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楽譜を読むチカラ
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mayumi/結局のところ音楽は感性で、その感性の<言語化>に挑んでいる本
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表紙には「音楽を学び、教える人の必読書! 自信を持って演奏したいのですが、どうしたらいいのかさっぱりわかりません! 自分の才能を最大限に発揮させるためには、どうしたらよいのでしょうか?」とあります。 ま、ちょっとタイトルに難ありかも。 一般的な読譜方法を想像すると、相当肩すかしをくらうと思う。 ま、結局のところ大切なのは<感性>であると。 とはいえ、この本のすごいところはそういう<感性>を言語化してるところだと思う。 漠然と、まぁその方が素敵だから、音楽的だから、やってるクレッシェンドとか、リタルタンドとかに、明確な意図を与え、その意味を言語化しているのだからすごい。 確かに、音楽に携わる…
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ビブリア古書堂の事件手帖
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mayumi/ラノベの典型的なヒロインであるようなのに、結構黒い。でもってそこがいい。
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古書をめぐるミステリーの2作目。 前作で、絵にかいたようなヒロインでありながら結構黒いと思ってた栞子さんは、やっぱり黒かった。 というか、この黒さがむしろ魅力。 そう、天然であったり無邪気、そして聡明というだけでは、本の魅力は語れないのだと思う。本のもつ毒とか魔力とか、そういうものを語るためには、あえて物事をフクザツにしてみたり、いい人であるように見せながら希少本を手にいれてみたり、そういう策略が必要なのだ。 そういうことをしてしまうほどに、本は魅力的であり、その魔力に栞子も、そしてその母親もとりつかれているのだ思う。 栞子と、同じような容姿をして、同じように本に対しての洞察があったという失…
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不連続の世界
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mayumi/主人公の掴みどころの無さが、不思議に魅力的なのだ
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「月の裏側」の塚崎多聞を主人公にした短編集。 *木守り男 *悪魔を憐れむ歌 *幻影キネマ *砂丘ピクニック *夜明けのガスパール 「月の裏側」もそうだったけど、多聞は<信用のならない語り手>なのだ。 と、わかってて読んでるのに、やっぱりなんかぬらりくらりと妙な所につれていかれる。 そう。この短編集の感触は、どこかに着地するのではなく、流されるというのが近い。しかも流れ着く先については、作者も「知らないよ」っていってる感じがする。 結局は、多聞がどこか他人を寄せ付けないところがあるからなのだろう。 故に、シンクロを覚えない。 かといって、他の人物にシンパシーを覚えるわけでもない。 切断された個の…
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ビブリア古書堂の事件手帖
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mayumi/不思議な不安定さに充ちた物語
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鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」を舞台にした、古書をめぐるミステリー。 本の雑誌が選ぶ文庫ベスト10で1位になった等、ラノベというジャンルを超えて2011年を代表するヒット作になった作品。 で、私が感じたのは<不安定さ>だった。 妙なめぐり合わせで古書堂で働くことになった主人公に、骨折で入院中の浮世離れした美しい店主。ライトノベルとしていかにもありそうなキャラなのに、扱ってるのは古書で、本にまつわる因縁を店主が安楽椅子探偵よろしくひもといていく。 それは物語として、とても面白かったのだけど、なんか違和感がぬぐえない。 で、気づいた。 部類の本好きとして描かれている店主、栞子さんなんだが、彼女…
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黒百合の雫
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mayumi/大石圭はすごく面白いですよ。大きい声では言いにくいですけどww
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ますます「好きな作家です」と紹介しずらくなっていく大石圭なのであったww どうか、このまま背徳の道を突き進んでいってください。 女同士の恋人たちの別れの夜の話。 大石圭だけど、今回はグロはなしです。 でも、絡みが人によってはグロく感じるかもね。 女同士であるという特異性はあるけど、そこに重きがあるようで、実はない。 結局のところ、好きあって一緒に暮らしていても自我を変えることができなかった二人の破綻なのだろう。 物語は、二人それぞれの視点で語られる。 そうやって二人は、自己の空虚を語っているのだとも思った。 読後が意外なほどさわやかで、ちょっと驚愕。 大石圭なのに…ww
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スリーピング・ドール
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mayumi/最高に面白いエンターテイメント
