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竜宮ホテル迷い猫 竜宮ホテル迷い猫
はぴえだ/ぬくもりある物語
ふしぎなテイストのお話。ファンタジーのような、SFのような、伝奇のような。広範囲でエンターテイメントといっていいような気がしないのでもないのだが、エンタメと決めてしまうのはとまどいをおぼえる。エンタメというと、私の中ではどこかはじけた強いイメージがあって、この作品のイメージにそぐわないような気がするのだ。この作品がはじけていないという意味ではない。読み心地としてはとても軽やかだし、突拍子もない部分もあって、おもしろさもちりばめられている。けれど、この作品の根底には、常にやさしさやあたたかさがある。震災の影響が見え隠れする、ストーリーのはじまり。緊張と不安。過去との対峙。新たなる住処、ふしぎな場…  全文読む 評価する

猫と妻と暮らす 猫と妻と暮らす
はぴえだ/ゆるぎないもの
テイストが今までの作品とどこか異なっている。物語の根底に流れているものは、いつもと同じだとは思うのだけど、感覚的に違う気がするのだ。ただそれは私の中だけの印象でしかないかもしれず、どこがどうと具体的にうまく説明できないのがもどかしい。無理に、誰にでも分かる、分かりやすい部分、私でも何とか説明できるところをひとつ挙げるとしたら、それは時代設定が小路作品において今までにないところだ。時代がこれまでは現代か、もしくは、少し昔くらいだったのが、具体的には描かれてはいないものの、大分前であるというのを感じられる。時代が変われば、必然的に語り口調は変わる。これだけで、印象はがらりと違って見えるのだ。現代の…  全文読む 評価する

星を泳ぐサカナ 星を泳ぐサカナ
はぴえだ/物語に溺れる
作品をすきになるには、いろいろな要素がある。今回の場合は、タイトルのセンスと、言葉の紡ぎ方だろうか。私は、この作者の書く文章がとても好きで、「君が降る白」以降欠かさず読んでいるのだが、もし今この時に、朝丘作品の存在を知らなくとも、どこかでこのタイトルを目にしたとしたら、きっと手に取ったに違いないという、奇妙な自信がある。吸引力が半端ないタイトルなのだ。「星を泳ぐサカナ」インパクトはあるのだが、どこか静かで、それでもキラキラしたうつくしさを感じる。魚が、夜空を、星のまわりを、ひらひらと泳ぐ、自由でふしぎなイメージ。きれい。一体、どんな話なんだろう?と好奇心をくすぐられる。わくわくしつつ、本を開く…  全文読む 評価する

刑事のまなざし 刑事のまなざし
はぴえだ/真摯なまなざし
丁寧に作られている連作短編ミステリだ。夏目という、一風変わった刑事が事件を解決に導くストーリー。この本には、7つの短編が収録されているのだが、どの作品もやるせない。犯人に同情しそうになる点がたくさんあり引きずられそうになるのだが、どんなに苦しいことがあっても、人を傷つけては、殺してはならないということがきちんと描かれている。夏目という刑事の設定自体が、犯罪者を決して許さない、ある意味犯罪者への復讐劇的なストーリー展開を想像してしまうようなものなのだが、そういう方向には流してしまわずに、彼を理性的な人間として動かす選択がなされている。これはとてもめずらしいことではないだろうか。本来そういう設定を…  全文読む 評価する

彩雲国物語 彩雲国物語
はぴえだ/心を燃やして
燃え尽きました!作者も燃え尽きたのでは?と思うほどの力作であるが故に、冒頭の一文通り、読者の私も読み終えた後、灰になった。燃え尽きるだの、灰になるだの、風に飛ばされ空っぽか!というような表現だが、いろいろなものが胸に突き刺さり、あふれそうなほどにいっぱいになってしまい、満足させ過ぎられて放心状態というのが、正しい今の私なのかもしれない。どうしようもないほどに、揺さぶられ、感動させられ、心を苦しい程かき混ぜられたのである、いい意味で。結末は、1巻のラストで明らかにされていたので、バッドエンドを想像して不安になる必要もなく、極端に言えばただ淡々と読み進めればいいはずだったのだが、ラストにたどり着く…  全文読む 評価する

