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ビブリア古書堂の事件手帖 ビブリア古書堂の事件手帖
ばー/本好きなら読むべき本。
 2012年本屋大賞ノミネート作。 作者の三上延は私にとって初めての作家。刊行書リストを見ると、がっちがちのファンタジー書いてる人なんですね。 この本もそうだけど、ファンタジー書いてる人は、しっかりと調べて本を書いてるイメージがある。 宣伝の仕方等からものっすご本屋大賞獲りそうな予感がします。 無職の俺がひょんなことから、美人の女店主・栞子さんが営む古本屋で働くことになった。本の話以外は致命的に人見知りな彼女の元で働く内に、古本にまつわる怪しい事件が次々と舞い込んできて…。 タイトルの一部を見て、表紙を見ただけだったので、内容に少し驚く。これミステリなんですね、しかも今のところ安楽椅子探偵もの…  全文読む 評価する

The Book The Book
ばー/ジョジョを通して見る乙一の小説観
 『ジョジョの奇妙な冒険』。 良く知らない人なら、「聞いたことある」で済んでしまうかもしれない。 あの作風が嫌いな人なら、「気持ち悪い」、「見るのもイヤ」と言うだろう。 荒木先生を敬愛するファンなら、「敬意を表するッ!」、「そこにシビれる!あこがれるゥ!」てなセリフを(ジョジョ立ちしながら)言うに違いない。 昨今有名作家のジョジョ・ノベライズが連続刊行されると聞いて、いち早くノベライズした乙一版を読んでみた。 物語の語り部は3人いる。 主人公であり、復讐鬼でもあるスタンド使いの高校生、ビルの谷間に突き落とされた女性、そして本編でも活躍したスタンド使いである広瀬康一。 これらを軸にそれぞれの視点…  全文読む 評価する

ナポレオン狂 ナポレオン狂
ばー/ブラックユーモアとエスプリと狂気。
第81回直木賞受賞作。表題作含め13作品が収められている。阿刀田高と言えばショートショートであるが、本作はそれより若干長い、小気味良い鋭さをまとった短編集である。作品を読み、まず感じるのはその作品の優秀さ。小説としてのレベルが高いのだ。さすが直木賞とでも言うべき、読みやすさ、物語の巧みさ。本書に収められている作品の特徴は、大人の色気と知的な雰囲気を感じる文章と言えるだろうか。ところどころに機知に富んだ表現があり、読んでいて飽きることが無い。そして、より重要であるが、文章が巧いので、なかなか話の結末が読めない。というより、もっと読みたい気にさせる文章である。短編ではもったいないと感じる文章である…  全文読む 評価する

幸福な生活 幸福な生活
ばー/スパイスの効いたショート・ムービー
百田尚樹の短編小説集。ストーリーテリングの巧さが光る著者の初短編集。最後の一行を読むには必ずページをめくらないといけないという構成になっており、期待通りの読みやすさも重なることで、ちょっと黒いスパイスの効いたショート・ムービーを連続で見せられている気になる。また、ページをめくるには一種の怖いもの見たさが重なり、読書欲が刺激される一冊となっている。良い意味でも悪い意味でもTV関係出身の人なので、こういう短編を書くのは得意なのかもしれない。ラスト1行でスパンと物語の感動をさらってぶつけてくるのはいくつかあるが、中には、そのラスト1行が意味のわからないものもあった。その読みやすさ故に、内容も短編集に…  全文読む 評価する

犬婿入り 犬婿入り
ばー/鮮やかな異界入り
面白い。表題作と「ペルソナ」の二作収録。「犬婿入り」で芥川賞受賞。「犬婿入り」の主人公は、自由人のもう若くない女性。塾講師の主人公が子供達に聞かせた「犬婿入り」という話と同じことが主人公の身におこる。場面設定等はどこにでもあるものだが、「なんだか変」という歪みが物語全体にある。途中から、歪みが、さも歪んでないかのように変容していく。「犬婿入り」が現実化したように、一般的な、善良で卑小な人間が、どこか違っていく。その様は、まさに「憑かれて」いくようだ。何よりすばらしいのは、抜群にその入りがスムーズで歪みの原因が本か私か分からなくなることである。すーっと変になっていくのである。こういう異界入りを正…  全文読む 評価する

