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週刊とりあたまニュース 週刊とりあたまニュース
GTO/左ページはいらなかった
 はっきり言って、企画としては失敗である。右ページの佐藤の文章は、他の彼の著書ほどの深みはないが、その時々の話題を扱った時事批評となっていて面白いが、右ページの西原のマンガは、醜い、読みにくい、内容ない(ワンパタン)の三拍子で、紙とインクの無駄。 まあでも、佐藤優入門書と考えれば、多少に意義はある。ということで、★3つ。  全文読む 評価する

規制緩和という悪夢 規制緩和という悪夢
GTO/どちらが正しかったかは、生活実感が今、物語っている
 中谷巌、竹中平蔵と内橋克人+グループ2001のどちらが正しかったかは、今の我々の生活実感から、明らかである。さらには、現在の日本航空の状況を見れば、アメリカで起こった悲劇が、これから日本で繰り返されるであろうことが、予見され背筋が凍る思いがする。リストラ(=大量解雇)とワークシェア(=賃金カット)が並行して行われ、飛行機の安全性は低下する。  政権が交代して、我々国民に分かってきたことは、前政権までのつけが一朝一夕では解決できない所まできていたことである。皆、何となくは感じていたと思われるが、予想以上の惨状だったのである。しかるに、現在になっても政治家も官僚も内部抗争優先で、国民の方を見てい…  全文読む 評価する

もういちど読む山川世界史 もういちど読む山川世界史
GTO/懐かしい、でも面白くない
 装丁も教科書ぽくって、懐かしい。中味は、現行の山川の「詳説 世界史B」(790円)と比べると細かい所が省かれ、一般向けになっている。学会の通説だけでなくコラムなど設けるなどして、工夫されてはいるのだが、残念ながら、読んで面白いレベルには達していない。値段も教科書の倍である。これならば、教科書そのものを購入することをお勧めする。学生でなくとも、教科書は購入できるからです。※ 教科書購入については、「全国教科書供給協会」を参照下さい。       http://www.text-kyoukyuu.or.jp/otoiawase.html  全文読む 評価する

狂気という隣人 狂気という隣人
GTO/精神医療に対する誤解を解く
 精神医療に対する誤解を解くと聞くと、精神病患者は怖くないよと云う、いわゆる人権派の主張が書いてある本だと思うかもしれませんが、決してそのような皮相な内容ではありません。誤解を解くというのは、事実を知るということで、マスコミ等から植え付けられた思い込みを排することです。  「精神病患者は、危険か」と問われれば、この本を読めば危険な人達もいれば、そうでない人達もいることが分かる。精神病は、ストレスなどの心因性のものが多いと思われがちだが、環境が発症を後押しする場合もあるが、直接原因のものは少ないらしい。このような精神障害者に対する誤解を解くと同時に、この本を読むことで、精神医療の現場の問題がよく…  全文読む 評価する

からくり民主主義 からくり民主主義
GTO/現場の息遣い
 テレビや新聞で遠くの出来事の報道に接すると、「へぇ、そうなんだ。」と思う。けれど、身近な出来事が報道されると、「えっ、それちょっと違うんじゃない。」と感じること、ありませんか。身近な、あるいは自分もまた当事者(あるいは、関係者)の出来事の報道に巻き込まれると、よく分かるのですが、マスコミのニュースはまず、結論ありきでなされている。この作者が素晴らしいのは無理に結論を出そうとはせず、現場の声をそのまま拾ってくることにある。  「本音が建前で、建前が本音だったりする」-そのままを伝えてくれているので、現場の雰囲気が分かり、短絡的な意見を持つことなく、じっくりと問題を考えることができる。インターネ…  全文読む 評価する

