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商品説明
介護施設しおかぜ荘で暮らすあたしは自分の指さえも満足に動かすことができない。体のあちこちでHDS(ハンプティ・ダンプティ・シンドローム)による石化がいまも進行している。そんなあたしが雀の雛を育てるはめになった。おいおい、ダイジョーブかよあたしぃッ!?爽やかな感動と熱い涙を呼ぶ青春小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
介護施設で暮らすあたし、藤島環は、体が石化していく難病と闘う18歳。そんなあたしが雀の雛を育てるはめに。おいおい、ダイジョーブかよ、あたしぃ!? 爽やかな感動と熱い涙を呼ぶ青春小説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
木村 航
- 略歴
- 〈木村航〉岩手県出身。茗荷屋甚六名義でゲームのテキストも執筆。著書に「ぺとぺとさん」シリーズなど。
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紙の本
「錯覚だ。あたしはもう死んでいる。死んでなきゃヘンだ」
2008/11/21 09:54
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
間もなく19歳の誕生日を迎えようという藤島環は、身体が石化していく難病HDS。介護施設しおかぜ荘で暮らしているが、回復する見込みのない自分の身体に環は見切りをつけ、できるだけ他人と関わらないようにしながら毎日を過ごしている。
「元気をだしたいひとへおくる、青春小説」というあおり文句で、双葉社のWEBマガジンで連載していた小説が1冊にまとまりました。
連載していたときは「どこを読むと元気が出るんだ?」と思うくらい、未来の見えない18歳の少女の達観と葛藤が伝わってくる話でした。身体は少しずつ動かなくなっていくだけで回復しそうにない。家族の負担にもなりたくないし、制度が変わってこの介護施設もいつまで続くか判らない。
でも、あらためてまとめ読みすると「ああ、見方を変えれば世界も変わって見えるんだな」ということで、少しは元気をもらえたかなと思います。きっかけは、ちょっとしたこと。本当はスズメでなくてもかまわなかったかもしれない。でも、今にも死にそうなスズメが環の部屋に居座ったことから、環の世界が少しだけ変わります。
どんな風に変わっていくのか、ほんの少しずつの変化に気をつけて読んでいくと、ほんの少しずつだけ元気がもらえます。
そんな本です。