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商品説明
自社本をたくさん売ってくれた書店を訪ねたら、何故か冷たくあしらわれ…、文学賞の贈呈式では、当日、会場に受賞者が現れない…!?新人出版社営業部員の井辻くんは、個性的な面々に囲まれながら、波爛万丈の日々を奮闘中。本が好き。でも、とある事情で編集部にはいきたくなかった井辻くんの、ハートフル・ミステリ。“出版社営業・井辻智紀の業務日誌”シリーズ第一弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
自社本をたくさん売ってくれた書店を訪ねたら、なぜか冷たくあしらわれ、文学賞の贈呈式では受賞者が現れない…。個性的な面々に囲まれながら波瀾万丈の日々を奮闘する、新人出版社営業部員・井辻くんのハートフル・ミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
平台がおまちかね | 5−58 | |
---|---|---|
マドンナの憂鬱な棚 | 59−112 | |
贈呈式で会いましょう | 113−160 |
著者紹介
大崎 梢
- 略歴
- 〈大崎梢〉東京都生まれ。元書店員。2006年「配達あかずきん」でデビュー。他の著書に「片耳うさぎ」「天才探偵sen」など。
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紙の本
本好きのココロ揺さぶるミステリー
2008/09/25 16:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
「成風堂」シリーズで書店好き、本好きの心を
ガシっと鷲掴みにしてデビューした大崎梢。
今回の主人公は出版社明明林書房の営業・伊辻智紀。
担当は首都圏の文庫。
今度は出版社から描く連作短編ミステリー。
でも書店や本への愛情をひしひしと感じます。
5年前に出た1冊の文庫が私鉄沿線の小さな書店で
売れ続ける理由とは? というひっぱりで始まる「平台はおまちかね」、
子どものころ通った本屋の思い出から
書店に勤めるようになった女性が絡む「絵本の神様」など
小さな店でも地域に愛される努力を嫌みなく描きます。
各出版社の文庫担当営業のマドンナ的存在望月みなみが
悩む「マドンナの憂鬱な棚」では
石田衣良と奥田英朗が隣合い
重松清の上下本がバラバラになり
有栖川有栖がひょっこり顔を出し
山本一力が現代小説にまぎれている。
こんな棚を許せますか!?
同じく各出版社営業による「ポップ販促コンテスト」では
10社の営業がお勧めする他社の文庫をずらりと並べます。
ここも実在する本が並び、それがなかなかのラインナップ。
大崎梢が好きな本からピックアップしたと思われ
ハートフルな物語を紡ぐ彼女の読書遍歴がうかがえます。
同時に読書欲をそそります。
紙の本
読者は出版社の編集部にいるんじゃない。書店に来るんだ!
2009/03/21 22:39
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る
と、かつての映画の台詞をもじってみましたが、成風堂書店シリーズ以来の著者のスタンスを一言でいうと、こうなるでしょうか。主人公である探偵役は、書店員から出版社の新人営業部員・井辻君に変わったわけですが、事件の現場は変わらずに書店なのですから。なぜ書店が現場なのかって? 当然でしょう、人と本、そして本を介して人と人とが出会う場なのが書店なのですから。
しかも、今回は主人公がいろいろと「営業まわり」をしてくれるわけですから、自ずと登場してくる書店の幅も出てきます。ターミナルにあるような大型書店のみならず、鉄道沿線にあるような個人商店のような書店などなど、読者をさまざまな書店に案内してくれます。書店ミステリーの幅はそのぶん広がるわけです。当然、その足は地方にも向かいます。とりわけ、閉店してしまった地方の小書店を扱った「絵本の神さま」は、地方の小書店がおかれた現状を描くルポルタージュのようでもありました。
著者は本筋のストーリーだけではなく、本や書店をめぐるシステムやおかれている現状を丁寧に書き込んでくれています。読者は、新人のひつじ君、じゃなくて井辻君といっしょに学んでいくわけです。ついでに各章には、井辻君の営業日記もついています。
と、ここまで書いてきて、「書店ミステリー」の書評をオンライン書店に寄せる、というのもなんだか矛盾かな、とつい苦笑してしまいました。さて、これからはネット上の書店も、書店ミステリーの舞台になるでしょうか?