世界がわかる理系の名著 世界がわかる理系の名著
GTO/第一人者の本は時を経ても色褪せない
 帯に「京大で受けたい授業NO.1の名物教授」とあるのがうなずける、楽しく分かりやすく知的好奇心を大いに刺激してくれる本であった。  取り上げられているのは、ダーウィン、ファーブル、メンデル、ワトソン、ユクスキュル、パブロフ、カーソン、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、ハッブル、プリニウス、ライエル、ウェゲナーの14人の著書である。(化学分野が少ない気はするが、著者の専門上仕方ないだろう、次作に期待)多くは世界史にも登場するので名前を聞いたことがあるだろう。しかし、その著書ファーブルの「昆虫記」とカーソンの「沈黙の春」を除けば原典を読んだことがある人は少ないのではないだろうか。  私自身…  全文読む 評価する

政策論争のデタラメ 政策論争のデタラメ
GTO/政治家の質、官僚の質、マスコミの質、国民の質
 第1章 環境・エネルギー 第2章 医療 第3章 教育 第4章 郵政改革 第5章 政治・行政  現在の日本が抱える問題の選び方は素晴らしい。  また、その問題の分析も概ね納得できるものである。特に、第5章の「官僚叩きで日本はよくなるのか」は、私が今までに発言してきたこととほとんど重なり、あなたもそう思うかと嬉しかった。マスコミの官僚バッシングは、まず、官僚=公務員という誤解から、公務員叩きになっているが、それは現場を知らない誤った報道である。さらに、キャリア官僚に関しても正しい認識を持たず、「正義の味方」を気取ったキャスターによる根拠なき官僚天国説が流布されているのが、現状である。キャスターた…  全文読む 評価する

不正な処理 不正な処理
GTO/半透明な主人公た
 『不正な処理』という題名に興味を覚え、手に取り、パラパラとページをめくると、懐かしいコンピュータの名が目に飛び込んできたので、読み始めた。  不思議な読後感であった。  風景描写が結構あるのだが、夢の中の風景のように実在感がなく、登場人物たちは感情の起伏が感じられない。高校時代の事件と大人になってからの現在の事件があたかも運命であるかのように繋がっていくのだが、そこには何の深まりもない。登場人物に存在感が希薄で、半透明なゴーストのようなのだ。著者は私より若く、団塊ジュニアと呼ばれた世代で、意図的にその心性を表現しようとしたものなのかもしれない。幼い頃の思いや記憶に関しては、そんなことあったな…  全文読む 評価する

亡国の中学受験 亡国の中学受験
GTO/教育偽装
 進学塾や私立中高一貫校が生徒を置き去りにして教育を行なっている実態がよく分かる。公立私立の限らず教育を数字や噂だけで判断してはいけないことがよく分かる。毎年、週刊誌が大学合格者数を特集するが、特に私立大学の合格者数などではその高校の実態は分からない。ある高校からA大学に100名の合格者がある場合、上位30名ほどが複数回合格しての100名の場合もあれば、中位の50名ほどが国公立大学の滑り止めで受験して出した数字である場合もある。少なくとも入学者数を見なければ、その高校のレベルは分からない。  さて、人間どこで伸びるかは分からない。小学校で伸びる子もいれば、中学、高校になって伸びる子もいる。大学…  全文読む 評価する

大人のための国語教科書 大人のための国語教科書
GTO/国語教師の憂鬱
 著者は、指摘する問題点は多くの人、特に文学好きの人が青年時代にぶつかったものだと思う。ただ、高校時代には指導書に対抗しうるほどの深い読みができず、それは、違うのではないかと思っても自信が持てず、文学者や国語教師にでもならなければ忘れていってしまうものなのだろう。  文学者になれば、自分の解釈を一つの説として披露できるが、国語教師は入試問題の正解を唯一の解釈として提示しなくてはならないというジレンマに陥るのである。  多くの進学校では「舞姫」にしても「こころ」にしても教科書の部分だけを読ませるのではなく、書籍を購入させ全編読ませて授業を行なっているようだが、唯一の正解に導かせるという点では、著…  全文読む 評価する