オーダーメイド殺人クラブ オーダーメイド殺人クラブ
はぴえだ/誰もが通る道
「オーダーメイド殺人クラブ」というタイトルだけを訊き、この本を手に取った私は、最初、拍子抜けする。あれっ?ミステリじゃないの?この作品。そう、実はタイトルからして、ミステリと期待して読み始めてしまったのだ。読み進めるにつれて、違う、これは、青春小説なのでは?という認識に変化していき、読了後には、極上の青春小説という風に塗り替えられた。「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」が、恐ろしいほどにリアルなアラサー女子の物語であったように、この作品もまた怖いくらいにリアルな十代の青春小説だ。プライベートなことを書評で明らかにしてしまうのもどうかと思いつつも、書いてしまうが、私自身、作者と世代がとても近く、多くのこと…  全文読む 評価する

うた恋い。 うた恋い。
はぴえだ/想いは伝わる
2巻で語られているのは、六歌仙の時代。一般的に、知られているようで、知られていないところではないかと。恥ずかしながら、私自身、名前を数人知っているくらいで、ほとんど知識がなく、今回初めて目にした人物もいる状態で、なるほど~!と読ませていただいた。1巻に引き続き、2巻も学術的な押し付けがましさがなく、敷居が高くないので、気軽に楽しむことができる。敷居が低いというのは、古典が苦手な人に取ってとても大事。なんとなく興味があっても、小難しいと避けたくなってしまうもの。この作品は、その辺をうまく処理し、エンターテイメントに見事変換されているので、簡単に楽しみを得ることができる。この巻では、主に小町、業平…  全文読む 評価する

ヴォイド・シェイパ ヴォイド・シェイパ
はぴえだ/空虚の先にあるもの
ふしぎな読み心地のする作品だ。ジャンル分けを試みるとしたら、時代小説に分類されるかもしれないのだが、全くもって時代小説の匂いがしないのだ。舞台は、侍が生きる時代だが、文章がお約束にとらわれておらず、自由で、作者特有のシャープさがあって、とても現代的。そう、本来あるはずの、時代小説を読む時に感じる、突っかかりがほとんどなく、現代物を読んでいるようにしか感じられず、とても新しい。表現方法が「スカイ・クロラ」シリーズに通ずるものがあり、詩的で、独特のリズムがあるので、いつもの森作品と舞台装置が違っていても、森博嗣の作品でしかあり得ない仕上がりになっているのだ。ただこの二つの作品、大きく異なる部分もあ…  全文読む 評価する

県庁おもてなし課 県庁おもてなし課
はぴえだ/ひかりはすぐそばにある
有川さんの作品というのは、健全で、まっすぐで、ひたすら正しいことが描かれている。そういうのって、読んでいて、とても共感しやすい。誰しもが分かるなぁ~と思うだろうし、そうありたいと願うだろうし、自分と重ね合わせてふがいなさに情けなくなる時があるだろう。これがほどよいバランスの時は、素直に自分もがんばらなきゃ!という気持ちになれ、有り難い教訓となってくれるのだが、一歩間違うとバランスが崩れてしまい、おしつけがましく感じ、説教は結構だよ!という気分になる。ここ最近、いろんなことが教訓めいていて、ちょっと一歩引いた感じになってしまっていたのだが、今回はまっすぐのめりこんで、とてもおもしろく読んだ。今、…  全文読む 評価する

花物語 花物語
はぴえだ/今はまだつぼみ
ザ☆青春小説。西尾維新の作品と言えば、ほとんどが青春エンタで、エンターテイメントであるということは理解しているのだが、私の読解力のなさなのか、青春小説としては、分かりにくさを覚えている。大体が斜め上や下を行っていたり、回りくどかったり、飄々としていたりで、煙に巻かれているかのよう。それが、楽しくおもしろくて、クセになるのが特徴で、最後まで読んで、青春だったね?と思うくらいで。それが今回は、失礼ながら、非常に分かりやすく。語り部が、神原駿河という、思いの外、普通の人格の持ち主だったがため、設定は怪異なのだが、根本はその世代の若者が生きていく上で抱く悩みを彼女を通して、素直に表現されているので、大…  全文読む 評価する

