家計簿を丹念に調査して、そこからある武士一家の生活を読み解いていく・・・。簡単に言えばそういう内容だ。武士は食わねど高楊枝という言葉もあるし、算盤侍といえば蔑称だった江戸時代、役職柄数字に通じていた一族がいかに激動の時代をきりぬけたか。歴史に関する本(小説のぞく)を読んでこれほど感動したことは、私はなかったと断言できる。家計簿からこれほどの人生が読み解けるのだ、と。きわめてプライベートなツールであるはずの家計簿が、実は歴史を雄弁に物語るものなのだ、と。私は家計簿をつけるようになった。今のところ、見るのは私だけだ。日々の生活の振り返りに活用している。しかし、何十年後か―――私に家族ができて、子孫…
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