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美臀の隣人 美臀の隣人
DSK/情感と艶と憂いを湛えた作風が良好ながら尻切れトンボに感じる結末が惜しい
リアルドリーム文庫で作を重ねた作者の「黒本」デビュー作……ではない。作者自身が公表しているので記すが、かつて『狂夜-二人の母と叔母』と『禁断家族-邪淫の宿』を上梓した「朝比奈海」名義から数えた3作目が正解である。しかし、本作は紛れもなく「小鳥遊葵」作品と言えよう。東北を舞台にした情緒、熟女が放つ猛烈な艶と憂い、豊かな感情とドラマ性。これらが織り成す成熟した官能小説となっている。とにかく熟女好きには堪らないヒロイン設定と言わねばなるまい。落ち着きがあって、感情や物事の押し引きができて、それでいて艶っぽい色気に溢れ、昂ぶっては淫らに積極的。こうした熟女の描写が実に巧み。清楚で奥ゆかしい熟女が困惑し…  全文読む 評価する

最高の未亡人と最高の娘姉妹 最高の未亡人と最高の娘姉妹
DSK/原点回帰した作風だが素直に歓迎できないのは……
デビュー作『危険な同居人-ママと美姉・プライベートレッスン』から4作目『二人のお姉さん-甘く危険なお願い』にかけて見られた、無節操なほどの相姦全肯定で超甘々な作風が随分戻ってきた印象である。未亡人を叔母にしたダブル設定に妙味があり、この未亡人叔母の娘姉妹という3人ヒロイン構成。結果的には3人が3人とも15歳の主人公にぞっこんラヴなのだが、姉には官能的ツンデレと称すべき、素直じゃない性格も付加されている。妹は主人公と同年齢の控えめお淑やかキャラ。未亡人叔母は開放的で優しい熟女である。ヒロイン達の設定自体は悪くない。ただ、姉とのやり取りを前面に出した前半は、主人公に特殊な性癖を持たせていることもあ…  全文読む 評価する

三日月がわらってる 三日月がわらってる
DSK/情緒のある舞台設定に溶け込んだ男女の背徳で無自覚な恋愛模様
親近感の沸くキャラ設定による軽いタッチの作風を情緒のある舞台で描いた「白艶々」のシリーズ。さすがに『ミツコさん』ほどのドタバタコメディではないが、実にいい味を出しているキャラ(男女)が可笑しなやり取りを交わしながらも感情的かつ官能的に結ばれていく流れになっている。描く際の匙加減がとても難しくなってしまった青年コミックの作品なので、官能描写はかなり抑えめではあるが、それでも抜群のシチュエーションと突拍子もない展開を上手く組合わせて興奮度の高い場面が描かれている。そして、何より女教師と生徒という王道中の王道的背徳設定が全体を底上げしている。男勝りでお姉さん的優位を前面に出しながら可愛い「秘密」もあ…  全文読む 評価する

ナースを彼女にする方法 ナースを彼女にする方法
DSK/さらに一悶着ありながらも読後感の良い結末
作者初の長編シリーズということで若干の気負いもあったかと思われるが、概ね上手に纏めたのではなかろうか。前巻で決着したかの厄介事が実はまだ鎮火しておらず、これに加えてヒロインの素性にまでおよぶ展開となっていくのは良かったと思う。最後の土壇場でややグダグダっとした感が無きにしも非ずだったが、まぁ、理想的な幕の引き方であろう。欲を言えば、対抗ヒロインと軽く修羅場るくらいの回り道があっても良かったように思うが、特にシリーズとしての後半がメインヒロインの過去と現在と未来に寄っていたので致し方ないところか。作者がこれまで多数描いてきた短編でも見られた読後感の良さが本シリーズにも同様にあったので、全体として…  全文読む 評価する