愛はね、 愛はね、
はぴえだ/さみしさの行方
愛はね、という言葉の響き。とても優しく、可愛らしい印象。そんなイメージで読み始めたら、見事に裏切られる。苦しくて、せつなくて、やるせない。恋愛もので、“せつなさ”というのは鉄板だが、それを平易な言葉で描き切っているので、知らず知らずの内に、のめり込まされてしまう。ただ、リーダビリティの高さの要因は、文章(文体)だけではない。テーマ選びのうまさ。誰しもが抱いている、さみしさや孤独を、物語の中心に据えている。それって、とても分かりやすいし、物語に入り込みやすくしてくれる。感情移入がしやすい作品というのは、物語を楽しむには読者にとって大変ラクだ。けれど、この作品はそんなにたやすくはない。幼馴染に対す…  全文読む 評価する

さみしさのレシピ さみしさのレシピ
はぴえだ/La solitude ne diminue pas
あまり言い方はよろしくないが、非常におとなっぽい印象の作品。この作者の文章は瑞々しさが特徴なのだが、今回は何と言うかアンニュイさをまとっていて、えもいわれぬ雰囲気があった。具体的に述べてみると、けだるげで、どこか突き放した感じ。さみしさ、憂鬱さ、雨。微妙な関係、距離。淡々とした中に、激しさを抱えていて、冷たいように見えて、実は温かさを通り越して熱さがあったりする。こころを燃やして傷ついていた状態から、ゆっくりと再生していく様が描き出されている。BLというと、基本的にエンターテイメント的な文章の書き方であったり、ハーレクイン的な文章の書き方が主流のような気がするのだが、一穂さんの文体というのは、…  全文読む 評価する

トッカン トッカン
はぴえだ/お仕事小説はいかが?
掴み(オープニング)が強烈で、一気に心を鷲づかみにされる。これは、もしや抱腹絶倒コメディかっ!?というような始まり。だってね、ぬか漬けが飛んでくるんですよっ(笑)!普通はコメディ展開で行くと思うじゃないですか。けれど、それだけではなかったのです。主人公のぐー子はどこにでもいそうな、働く女子。ぐー子自身も中々おもしろいのだが、周りにいる人々(同僚)がまた濃い。主人公(ぐー子)が比較的普通の人なので、とても感情移入しやすく、脇キャラも楽しいので、大変読みやすいのだが、話が進んでいくにつれ、どんどんいたたまれない気持ちになっていく。ぐー子があまりにもどこにでもいそうな人物であるが故、自分にも身に覚え…  全文読む 評価する

うた恋い。 うた恋い。
はぴえだ/時を超えて届く想い
今更ながら、和歌というのは、一球入魂ならぬ一首入魂なのだなと。溢れる想いをたった31文字に詰め込んで送る。短いからこそ、それは濃密で、切実で、情熱的で、心に突き刺さる。実のところ、和歌にここまで揺さぶられたのは初めてのことだ。学生の頃、国語の授業で和歌と向き合ったことがあったが、こんなには心惹かれなかった。勉強と、楽しみの読書、という差のせいもあるかとは思うのだが、超訳というのが大きいのではないかと。超訳は、直訳ではないので、堅苦しさが抜け、意味が伝わりやすくやさしい。とっつきやすいのだ。作者の想像力と瑞々しい感性が、和歌と見事に融合して、恋愛小説や恋愛マンガに負けないドラマチックな世界を構築…  全文読む 評価する

おとぎ話のゆくえ おとぎ話のゆくえ
はぴえだ/おとぎ話の先には何が見える?
作者の作品には、いつもふわふわとしたやさしさがあった。しかし今作品では、それらが大分なりを潜めていて、シビアで、ストイックな印象を強く感じた。今までの作品にはなかったキャラクター設定。どこか似ているふたりではない、まるっきり正反対の二人。はっきりとした光と影。ストーリー展開的には、はっきりくっきりというよりも、あいまい。ささいなことが積み重なっていき、いつしかというようなパターン。題材的には、物語の世界でよく使用されるもの、身分違いの恋――おとぎ話。それらのほとんどはラストでハッピィエンドを迎える。もともとこの作品は、BLというジャンルの中にあるので、ラストは決まっているも同然。それにも関わら…  全文読む 評価する