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カルト集団のリーダーで、一家惨殺事件を起こした男が脱獄した。 追うのは、尋問とキネシクス(ボディランゲージ分析)の専門家、キャサリン・ダンス。 リンカーンライムシリーズからのスピンオフの1作目。 ディーヴァーはすごい。 最初の留置場での尋問から始まって、追い詰めたり逃げたり、そしてどんでん返しと、息をつく間もない展開だった。 最高に、エキサイティングな作品といえるだろう。 と、同時に思った。 テレビドラマ化を考えてるのだろうかと。 非常に資格的なのだ。 ま、それが妨げになっているわけじゃないけど、リンカーンライムシリーズが、彼の安楽椅子探偵的な部分のせいか非視覚的だと感じるから、余計そう感じ…
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レディシノワズリ
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mayumi/美しい、善良な物語
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従兄につれて行かれた屋敷であったのは、チャイナドレスを着た金髪碧眼の美女だった。 古き良き時代のイギリスを舞台にした、ファムファタールと中国骨董の連作。 物は、ただの物ではなく、想いのあり様なのだと、思う。 ようするに、イギリスに流れてきている中国骨董が、正しくない扱いをされてるところに、美女は現れ、少年はその姿を追い求める。 そこにあるのは、<憧憬>なのだと思う。 だからこそ、物語は優しく美しい。 この美しさがあるからこそ、世界は廻るのだと、まぁ、何の根拠もなく思うのである。 信じられるのである。 そういう、善良な物語…。
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殺し屋最後の仕事
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mayumi/もう何をどう書いてもネタばれになりそうですが、ブロックの最高傑作であること間違いないです
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殺し屋ケラーシリーズ。 引退を考えていたケラーが最後の仕事にやってきたアイオワで、州知事が暗殺される。 犯人として追われることになったケラー。 もう最高に上手いです、ブロック。 冒頭の切手ディーラーの店から、事件にはいっていく、その転がりっぷりが半端ない。この作品が読めたことに、誰にともなく感謝したくなったぐらいだ。 物語は、ケラーの逃亡と復讐なのだが、そこに理不尽なものがないかといえば、大いにある。 だからこそ彼は「殺し屋」なのである。 なんか、なんだかんだと上手くいって、大団円になってるようだけど、その奥底に殺し屋としてケラーが負うべき対価が潜んでいる。 ブロックは淡々と描きながら、その…
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木星の骨
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mayumi/子供を守ることが大人の一番の責務であるということを、つきつけられ問われる
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新興宗教の教祖が死亡する。 他殺か自殺か、混乱する捜査と、混乱する教団。 デッカー家でも、ティーンエイジャーになった子供たちがそれぞれに悩みを抱えていた。 教祖が死んだ=教団の暴走、ってなってるので、ちょっとそんなに極端なものなのかと感じたんだが、閉鎖的な教団って強調されてるから、アメリカではそういう図式になってるのかもしれない。 にしても、物理学者から教祖になった男の論理とか、教義とか、難しかったですよ。 まぁ。数学が行き着く先は、究極の抽象論で宗教っていうベクトルは、すごくよくかわったけどね。 リナの息子たちも、それぞれ悩みを抱えてるんだけど…。 友達で、父親が突然ユダヤの教えに目覚めて…
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殺人調香師
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mayumi/香水のエロさが十二分にわかる
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特定の女性の<香り>に魅せられた青年の犯罪。 「殺人鬼を飼う女」ではワインでしたが、今回は香水。 実にエロい。 やはり、大石圭はエロの本質、人間の器官のなかで脳が一番Hだという、そのことがわかってらっしゃる。 本という媒体で、決して匂いはわからないのに、ページをくるごとに沸き立ってくるような香り。わからないはずなのに、その匂いを感じさせる表現力。 しかも、それを官能につなげるという筋道が、まさに職人技。 まぁ、青年の生い立ちが物語の背景にあって、それが始まりであり終わりでもあるというのは、ちょっと予定地調和すぎるんじゃないかと思わないでもないんだけどね。 つか、青年が、殺人を犯す以外の部分…
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モップの精は深夜に現れる
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mayumi/やっぱり、今って生きにくい世の中なんだなと思う。そんな世の中の中のオアシス
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スーパー御掃除職人キリコがずばっと解決するミステリー短編集。 相変わらずキリコちゃんは、とってもできる子ですごい。 まぁ、ファッションも相変わらずで、故に誤解もされるんだけど。つか、こういうどーでもいいことで、自分の沽券を示そうとするオッサンって、一杯いるよなぁ。 いやいや、オッサンだけじゃない。 客観的にみれば、そんなことぐらいで、って思うようなことで人は右往左往する。 なんか、もうちょっと人に対して、視野を広くできたり、客観的になれれば、もうちょっと世の中生きやすくなるのにねって改めて思うのである。 うん、この短編集は、なんか、世の中の生きにくさと、でもどこかに救いはあるよ、っていう…
