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セキタン!
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kumataro/後半に締りがなかった。
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セキタン 須藤靖貴(すどうやすたか) 講談社 セキタンとは石炭ではなく、書中の説明では相撲の隠語で「急いで」の意味となります。大関治15才の中学3年生から25才までの相撲道の記録です。中学生以上向けの内容となっています。相撲の知識や見学体験がない中学生にはちょっとむずかしい。 「君は横綱になれる」と予言された大関治は進路のことで悩みます。三角関係があります。競馬騎士を目指す絵島と香山美夏です。大関のサクセスストーリーであるようでそうではない。ラストへのもっていきかたはすっきりしません。大関が素直でまじめな青年であるがゆえにアンバランスです。ところどころに教訓の言葉があります。気に入ったのは「前…
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政治家の殺し方
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kumataro/変化の過渡期における犠牲者
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政治家の殺し方 中田宏 幻冬舎 ブックカバーには、なにか怨みを晴らすようなキャッチコピーが列挙されています。電車で見かける週刊誌の吊り下げ広告のようでもあります。書中で自分の潔白を訴えておられます。 わたしは横浜市民ではないし、関東地方の住人でもないので、筆者のことはほとんど知りません。いち地域の有名人が全国区とは限りません。意外なほど人は他人に関心をもっていません。筆者と同タイプの首長が何人かいますが、地方の小さな自治体で暮らす人にとっては遠い個性です。そのことから、この本については、「人間」を考える作業を試みることになります。 横浜市長を2期8年務める。本文を読むと混乱に巻き込まれた生活環…
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相性
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kumataro/同じ時代を生きてきた者としての感想
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相性 三浦友和 小学館 インタビューをまとめた内容となっています。もうすぐ60才、映画の宣伝も兼ねています。印税は東日本大震災に寄附されるということで、この点で以前読んだサッカー選手の本と同様奉仕の精神があります。 妻をかばうために深入りした発言はありません。確かに奥さんはファンにとっての「神」になりつつありました。妻にとって作者は救世主だったのでしょう。本を読む限り、作者は普通の人です。奥さんも同様でしょう。俳優や歌手でなくても、人は職場や学校で、自宅とは異なる人格を演じています。 外見・風貌、映画・ドラマのイメージとは異なる実像である作者の姿が語られます。警官のこどもとして生まれ、両親の不…
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錨を上げよ
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kumataro/作者の作家としての決意が表明された作品
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錨(いかり)を上げよ 上・下 百田尚樹(ひゃくたなおき) 講談社 かなりのページ数です。1ページにびっしりと文字が詰まった状態で、主人公作田又三のひとり語りが続きます。全体で七章あります。「第一章 進水」最初は作者の自叙伝かと思いましたが内容は違います。ありえない主人公の姿です。暴力三昧で、普通なら16歳になるまでに命を落とすか、刑事罰を受けています。スピードと躍動感に満ちた文章が続きます。現実離れした部分もありますが魅力ある内容となっています。世の中を渡る人間の汚さをこどもに教える本でもあります。舞台は大阪、住居は文化住宅です。「第二章 出航」又三を船にたとえてあるかのような章のタイトルです…
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人生がときめく片づけの魔法
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kumataro/管理の本
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人生がときめく片づけの魔法 近藤麻理恵 サンマーク出版 あとがきから読み始めました。片づけしすぎて病院に搬送されましたから始まります。ほほえみました。自己紹介記事もすごい。幼稚園のときから片づけているそうです。 タイトルにある「ときめき」は、その物に触れたとき気持ちがときめくかになります。ときめかなければ捨てる対象です。その部分を読みながら物=人とも読み取れました。ときめかなければ交流を絶つことになります。相手は異性であったり同性であったりもします。また、捨てる=忘れるとも受け取りました。 もったいないと言われて育った世代です。なかなか捨てられません。食べ物も食べ残しができません。この本では、…
