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風が吹くとき
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御於紗馬/まさか、冗談にならなくなる時代が来るとは
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子供の頃、見たことがある方も多いと思います。おそらく「反戦」「反核」の文脈で語られる事の多い本書ですが、実際、これはブラックジョークです。いや、「ブラックジョーク、でした」と言うべきでしょうか。今の日本においては、もはや、冗談ではなくなってしまいました。善良な、しかし世情にも科学的知識にも疎い初老の夫婦のささやかや生活は、“戦時中”であっても田舎暮らしの彼らには脅かされる事なく続いていました。しかし、一撃の核爆弾が彼らの回りを一変させます。その「想像を絶する」破壊力は、正しく「彼らの想像を絶し」、未だ日常の延長線だと思っている彼らには、「現状」を正しく把握する術すらなく……読者視点からは、非常…
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横井軍平ゲーム館
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御於紗馬/小さな会社を世界で知らぬ物に押し上げた傑物の偉業がここに!
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今から50年近く前の事、仕事が余りに暇なので、ある社員は旋盤削って玩具を作って遊んでいました。さて、彼を叱るべきでしょうか? 社長は彼を呼びつけ、その玩具を商品化するよう指示しました。玩具はウルトラハンドと名付けられヒット作に。社員の名は横井軍平。そして、その会社の名は、任天堂。花札屋だった任天堂がおもちゃ屋に成り、ゲーム&ウォッチで大当たりし、ファミコンを、ゲームボーイを作ってきた陰に横井軍平は居ました。本書は彼が携わったものを追いながらその着想や発想、困難、失敗や成功のエピソードが分かりやすく、丁寧に記されています。そこにはゲーム業界に限定されない、あらゆる分野で生かし得る貴重な経験が詰ま…
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金瓶梅
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御於紗馬/タダでさえ中国四大奇書の一つだというのに
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中国四大奇書の一つ『金瓶梅』。タダでさえ艶書として名高いこの一冊を、山上たつひこが調理することでさらなる飛躍、いやトンデモナイ化学反応を起こして新たな境地に達している。確かに、下ネタも多いのだけど、大胆なアレンジを加えながらも、「中国古典」としての格調を崩さず、『金瓶梅』としての骨子も押えてかつ、外伝的というべきか異聞というべきか、「こう言うのもありじゃないか?」というところに落とし込んでいるところが、凄い。一つ例を上げるために(申し訳ないが)ネタバレさせて頂くが、早々に武松が「虎に喰われてうんこになってしまう」。普通ならこんな手の加え方は出来ない。武松による藩金蓮への仇討が『金瓶梅』の見所の…
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半田溶助女狩り
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御於紗馬/それが また いいのじゃ ううっ
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山上たつひこの伝説の作品群の完全版。定番の「鋼鉄男」「半田溶助女狩り」の各シリーズに加え、「アタッシュケースの男」「椅子こそ我が命」「謎のシークレットサービス」の3作が収録されている。山上たつひこの恐ろしいところは、人智の及ぶギリギリの狂気で攻めて来る所だと思っています。強すぎる音は、音として認識できないように。辛すぎる料理は苦痛でしかないように。狂気の沙汰も強力過ぎると、人間の心には(ブレイカーが掛かってしまい)届かないのです。「半田溶助」シリーズはといえば、一般的には滑っていると思うのです。少し、力を入れすぎた感がある。普通の人の理解を超えてしまっている。ただし、普段から濃い作品に接してい…
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アンギャマン
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御於紗馬/遠くまで足であるいていく、それがリアル遠足なのだ!