レヴォリューションNo.3 レヴォリューションNo.3
ばー/みんなで叫ぼう!「ギョウザ大好き!」
おすすめ青春小説と聞いており、私は青春小説大好きなので読んだ。つくづく思ったが、こういう本を学生時代に読んでいなかったことは、数ある不幸の中の一つでしょう。落ちこぼれ高校に通う「ゾンビーズ」と呼ばれるお馬鹿だがアツイ高校生達が起こす事件を描いた物語。一言で言っても二言で言ってもお馬鹿には変わりない愛すべきバカたちが起こす事件が面白くないわけがない。常識もルールも彼らには通じない。くそったれな世の中を変えるために駆け回る彼らを本当は誰も笑えない。とても元気が出る。「在日」、「ハーフ」等のガジェットもいい形で物語に幅を持たせている。若干村上春樹の影響受けてるか?「異教徒たちの踊り」の結末の一言、こ…  全文読む 評価する

ボックス! ボックス!
ばー/男たるもの。
 興奮冷めやまぬまま、ページを閉じた。 久しぶりに「ものすごく」引き込まれる作品に出会った。一気に読み終えたことも幸いしてか、久しぶりに「ものすごく」読書はしんどい、と感じた。もちろんだが、良い意味でだ。 なんというか、「俺も男やったら体鍛えなあかん!」って思った。 上手く言葉に出来ないけれど、「ものすごく」ごつごつした、男性的な文章だと思った。 テーマはボクシング。 大阪の高校生が主役の、青春スポーツ小説。 主人公は真面目で努力家だが、いじめられっ子の木樽。 もう一人の主人公は、ちゃらんぽらんだが天才的なボクシングセンスを持つ鏑矢。 物語はこの二人の主人公を幹にして、圧倒的なスピード感で進む…  全文読む 評価する

夜は短し歩けよ乙女 夜は短し歩けよ乙女
ばー/現代恋愛小説かくあるべし。
 森見登美彦のヒット作。  主人公こと「先輩」と、その後輩である「黒髪の乙女」のお話。物語は「先輩」パートと「黒髪の乙女」パートの二つに分かれて進む。 主人公は冴えなくてモテなくて堅物。頭でっかちかつ恋愛には慎重。なのに、その思考ゆえか、その存在がコミカルに映る。童貞男の妄想全開、夜の京都、古本市、学園祭でひたすら黒髪の乙女を追いかける。いや、ストーカーではなく。決して。男たるもの、ってな感じです。 ヒロインの「黒髪の乙女」は、純真かつ天真爛漫。とぼけているのか素で天然なのか。こんな女いねーよ!いや意外にいたりするんだよね、こういう娘。ふらっと恋してしまうんです、男は。哀しいけど。9割くらい報…  全文読む 評価する

猿駅/初恋 猿駅/初恋
ばー/猿・猿・猿
 グロ7割。エロ2割。その他1割。 表題にもある2つの短編はやはり完成度が高い。 『猿駅』は、母親との待ち合わせで訪れた町の駅を出たら、一面の猿景色だった、というもの。冗談のような設定だが、この冗談は笑えるようなものではなく、辺りは血と脳漿と獣臭、そして、猿で塗り固められた塊である母をひたすら殴打する主人公の気狂いシーン。 狂気である。不浄である。支離滅裂である。 だがページが進む。この地獄のヘドロのような場面が続くのに、ぐいぐい文章にひきつけられる。 連続で続く主人公の心情を描いたスピード感溢れる狂気の描写は、それでいてなおかつどこか静か。 悪夢のような超短編。 一方の『初恋』も、タイトルと…  全文読む 評価する

出口汪の頭がよくなるスーパー読書術 出口汪の頭がよくなるスーパー読書術
ばー/論理力育成はすべてにつながる
 有名予備校講師が書いた独自の読書術についての本。 「出口汪」と聞いてピンと来る人は、高校時代著者の本のお世話になった人でしょう。 『システム現代文シリーズ』、『出口の現代文レベル別問題集シリーズ』、『源氏物語が面白いほどわかる本』等々。かくいう私もお世話になった一人である。 そんな著者が書いた「読書術」についての本、ということで、読んでみた。 まず、(他にもあるかもしれないけれど)予備校講師が考える「読書術」とはどういうものか気になったから。人を教える立場の人間が考える読書術に興味があった。イチビジネスマンが書いた「読書術」が多い中、珍しいと思った。 と書いたが、一番興味を引いたのは、ぱらっ…  全文読む 評価する