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スティーブ・ジョブズ
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kumataro/生まれの不遇を成功に変えた偉人の執念
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スティーブ・ジョブズ 1・2 ウォールター・アイザックソン 講談社 文章量は多く、密度も濃い。時間がかかります。伝記です。1980年9月まできました。今読んでいる部分はパソコンにとって夜明けの時期です。金儲け目的の人がいます。技術開発が目的の人もいます。そんななかにあって、主人公の個性は非凡です。裸足で歩く。禅とLSD(薬物)が好き。日本の永平寺とか日本人名も登場します。ベジタリアン(菜食主義)、変則的な生まれと育ち、狂気をあわせもつ天才、主人公は亡くなっています。読み進めることは一歩一歩彼の死に近づくことです。文系と理系の交差点に立っている人間が革命を起こす才能を有している。本書の場合、抽象…
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采配
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kumataro/選手をいたわる。
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采配(さいはい) 落合博満 ダイヤモンド社 最終ページに8年間で4回もリーグ優勝をしたのではなく、4回もリーグ優勝ができなかったという趣旨のことが書いてあります。ほほえみました。 この本を読む前にアップルの創始者スティーブ・ジョブズ氏の伝記を読みました。ふたりに共通する点がいくつかあります。数値で考える。歴史に習って「模倣する。」、これについて、スティーブ氏のほうは「英雄は盗む」、共通点として、理想を100%で設定する。シンプルを追求する。落合監督の場合で加えると、「練習量」で結果が決まる。負け方を考えるがあります(全勝は不可能)。この本を読むと監督視線で野球観戦ができるようになります。 監督…
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中国嫁日記
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kumataro/異国の父親の親心を知る。
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中国嫁日記 井上純一 角川グループパブリッシング 前書きの内容はアンビリーバブル(信じられない)です。夫はアニメとかフィギュア(女の子の人形)好きのオタクで40代、妻は中国人で20代という組み合わせです。 五つの章による四コママンガと長編マンガの構成です。国際結婚に至るまでの不安な部分は、後半の長編に記されています。奥さんは限りなくかわいらしい。かなり私生活にくいこんだ内容となっており、奥さんほか両方の親族から反発が予想されたのですが、周囲の理解を得られています。こういう世界もあるのだなと凝り固まった考えが溶けました。139ページにある奥さんの手記は、涙なくしては読めません。上等な映画を観たあ…
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更級日記
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kumataro/枕草子や徒然草を超える作品
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更級日記 菅原孝標(すがわらのたかすえ)の女(娘) 平塚武ニ 童心社 訳者の前書きを読む。歴史をひと筋の川の流れにたとえてあります。過去と現在はつながっている。昔の人と今の人との心は溶け合っているとあります。しみじみしました。 夫を亡くした作者は晩年「死」を意識し始めます。内容は日記というよりも人生の回想記です。最終章では仏さまが迎えにくる夢をみておられます。 心素直に書かれた情感のこもった名作です。枕草子とか徒然草の陰に隠れていますが、完成度は同等かそれ以上です。これまで読んだ古典の中で、いちばんよかった。訳者の力量もあるのでしょう。読みやすくて、わかりやすい。 1000年前に実在していた女…
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原節子あるがままに生きて
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kumataro/それぞれの生き方
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原節子あるがままに生きて 貴田庄(きだしょう) 朝日文庫 原さんが出演された映画で観たことがあるのは「東京物語」、「晩春」、「麦秋」、「東京暮色」ぐらいで、いずれも小津安二郎監督となります。美しい女性です。 15歳ぐらいでデビューして、17歳ですでに世界中を旅されております。ドイツ、パリ、ハリウッド、中国、ロシアと広範囲の土地を訪れています。1930年代の景色はまだ自然破壊が進む前できっと美しかっただろう。航空機を使わない船旅、ロシアはシベリア鉄道利用となっています。同じく、日本国内もまんべんなく各地の観光地をロケやキャンペーンで巡っておられます。いっぽう戦後は、庶民同様に米や野菜を背中にかつ…