物語数学の歴史 物語数学の歴史
GTO/理学部初年生必読の書
 この本の後半に出てくる数学の理論は、私の数学的素養ではほとんど理解できなかったが、「はじめに」で著者の述べている文化史・文明史的な視点で、数学の大きな流れを知るという試みには参加できたと思う。思想的な側面の掘り下げはやや物足りなくも感じられたが、このような専門分野の歴史を記述することは、専門分野が理解できていて初めてできることであり、歴史家であればよりよく書けるわけではない。  ところどころで、リニアな東洋数学に言及しながら、西洋数学における深層的推移を「計算すること」と「見ること」という二つの側面の相克や統合として丁寧に説明してくれている。特にこれから数学に挑もうとする人にとっては、他の分…  全文読む 評価する

「相対性理論」を楽しむ本 「相対性理論」を楽しむ本
GTO/今までで一番分かりやすかった
 今までに相対性理論入門の本を何冊も読んできたが、分かったような気にさえなかなかなれなかった。この本で相対性理論が分かったというつもりはないが、これまでとは違って、理解が深まったことは確かである。特に特殊相対性理論については、高校までの数学で理解できる部分は、すっきりと頭に入ってきたし、一般相対性理論が、なぜ私の数学レベルでは理解不能なのかも分かった。  その理由は、数式をうまく提示しているからだと思う。この本も他の本同様にできる限り数式を使わずに理論を説明しているのだが、今まで読んだ本では言葉あるいは、イメージでの説明の後、最後にここまでを数式で表すとこうなんだと終わる感があった。(数式を示…  全文読む 評価する

疑似科学入門 疑似科学入門
GTO/予防措置原則
 この本は第4章が素晴らしい。著者は、まず疑似科学を三種類に分類している。第1種としては、科学的根拠のない、人の心の弱みにつけこむもの。第2種として、科学を援用・乱用・誤用・悪用したもの。そして、第3種として「複雑系」で科学的に完全な証明ができないものに、一方的な結論を出したり、証明不能なことを利用して、自分勝手な結論を肯定するもの。  この中で、第1種と第2種に関しては、マーチン・ガードナーやカール・セイガンに代表されるように多くの本が出ている。これはこれで大切なのであるが、はっきりと嘘であるがゆえに、指摘しやすい。一言で言えば、詐欺なのである。それに対して、第3種の言説は否定できないがゆえ…  全文読む 評価する

宇宙創成 宇宙創成
GTO/優しい眼差し、分かりやすい解説、スリリングな展開
 宇宙論を通して、科学とは何か、科学の発展はいかにして成し遂げられていくのかを分かりやすく伝えてくれる良書である。  科学とは(特に物理学は)、この世界を数学で記述することである。そして、その式はシンプルでかつエレガントであるべきである。また、その理論はよく言われるように検証(あるいは反証)可能でなければならない。そのため、実験や観測というテストに耐えなくてはならない。  科学の発展は、これらの試練を耐え抜いた時に起こるだが、さらに大きな壁となるのが人の心(先入観や偏見)である。第I章では、宇宙論が神話から、そして宗教から解き放たれて進んできた様子が、詳述されている。現在の我々からすると、なぜ…  全文読む 評価する

天皇家はなぜ続いたのか 天皇家はなぜ続いたのか
GTO/トヨ(神功皇后)をめぐる冒険
 纏向遺跡、箸墓古墳の調査が進むいま(2009)が、旬の本である。  著者ははっきりとは言い切っていないが、私なりに私見を入れてまとめると次のようになる。  「日本書紀」は、中臣釜足を祖とする藤原氏が、武内宿禰を祖とする蘇我氏の功績を歴史から抹殺しながら記述しようとした歴史書である。そのため不自然な記述が多いが、その理由を推測していくことで古代の政争(真実)が見えてくるのではないか。そして、それにより分かるヤマト王権の成立過程こそ、天皇家が続いた原因と考えられるというものである。  歴史書上の初代の天皇は神武天皇である。実在したと考えられる最も古い天皇は、応神天皇だとされている。応神の母とされ…  全文読む 評価する