若者はなぜ3年で辞めるのか? 若者はなぜ3年で辞めるのか?
ばー/イチ若者として。
 新書ブームだった頃に大いに売れた本の一つ。 私はどうにもこういう社会系に疎いので未読であったが、100円だったので読んでみた。的確ではない書評、しかも時期を逸した書評になるので、若干の今更感を自分でも感じるが。 この本のテーマは、「若年層の離職」というよりも、「年功序列制度」なのだろう。 筆者は、年功序列制度が既に崩壊し、それによる不利益、負担が若者に負の影響を与えていると説く。成果主義を導入しても抜本的に変わっていないので、非正規雇用の増員、新卒採用減などを繰り返しても、負の連鎖は止まらない。 そこで、我々は現在の昭和的価値観を見つめなおし、自分の本当の仕事の動機を見つけてはどうか、と婉曲…  全文読む 評価する

とらドラ! とらドラ!
ばー/超弩級ラブコメ、終幕!
 何が悲しいって、 「次回は完結編だな、ははは」なんて言ってた『とらドラ!』が本当に終わってしまったのが悲しい。無駄に予言すんじゃねぇよ、俺。「ハルヒも次回で完結だな、まとめきれんくてまだ出してないんだよ、谷川さん、ははは」もういいから。いらんこと言わなくていいから。 そんなわけで、『とらドラ!』完結編、10巻目。 短編で続くようだけど、いやー、大河のツンデレがデレデレになっちゃったからなあ、長編じゃあ本当にこれが最後だろうね。デレデレ大河と竜児のラブラブ大学生活(なんか無駄に死語っぽい…)ってのも見たかった感は、ある。 何が悲しいって、大河のツンデレがデレデレになっちゃったのも悲しい。大河と…  全文読む 評価する

のぼうの城 のぼうの城
ばー/戦国で優しさを説く
 どこかにいるよねこういうひと。  それがこの『のぼうの城』の主人公、成田長親に対する印象だ。 傍から見ても何を考えているか分からない顔、その顔は決してお世辞にも容姿端麗とは言えず、つまり醜男。背格好は大きく、だが、ただ大きいだけ。機知に富んだ性質ではなく、その言動、姿は百姓にも小馬鹿にされる始末。「でくのぼう」を省略して「のぼう様」。超然としているのか、ただぼーっとしているだけなのか。 ただ、そんな「のぼう様」、成田長親は人気だけは篤い。無論、信頼等ではなく、上下関係、主従関係、などを取っ払った人望。それはまさしく、なにやらよく分からんが現代でもたまーに見かける「しかたねぇなあ、あいつは」で…  全文読む 評価する

センセイの書斎 センセイの書斎
ばー/緻密な画力に太鼓判
 「本の本」というジャンルの中では現時点マイ・ベスト。 「本の本」という広いジャンルは、一言で言えば本に対する接し方を様々な方法でアプローチする様を表したものだ。本そのものについて、本の流通について、本に関わる人について、本の周辺の環境について、本を受け入れる社会について、本の歴史について、などなど様々な形が「本の本」には含まれている。また、その表現媒体も様々であり、小説、漫画、評論、ノンフ…実に多い。 『センセイの書斎』が取っている形式は、様々な人物の書斎を見せてもらい、インタビューを行うというものだ。この形式自体はありふれたものだ。書店、図書館の蔵書についてスポットライトを当てているのは珍…  全文読む 評価する

とらドラ! とらドラ!
ばー/文句不要の超弩級ツンデレラブコメ! (シリーズ一気読み)
 文句不要のツンデレラブコメ。 現在本編が9冊、スピンオフが2冊刊行されている。巻を重ねる毎にあれやこれやの新展開。恋愛模様が次々と露になっていってます。 主人公、高須竜児は父親譲りの強面を持つ、他は至って普通(でも主婦に劣らぬ家事能力+綺麗好き)の高校生。高校2年生への進級と共に、竜児は運命の出会いを果たす。手乗りタイガーこと逢坂大河(小さいのに凶暴獰猛)に関わったその日から、彼女との恋愛運命共同体の生活が始まった。 想い人・櫛枝実乃梨(マイペース勤労少女)や親友・北村祐作(天然メガネ委員長兼生徒会副会長)、現役モデル高校生・川嶋亜美(性格極悪、驚異的二重人格)らを巻き込んで描かれる、超弩級…  全文読む 評価する