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フランケンシュタイン 対決
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mayumi/歪んだ命の哀れな歪んだ結末
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新人類を創造し、彼らによる世界を作ろうとするフランケンシュタイン博士@ヴィクターと、彼に作られた最初の生命であるデュカリオンの最後の戦い。 どんどん狂っていく新人類たちが、哀れだった。 結局のところ、歪んだ命には歪んだ結末しかあり得ないのか。 それでも、彼らは彼らの<神>を見出す。 と、いうことにさえ、哀れを覚えるのである。 作られた歪んだ命ですら、人間という器にいらられたものには、それは必然なのだろうか。 そういうよりどころがなしに、人間は人間として存在することができないのだろうか。 とはいえ、ヴィクターとデュカリオンの戦いは、<神>とは無関係のところで始まり、終わる。 最後の最後に、び…
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さよなら絶望先生
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mayumi/久米田先生はとっても<いい人>だと思いますww
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いやあ、久米田先生っていい人ですね。 と、最後の「紙ブログ」でしみじみしてしまった。ま、小心者の極みといえばそうとも言えるんだろうけど、やっぱいい人で、真摯に漫画描いてるんだなぁと感じた。 その一方で、似てて何が悪い、ぐらいに開き直れない久米田先生に不安を感じたりもするのである。 …この辺が、アニメ4期が一向に始まりそうにない原因なのか?ww ともあれ、震災以後の絶望先生。 原発やら、節電やらを、ネタにしてます。 なんか、こういうので笑えるようになったってことに、安心したりする。 でも、原発やら何やらの詭弁っていうのは、結局のところ普遍だったのかなと思う。 何にでもありそうな話だからこそ、…
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月下天使
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mayumi/新しい局面へと向かうシリーズ、その分岐点となる作品
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小学3年生怜の体の中には江戸時代の人形師、目吉が棲んでいる。 目吉センセの推理が冴えるドールズシリーズが、新たな局面を迎える。 見た目は子供、中身はオヤジ、なんだけど、いかんせんアガサ博士@名探偵コナン、みたいな人はいないわけで、なかなか行動が伴わなかった。が、今回、目吉の手足というべき存在が現れる。 喫茶店で働く謎多き女性、聖夜、は目吉@怜が動けない分、それをカバーする。 これは、無敵だなって思っていたら、さらに強大な敵が現れました。 うむ。 ここから、壮大なバトルものにシフトしそうな気配です。 でもって、目吉がなぜ死んだか。なぜ、怜の体によみがえったか。そういう謎がこれから明確になってく…
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鬼物語
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mayumi/半端ものになってしまったものが語る半端な物語
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吸血鬼、忍野忍が語る最初の眷属と、彼女でさえ恐れる怪異との対決。 タイトル「鬼物語」なので、忍が心情を吐露するとか、彼女をとりまく物語かと思ったら、さにあらず。 一応彼女は、語るけれどそれはあくまで傍観者なのだ。 平和な日常に突然現れた<くらやみ> それは、かつて忍の平安な生活を奪ったモノだった。 もう、何をどう書いてもネタバレになりそうなので、極端に抽象的になりますが、ようするに怪異も、怪異であるということに存在理由を縛られているってことなんだろうな。 人間もなんだかんだと不自由だけど、怪異もまた不自由な存在なのだ。 しかも、怪異はその不自由さに気づくこともなく、それを打破することもしない…
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天井男の奇想
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mayumi/<家>というものの意味をじわっと考えさせられます
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東十条の古い木造住宅を舞台にした叙述ミステリー。 天井ってあるので「幸福荘」っぽいんだけど、たしかに、ぽい、んだけど、今回は普通の2世帯住宅ってところがポイントなのである。 大家で1階に住む変り者の老女。そして、2階に住むワケありの女。 二人を中心に、それぞれを訪問する都の職員や友人が、物語をフクザツにしていく。 もう、折原一なので、どんでん返しがあるんでしょ。時間軸も、実は曖昧なんでしょ、とかまえて読んでるんだけど、うまいことやられてしまうのである。 にしても<家>って怖いね。 まぁ、家が自分の戻る場所であり、居場所であり、起源でもあるという要因が、この悲劇的なドタバタを産んだのだろうな…
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きのう何食べた?