四姉妹と七日間 四姉妹と七日間
DSK/宮園作品の初期~中期を思わせる甘々成分全開が今にそぐわないのか?
四姉妹との蜜月な日々を送る展開には作者の初期から中期の頃を思わせる甘々成分が全開なのだが、1章1ヒロインで4章まで進めて最後に皆一緒の第5章というスタイルが紋きり型で、各ヒロインずつの短編を単に繋いだだけに見えてしまうのが残念である。これにより「やはりこのスタイルは内容が薄っぺらくなっちゃうなぁ~」という物足りなさが残る作品になってしまっていた。七日間の蜜議だけに奥行きにも乏しく、1週間で四姉妹とヤッてるだけでは小説としても宜しくないと言わざるを得ない。前作から感じる安直(に思える)執筆に「スランプなのかな?」との疑問も沸いてしまうところである。四姉妹のキャラ設定は悪くなく、官能描写も悪くはな…  全文読む 評価する

黒ストッキングの未亡人叔母 黒ストッキングの未亡人叔母
DSK/1人ヒロインの安定した作風だが少しばかりの物足りなさも
作者の「黒本」2作目だが、基本的な構成は前作『僕だけの未亡人義母-こんな衣装を着せないで』と同じである。もっとも、1人ヒロインを旨とする鷹羽作品ならば、展開が多少似通ってしまうのは致し方ないところでもあろう。そして、多人数ヒロインの薄味な関係性とカラミに食傷気味で、本作が初見であれば「こんな作品を待っていた!」と喝采を贈りたくもなるところだが、前作でその世界観を充分に堪能してしまい、その比較で言うならば、少しばかりの物足りなさを感じる内容とも言えそうである。まず、ヒロインの叔母が29歳と熟女好みにはやや若く(これ自体は悪いことではない)、デキる女をイメージしたキャリアウーマン風にしては年上お姉…  全文読む 評価する

言いなり奴隷 言いなり奴隷
DSK/主人公とヒロイン達とのバランスに少し難あり
一言で言ってしまえば魔少年(かなりな少年)主人公が熟女を含む年上ヒロイン達を攻略していく話なのだが、結末に必要とはいえ設定に少し回りくどいところがある(相姦要素はなし)。3人ヒロインのうち1人は表立ってはいないが全体の先導役みたいな役回りになっており、攻略する醍醐味は失われている。故に、残り2人の母娘を堕としていく展開となるのだが、これが主人公の年少さを「寄せ餌」にしているせいか、抵抗も虚しく絡め取られていくような面白味に繋がらないのである。勝気でツンデレ風でもある娘にしても陥落が割と安易な気がする。タイトルが「言いなり」なのだから、陥落後の調教に重きを置くべきとの意見もあろうが、そうした描写…  全文読む 評価する

癒し三姉妹 癒し三姉妹
DSK/求められる要素はほぼ網羅されながら突き抜けに少し欠ける
押しの強さと年上お姉さんの余裕で迫る人妻長女、やや勝気ながらも生真面目で奥手な清純派の次女、甘えんぼさんタイプの妹キャラがしっかりな三女というヒロイン達のバランスと配分の良さがあり、うだつが上がらず燻っていた主人公の再生物語も悪くない。全体に漂う雰囲気からなる読み心地の良さもある。ヒロイン達それぞれのキャラに見合う官能描写もしっかりあって、誘惑系官能小説に求めらる要素はほぼフル装備された作品だと思う。しかし、そのバランスの良さが却って全体としての突き抜けた面白味に繋がっていないもどかしさも感じる。良くも悪くもそつなく纏まった内容という印象。全体のバランスと配分は申し分ないのだが、それぞれの要素…  全文読む 評価する

