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第三次中東戦争全史 第三次中東戦争全史
オタク。/大イスラエルと第二のナクバへの道。
 イスラエルがヨルダン川西岸とガザ、ゴラン高原を占領して今の不安定な中東を生み出した戦争を書いた本である。イスラエル人が著者だが、アラブ側をも取材して、結構読み応えのある内容となっている。しかし東エルサレムがイスラエル軍に占領されるところを描いた箇所やドイツからガスマスクを送られた箇所を皮肉っぽく描いている箇所は著者がユダヤ人である事を意識させられる。 アラブ側はナセル全盛期でアラブ民族主義が幅をきかせていた時期であるが、この戦争に参加した国々がそれぞれの思惑とナショナリズムによって戦っていた事も分かる。  全文読む 評価する

フランコと大日本帝国 フランコと大日本帝国
オタク。/スペインと帝国日本。
 あまり類書のないフランコ政権のスペインと大日本帝国の関係を書いた本であるが、当時のスペインにとって米西戦争で失ったかつての植民地フィリピンとの関係が、対日断交の理由がマニラ攻防戦である事からして、まだ深かった事が分かる。なので日西関係史といってもフィリピンの事が多くを占める。 南洋庁管轄下の島々もドイツの植民地になる前はスペインの植民地だったが、スペイン人が多く住んでなかったらしく、殆ど出てこない。 フランコ政権は日本と外交関係を樹立する際に「満洲帝国」を一緒に承認したが、汪兆銘政権も承認したので、国民政府とは台湾に撤退するまで国交を回復しなかったという。対日断交をした際に一緒に汪政権の承認…  全文読む 評価する

あんぽん あんぽん
オタク。/ある経営者の系図。
 副題が「孫正義伝」となっているが、どちらかと言えば孫正義という日本に帰化した元在日3世の系図を書いた箇所が面白い。系図に出て来る人々が生き生きと描かれていて、読んでいて目に浮かぶようだ。きれい事ではない、しかし生きた在日韓国人が書かれている。 しかし「強制連行」と通名について、著者は誤解しているようだ。孫氏の祖父が大正15年に途日した時に「強制連行」されたとあるが、普通「強制連行」という表現は昭和13年以降炭鉱等で働く為に徴用されて途日した朝鮮人に対して使われる言い方である。孫氏が日本に帰化する前に使っていた日本名を本名であるかのように書かれているが、それは通名で本名ではない。この2点がなけ…  全文読む 評価する

北緯43度の雪 北緯43度の雪
オタク。/国府の意地。
 台湾(中華民国)が中国大陸(中華人民共和国)側の外交攻勢で劣勢を極めていた頃の札幌オリンピックで成績如何より「中館民国」が参加していたという事を記録に残す為だけに参加させたスキー選手達の物語である。当時の中国政府はピンポン外交をしていたのは有名だが、国民党政府が中華民国こそが全中国の唯一合法な政権であり、大陸の中共政権は非合法であるという事を明らかにするだけの為に、ここまでしたのか、という事を知った。 国民党政府が外交上は劣勢でも、まだこの頃はオリンピックでは「中華民国」の国号と青天白日旗を使用していた。今台湾側がオリンピックで使用している「中華台北」という名称とオリンピック旗は、もう少し経…  全文読む 評価する

親鸞 親鸞
オタク。/帰京篇はあるのかしら?
 前回は承元の法難で親鸞聖人が越後に流刑になるまでを書き、今度は常陸から帰京するまでを書いているので、次は帰京して往生するまでを書かれるのだろうか。 恵信尼消息に出て来る恵信尼の見た夢と寛喜の内省に関する箇所、「御伝抄」に出て来る弁円について以外は作者の想像の赴くままに書かれた話である。登場人物も作者の創作した人物が多い。親鸞聖人や恵信尼について確実な内容は「教行信証」の末序や恵信尼消息、「御伝抄」と限られるので「正明伝」や「正統伝」といった本に頼る以外は創作するしかないだろう。 最後に「歎異抄」の著者である唯円房が出て来るので、次の帰京篇というべき本で重要な役割を果たすのだろうか。  全文読む 評価する

