薄い書物だ。作品を収めている頁数は200にも満たない。そしてその中に51編の散文が収められている。リディア・デイヴィスという書き手については何の知識もなく、訳者の岸本氏の名前に惹かれて本書を読んだのだけど、とても興味深かった。 「散文」という言葉を使ってしまうのは、本書には時にはたった三行で全てが語られてしまう作品とほぼ30頁にも及ぶ作品まで様々な文章が収められているのだけど、それを小説と形容すべきかどうか戸惑ってしまうからだ。ある時代や舞台が設定されその中を行動し考察する人物が描かれているという理由で、取りあえずは小説と呼んでも差し支えのないだろう作品も一応収められている。例えばコペンハー…
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