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ミンティたちの森のかくれ家
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kumataro/誠実な心に幸せは宿る。
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ミンティたちの森のかくれ家 キャロル・ライリー・ブリンク 谷口由美子訳 ママが死んだ3人家族(パパ、長女、次女)と両親を亡くした少年は、いずれもホームレスです。時代背景は1930年代、大恐慌(不況)で職がありません。彼らはアメリカウィスコンシン州にある空き家、他人の家に住みつきます。長女の名はミンティで、その家をかくれ家と称します。 この物語は、幸せになるために必要なものは誠実な心と教えてくれます。具体的には、あたりまえのことをあたりまえにすることです。書中に表現がある「親切というお金」が幸せづくりを補助してくれます。 いつも詩をくちずさむパパはちゃんと働かない。小説家志望で文学賞を狙っていま…
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メタボラ
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kumataro/沖縄で記憶喪失になった男
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メタボラ 上・下 桐野夏生(なつお) 朝日文庫 上巻を読み終えたところで感想を書き始めます。意味を理解できない方言のような言葉が出てきます。舞台は沖縄本島です。「オゴエッ」驚いたときのうめき声、「ズミ」上等という意味のようです。「ちゃみた」盗んだ。「ボラバイト」まだその意味はわかりません。「メタボラ」なんのことやら。メタボではありません。以前読んだ同作者の「東京島」と雰囲気は似ています。 記憶喪失者のお話です。沖縄で記憶を失った仮名「磯村ギンジ」の物語です。「ココニイテハイケナイ」、「お前、仕事だろう!」この2語の記憶しかない。山の中で伊良部昭光という男と知り合って交流をもち始める。若い女性た…
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影法師
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kumataro/高度な「愛」
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影法師 百田尚樹 講談社 侍(さむらい)のお話です。いくつかの読めないあるいは意味がとれない単語が出てきます。「捨て扶持(ぶち)」江戸時代の言葉。役に立たないものに与える給料・生活費「儂」わしと読む。自分のこと。「奸物(かんぶつ)」悪知恵のはたらく心のひねくれた人間。この物語では、私利私欲のために家臣や民の幸せや夢となる政策実行を妨害した滝本主税(ちから)筆頭国家老を指します。「上意討ち、じょういうち」主君の命を受けて、罪人を討つ。討ちそこねると死とお家断絶が待っている。「逐電ちくでん」すばやく逃げて行方をくらます。この物語では、ストーリーの柱となる磯貝彦四郎が逐電します。 主役の茅島藩(かや…
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つるかめ助産院
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kumataro/南の島はどこにある。
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つるかめ助産院 小川糸 集英社 今、妊娠している女性、ママになったばかりの女性に読んでいただきたい良書です。わたしが、妊娠・出産することがない男性である点で、しっくりこない部分はあります。わたしにとっては異世界のお話でした。童話のような小説です。ファンタジー(幻想)の世界です。 人間不信に陥った孤独な人たちが集まったのが、とある南の島です。ある人の両親は自殺し、ある人は父親にだまされて失望し、またある人は死産している。そこへ、クリスマスの日に教会の前に遺棄されて、施設入所後里親に出された(里親との関係はよくなかった)まりあ28才が船で到着します。彼女の夫小野寺は失踪してしまいました。彼の失踪理…
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体脂肪計タニタの社員食堂
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kumataro/昔の日本の料理
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体脂肪計タニタの社員食堂 大和書房 軽量計測機器製造メーカーの食堂メニューです。5品500kcal程度に抑えて肥満を防ぐ。しょうゆ・ソースを使わず、食材そのものを味わう。欧米化される前の昔の日本の食事を思い出します。色どりは茶色、緑色です。 仕事に没頭、ことに徹夜勤務を始めとした不規則勤務での食事摂取は体にこたえる。コンビニ弁当、菓子パンでさしあたっての飢えをしのぐ。その結果、りっぱなたぬき腹体型ができあがる。どこでどうしてこんな体型になってしまったのか。もとのスマートな姿かたちには戻りません。社員のインタビューをみると、とくだんの運動をするでもなく、この昼食をとり続けただけで減量に成功してい…
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マザコン