Another Another
はぴえだ/繰り返される悲劇の先にあるもの
分厚い本で、読むのに苦労しそうな予感がしていたのだが、ページをめくり始めると、読みやすくするすると。途中からは手が止まらなくなる。エンターテイメントに徹しているので、存外読みやすかったのだ。主人公が中学生なので、悩みとかいろいろ延々と書かれてしまうと、停滞しかねないのだが、そういう書き込みはなく、さらっと進んでいくので、物語の展開だけに集中すればいい。装丁や、あらすじを見ると、ホラーを連想させるような作りになっているが、読んでみると実は違う。おどろおどろしい部分や、囁きシリーズ・殺人鬼シリーズを彷彿とさせるシーンもあるのだが、それだけではない。謎がいくつもちりばめられていて、伏線がいくつもはり…  全文読む 評価する

アラベスク アラベスク
はぴえだ/扉は開かれる
いよいよ、ノンナのバレエが、至高の世界に届く。4巻はライバルというライバルは現れず、自分との戦いに突入する。今回は、揺れはするものの、逃げずに、ストイックなまでにすべてと立ち向かう。芯にはバレエがあるのだが、それだけではなく、さまざまなエッセンスが盛り込まれていて、バレエ・オンリィではないおもしろさがある。ノンナとユーリの関係。ノンナとカリンの関係。レミルのノンナへの想い。カリンの秘密(過去)。特に、カリンはとてもミステリアスで、奇妙な魅力がある。どうしようもない人なのだが、憂いがあって引き寄せられるのだ。それこそ最後の最後まで激しく引っかき回されるのだが、悲しい境遇の人で、憎みきれない。彼女…  全文読む 評価する

なにもいらない なにもいらない
はぴえだ/なにもいらない、わけがない
あなた以外なにもいらない。それは、究極の恋愛の形で、すきですきでどうしようもなくなると、そう思ったりする。けれど、それは瞬間的なことで。そんな思考は熱に浮かされている一時的なもの。現実にかえってしまえば、相手以外なにもいらないわけなどなく。どんなに恋愛至上主義であったとしても。人の本質なんて、そんなすぐにころっと変わるもんじゃない。主人公のココロ。それはもうとんでもない女の子で。女子が嫌いな女子、ナンバー1的な女の子。男子が嫌いな女子にも果てしなく近いと思われる女の子でもあり。なんて我儘なの!なんてマイペースなの!と、ものすごーくイラっとさせられるわが道を行く不思議ちゃん。はっきり言って、私は…  全文読む 評価する

アラベスク アラベスク
はぴえだ/いくつもの世界
掲載誌が変わったせいなのか、雰囲気が大人っぽくなり、変貌を遂げている。あらたなる人物の登場。ヴェータ、彼女はかの日のノンナを見ているようなのだが、今までのライバルとは違うし、ノンナともまた異なる。勝気で、努力家で、そして急いでいる。潜在能力は高そう。そんな彼女にノンナはかつての自分とを重ね、恐れる。自分の場所を奪われるのではないかという不安は、読者をも揺さぶる。エーディク、彼は才能溢れる、ニヒルなユーリのライバル。ただ、エーディクが一方的に彼をライバル視しているようにも見えて。ノンナを中心に、各々の思惑や駆け引きが複雑に絡まって、思いもよらぬ方向へ進んでいく。ヴェータも、エーディクも、季節のよ…  全文読む 評価する

あられもない祈り あられもない祈り
はぴえだ/真摯な祈り
濃密な空気と、不可思議な恋愛。最初から惹かれあうものがあるにもかかわらず、どうしてこうも素直に飛び込んでいけないんだろう、といらいらしつつページをめくるのだが、人というのは時として、奇妙な行動を取るものだし、天邪鬼な部分もあるからこそ、分からなくない。寂しいのが、一人がダメで、いつも誰かといたくて、恋に、相手に依存して、息苦しいほどにのめりこむ。すべてを捧げて、どうしようもなくなると、すべてを投げ出して、逃げる。ただ漠然と読んでしまうと、何だかなあと思い、冷めてしまいがちだが、実のところ、これは正しい行動なような気がして、理解可能だったりする。そう、表面上は理解しがたい人、理解しがたい恋愛を描…  全文読む 評価する