ラッキーチャンス! ラッキーチャンス!
DSK/『天草家編』の見事な完結が生み出す今後の新たな火種
実質的には第7巻から続いていた『天草家編』というか『天草沙代編』の完結である。エピソードとしてあまりに長く、それ故に展開を追うことに終始して中弛みを感じさせた(第9巻)ところもあったが、そうした諸々を吹き飛ばす痛快な幕引きを見せてくれた。しかも、「これからどうなる?」という、天草さんとの新たな関係が予想以上なところまで進んでしまい、おそらく次は満を持して登場となるであろう二宮さん(陣営)を大いに触発させる流れをも作り出している。これは楽しみになってきた。欲を言えば、バトル寄りでシリアスな面もあった展開がしばらく続いていたので、次巻以降は少し甘々なラヴコメ路線を読ませてほしい気もする。そして、そ…  全文読む 評価する

湯けむり下宿の艶尻お姉さんたち 湯けむり下宿の艶尻お姉さんたち
DSK/官能ライトノベルと言うべき物語の面白さがある
物語として実に面白かった作品。表紙を飾るメインヒロインは下宿の管理人さんでもあり、年上お姉さんな魅力を放ちつつも貞淑で清楚な人柄には往年の名作漫画を想起しないでもない。また、脇役として登場する管理人さんの祖母が素晴らしい味わいの存在感を発揮しており、この下宿でのやり取りを面白可笑しく盛り上げてくれる。そして、ここに主人公の地元で幼馴染みだったヒロインが転がり込んできたり、通う大学には同級生の令嬢ヒロインがいたりして話がさらに面白いことになっている。この物語が楽しくて、行く末が気になるのである。官能描写では、特に管理人さんや令嬢といったお淑やかヒロインの箍が外れるギャップが魅力だが、ストーリー展…  全文読む 評価する

忘れえぬ美肌 忘れえぬ美肌
DSK/短い物語に詰め込まれた心情と官能のドラマが冴えている
官能小説の短編集は正直敬遠するのだが、本作は敬遠すべきでないと断言したい。ついでに言えば、竹書房ラブロマン文庫の短編集は初めてなのだが、8編も収録されていたのは少し驚いた。書き下ろし1編を除けば『特選小説』掲載作品だが、総じて大体30~45頁程度の短さである。これで各作品に合体の官能描写を2度は盛り込み、その前後の戯れも描きつつ、それでいて時に切なく、ほろ苦く、そして軽く笑わせるドラマもしっかり構築しているのは驚愕に値する。構成の骨組みはどれもほぼ同じだが、登場する男女の設定や属性が幅広く、起伏に富んだストーリーを展開しているのが素晴らしい。官能的でありながら、話の行く末も気になる心地良さがあ…  全文読む 評価する

恋人は友達の母と姉 恋人は友達の母と姉
DSK/夫への憂いもあるともっと良かった
高校生主人公に対して、その友人の母と姉のダブルヒロインは非常に良い。奔放な姉と貞淑な母という設定も良好。お姉さん的優位で迫ってくる姉に対して、逆に主人公から迫られて困惑する母という対比もあり、何よりねっとり描写された情交シーンが多くて淫猥である。挿絵も確かにレトロ風味な作画かもしれないが、さすがの風格を漂わせたダイナミックな迫力で後押ししている。ただ、惜しむらくは、夫(友人の父、カラミは無し)を登場させたのであれば、母の憂う矛先を息子ばかりではなく、もう少し夫にも向けると深みがより増したと思った。ついでに言えば、友人の母に想いを傾ける主人公が迫る時の理由付けというか、迫り方が一辺倒な印象に感じ…  全文読む 評価する

NIGHTMARE MAKER NIGHTMARE MAKER
DSK/さらに混沌が拡散していく息詰まる展開
相変わらず息詰まる展開が圧倒的なシリーズである。なかなか休ませてくれないところは、読み手もある意味で養護教諭の茅野先生と同じ状況に置かれているようだ。しかし、茫洋としながらもどこか前向きに受け止めているようでもある茅野先生に負けることなく、読み手もこのシリーズの行く末を見届けなくてはならない。そんな気持ちも沸いてくるようなこないような……。つくづく読み手の感情も混沌に叩き込むシリーズと言わねばなるまい。さて、さらに不穏と混沌の度合いを増していく本巻ではあるが、その元凶たる「夢見装置(マシン)」が他校にまで拡散していくところこそ不安を掻き立てられるものの、実は他にこれといったエポックメイキングな…  全文読む 評価する