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mayumi/美味しいご飯が、人生をちょっとだけ生きやすくしてくれるのだと思えます
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シロさんとケンジの美味しい日々の5巻。 相変わらず美味そうです。 つか、即作れるものが描かれてるので、毎度ながら重宝いたします。 で、今回は、世の中になる様々な窮屈が描かれてる、感じかな。 ゲイだからと、同じゲイを紹介する普通の人。超無愛想で、自分の否を絶対認めない店員。知り合いの結婚式で自分の相手を探すことに必死になってる人。 そういう世の中のちょっとしたことを、窮屈だと感じつつも、最終的には美味しいご飯で水に流せるというか、リセットできるってすごく大事なことなんだと思うのである。 うん。最終的には、美味しいご飯は人生を救うんだよ。 にしても、シロさんの両親もケンジの両親も、それぞれに…
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たまさか人形堂物語
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mayumi/人形をめぐるミステリー、というだけじゃない重さと想いがある
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祖母の形見の人形店を継いだ主人公。 人形マニアと、凄腕の職人の三人で、修理専門の人形店として営業中。 修理として持ちこまれた人形とそれを取り巻くミステリー短編集。 *毀す理由 *恋は恋 *村上迷想 *最終公演 *ガブ *スリーピング・ビューティ 一口に人形といっても、様々でそれに対する知識というか、含蓄に圧倒される。といっても、それが嫌みではなく、本当に人形が好きなんだというその気持ちになごむ。が、それを引きだしているのは、押しかけ従業員で人形マニアの富永くんなんだが。 店主である澪はリストラされたOLってことで、祖父母の思い出は大事にしてるけど、だからといってそんなに人形が好きではない。 …
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さよなら、愛しい人
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mayumi/クールな詩情を堪能する
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マーロウは、出所したばかりの男が、殺人をおかすところに出くわしてしまう。 警察に、過去を消したい女に、過去にしがみつく女、様々な思惑の混沌の中を、マーロウは答えを見つけるために奔走する。 にしても、色々やられすぎですよ、マーロウ。 結構、フルボッコにされてて、若いなぁ、青いなぁと思うのである。 うん、「ロンググットバイ」に比べると、すごく若い感じなので、ヤバイところに自ら突っ込んでいってフルボッコになってる感じがする。 と、チャンドラーは詩的だなと思う。 殺人を犯した男、マロイがかつても恋人を思う描写も、女が自分を縛るものを振り切って逃げだそうとする心情も、いわばエゴであるそういうものが、と…
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狼と香辛料
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mayumi/幸福な物語の幸福な終わり
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狼と香辛料の、最後の短編集。 いやあ幸せな物語だった。 内容ももちろんなんだけど、なんというか、この物語を取り巻く全てが幸せだったといえるんじゃないかな。 でもってその幸せのおすそ分けをいただけるというか、浸ることができた物語。 幸福というものは、個々によって違うものだ。 ロレンスの求める幸せと、ホロの求める幸せも、つきつめれば別のものなのだろう。が、互いがそこに接点を見出し、それをはぐくむと決めた。 二人で生きるということは、多分そういうことなのだ。 そして、物語を彩った人物たちのそれぞれの幸せ。 誰もが、自立していて、自分の足でしっかり立ってるっていうのがいいなと思うのである。 にしても…
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デュラララ!!