アラベスク アラベスク
はぴえだ/別離の先に見えるもの
2巻は、ノンナ飛躍の巻といっても過言ではないストーリーが繰り広げられる。続くライバルとの戦い。新たなる出会い。1巻に引き続き、目が離せないドラマチックな展開。冒頭からアラベスクの世界に引き込まれる。ノンナはまだまだ夢を叶えている途中で、いろいろなことが起こる。嬉しいことよりも、悲しみ、苦しみが遥かに多く、挫けそうになって、逃げてしまう。世界は違えども、それは誰の元にも一度は訪れるであろう苦難(試練)で、感情移入せずにはいられない。どうなるの?どうするの?とやきもきさせられるのだが、次第に目覚め立ち上がっていく姿に、読んでいるこちらもまた応援しようという気分にさせられる。ユーリもまたノンナと離れ…  全文読む 評価する

アラベスク アラベスク
はぴえだ/変わらない美しさ
とても豪華な一冊。カラーあり、二色刷りありの、連載していた当時そのままの完全収録版。約40年以上前の作品と云うことで、私はその当時を知らない。それでも、普通のコミックスとは一線を画していることは良く分かる。本自体の作りもそうだが、内容が素晴らしい。ヒロイン、ノンナのシンデレラストーリー。スポコンあり、ロマンスあり、友情ありの、青春・成長物語の、バレエマンガ。古い作品なので、セリフなど一つ一つ拾いだせば、どうなの?と思う部分もあるし、画面の構成やペンタッチなどもううーん、と感じるところもある。ファッションのセンス一つとってもそう。ただ、これらはその当時は最先端だったんだろうな、というのが垣間見え…  全文読む 評価する

つめたく、あまい。 つめたく、あまい。
はぴえだ/つめたく、あまく、ゆるい。
何とも言えないバランス感覚を持った作品集。ありそうでなさそうな恋愛模様を描いている。さらっとしてるんだけど、ねっとりしてて、少しマニアック。萌えまではいかないんだけど、ぎりぎりのラインでストーリー性を保っている。失礼ながら、おもしろいんだか、つまらないんだか、というふしぎ感覚を持った作品なんですね。多分、その日の気分でおもしろかったり、つまらなかったりするかもしれないというなんとまあ、ある意味稀有なコミックス。絵は、さらり・すっきりで、おんなのこが非常に可愛い。ふわんとしていて、エロさもあったりする。妙な色気があるのね。扱っている題材にもエロがあったりして、そういう描写もあるのだが、生々しさが…  全文読む 評価する

君に降る白 君に降る白
はぴえだ/想いは白い雪のように降り積もる
タイトル通り、イメージカラー、白な作品。設定的には、どこにでもありそうなものなのだが、料理法がとてもうまい。BLではどうかよく分からないのだが(何せ読んでいる作品数がそんなに多いわけではない)、一般的な恋愛小説では、比較的よく見られるタイプの設定なのだ。そう、特にケータイ小説なんかでありそうなパターン。どこかで見た気がする、と思いはするものの、冒頭で挙げた通り、白いピュアなイメージと、表現の上手さが私を掴んで離さなかった。まどろっこしいところもあるんだけど、心をくすぐられる、少し文学的匂いがするエピソードの積み重ねに、言葉選び。それだけでは、堅苦しさも出てしまいそうではあるのだが、少しのユーモ…  全文読む 評価する

ガーデン・ロスト ガーデン・ロスト
はぴえだ/青春のかたち
4人の少女たちのいびつな青春。果たして、これは歪んでいるのだろうか?決してそんなことはないと私は思う。確かに、極端なエピソードもあるが、彼女たちはリアルに、どこにでもいるような気がしてならないのだ。寂しくて仕方がなかったり、優しくありたかったり、人に嫌われたくなかったり。自分をすきになれなかったり、自分を大切にできなかったり。青春時代の悩みが苦しみが、覚えのある、誰もが通る道が、目を逸らすことなく見事に描き切られている。それは、それは、痛いくらいに、忘れていたあの日を、抉り出しているだ。苦しい、つらい、いやだ、ということが本当にたくさん綴られているのだが、それだけではない。ラストには、僅かだが…  全文読む 評価する