緋い記憶 緋い記憶
ばー/記憶という不可思議な恐怖。
 第106回直木賞受賞作。 高橋克彦は、歴史ミステリの名手と聞いていたので、本作のような作品もあるのか、と少し意外。氏は他に『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞を受賞している。 本書には「記憶」にまつわる7編の作品が収められている。 誰もが持っている「記憶」。誰もがその曖昧な部分に一度は心を惹かれたことがあると思う。「小説を書きたい!」と考える人なら、一度はこの題材を扱おうとしたのではないだろうか?それだけありふれた題材であるから、ヴァリエーションを富ませるには技巧とアイデアが必要だ。 本書の7つの作品には、奇妙で、なおかつどこか切ない物語が揃っている。過去を呼…  全文読む 評価する

そして誰もいなくなった そして誰もいなくなった
ばー/そして誰もいなくなったけど。
 言わずと知れた名作。もはや古典であるが、現在でも様々な物語の下敷きになっていることからも、その評価は現在においても揺るがない。今更あれこれ書くのも、本当に「今更」なのだが、やっと先日読んだので、簡単にちょびちょびと書いてみる。 本作の舞台は、本土から離れたインディアン島。そこにU・N・オーエンと名乗る人物によって10人の様々な人間が呼び集められる。招待主が現れず、皆が訝る中、蓄音機の声が10人それぞれの過去の殺人を告発する。そして、過去からの声に導かれるように、第1の殺人が起こる。 最終的にはインディアン島に「誰もいなくな」ります。結局の所、タイトルから私が期待したのは、誰もいなくなるまでの…  全文読む 評価する

書店はタイムマシーン 書店はタイムマシーン
ばー/怒涛の読書記録・第2弾
 桜庭一樹の読書日記、第2弾。前回の読書日記があまりにも読書欲を喚起させる内容だったので、今回も期待してました。結果としては、当然の大満足!こちら側があまり読書をしていない時に、こういう「この本読んだ!」や「この本面白かった~」などのやさしい感じの読書日記は本当に励みになる。 というか、自分をやさしく(自分に甘く)読書に持っていってくれる。ここで斉藤美奈子さんや、福田和也さんとかの書評集はヘビーすぎる。「っても」というか、「だから」だけど、当然このお二方の本は読んでません。だって怖いですやん。いきなり自分の読書傾向とかを批判されそうで凹みそうだ。うーん、「書評集」と「読書日記」は違うかな?だけ…  全文読む 評価する

ゴールデンスランバー ゴールデンスランバー
ばー/極上のまどろみは魔力を秘めている。
 昨年度後半から本年度にかけて(丸1年!)、常に注目を浴び続けているであろう本作、『ゴールデンスランバー』。 伊坂幸太郎はこの一作で、本屋大賞、山本周五郎賞、『ミステリが読みたい!』第一位、『このミステリーがすごい!2009』第一位、という快挙を成し遂げた。去年の時点でこの一冊は、ポスト直木賞を取った、書店員が最も売りたい一冊であったわけだが、ついに『このミス』をも制し四冠を達成した、ということになる。 首相が仙台凱旋パレードの最中、爆発物によって暗殺される所から物語は始まる。主人公は事件の一切の濡れ衣をかぶり、執拗な「国家」の追跡から逃げる、という話だ。物語の題材としては、ケネディ暗殺があり…  全文読む 評価する

蜜の森の凍える女神 蜜の森の凍える女神
ばー/いや、わかりませんって。
 なんだかいやな感じがする真相とトリックである。小説の題材としてはおかしくはないんだけど、ミステリの題材としては使ってほしくはなかったと言ってしまう。こういう所にミステリの芸術性があるようで、でもそれは結局の所現実を入れたくないという私の中の傲慢さが見えてしまっているようで嫌になる。私はそういう気持ちをもった。 関田涙作『蜜の森の凍える女神』は、第28回メフィスト賞受賞。別荘に遊びに行った女子高生たちが事件に巻き込まれる話だ。舞台は雪に閉じ込められた山荘。そこに大学のサッカーサークルの面々が雪から逃げる形で転がり込む。そして行われる殺人。物語の背景として浮かぶある芸術家の生涯。 叙述トリックが…  全文読む 評価する