ナースを彼女にする方法 ナースを彼女にする方法
DSK/どんどん進んでいくラヴラヴ物語
次が最終巻かな?と思わせるほど話が進んだ印象の第3巻である。このテのラヴコメでは大体においてクライマックスだろうという展開が本巻で見られる。一応の対抗ヒロインが幸か不幸か勘違い路線に入っていったので、このラインでしばらく進んで一悶着あってから、という作戦で伸ばす方策も考えられるが、これで伸ばしてもグダグダ感を醸すような気がしてしまうのと、主人公とメインヒロインを取り巻く環境が整い過ぎたというか充分に進んだ印象があり、本巻で出てきた新たな伏線を携えた要素がクリアになれば他に盛り込むのも冗長になるだけのような雰囲気が漂っているため、本シリーズは佳境に入ったと見るべきではなかろうか。この行く末は連載…  全文読む 評価する

浴衣の熟妻〈混浴〉 浴衣の熟妻〈混浴〉
DSK/良好なシチュエーションだが奥行きに欠ける
いわゆる温泉旅館モノと言っていいと思うが、主人公と兄嫁、女将、宿泊客との関係性に少し捻りが足りないような薄っぺらさを感じた。主人公の足のケガを湯治で治療するのは長期滞在の理由として悪くない。しかし、別に足ケガしてなくてもいいじゃん?という蛇足感があるので、不自由な足を逆手に利用するような官能描写がもう少しほしかった気がする。兄嫁に想いを寄せる主人公に対して、心は最後まで夫にある兄嫁も悪くないのだが、このココロとカラダの境界線というか垣根みたいなものの書き分けに今一つなものを感じなくもない。女将もそうなのだが、貞淑なキャラが淫らに豹変するギャップを描くにしては唐突感があるような、その理由付けが少…  全文読む 評価する

真サムライガード 真サムライガード
DSK/予想外の謎解き展開だが予想内でもある
冒頭から申し訳ないが、やはり絵師さんの変更は(今回も)裏目に出ていると言わざるを得ないだろう。前シリーズの雰囲気との乖離が激しく、キャラもさることながら背景の描き込みが少ない、もしくは無いために実にチープな挿絵という印象に陥っている。もっとも、これを申しても詮無きことではあるが。そして、今回は恐ろしく偏った設定で攻めている。男の娘を筆頭にに変り種がわんさか出てくる印象である。もはやこのシリーズに当初のイメージは無く、真シリーズは新シリーズなれど別シリーズとの心持ちで読まねばなるまい。さて、今回はストーリー展開も攻めている。刀不要の謎解き展開である。予想外と言えば予想外だが、舞阪作品を知る諸兄で…  全文読む 評価する

溺れ母娘 溺れ母娘
DSK/艶っぽい情交シーンが多くて淫猥度は高い
少年主人公が母娘丼に姉妹丼の素敵幸せ関係を営むのはフランス書院文庫作品の典型的な構成と言える。ただ、この昔馴染みなヒロイン達3人のお隣さんは、家族構成が少々複雑になっており、これによる多少の遠慮や気遣いがドラマのスパイスになっている。あと、実は母娘丼や姉妹丼の3Pは思ったほど多くないのだが、最後に全員参加の艶かしい官能クライマックスがあり、これに主人公と、特に母との「その後」というか将来的な要素をしっかり盛り込むことで他の作品との差異を設けようとの思惑が感じられる。ここまで如実に描く結末には好みが分かれるところもあろうが、これはこれで、この“新しい家族”の明るい未来として悪くない結び方ではある…  全文読む 評価する