私の箱子 私の箱子
オタク。/台湾の近代史が絡む本。
 この本を手にして、すぐに一読した。 この本で関連して連想する人々といえば五大財閥の一家の辜顕栄と彼の一族や李登輝元総統であり、著者と同世代で似た家庭出身のNHKの鎌倉千秋アナウンサーである。 この本で興味を引かれるのは著者の父親についてである。10歳で日本に留学して、学習院中等科に入り、日本の敗戦で台湾人が日本人から中華民国の国民となって、2・28事件の際に叔父が国民党政権に追われる、という、あの時代の一端がうかがい知れる。あの時代の台湾について知らない事が多いのだと気づかされる。 日清戦争で台湾が日本に割譲された時は2年間国籍選択が決められる時期があったが、台湾が光復した時に国籍を選択出来…  全文読む 評価する

宗祖ゾロアスター 宗祖ゾロアスター
オタク。/ゾロアスターの紡ぐ物語。
 ゾロアスター教の歴史を知るのならばボイス著「ゾロアスター教」の方が優れているが、この本には古代ギリシャの時代からヨーロッパ社会が出会った「東方の賢者」としてのゾロアスター像が魅力的に書かれている。特に「アヴェスター」を西洋社会に紹介したアンクティル・デュペロンの生涯が著者の思い入れと共に紹介されている。デュペロンは片思い的にゾロアスターへ思い入れをしてフランスからインドまで渡って「アヴェスター」をフランス語に翻訳したが、それ程思い込める存在だったわけだ。 西洋社会では「異教の賢者」としてのゾロアスター像が一人歩きして、ゾロアスター教の経典が紹介されていないにもかかわらず、巨大な虚像と化したの…  全文読む 評価する

みことのり みことのり
オタク。/手頃な大きさの詔勅集。
 四六判に縮刷されているので、読むのに手頃な大きさだ。昭和20年に刊行予定だったのが戦災でお蔵入りしていたのを刊行したものだ。その為か、光厳天皇と北朝の詔勅は入っていないし、時代区分も「吉野時代」だ。元弘三年に後醍醐天皇が光厳院に太上天皇の尊号を宣下した詔書も「前皇太子」となっている。それを除くと、まとまった形の詔勅集は他にないので、旧漢字旧仮名遣いであるが、読み易い。 著者の没後、旧憲法下で公布された詔勅まで収録されている。それも一つの区切りだろう。  全文読む 評価する

聖書 聖書
オタク。/カトリックの聖書。
 昭和33年以来、長い時間をかけて翻訳されたフランシスコ会訳の聖書が注釈を大幅に削った形で1冊に合本されて刊行された。 カトリックの翻訳と言ってもラゲ訳やバルバロ訳のようにウルガタからの翻訳ではなく、ヘブライ語(第二聖典はギリシャ語)やギリシャ語からの翻訳である。 フランシスコ会聖書研究所の翻訳者達が日本聖書協会から刊行された共同訳・新共同訳の翻訳に参加したので、そちらに時間を割いた事もあるだろう。これから日本聖書協会から刊行される仮称標準訳聖書の刊行にも参加されているだろうが、イエズスの表記をイエスにしたり、聖書の題名をそれまでのカトリックの表題から新共同訳と同じにしたように、一見したところ…  全文読む 評価する

不思議な宮さま 不思議な宮さま
オタク。/稔彦王としての前半生。
 東久邇宮稔彦王の長い人生の皇族時代を書いた本である。幕末に活動した中川宮朝彦親王の王子として生まれ(普通は兄とされる朝香宮の方が弟かも知れないと書かれているが)、明治天皇の皇女の婿として宮家を創設し、大正時代に長い間フランスに留学して、陸軍軍人として勤務しながら、右翼人脈を始め、色々と怪しげな人物と交友を持つ(皇籍離脱後の稔彦王の行動にも登場する人物も含む)王の前半生を色々な資料を駆使して描いている。 皇族・王公族の伝記は思ったより少なく、直宮以外の伝記はなきに等しい(直宮でも、そう多くはないが)。東久邇宮は戦前は首相待望論が出る程の人物であり、ポツダム宣言後実際に組閣するが、まとまった形の…  全文読む 評価する