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作者と目玉キャラの多苦(たく)が延々と、大阪から伊勢まで歩いて行く6日の旅程を描いたエッセイ漫画である。寺院仏閣や史跡があれば寄り道し、夜になると野宿の場所を探す。作者が愚痴れば多苦が突っ込む。史跡の謂れなどは作者がざっくり説明してくれる。そのやりとりが楽しい。背景は概ね写真をそのまま使っており、交通機関を使うと流れて行くだけの風景も、人の生活も、ここには確実に存在する。WEB版は作者のサイト「スカラムーシュ(http://www.scaramouch.jp/index.html)」でも読めるのだが、ふと気がついたときに手にとって、パラパラと眺めることが出来るのは本の醍醐味であると思う。その場…
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街角のオジギビト
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御於紗馬/この本さえもまた、忘却されてしまうのか
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オジギビトとは、建設現場等に存在した「おじぎをしている人」である。その収集はとり・みき氏のライフワークの一つであり、本書はその集大成。さまざまな種類のオジギビトがこれでもかと掲載されている。(そのあまりにマニアックぷりに、評価は4としました)。オジギビト自体は高度経済成長期、東京オリンピックの建築の頃の誕生とされているが、最近は最近は壁絵やモニュメントがもてはやされるようになり、「オジギビト」自体を見ることも少なくなってしまった。その上、不況の影響もあり、建設現場自体が少なくなっている。ある意味、日本が元気だった頃の残滓のような存在、いつの間にか居なくなった、昭和の残滓のようにも思えてくる。本…
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アニメ95.2
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御於紗馬/アニメ業界を垣間見せる、めでたしに限りなく近い何か
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ニコニコ動画にて鮮烈なデビューを飾り、今やニコ動公式で動画作成、漫画や小説も手掛ける「春原ロビンソン」氏のアニメーター時代のエッセイ漫画。担当のK氏との絶妙な掛け合いで、アニメ業界の日々を淡々と描いています。その軽妙なタッチは見ていて飽きず、また疲れません。惜しむべきは、実話ということもあってか、動画で見せる春原氏の斜め向こうに吹っ飛ぶようなギャグは見られないこと(それでも、悲惨な話を軽く振ってきますが)。また、コマ割り(特に大ゴマ)の使い方、背景の(驚きの)白さなど、少々眼につくところがあります。アニメ業界に興味のある方、また春原ロビンソンの新たなる活躍を期待される方には一見の価値があります…
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粘膜兄弟
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御於紗馬/粘膜にまみれた運命の歯車は 無慈悲に人間を飲み込んで行く
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粘膜シリーズも早くも第三弾。帯には「シリーズ最新作にして最高傑作」とありますが、ある意味これは正しい。飴村行は一作ごとに、確実に腕を上げています。ストイックなまでに今風の言葉を排除した地の文は狂気じみた銃後と戦中の様子を淡々に描き、登場人物の会話はややシモに走ることは有りますが、ウィットに飛んだユーモアを感じさせます。そして、悲惨な部分はとことん悲惨に、残虐なところはとことんに残虐に、その筆は止まりません。しかし、根底に流れるのは勧善懲悪であり、因果報応。飴村行は海野十三や夢野久作の流れを組む恐怖や推理や科学が渾然としていた時代の後継者です。「新・冒険小説」と言っても過言ではないかもしれません…
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文体練習
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御於紗馬/日本語だって凄いのです
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「文体練習」とはありますが、練習というよりも実験というべきかも知れません。何気ない日常のエピソードを言葉の使い方や視点、表現方法から方言、アナグラム的な言葉遊びなどなど、様々な手段で表現したその数、99+3(訳者後書きに補足があります)。 何気ない言葉の選び方、並び方一つでこれほど印象が変わるのかと、読み進むにつれて感動しました。文章といっても、書き方一つで大きな広がりを見せる事をまざまざと見せつけてくれます。 しかし何より、訳者の朝比奈弘治氏に讃嘆の意を表します。レーモン・クノーは言わずもがなのフランス文壇の大御所。原本はもちろんフランス語です(若干嘘ですが)。また、フランス人にしか分から…
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人はなぜ恐怖するのか?
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御於紗馬/エンターテイメントとしての、恐怖に迫る!