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
DSK/基本的なレベルは前巻を維持している
帯に『這いよれ!ニャル子さん』の作者が(レーベルの垣根を越えて)コメントを寄せている。この中の『これ渡航先生の自伝だろ』が本質を突いていると思えてならないシリーズの第2巻である。前巻と同様の面白さは維持されている。しかし、内容面というか、「ぼっち」だからこその気概みたないなものは少しばかり減退しているかもしれない。その代わり、超リア充にして超善人のクラスメイトが、その善人故の相性の良さで奉仕部の準メンバーに匹敵する活躍(?)をしていたり、八幡の妹【小町】に思いの外出番があったり、そして雪乃の思いがけない過去と背景が炙り出されたりしており、シリーズが少しずつ深みを増していく、その予兆らしきものが…  全文読む 評価する

ひたむき義姉さん ひたむき義姉さん
DSK/泣き笑いを絡めつつ多人数ヒロインを纏める手腕が冴える
大学の先輩&後輩に美人教授、そしてスイミングスクールのインストラクターまで含んだ4人ものヒロインをサブに従えつつ義姉をメインに据える多人数ヒロインの構成を、泣き笑いを多分に含んだドラマで見せつつ最後はしっかり愛情路線に持っていく作者の話し手としての力量に舌を巻く。主人公が右に左にヨレるストーリーながらも1本の線として繋がっているために、読んでいてストレスを感じない、感じさせない上手さがあると思う。各ヒロインの配置やボリュームには好みの分かれるところもあるかもしれないが、全体の纏まりとして実にデキた作品と言わねばなるまい。この点では相変わらず安定してハイレベルな美野作品である。義姉は別にして、こ…  全文読む 評価する

魅惑のW水着 魅惑のW水着
DSK/秀逸で魅力的なヒロイン(特に母)
水着という設定は充分に活かされている。後半で温泉旅行に行ったりもするが、ここでも水着姿が出てくる徹底振りである。誘惑系のお決まり展開かもしれないが、設定やシチュエーションにはツボを押さえた良さがある。そして、何よりヒロインのキャラがとても魅力的である。表紙カバーで抱き合ってる2人が母娘ヒロインとなるが、とりわけ母が素晴らしい。ツンデレな娘も悪くないが、やや男勝りな口調や態度でクールにキメた母がお株を奪っている。これが大人の余裕で高校生主人公に誘惑を仕掛けながらも、責められては不意に困惑するギャップ、次第に心惹かれていくギャップ、そして最終的には娘に負けない、いや、それ以上に芽生えた愛情で主人公…  全文読む 評価する

僕の恋人は熟女義母 僕の恋人は熟女義母
DSK/叙情的な舞台と設定とドラマと官能
義母好き、熟女好きには堪らないナイスなタイトル。そして、劇画調のタッチに新しさはないが、見返り美人的に振り返る様と魅惑的なお尻が素敵な表紙は、イスのせいか場末のスナックのようにも見えてしまうが、これはおそらく本作の舞台となるホテルのラウンジであろう。ヒロインがもう1人いることを示唆した絵となっているが、実際はさらにもう1人いる。海沿いの地方都市らしい情緒を感じさせる官能ドラマである。メインヒロインたる義母は、高校生主人公である義息と同じ高校の教師でもあるのだが、学校の場面は皆無である。校内のいかにもな場所で人目を忍んで戯れるような展開がなくて勿体ないのだが、これは貞淑な義母の実直な性格を担保す…  全文読む 評価する