神の子洪秀全 神の子洪秀全
オタク。/夢と現実の太平天国。
 清朝史の中で三藩の乱以降、最大の反乱であり、中国近代史上重要な事件である太平天国の乱を事細かに書かれている。洪秀全がキリスト教の宣教師から受け取った布教用のパンフレットから生まれた夢の世界が天王洪秀全を中心とする諸王の内紛と清朝からの反撃で崩壊する。 ある意味において太平天国は国共両党の師匠であり、前身であるとも言える。儒教社会を破壊しようとした洪秀全が天京と改名した南京の宮殿に君臨する姿は彼が打倒しようとした皇帝に成り代わったようだ。太平天国では最初は焚書にしていた儒書を彼等が改訂した上で再刊されたという。 この本には洪秀全が「改訂」した聖書が紹介されている。「洪秀全と太平天国」では「改訂…  全文読む 評価する

クルアーン クルアーン
オタク。/翻訳され得ない聖典。
 仏教経典や聖書のように原語から翻訳される事に功徳がある、または教えを広める為の聖典と違って「クルアーン」はアラビア語から翻訳され得ない聖典である。アラビア語以外に訳された「クルアーン」は、あくまで注釈であって、アラビア語の原典とは等価ではないという。また仏教経典や聖書と違ってウスマーン本以外に母音の読み以外には、異読や異本は存在しないという聖典でもある。 アラビア語が理解できないと分かりづらいが、細かく「クルアーン」の表記や読誦について書かれている。 写本として書かれた「クルアーン」についても書かれている。印刷された「クルアーン」がイスラーム社会に受け入れられたのは、そんなに新しくないという…  全文読む 評価する

ピョンヤンの夏休み ピョンヤンの夏休み
オタク。/朝鮮民主主義人民共和国の物語。
 著者が北朝鮮を訪問して書いた訪朝記であるが、朝鮮民主主義人民共和国を「祖国」と呼び、北朝鮮との出会いが著者をして朝鮮語の勉強を始めたと言うぐらいに北朝鮮に「はまった」という感じを受ける。今時ここまで北朝鮮に引き込まれるような本を読めるとは思わなかった。 大韓民国とは、そこまで引き込まれる事はなかったようだ。 著者は北朝鮮の事を「朝鮮民主主義人民共和国」か「朝鮮」と呼び、「共和国」という呼び方をしているが、引用をのぞくと「北朝鮮」という表現はしない。 この本では著者の大叔父は南労党の青年組織に入って韓国軍に射殺された事になっているが、以前見たNHKの番組では日本の憲兵に射殺された事になっていた…  全文読む 評価する

歴史と人物でわかる華麗なる朝鮮王朝 歴史と人物でわかる華麗なる朝鮮王朝
オタク。/朝鮮王朝を知る。
 昨今の韓流ブームで、韓国の歴史ドラマもよく放送されているから、三国時代から朝鮮時代までを紹介する本が多々出ている。この本は題名通り朝鮮王朝に出て来る君主や女性達、両班や朝鮮時代に国教化した儒教で築かれた社会について簡潔に書かれている。 李王家が誕生したのは韓国併合時なのに、韓国併合で李王家が消滅したという件があるが。 NHK-BSで放送されているMBCの「トンイ」のヒロインは実名が伝わっていないので、ドラマで使われている名前で書かれている。粛宗や正祖をはじめ、朝鮮の君主達に人気が出るとは時代も変わったものだ。 朝鮮朝の君主は臣下に諱を無闇に使わないようにフォントではなかなか出てこないような字…  全文読む 評価する

人間昭和天皇 人間昭和天皇
オタク。/時代から時代へ。
 著者は昭和49年に宮内庁記者クラブに配属されて以来、皇室について書いてきた人だ。昭和天皇を描いた他の本とは違って、今では得がたい証言も多々収録されている。皇室の事を含めて寸言が興味深いものがある。逆に言えば、昭和という時代も、それだけ遠くなっているのだ。 他の本は大体史料の関係からか、昭和27年のサンフランシスコ講和条約あたりで記述が終わってしまうが、この本はそれ以降も書かれている。 直宮方について書かれた箇所も多いが、昭和天皇と著者の高松宮感は共通したものがあるようだ。宮が薨去後刊行された伝記と「高松宮日記」で宮に対する評価が変わったという。こういった事が書かれるのは、他の本では見られない…  全文読む 評価する