宵山に啼く恋し鳥 宵山に啼く恋し鳥
はぴえだ/言葉の妙
一途で、せつなく、ひたむきで、不器用な恋。恋に落ちる過程、ストーリー展開はごくありふれたものなのだけれども、舞台装置が秀逸で、物語を風情あるものとしている。昭和初期の京都が舞台。それに沿った文章がきちんと使われている。京言葉に、時代に合った言葉使い。懐古的なものというと、堅苦しいイメージがあるのだか、分かりやすい言葉選びがされているので、世界にも入りやすく、寧ろ目新しさを感じさせる。物語の設定に影が持ち込まれていて、話がせつない展開で進んでいく。影と古い言葉(漢字言葉)の多用が、雰囲気にあった文章を生み出し、見事融合させ、しっとりと趣のある世界にしているのだ。それらが恋を、情熱を引き立てて、読…  全文読む 評価する

プールの底に眠る プールの底に眠る
はぴえだ/つよくて、やさしくて、よわい
読み始めると、揺らぎの中に嵌り込む。過去に引きずられて、引きずられて、抗って。前を向こうとして、無理をして。その姿が、強くて、優しくて。それでも、音を立てて崩れ落ちた時の脆さ。壊れた時にまた新たに見えるものがある、未来。キャラクターに温度感が感じられず、うすっぺらかったり、脆弱なイメージを抱かせたりもするのだか、それがこの作品の特徴であり、ガラスのような繊細さを際立たせている。ストーリー運びもまどろっこしいくらいに動かない。それこそプールに沈んで、じっと浮上を待つ感じで。急激な変化を見せない。けれども変化しないわけではなく、緩やかなもので。実際のところ、現実もそんなものだし、その辺りがリアルで…  全文読む 評価する

スノウ・ティアーズ スノウ・ティアーズ
はぴえだ/涙の行方
風変わりな小説なんだけど、根底に流れるものは、せつなさ、かなしみ、恋、そして生きるということ。ジャンル分けがとても難しい小説で、恋愛ものといっていいような気もするんだけど、青春ものといっていいような気もするし、幻想ものといっていいような気もする。主人公は不思議体質で、こどもの頃からそれに振り回され、それでも閉じこもることなく何とか生きている。ある意味、ここに強さを感じた。そして、恋をする。初恋だったり、淡い恋だったり、背伸びした恋だったり、すれ違いの恋だったり、打算の恋だったり。地に足がついた時には、もう・・・・・・ファンタジーまで突き抜けてないので、少しのふしぎなんだけど、その変わった感じに…  全文読む 評価する

最果ての空 最果ての空
はぴえだ/いばらの道を行く
なんてせつない・・・・・・読み終えた直後の、最初に溢れ上がってきた想い。そして、何て不器用な・・・・・・とも次に思い・・・・・・けれど、それでこそ篠塚なんだなあ、とも思い至り。「エス」、「デコイ」でサイドキャラクターとして登場している、篠塚を主人公に据えた物語。キャラクターがすでに出来上がっている状態だったので、BL展開に持っていくのには懐疑的で、どうなんだろう?と思っていた。読み進めていけば、そんなものは杞憂に過ぎず、ある意味自分の中で、思い描いていた通りだったんだけれども、物語は淡々とうつくしく紡がれていて。あおるような文章でないからこそ、寂しさが、孤独が、際立って、たまらない心持ちにさせ…  全文読む 評価する

悪党 悪党
はぴえだ/再び歩き出す
とてもインパクトのあるタイトル。アクが強そうで、重そうな作品だな、と先入観があったのだが、読み始めてみると、それはただの杞憂だった。主人公が向き合わねばならない過去――事件は、陰惨で到底許せるとは思えないもので、これをテーマに話が進んでいくとしたら、どう想像しても、重く、読む作業がとても辛いものになるような気がした。にも関わらず、するする読めてしまう。どうしてか?それは、話の進め方と、主人公の職業ににあるのでは?と。連作短編的な展開。探偵という職業。ミステリには馴染みのある設定。その探偵という立場と、所長の思惑のために、自分と過去に向き合わなくてはならない状況に1つの章ごとに追い込まれる。どの…  全文読む 評価する

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