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kumataro/母親に対するかなわぬ思い
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マザコン 角田光代 集英社文庫 短編集です。「空を蹴る」迫力ある文章運び。女性作家なれど、男性の主人公で記す。作者の壮絶な体験が文章の背景に見える。それでも女性の気配は残る。自分ひとりの旅をふたりの人物に設定する。グループに属せない孤独。母という「幸福」を失った淋しさ。この作品集では、認知症になったあるいはなりつつある母親が登場します。「雨をわたる」作中の言葉を借りると、「母はどこでもない場所にひとりっきりでいる。」ひとりで、フィリピンに移住した母について記します。母も子もお互いに親子の愛情はあるけれど気持ちのうえでは一緒に住めない。文字とか文章記述とか書き方の流れにこだわりがあります。「鳥を…
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色川武大
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kumataro/作家であるべき人
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ちくま日本文学 色川武大(いろかわたけひろ) 筑摩書房 伊集院静著「いねむり先生」を読んで取り寄せてみました。阿佐田哲也氏の名前での麻雀雑誌記事は20代の頃にたくさん読みました。小説を読むのは初めてです。日本映画「麻雀放浪記」はテレビでちらりと見たことがありますが中身はよく知りません。 注文したときは「大喰いでなければ」というタイトルの1本の小説だと思っていました。いろいろな食事に関するうんちく本だと勘違いしていました。短編集です。「ひとり博打(ばくち)」私と砂漠との関係から始まる。面白い。点が線になり面になっていく。作家になるべき人です。「空襲のあと」わからなかった言葉「素封家(そほうか)」…
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再会
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kumataro/読者を混乱に巻き込む。
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再会 横関大(だい) 講談社 推理小説です。出だしの「髪を切る」美容室シーンは斬新で気に入りました。店長岩本万季子、彼女の元夫清原圭介建築士、佐久間直人佐久間産業社長の息子、飛奈淳一(とびな)地元警察署刑事、彼らは同級生で35歳です。彼らが23年前、小学校の校庭に埋めたタイムカプセルに、この物語の核心が納められています。舞台は神奈川県三ツ葉市、人口20万人のベッドタウンです。嘘を解き明かしていくのが、県警捜査一課の南奈(なら)刑事30歳で、彼が軸になって推理は進んでいきます。 私立中学校受験にからんだ母親岩本万季子さんのわがまま勝手、よくいえば母性愛で、正規のルールを無視したために殺人事件が勃…
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聖夜
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kumataro/1曲の演奏のために18年間生きてきた少年
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聖夜 佐藤多佳子 文藝春秋 難解です。もっと気楽にぱーっとやろうよ!と叫びたくなります。本の帯は楽しげです。キャッチコピーは喜劇風です。でも違います。父は牧師、母は元ピアニスト、息子はオルガン弾き。でも、両親は離婚しています。読み始めて後悔しました。暗い。早く読み終えたい。ダッシュだ。半日で読み終わりました。 神父の鳴海哲哉は神父だから非行をできない。その息子一哉18歳高校3年生も神父のこどもであることから品行方正を求められる。ふたりとも、狭くて窮屈な世界にいる。なのに、母香住(かすみ)は一哉が10歳、小学校4年生のときに、一哉のオルガンの教師であるドイツ人オリバー・シュルツと恋仲になって、ド…
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わたしのとくべつな場所
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kumataro/肌の色にかかわらず差別はある。
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わたしのとくべつな場所 パトリシア・マキサック 新日本出版社 わたしのとくべつな場所がどこなのかが秘密としてスタートします。登場したのは、おそらく12歳であろう女の子、パトリシアです。彼女は、とくべつな場所に向かう途中、いくつかの人種差別を体験します。彼女は黒人です。差別するのは、アメリカ合衆国の白人です。 パトリシアは自宅を出るとき、祖母に投げキッスをします。明るくて、いいなあ。日本人が出掛けに親に投げキッスをしたら驚かれます。 特別な場所は、読みながら当然、人種差別を受けない場所となります。予測してみる。教会ではありませんでした。自由を叫ぶ政治活動の事務所でもありませんでした。 最後にその…
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マルカの長い旅