聖書と殺戮の歴史 聖書と殺戮の歴史
オタク。/トーラーの先へ。
 この本は旧約聖書の「ヨシュア記」、「士師記」、「ルツ記」、「サムエル記上」のサウル王が登場する直前までをキリスト教の聖書の配本によって再録している。今まで同じ版元で刊行していた著者の旧約物語は、ここからトーラーから預言書・諸書に移るが、ギリシャ語訳聖書からの訳として収録された箇所は翻訳が終わっているようだ。河出書房新社から刊行されていたギリシャ語訳聖書の翻訳はトーラーで終わっているので、続けて出してほしい。七十人訳聖書からの日本語への翻訳は旧約外典と新共同訳では「旧約続編」の一書として訳された「エステル記」は別として、他にないので、是非読んでみたい。 この本で他の日本語訳聖書として紹介されて…  全文読む 評価する

ソ連史 ソ連史
オタク。/ソ連の歴史。
 つい20年前まで存在していたソ連の歴史を書いた表題通りの本だが、スターリン死後の方が長い。投書や批判的に書かれた記事を通して、社会主義ソ連なりに「停滞の時代」と言われた時代でも試行錯誤した過程が書かれていて面白かった。同じような「内側から見る視点」でレーニンやスターリンの生きていた時代も書かれていれば、よかったが。 この本の中にドイツ軍占領下について書かれた箇所があるが、ドイツ軍占領下のロシアについて書かれた本は以外とないものだ。ヴラーソフ将軍のロシア解放軍についてはドイツ軍についての逸話集に出て来る程度で、ドイツ軍を歓迎してドイツ軍占領下の警察やドイツ軍に参加した人々や協力しなかった人々、…  全文読む 評価する

中国出版史話 中国出版史話
オタク。/甲骨文字から新中国へ。
 殷代の甲骨文字から竹簡を経て紙となり、古代中国の著作や仏典の翻訳の紹介にページが割かれている。 この本の長所であり欠点だと言えるのは、辛亥革命以降は主に中国共産党の指導下で出版された書籍について書かれている。特に反右派闘争や文革期の出版は類書には見られない記述である。反面、北京政府や国民政府支配下の出版は年表で触れられている程度だ。日本軍占領下の出版をはじめ、国民党が撤退してからの台湾や香港、マカオでの出版は出てこない。  全文読む 評価する

韓国の民族意識と伝統 韓国の民族意識と伝統
オタク。/二回変わって。
 この本は2回改題して、出版社を2回変わった本である。拉致問題の急先鋒だった「現代コリア」が休刊するまで寄稿していた人の本なので、岩波書店から出たものだとも思う。 親本が昭和59年に出たので、内容が今から見ると古い話題(韓国、北朝鮮、在日社会など)になるものが多いが、この本で読み応えがあるのは春園李光洙を取り上げた箇所である。氏は山本七平著「洪思翊中将の処刑」(山本七平ライブラリー版と、この版を親本にしたちくま文庫版)に解説を寄せているが、「親日派」として紹介される事が多い李光洙と洪思翊中将を断罪をするわけではなく、一人の人間として取り上げている。氏が亡くなる前に李光洙論を書ける機会があったら…  全文読む 評価する

ドイツ史と戦争 ドイツ史と戦争
オタク。/ドイツと軍隊。
 まず表題が「ドイツ史と戦争」だが、内容からして「ドイツ史の軍隊」といった方が良さそうだ。ドイツ軍マニア向けの本ではなく、ドイツ史の中の軍隊を取り上げた本だ。しかし帝政時代→ヴァイマル共和国軍→ドイツ国防軍→連邦軍に至る図形が描ける内容なので、武装SSと国家人民軍についての記述が極端に少ない。ドイツ政治史と軍隊を取り上げるならば、武装SS(武装SSを軍隊としてみるならば)とドイツ民主共和国時代の人民軍も取り上げてほしいところだ。 ドイツ空軍を「ナチ的な組織」とあるが、今のドイツ空軍も同じ名称で、軍装も陸軍に比べて第三帝国時代と似ているので、戦後のドイツ空軍についても触れてほしかった。これは日本…  全文読む 評価する