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著者の五味氏はお化け屋敷のスペシャリストです。暗中模索、試行錯誤の末に「お金を払ってまで来て頂ける、恐怖の場」を作り上げた、いや、今もなお作り続けている方です。そのエッセンスを抽出した一冊。講演を聞いているような丁寧な構成になっています。どのように恐怖を配置するか、どのように恐怖に誘導するか、というテクニックの部分もさることながら、「エンターテイメントとしての恐怖」という観点からが明確になっている所が、非常にユニークなポイントです。「入るとホントに発狂する」ような恐怖の館ですとお客は来てくれません。お化け屋敷は感情を発散せる場であるとし、「無事に、何もなかった」がゴールである肝だめしとは本質的…
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デスマーチ
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御於紗馬/デスマーチ・プロジェクトを乗り切るために
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著者は「デスマーチ・プロジェクトとは『プロジェクトのパラメータ』が正常値を50%以上超過したもの」と定義しています。要は時間や人間、資金などの資源が完成させるための半分以下しかないのに「やれ」と言われている状態です。こんな無茶ぶりが発生するのは何故か、どんな人物たちが登場しているのか、著者は検討します。そしてどこが折中ポイントか(完全な完成は不可能ですから)つぶさに解析し、勝機を見出していくのです。IT業界向けの本になっていますが、他業界でも通じるものがあると思います(特に、日本の企業は内部的にはデスマーチ・プロジェクトではないでしょうか?)。ただ目の前の仕事を淡々とこなすだけではデスマーチ・…
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コンピュータの名著・古典100冊
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御於紗馬/最初の一歩を踏み出すための一冊
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どこの業界でも人材育成は火急の問題と思うのですが、IT業界においては会社によって、全然ほったらかしという事もありえますし、何より教える人材が居ないという事もよくある話です。そうなると独学をするしかなくなるのですが、これもまた、自分の判断だと何を読んでいいか判りません。また、会社で勉強していたとしても、次のステップに進むためには、やはり自分で勉強するしかないのです。本書は日本のトップクラスの技術者たちが選んだ100冊+αの概要が書かれています。さすがに3年前の本なのでクラウドなどの最新技術には触れてはいませんが、何年経っても変わらないしっかりとした土台を築かせてくれる良書が紹介されています。激動…
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Effective Java
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御於紗馬/Javaを効果的に扱う上での、まさに「基本」
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Javaを使う以上、Javaのドキュメントは必読なのですが、例えばJDK 5 ドキュメントの下の方を見て頂くと、この本に触れている事が判ると思います。確かにリンク先は英語ですが、ちゃんとドキュメントを読んでいれば、この本には突き当たるはずなのです。単に条件分岐だけさせていれば、確かにプログラムは動くのだけど、それでは「Java」でやる必要はありません。Javaならではのクセや機能、APIドキュメントには無い「やってはいけないこと」やちょっとしたコツなどがこの本には詰まっています。Javaの技術者を自負するためにはマスターしておきたい一冊です。難を言えば、技術文書に慣れてないと読み解きにくい事と…
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リトル・リトル・クトゥルー
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御於紗馬/111篇にも及ぶ秘せられし神々の狂宴
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期間限定で公募された800字のクトゥルー小説群。原稿用紙2枚に収められた掌編ではあるけれど、その数、111編。抜群のボリュームです。全く異なる角度から切り広がる 狂おしき夢魔と宇宙規模の神々の世界は時に恐ろしく、時に笑いを含み、時に優しく、物悲しく貴方の魂に迫ってくることでしょう。編者は『クトゥルー神話事典』の東雅夫氏。この点で、作品の内容やレベルについては折り紙つきであります。著者はプロアマ問わずのごった煮状態なので、「えっ、アノ人が!」みたいな所も楽しめると思います。知らない人にはサッパリな世界かも知れませんが、どこから読んでも大丈夫な珠玉の作品集ですので、入口としては非常に入りやすいかも…
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冷食捜査官
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御於紗馬/とり・みきの隠れ代表作!
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とり・みきの隠れ代表作が、ようやく表舞台に現れました。人工食のみ認められた近未来、現存する冷凍食品(略して冷食)は一部グルメや懐古主義者に裏で膨大な額で取引され、それに伴った汚職やシンジケート、殺人までが発生するに至ります。冷食がらみの犯罪を捜査摘発するのが冷食捜査官です。冷食が「(人工食で育った)一般人が食べたら(下手をすれば)死ぬ」というレベルに至っているため、捜査の説得力を増しています。新たな制度が生んだ悲喜劇がしっかりハードボイルドしている上に、とり氏のシュールなギャグが物語に巧く溶け込んでます。十数年かけて紡がれた世界に酔いしれること請け合いです。
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粘膜人間
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御於紗馬/ライトではない、コアな伝奇が今蘇る!
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第15回日本ホラー大賞 長編賞受賞作です。 非常にショッキングな描写が目を引きますが、単なる衝動的なバイオレンスではなく、民話的なイコンが散りばめられた物語に仕上がっています。 何より清美が良い。 河童との約束で利一が差し出す、「非国民」の妹。兄が恋人を連れて軍を抜けたため、憲兵より拷問を受け、薬物『髑髏』(このネーミングセンス!)を投じられ、精神を病んでいます。 拷問の様子、『髑髏』による幻覚は偏狂的な描写があてがわれています。そして薬物の副作用で記憶から失せた兄の秘密。否、真実というべきか。その謎は次第に明らかになるのですが、ホントに、「清美」とはよく名付けたものです。 何より河童…
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