ラッキーチャンス! ラッキーチャンス!
DSK/雅人に微妙な距離感を覚えた天草さんの今後に繋ぐ中盤の展開
一言で言えば天草家の家督争いが中盤を迎えただけの内容である。各フロアで行われている多くのバトルが同時多角的に描かれており、海外TVドラマ『24』の画面構成のように捉えることで何とか辻褄を合わせたいのだが、その局面毎に何かしら意味深だったり思わせ振りな要素を置き土産のように残していくので、これを整理するのがもどかしい。次巻への伏線なのは承知しているが、細かな事柄も含めて多岐に渡るのために果たして回収できるのかと心配してしまうほどである。そして、ラスボスに辿り着くでもなく中ボスクラスとの激戦が終始描かれるでもなく終わってしまう感じ。要するに、このバトルの終局に向けて天草さんが何かしら心の整理をする…  全文読む 評価する

さくら荘のペットな彼女 さくら荘のペットな彼女
DSK/才能と努力と平凡と
相変わらず内容の濃い作品である。前巻で見せた上井草先輩の切羽詰まった引きが気になるところだが、この顛末は本巻を通してその後の葛藤が描かれながら一応の終息を迎えている。すれ違う心は仁もまた同じであり、それを埋めるには面と向かって解決するしかなく、最終的に『雨降って地固まる』一歩手前な感じの2人には今後に幸あらんことを祈るばかりである。そして本筋はましろを連れた空太の帰省となる。2人だけで仲良く里帰りなどという、(げんなりする空太は脇に置いて)嬉し恥ずかし展開にすんなりなるハズもなく、いろいろと“お付きの方々”を引き連れた帰参となっており、さらには迎える側にも“恋敵”がいる面白展開が実情である。挿…  全文読む 評価する

あえなく昇天!!邪神大沼 あえなく昇天!!邪神大沼
DSK/昇天しようが何しようが変わらない大沼クォリティ
何と言うか、昇天しようが何をしようが全く以て変わらないところが可笑しくて仕方ない作品の第7弾。実はこのサブタイトルから「もしや最終巻なのでは?」と心配したが、それは杞憂に終わった。確かに昇天する。あっさり昇天する。何度も昇天する。そして平然と還ってくる、いや、還されてくるのが本シリーズらしい。これは邪神だからなのか?その前にこうも安直に還ってきていいのか?という疑問すらどーでもよくなる「何事も日常の中に」というテイストが今回も大いに発揮された内容と言えるだろう。マニュアル別に『初心者らくらく死亡マニュアル』の前半と『プロフェッショナルダメ邪神マニュアル』の後半とに分けられる本巻だが、流れとして…  全文読む 評価する

ヴァージンな関係R ヴァージンな関係R
DSK/好対照な嫉妬と要注意人物?
前巻から続く橙野さんとのコミカルなエピソードと今後を占う上で気になる(?)人物の登場が見られる第3巻は、男と女とでは異なる嫉妬を好対照に描いた一冊でもあった。純粋に漫画として面白かった橙野さんとのドタバタ劇が呆気無くというか、唐突かつ「アレレ?」な終わり方だったのが残念ではあったが、かつての桃山さんを思わせるキャラの良さが橙野さんにもあったと思う。こういうコメディ路線は上手い作者である。対して、後半から登場するシブさ全開のダンディな緑井氏は今のところその真意が見えてこない。かつての黒崎のような恋敵にもなり得そうだし、赤石係長が既婚者と知っていることから違うようにも感じられる。今回の緑井氏とのプ…  全文読む 評価する

My Pure Lady My Pure Lady
DSK/行きずりの切なさ
終わってみればシリーズの引き延ばし的な意味合いも感じられた『婦警編』の完結と言うこともできそうな第11巻だった。前の旅館で女将&仲居さんとカラんだ『旅館編』の第二幕と捉えることもできるだろうが、ストーリー展開としては今回の方が内容に乏しく、一見すると単に旅先で出会った女性(それがたまたま婦警さんだった)と主にカラダ方面で関係を持ち、そして日常に戻っていくのみである。しかし、これを単なる行きずりに見せつつも、そしてカラダの一線は越えたものの、ココロの一線も越えていいのかと逡巡するところをさり気なく盛り込んで、微かな葛藤という繊細な心の機微を描いてもいる。想いがすれ違う大人の官能ドラマという意味で…  全文読む 評価する

