太秦の撮影所で時代劇映画の製作に携わっていたスタッフたちは、テレビへと主戦場を移した。時代の変化と戦いながら、モノづくりの気概を貫徹した人々の熱い物...
時代劇は死なず! 京都太秦の「職人」たち (集英社新書)
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商品説明
1960年後半、京都・太秦の撮影所で時代劇映画の製作に携わっていたスタッフたちは、テレビへと主戦場を移した。時代の変化と戦いながら、モノづくりの気概を貫徹した人々の熱い物語。懐かしの作品の製作秘話も満載。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
春日 太一
- 略歴
- 〈春日太一〉1977年生まれ。東京都出身。日本大学大学院博士後期課程修了。芸術学博士。時代劇を中心とした、日本の映画・テレビドラマの研究家。
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強かな職人魂は今も生きている
2009/03/30 16:13
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:筑波太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代劇の黄金期を迎えた昭和30年代、そのなかでも東映は、他社に比べて重厚な役者を抱え、断然たる地位を築いていた。だが、栄光衰勢は世の常というが、彗星のごとく現れたテレビの波は、映画産業を一飲みにしてしまつた。京都、太泰撮影所から発信していた、絢爛豪華な娯楽時代劇も斜陽の一途をだどり、撮影所の職人たちは職場を失っていった。だが、強かな職人たちは「当時の新興メディアであったテレビ」に活路を求め、あくなき時代劇作りを追い続けた。
京都太泰には東映、大映、松竹の三撮影所がしのぎを削っていた。なかんずく東映は、片岡千恵蔵、市川右太衛門(両御大)を柱に、錚々たるスターを並べた時代劇を量産し、映画興行界を牽引していった。これを支えたのも職人たちである。夢の競演、豪華絢爛たる正月映画。子供心に抱いた思い出は、いまだに胸の奥に息づいている。
時代劇の王帝ともとれる大映の「羅生門」。東宝の「用心棒」などは、黒澤明監督の決定版だったかもしれない。さらに、勝新「座頭市」、雷蔵の「眠狂四郎」など、はでな旗揚げをしていた大映も、押し寄せる波には勝てず倒産の憂き目。だがこの苦境おも職人魂は乗り越えてきた。
人と人との触れ合いは大事だ。不況の世の中、「人切り御免」ではないが、バッタバッタと切り捨てる企業社会を渡り歩いた職人魂は、我々に何を語りかけているのだろうか。今一度映画の原点を見直そう、そこに答えが隠されているようで。