Tokyo style Tokyo style
ばー/限りなく広がる誰かの部屋が。
 人の住む部屋にはその人の個性が滲む出るもので、どんなにステレオタイプな見かけをしていても、その実、一部屋たりとも同じ部屋はない。どこかに違いはあるし、むしろ、だからこそこの本のような本が世に出る証明にもなる。   都築響一の『TOKYO STYLE』は、ページをめくる手が止まらなくなる一冊だった。どこまでも拡がる誰かの部屋、部屋、部屋。それらの部屋には、姿形が簡素でシンプルで、どれだけ非有機的であろうとも、誰かの息吹が必ず感じられたし、どれだけ煩雑で、汚く、足の踏み場が無くても、住んでみたくなる魔力に満ちていた。 この本の中の部屋に「清潔」という言葉が似合う部屋は少ない。むしろ、作者が触れて…  全文読む 評価する

ミュータント花子 ミュータント花子
ばー/会田誠という芸術。
 会田誠は芸術家だ。だけれど、間違いなく一般人ではない。芸術家は特殊な人間が多いけれど、その「芸術家」という枠を取っ払ったとしても、例え彼が一般人というスーツを着て、芸術家という空間にいなかったとしても、特殊である。 会田誠の何が特殊か? その作品を見てもらえばいい。ひょっとしたら公衆の面前には出せないかもしれないであろう作品が多い。彼の作品は、エロであり、ナンセンスであり、空想であり、美麗であり、二次元であり、芸術であり、現代であり、最前線であり、暴走であり、素朴であり、実験であり、夢であり、妄想であり、SFであると思う。私たちが描いているであろう心の原始的な1モチーフが彼の作品には現出して…  全文読む 評価する

全日本貧乏物語 全日本貧乏物語
ばー/分かります。
 分かります。皆さんそれぞれ、たくさんの貧乏体験があるかと思います。格差格差、と叫ばれていますし、ワーキングプアとかいう言葉をよく耳にする時代になったかと思います。貧乏はいつの時代でも永久不滅です。私自身だって、きっと貧乏です。すぐお金は本代に消えちゃうし、誰かが私の口座から秘密裏に引き落としているに違いありません!いや、冗談です。こんなこと、ただの金遣いが荒いだけなのでしょう。ここで言葉にするのが出来ないほどの貧乏体験もあれば、もう過去の良い思い出になっている貧乏体験もあるかと思います。ましてや、今現在貧乏の方がいるでしょう。そもそも貧乏という言葉は一言でその意味を捉えきれるものじゃないので…  全文読む 評価する

本がいままでの10倍速く読める法 本がいままでの10倍速く読める法
ばー/心の奥底にはまだ早すぎる。
 昨今、速読が人気である。  世の中には様々な速読関連の本が溢れ、速読の認知度の高さは既にご存知の通りだ。 私は遅読である。これでもかっ、て程の遅読である。なお、遅読とは、そのままずばり、速読の反対語である(造語である。多分)遅読にも様々な種類の遅読があると思われるが、私の場合、どんな本であれ読むのに時間がかかる。しかも、一度読み出したらその本を最後まで読まないと気が済まない、「完璧主義的遅読」である。読みたい本があるけど、思うようなスピードで読めない。だから本が溜まる。そんな状態に嫌気がさす。また読みたい本ができる。悪循環である。 「そんな私が出会ったのがこの本です。一気に読むスピードが上が…  全文読む 評価する

笹塚日記 笹塚日記
ばー/それでも私は本を読む。
 『笹塚日記』第2弾。と言っても、2000年から2002年の出来事。ミレニアムでもやはり目黒さんは本を読んでいたんですねぇ。うんうん。今回の目玉は、なんと言っても目黒さんの自炊生活。ハイペース読書の軌跡を楽しめるのはもちろん、後半は「男の自炊生活」と言っても過言ではない程の目黒料理の数々を楽しめる。  この本をどんな時に読んだらいいのか。私の場合、どうしても寂しくて仕方なく、誰かと話したい、触れ合いたい、といったなんともワビシイ状態の時に読む。エッセイの覗き見感覚は、読むものを癒してくれる。ありがたい。副作用として、主に『笹塚日記』限定だが、めちゃくちゃ本を読みたくなる。くそう、こうしちゃいら…  全文読む 評価する