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mayumi/子供たちは追い詰められ、ずるい大人は暗躍する
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物語は、狡猾な大人と未熟な子供の対決へとシフトしていく。 相変わらずダラーズの正常化にやっきになっている帝人。そんな帝人を止めようと、黄巾賊を再結集させる正臣。そして空回りしている杏里。 それぞれの秘密を、ちゃんと話せなかった故に、自体はさらに混乱を極めて行く。 なんで、三人が三人とも一番必要なことは自分をさらけ出してきちんと話すことだって気づかないかねぇ。 つか、そこが未熟な子供だからなんだろう。 そして、未熟な子供と狡猾な大人の間の人間が一人、一人と舞台から消える。 結局、ドタチンは緩衝材であり、静雄は起爆剤であり、臨也は制御者で、彼らが意図的ではないにしろ未熟な子供を守っていた。 が…
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チョコレートコスモス
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mayumi/驚くほど視覚的な良作
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伝説のプロデューサー芹澤が、新しい舞台のためにオーデションをする。 作者のあとがきにもありましたが、ほぼ「ガラスの仮面」です。 特に、芸能界のサラブレッドな、東響子は亜弓さまみたい。 が、対抗する天才少女飛鳥が、一味違う。 確かに、常識では考えられない天才っぷりを次々に見せてくれるけど、マヤとは全く違います。 すごいな、恩田陸。 「ガラスの仮面」を知っていて、マヤの天才っぷりを見ていても、また別の天才を創造できるってすごいことだと思う。また、亜弓みたいといった東響子だけど、彼女も本質は亜弓とは違う。もっと、地に足がついた、そして、がむしゃらになることをいとわない人で、亜弓とは、自己顕示欲の出…
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最後の記憶
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mayumi/自分をあまりにも客観視できるというのは、ある種の悲劇なのだと思う。
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脳外科医である主人公は、脳腫瘍の患者に「手術の時にメガネをかけた方がいい」といわれる。 原題は「ハイパープラジア 脳内寄生者」なので、そーいう話です。 が、主人公が脳外科医であることの意味が大きい。 脳の専門家である彼は、自分の状況を冷静に判断し、理解していく。その理性がむしろこわい。 そう。 一見、傍若無人な准教授に振り回されている助手の不満の物語のようであるのに、奥底には医者として、人間としての矜持が語られている。 そして、彼は自分の弱さも卑怯さも全て抱え込んで、最後の記憶に到達する。 とはいえ、確かに彼の妻は横にいるけれど、寄り添っているわけじゃない。彼は、たった一人で<完結>してしま…
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囮物語
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mayumi/強烈な自我を間違った方向にしか体現できなかった女の子の話
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強烈な自我と、その表現方法を知らない、気づかない、努力しない、その罪の物語だと思った。 「化物語」で唯一<被害者>であった撫子。 が、それこそがアヤカシたちの思うつぼだったのかもしれない。 彼女は、無邪気に暦の彼女を憎み、あっけなくこの世を足蹴にする。 バケモノの世界に、踏み込んでしまった暦にしろ、ひたぎにしろ、羽川にしろ、駿河にしろ、むしろこの世に未練があり、その執着がバケモノを産んでいたというのに。 想いの差は、確かにないのだろう。 羽川の暦への想いも、撫子の暦への想いも、大差はないのだろう。 しかも羽川は、自分で想いを告げるのではなく、その弱さゆえにネコに言わせている。 では、羽川と撫…
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大奥
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mayumi/可愛い男と、したたかな女
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男女逆転大奥の7巻。 ようやく1巻のところに話が戻ってきました。(今までは回想というか、記録だったのだ) にしても、男は可愛い生き物ですな。 美しい役者、生島に惹かれ、そのことで罰されることになる江島といい、間部に切ない思いを抱き続ける月光院といい、大奥というかこわれた世界だからなのか、想いは無垢であるといえる。 対して、女は策略し、陰謀し、保身する。 が、それこそ、男女逆転した故の形なのかもしれない。 男女の性差と思われていた部分って、結局のところ環境が作りだしてきたものはのではないだろうか。 少なくとも、男はこうあるべき、女はこうあるべきというジェンダーな部分は、社会的な責務とそれに伴…
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充たされざる者