生徒会の木陰 生徒会の木陰
DSK/本編の不足要素を補うかの進展(?)も見られる短編集
『日常』(日曜日)から始まった短編集も『木陰』(木曜日)まで来た。次作も短編集との事なので“金曜日”までは決まったが“土曜日”まで辿り着くのだろうか。想像するに、本編があと1作で完結して、その後に総括の意味も含めた短編集が1作出て1週間も制覇といったところか。さすがに終わりが見えてきたようでもあるが、アニメ第2期(祝!)が決まったこともあってなかなかに粘りを見せてもいる短編集第5弾である。【書き下ろす生徒会】 初出 ドラゴンマガジン 2009年7月号付録【2年B組の遊戯】 ドラゴンマガジン 2010年5月号捻りを利かせた展開や、かなり変わった人物も出てくるが、生徒会方面と2-B方面としては概ね…  全文読む 評価する

禁断の誘惑アパート 禁断の誘惑アパート
DSK/芳川作品の真骨頂が遺憾なく発揮された甘々物語
いやぁ、義母や実母といった“ママ”に息子(主人公)が甘えるような、あるいは甘やかすような作品はこうでなくっちゃ!という穏やかなテイストが心地良い。息子からもたらされる愛情に困惑と葛藤を抱きつつも、一線を超えてしまえば一転して母性溢れる慈愛に満ちた包容力で癒していく。作者のリアルドリーム文庫3作目はそんな作品である。【怜子】 主人公とは別の高校で教鞭に立ちながらアパートの大家でもある32歳の義母【理沙】 主人公の家庭教師にして研究課題が元で母子相姦の指南役ともなる23歳の大学院生【敦子】 主人公の担任教師で37歳。実の息子との関係に少し悩みを抱えている登場人物は同じアパートの住人だが、タイトルや…  全文読む 評価する

ゴールデンタイム ゴールデンタイム
DSK/まだまだ青春真っ盛りというイタさとほろ苦さ
作者自身があとがきで『飲んで酔って飲んで酔って、そればっかり』と称した通りの大学生らしい飲み会三昧。しかし、その時々に少しずつ事態が動いていく第2巻である。「柳澤光央にフラれた加賀香子にフラれた多田万里」で始まる本巻は、基本的にこのまま最後まで進む。フラれたから赤の他人。フラれたけど親友。今後も同じ場所に居続ける男女が恋仲になり損ねた後にどう折り合いをつけるか。それ以前に、フラれてもなお未練を残す自分の気持ちをどうするのか。持て余すほどに高ぶり、溢れ出てしまいそうな感情を何とか抑制しようとする甘酸っぱくもほろ苦い展開である。馬鹿馬鹿しく騒々しい学生ライフや、こっ恥ずかしかったりイタかったりする…  全文読む 評価する

きゅーきゅーキュート! きゅーきゅーキュート!
DSK/極めて王道な展開故のヒーロー&ヒロインの面白さ
4月に出版(おそらく3月には脱稿)しているせいか、岐路に立つ若者の“選択”が描かれている。提示された選択肢を受け入れるか否か、あるいは選択肢の無い提示への諦念と葛藤。ある意味では実に本シリーズらしい青春っぽさを感じた第13巻である。どちらかというと前半は前向きな選択肢についての話なので、読んでいても気楽さがある。新たな旅立ちは仲間との別れを伴うもの。しかし、誰もがいつまでもその場にいる訳もなく、誰もがどこかへ旅立っていく。失うものもあるけれど、新しい世界では新たな出会いもある。そんな普遍的な選択肢の中で自らの進路という未来を迷う理刀が描かれている。しかし、これは選択の余地もなく絶望的な未来を示…  全文読む 評価する

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