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kumataro/子どもを育てるということ。
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マルカの長い旅 ミリヤム・プレスラー 徳間書店 この作品で着目すべきは、作者がドイツ人であることです。ユダヤ人を大量虐殺した民族です。いわば加害者側の人間です。ざんげの意味があるのか。 ユダヤ人医師であるハンナ・マイ、その娘ミンナ16歳、そして同じく娘のマルカ7歳の3人によるドイツ軍からの逃避行です。捕まれば強制収容所へ送られて最悪の場合、死を迎えることになります。ハンナの夫は5年前にパレスチナへ行っています。夫婦仲はよいとはいえない。3人の出発地はポーランドのラヴォツネで、ハンガリーとの国境に近い。逃走路はカルパチア山脈を山越えして、とりあえずの目的地はハンガリーのムンカチュです。最終目的地…
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能・狂言
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kumataro/伝承
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能・狂言 今西祐行(すけゆき) 童心社 冒頭、作者がこどもの頃のことを短文にしています。奈良に生まれて見る機会に恵まれた。幼い頃、星空の下でわけもわからず見入っていた。ぬくもりが伝わってくる文章です。今から40年前に書かれています。 この本では、衣装や舞を目にすることはできませんが、台本となる元の物語がやさしく綴られています。中国を舞台にした記事が多い。中国と国交断絶の時代があったことは残念なことです。戦争さえなければ、アジア各国の国民同士は互いに仲良く暮らせていたのでしょう。日本での舞台は、京都を始めとして、富山県立山、青森県陸奥(むつ)、静岡県三保の松原、東京隅田川、大阪府堺、栃木県那須野…
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日本人なら知っておきたい日本文学
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kumataro/これがきっかけで更級日記を読みました。
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日本人なら知っておきたい日本文学 蛇蔵&海野凪子 幻冬舎 むずかしいです。古典の下地がないと理解できません。読んだことがあるのは、「源氏物語」の一部と徒然草(つれづれぐさ)、枕草子、今昔物語、古事記、方丈記ですが、この漫画は概要版ゆえか、深みまでは感ずることができません。 面白いのは合間にある四コマ漫画です。留学生がらみの記事は笑えます。 今も昔も人間の性質は変わらないし、親族間の内輪もめも同様です。 読めないあるいは読みにくい漢字もあります。文章の言い回しは英語よりもむずかしい。同じ日本人なのに、平安時代の言葉はわかりません。(10日ぐらい経って思ったこと) 留学生ネタが面白かったわけで、で…
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炭鉱に生きる
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kumataro/遠ざかって消えてしまいそうなものを後世に伝える。
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炭鉱に生きる(ヤマに生きる) 山本作兵衛 講談社 舞台は福岡県の筑豊(ちくほう)です。わたしが生まれたところです。この本が世界記憶遺産に指定されてから新聞やテレビでとりあげられた記事や番組を見るのですが、なにかしら気持ちにぴったりとくるものがありません。論評する側、報道する側に炭鉱生活の体験が十分ないからでしょう。 「炭鉱あるいは炭坑」はもう遠い過去のことです。閉山時にはいちどに数百人のこどもたちが学校を去っていきました。その子どもたちは今50代以上でしょう。そして、貧乏暮らしは思い出したくないことです。当時の生活をうまく表現する人はもういないのでしょう。 この書画集は、明治から大正時代、今か…
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オロロ畑でつかまえて
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kumataro/ウッシー現る。
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オロロ畑でつかまえて 荻原浩 集英社文庫 「村興し(むらおこし、寒村を繁栄させる)」を素材にした東北の物語です。場所は奥羽山脈にある牛穴村です。青年会の8人と東京の広告代理店社員たちが村興しにチャレンジします。 物語は、千貫みこし(3750kg、実際のみこしはもっと軽い)の担ぎ手の数が足りないということから始まります。村人米田慎一37歳はじめ3人が村興しの助っ人を求めて東京を回る姿は「七人の侍」黒澤明監督です。北海道屈斜路湖と鹿児島県池田湖に行ったことがあります。彼らは、クッシーとイッシーのごとく、ウッシー(本当はウシアナザウルスにしたかった。)で牛穴村を売り出そうとします。わたしはやがて本物…
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死者はバスに乗って