朝鮮学校「歴史教科書」を読む 朝鮮学校「歴史教科書」を読む
オタク。/朝鮮の近現代史への一視点。
 朝鮮学校で使われている歴史教科書を使って、朝鮮学校のあり方を批判している。北朝鮮の歴史像は、その時々によって変わっていくので、あくまでも今現在のきた朝鮮の公式な歴史観を生徒に教えている。翻訳された教科書は高宗の時代かららしいが、北朝鮮で渤海や高麗を評価しているから、そこから紹介してほしかった。朝鮮戦争前のように高麗王朝の首都だった開城が韓国側だったら、また高麗王朝の評価も変わっていたかもしれない。 引っかかるのは60年代後半の「唯一思想体系」の確立以降の北朝鮮のあり方と拉致問題を絡めている箇所である。日本人の拉致事件はそれ以降にしても、李光洙をはじめとする植民地時代の著名人や臨政の関係者達を…  全文読む 評価する

シオニズムの解剖 シオニズムの解剖
オタク。/イスラエルとシオニズム。
 イスラエル軍の事を「シオニスト軍」と書いている箇所はあるが、大体において公正な視点で書かれている。 帝政末期のロシアから現代アメリカ、そしてイスラエルとパレスチナ人へと視点が移り、最後に戦前の日本とシオニズムの関係へと本は進む。 イスラエルの文学者(アラブ人を含む)と第1次中東戦争の関係について描かれた箇所がよかった。 戦後のドイツとイスラエル・シオニズムの関係について描かれていれば、よかったかも知れない。ドイツとの関係が、どのような形にしても無視するわけにはいかないからだ。  全文読む 評価する

韓国服飾文化事典 韓国服飾文化事典
オタク。/お高い本。
 韓国の歴史ドラマを見る時に服飾や小道具について参考になりそうな挿絵や写真が多く、旧韓末までの朝鮮の服飾を細かく描かれているが、見出し語を韓国語(一部日本語もあり)の配列のままに訳しているので使いづらいところがある。見出し語を日本語に訳すか音訳か何れの形で五十音別に見出し語を配列し直したら、使いやすいのに。 大将服という見出し語に純宗の軍装姿の写真が掲載されている。大韓帝国時代に旧韓国軍で皇帝だけが大将だったらしい。韓国国軍が建軍された時に中将までしか階級がなく、朝鮮戦争の時に大将の階級が導入された。  全文読む 評価する

朝鮮王朝「儀軌」百年の流転 朝鮮王朝「儀軌」百年の流転
オタク。/国葬の間。
 今、話題の朝鮮王朝儀軌は高宗と純宗という2代の韓国の皇帝の国葬が行われる間に朝鮮から日本に移されたという。高宗の日本式の国葬が朝鮮人の間には不評で3・1運動のような独立運動が起こる一因になったので、朝鮮王朝儀軌を参考にして純宗の朝鮮式の国葬が行われた。といっても「天に二君はあらず」というわけで韓国の皇帝がいた事は否定し、あくまでも「李王殿下の国葬」として行われたが。 他にも朝鮮王公族の儀礼を朝鮮式か、日本式か、あるいは両方とも取らないか、色々な場合がある。 朝鮮公族の葬儀についても記してほしかった。玉音放送が流されてからも行われた例もあるので。 「これまで、李垠と方子の二人は、日韓の「不幸な…  全文読む 評価する

恨のものがたり 恨のものがたり
オタク。/韓国ドラマの世界。
 朝鮮王朝を描いた韓国ドラマに出て来るような宮廷実録小説や回想録3作を合本した本。「閑中録」の筆者の恵慶宮洪氏以外は作者不詳なので「朝鮮宮廷女流小説集」という副題はふさわしくないかも知れない。 「朝鮮朝宮中風俗の研究」で、この3作が登場するのは宮中を描いた代表的なハングル小説なのだろう。 光海君や張氏といった失脚した国王や寵姫がグロテスクなぐらいに描かれている。「仁顕王后伝」で淑嬪崔氏がほんの少ししか出てこない。BSで放送している「トンイ」のヒロインのモデル、というか核に当たる人物だが、王の生母なのに記録が殆ど残っていないという。 「閑中録」で筆者の政敵が夫の親族であり、自らの一族なので間接話…  全文読む 評価する