時が滲む朝 時が滲む朝
ばー/アイ・ラブ・国家。
 久々に文学らしい文学を読んだ気がした。日本のお家芸である自然主義をこんなにも力強く、スパッと書ききったのが中国出身の女性であることは、なんとなく寂しい。とにもかくにも読むのが止まらなかったのは事実。日本の最先端をずばーっと走っていくのもいいが、たまに振り返ってみると、こんなにも良い文学があることに気付く。やっぱり芥川賞、捨てたもんじゃないなあ、と小説を読む楽しさを取り戻した気がする。これだよこれ。こういうのを今の時代に読みたかったんだよ。 第139回芥川賞受賞の今作の作者は楊逸(ヤン・イー)。第138回の芥川賞候補になり、話題になった。その時は「日本語のレベルが今ひとつ」という批判も受けたが…  全文読む 評価する

ゲーム的リアリズムの誕生 ゲーム的リアリズムの誕生
ばー/現代文学認識論の最高峰。
 東は、もとは現代思想の分野の人で、オタク分野まっしぐらの人ではない。講談社べったりのサブカルの権威のようにも見えるけど、東自身の態度は客観的な態度でオタクを扱っている。ポスト東の芽がちらほらと見えているようだけど、先人(大塚英志は正直東をどう思ってるんだろ)からのお墨付きを受けた、現状認識論者の一人としては優れた評論家の一人である。 前作、『動物化するポストモダン』で東が描いた現在のデータベース社会は以前隆盛を極めている。現在の物語を巡るポストモダン化は拡大の一途を辿っている。この点に即して今著も書かれたのだけど、前作に比べ、より文学の比重が増し、オタク的作品を多く扱うなど、東も言っているよ…  全文読む 評価する

ぼくはオンライン古本屋のおやじさん ぼくはオンライン古本屋のおやじさん
ばー/序説・オンライン古本屋
 「古本屋になりたい!」もしくは、 「本に囲まれて生活したい!」 はたまた、 「本に埋もれて死んでもいい!」 と思ってる人は一度この本を読んでみた方がいい。 現職(?)の古本屋でもある、ライターの北尾トロ、つまりは我らのトロさんが、古本屋になる方法を懇切丁寧に教えてくれているからである。 現在の出版ギョーカイは、皆さん耳にタコができるまで聞かされていると思いますが、相当厳しいらしいです。出版社は潰れていくし、老舗の古本屋は潰れていくし、そもそも本が売れないし。元気なのは毎日出版される新刊の数字だけ。うーん、不安だ、不安で仕方が無い。このまま本という媒体をめぐる環境はどんどん先細りしていく一方な…  全文読む 評価する

切羽へ 切羽へ
ばー/切羽へ行った、おんな。
 分からない、と私は思った。 第139回直木賞受賞の今作、『切羽へ』は、ある島での男女の恋愛を描いた作品。ちなみに、ご存知かとも思われるが、作者井上荒野は、同じく小説家である井上光晴の娘。 東京に近い島で、学校の養護教諭として務めているセイは、夫で画家の陽介と静かで幸福な毎日を送っている。そんなある日、本土、東京から新任教師の石和が島にやって来る。夫がありながら、徐々に石和を気になる存在として認め始めるセイ。失っていく時間、失っていく日々、そして、失っていく人たち。ゆれる心と、喪失を描いた一作。 恋愛小説、と私は書いた。だが、私にとって、どうしてもこの作品が恋愛小説には思えない。小説の帯には恋…  全文読む 評価する

まさかの顚末 まさかの顚末
ばー/ショートショート好きなら買わなきゃいけないの?
 ドイツ生まれのE・W・ハイネのショートショート集。(ドイツで)ベストセラーとなった『まさかの結末』の続編。 『まさかの結末』を読んだ時も感じたのだけど、文章、変じゃない? そもそも著者の書き方がこういうものなのか、それとも、訳者の訳し方が変なのか。うーーん…分からん。続編を読んでもその理由がさっぱり分からない状態である。ひたすら飛ばして書いているような。普通ならあと一言補足が入る所で入ってない。それが持ち味なのかどうかは知らないが、私からしたら味気ない。星新一も極力無駄を省いた書き方をしているけど…やっぱり星さんの場合、日本人の共通認識で補うことで、読み解ける部分があるのだろうか?それとも海…  全文読む 評価する

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