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kumataro/あなたには幽霊バスが見えるか。
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死者はバスに乗って 三輪チサ メディアファクトリー 幼稚園バスが見える人たちと見えない人たちがいます。(昨日映画「ステキな金縛り」を観ました。同じく、落ち武者の幽霊更科六兵衛が見える人たちと見えない人たちがいます。)白い車体に青のライン、黄色い三角印とクマやウサギの絵が描いてあります。見えた人の怖れがきっかけとなって、交通事故が起こり死者が出ます。幽霊が出る廃屋となった「ほしのこ幼稚園」が決戦の場所です。 作者の分身が女子高生の志貴祐子です。ショートカット、赤いふちのメガネ、小柄できゃしゃ、虫のようなかすかな声をしています。 だれかとつながっていたい物語です。霊は昇天できていません。登場人物た…
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わたしのワンピース
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kumataro/絵本の基本ここにあり。
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わたしのワンピース にしまきかやこ こぐま社 職場の近くにある駐車場にとめた車の中で、出勤までのわずかな時間を利用して、絵本の本読みです。1ページを開いて、とてもきれい。2ページ目は美しい。色彩がいい。3ページ、うさぎのワンピース、三角形の形がいい。右上にあるチューリップの配置がいい。4ページ、文句のつけようがない。5ページ、三角のワンピースが花模様(もよう)に変化した。発想がいい。6ページ、雨の降る角度と量がいい。7ページ、雨の軌跡のゆるめがいい。デザインの教科書のようです。水色と緑色の調和がいい。8ページ、右下黄金色の小麦(ねこじゃらし? あとで草と判明)の配置がいい。3ページのチューリッ…
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おばあちゃんの台所修業
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kumataro/郷愁
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おばあちゃんの台所修業 阿部なを 中公文庫 以前読んだ「家族の勝手でしょ!」(粗食、餌)とは作り手の心のもち方が正反対の位置にある本です。「おばあちゃんの台所修行」は、素食、昔ながらの家庭料理です。85年の発行で、もし著者が今もご存命なら100才です。(すでに亡くなっています。) 高級和食料理のレシピ(つくり方)は登場しません。「水」に始まり、「茶」、「だし」、「米」、「いも」、「豆」、「大根」、「魚」、「肉」とシンプル(簡素)です。 昔の女性なので、筆記内容は遠慮深い。85年の時点ですでに日本人の食の乱れを嘆いておられます。「暮らしの基本を忘れて久しい」からスタートされています。ご批判の内容…
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ある小さなスズメの記録
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kumataro/スズメは配偶者の生まれ変わり
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ある小さなスズメの記録 クレア・キップス 文藝春秋 特異な内容です。1940年7月1日、ヨーロッパはヒットラーの影響で戦争状態でした。イギリスに住む筆者(女性。1938年夫死亡)は、生まれたてでまだ羽毛も生えていないスズメのヒナを見つけてミルクを与え始めます。スズメにクラレンスと名付けたものの、スズメ本人は「BOY(坊や)」と呼ばれたときだけ反応します。BOYに生後6か月からピアノを聴かせると彼は歌を唄いだします。(もちろん鳥のさえずりです。)やがて各種の「芸」を覚えて筆者に披露してくれますが、筆者以外には気が向いたときだけしか演じてくれません。筆者はこの本を「スズメの伝記」と呼びます。わたし…
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オルゴォル
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kumataro/思いどおりにならないことだらけ
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オルゴォル 朱川湊人(しゅかわみなと) 講談社 離婚母子家庭のもうすぐ小学校5年生になるフジワラハヤト11歳の春休みです。呪いをかけるらしき人は、トンダじいさん(2年前に死去。ハヤトと同じ東京の公団住宅単身者用に住んでいた。)です。ハヤトは、トンダじいさんから預かったオルゴォルを鹿児島まで運ぶのです。 ひとり親家庭になって、こどもにとってうれしいことはありません。ハヤトは母親を母とは呼ばずに「ヒトミさん」と呼びます。ヒトミさんは給食費なんて払わなくていいと言ってハヤトに給食費をくれません。 ハヤトはひとり旅で大阪の父親に会いに来たけれど、父宅には、父親の新しい妻(父37歳、新妻22歳)がいて、…
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