異国征伐戦記の世界 異国征伐戦記の世界
オタク。/軍記に見る朝鮮出兵その他。
 江戸時代から明治に書かれた軍記物語に書かれた主に朝鮮出兵について取り上げた本だが、江戸時代に朝鮮から輸入された本を参考にして新たな物語が書かれているところが興味を引かれる。和本の世界では漢籍に比べて朝鮮本は影の薄い存在に見えるが、朝鮮で書かれた本が日本でどのように翻刻されて受容されたのだろう。  全文読む 評価する

韓国歴史用語辞典 韓国歴史用語辞典
オタク。/系図と年表。
 韓国の学生向けに出された歴史用語を翻訳した本である。確かに朝鮮史に出て来る人名や用語は日本人には不案内なので、その点では簡潔に記されているので参考になる。しかし歴代王朝の系図や簡単な年表、地図はつけてほしかった。歴代王朝の王について記されていても、系図があった方が読者の参考になるのではないか。 この本には「千里馬運動」のような北朝鮮の用語が登場するが、北朝鮮では朝鮮史の用語が、どのように教えられているのか、気になった。  全文読む 評価する

伊藤博文をめぐる日韓関係 伊藤博文をめぐる日韓関係
オタク。/韓国併合と伊藤博文。
 韓国併合と伊藤博文との関係を扱った本なので、氏の「伊藤博文」と重なる箇所があるが、それは同じ事柄を扱っている関係上、仕方がない事だろう。 韓国併合前に途日した英親王(のちの李王垠)が厚遇を受けた事は知られているが、この本の中では朝鮮王公族(韓国の旧皇室)について王公家軌範が成立するまで日本がどう処遇しようとしたかが書かれている。朝鮮公族は殿下の称号を贈られているとはいえ、華族なみに扱おうとしていた、というのは初耳だ。 「一九二〇年代後半には旧朝鮮の皇帝や皇族らは日本帝国に包摂されたといえる」(160頁)とあるが、昭和20年になるまで在京城の王公族は日本人に近い存在だったのか、そこが疑問に思っ…  全文読む 評価する

日本語聖書も「神の言葉」 日本語聖書も「神の言葉」
オタク。/神の言葉?人の言葉?
 聖書が原典から翻訳されている事は周知の事だが、この本はさまざまな日本語に訳された聖書から引用された言葉を対比させて聖書の原典と日本語との間に存在するずれを明らかにしている。 しかし聖書はアラビア語からの翻訳は註解書としてしか認められていないクルアーンと違って、古代から色々な言葉に翻訳されてきたので、古代訳からの研究も必要な聖典である。この点では梵語やパーリ語から色々な言葉に翻訳された仏典に似ているだろう。 日本語に訳された聖書と紹介されている聖書は戦後から現在に渡っているものが殆どだが、何故か関根正雄訳旧約聖書や現在刊行中の田川建三訳新約聖書が紹介されていない。207頁に「あと五年ほどで、数…  全文読む 評価する

「汪兆銘政権」論 「汪兆銘政権」論
オタク。/ある政権の時代。
 表題通りに昭和15年に成立した汪兆銘政権(昭和19年の汪兆銘の没後、代理主席に陳公博が就任したので南京「国民政府」の方が正確な表現かもしれない)の成立とヴィシー政権との対比等が書かれているが、中でも興味深いのは巻末の南京政府軍についての箇所である。 「戦わざる軍隊」として存在した南京政府軍は戦後、関係者の一部は漢奸裁判にかけられたが、その殆どが逮捕も裁判もかけられなかったという。国共両党とも60万を号した南京政府軍を「偽軍」と呼びながらも、軍事力として評価していたのだろう。考えようによっては日本軍も「戦わざる軍隊」の存在をよくも認めていたものだ、と思う。南京政府軍には国府側からの工作員が参加…  全文読む 評価する

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