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mayumi/閉塞された町の閉塞された人々に振り回されるストレンジャーの物語。妄想というか悪夢というソースがふんだんにかかってます
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世界的ピアニスト、ライダーはコンサートのためにヨーロッパのとある町にやってきた。 町の住人は、それぞれに問題をかかえ、その解決をライダーに求める。 ごついです。 1000P近くあります。ま、これを上下巻とかに分けなかったハヤカワ文庫は、グットジョブだと思いますよ。 ライダーは、ホテルのボーダーや支配人に始まって、とにかくありとあらゆる人から相談を持ちかけられたり、依頼をされたりするんだけど、どれも彼を尊敬しているといいながら、とにかく利己的なのだ。多分、本人も気づいていない欺瞞であったり、偽善なんだろう。 そして、そういうのを延々と読まされるわけだ。 ライダーじゃないけど、いい加減にしてくれ…
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夜想曲集
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mayumi/独特の音楽との距離感が、静謐さを育んでいるのかもしれない
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カズオ・イシグロの短編集。 どれも<音楽>が関わってます。 そして、物語はピンボールのようにそれぞれがつながっていきます。 「夜想曲」が圧巻。 整形するために、高級ホテルに滞在していたサックス奏者が、同じ理由で隣室に滞在していた有名ミュージシャンの元妻と知り合いになる。 お互い、顔に包帯をまいてる状態で、ホテルの中という小さな世界で、二人は次々に冒険をする。 少年少女のような、無垢がそこにある。 が、それは<顔>というものがないから成立したことなのだろう。 そして、そのことを二人は確実に知っている。 そのことが、やるせない気持ちになるのである。 うむ。どれも、切ない物語だった。 「チェリスト…
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純情ミステイク
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mayumi/この魅力って、バランスの妙なんだろう
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「世界一初恋」&「純情ロマンチカ」のスピンオフ。 丸川書店の御曹司と、そのお付きのすったもんだ。 相変わらずきゅんきゅんきます。 この、きゅんきゅんクオリティは、中村先生の真骨頂ですなぁ。 でも、王道すぎるような…。 いや、パターンがわかってるような王道なのに、きゅんとこさせるのは、やっぱり感性であり技術なんだろう。 と、バランスかな。 …丸川書店関係は、ゲイ率高すぎですよ、と思うんだけど、常に女性キャラがきちっとしてるのでそーいうのをちょっと忘れてしまう。っていうのが、バランスの妙なんだろう。
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涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版特製小冊子付き
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mayumi/何事にも、時期や旬というもは存在する。
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4年ぶりのシリーズの続き。 「分裂」の続きってことなので、すっかり忘れている分裂を読み返したあと、読む。 やっぱり、物事には時期というか旬というか、とにかく<時間>というものの後押しが不可欠なのだろう、というのを痛感した。 そう、残念ながらそういうものの恩恵がすり抜けてしまっている。 分裂が出た直後にこれを読んだら、それはそれで感動なり、思うところや考えることがあっただろう。 しかしながら、4年は全てを形骸化してしまうだけの時間だったようだ。 にしても、周りがどうであれ超然としている、全く関知してないというのが、涼宮ハルヒの魅力だったように思うのだが、今回のようになってしまって一体、この先ど…
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地下牢の女王
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mayumi/大石圭の「ミザリー」…でもって、あれよりエグイ
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大石圭的「ミザリー」 作家のファンだといって近づいてきた美貌の女性は、作家を監禁して自分のために小説をかくように強要する。 そーいや、男が女性を監禁する話があったよね、大石圭。 その「飼育する男」との大きな差は、監禁するものの生活に対する姿勢なのだろう。 「飼育する男」は、衣食住、特に食に対して真摯だ。が、「地下牢の女王」は食べることに全く無頓着というか、無造作なのだ。 食は、イコール生き方だと思う。 結局のところ「地下牢の女王」は他人はもちろん、自分自身も、何もかもを愛せない、否定し続けて崩壊していく。 もっとも、「飼育する男」は自己愛を極めすぎて壊れているのだけど。 対極ある二人が、同じ…
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