最新宇宙論と天文学を楽しむ本 最新宇宙論と天文学を楽しむ本
GTO/望遠鏡がよく分かる
 天文分野に関しては、冥王星がまだ惑星だったりして少し古いが、第1章の天体望遠鏡に関する記述が詳しく楽しい。ガリレオ型の屈折望遠鏡、ニュートン式反射望遠鏡といった光学望遠鏡、可視光線以外の電磁波を観測する電波望遠鏡、その他ニュートリノや重力波を観測する望遠鏡まで、それぞれの特徴を分かりやすく説明してくれている。  宇宙論に関しては、監修者の専門であるので説明がうまい。ただ、望遠鏡、天文学、宇宙論を盛り込むには紙面が不足している。宇宙論もホーキングまでで終わっているので、最新の情報を加えて、3分冊で再発行されるとよいと思った。  まず、望遠鏡に関してはそれぞれの望遠鏡で得られた画像やデータを差し…  全文読む 評価する

秘密とウソと報道 秘密とウソと報道
GTO/やって良いこと、悪いこと
 再び、いわゆる「西山事件」こと外務省機密漏洩事件が脚光を浴びている。マスコミは当然、密約の存在や政府が密約を隠匿してきたことに焦点を当て、報道を行うだろう。しかし、だからといって、西山記者の行ったことが肯定されるかどうか、この本を読んで考えてもらいたい。私は、彼の行為はスパイとしては許されても、ジャーナリストとしては許されないと思う。彼がすべきことは、安川審議官から直接情報を得ることだったと思う。また、触法的取材は、かえって取材の自由を狭める方向に働いてしまう弊害をもたらすことになる。  もちろん、情報公開のあり方は、できる限り早く改善がなされるべきだと思う。永遠に秘密にすることは、元アメリ…  全文読む 評価する

ネトゲ廃人 ネトゲ廃人
GTO/アバターは化身に過ぎない
 この本に出てくるゲーマーの多くは生還した人達である。現役のゲーム中毒者はインタビューに来られないからであろう。私自身ゲームにはまっていた時期があるので、ゲームの楽しさ、ゲームを終える時の寂寥感は分かる。その寂寥感は2つの要素からなると思う。一つは楽しいゲームの世界から現実に引き戻される寂しさである。もう一つは、なんら人間的に成長することなく歳を取ってしまった(無駄に時間を過ごした)空しさ。つまり失われた時間に対する後悔であろう。人間に与えられた時間は有限である。どんなことをしても、二つの生を生きることは不可能なのだ。  浪費がすべて意味がない訳ではないが、過剰な浪費は身の破滅をもたらすのは、…  全文読む 評価する

ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ
GTO/不易と流行
 ゲームについて、マニアの世界に没入することなく、少し距離を置いて語っており読みやすい。また、本文中の多くの指摘は正鵠を射ており、同じように感じていたのが私だけでないことを知り、嬉しかった。  著者よりも、解説の吉田戦車よりもさらに年上の私は、20代後半から30代半ば過ぎまでの10年ほどゲームにはまっていた。著者はMSXからゲームの世界に足を踏み入れたという。私は当時、MSXパソコンかFM(富士通)か88(NEC)か迷い、FMを購入した。その後、98へと移行しゲームに耽溺する時代を迎えた。しかし、ゲームが複雑になり、やらされている感が強くなり、仕事上のこともあり、データベースや表計算の処理を書…  全文読む 評価する

「量子論」を楽しむ本 「量子論」を楽しむ本
GTO/これ以上簡単にはならないのだろう
 言いたいことは分かるのだが、言われていることのイメージをつかめない。それでも、これ以上に分かりやすく量子論を紹介することはできないのだろうと感じられた。あるいは、イメージしようとしてはいけないのではないかということが感じられた。いままでに読んだ量子論入門書で最も丁寧にかつ分かりやすい本であった。  なんとか、イメージしようと思ってしまうのが素人なのか。数式だけの世界なのだと割り切ってしまったほうが、理解できたことになるのかもしれない。でも、それでは分かった気になれないのはどうしてだろう。相対性理論の時間の壁と双璧のイメージのつかみにくさが立ちはだかる。  ミクロの世界では観測という行為が対象…  全文読む 評価する

なぜ『日本書紀』は古代史を偽装したのか なぜ『日本書紀』は古代史を偽装したのか
GTO/どうも白村江の戦いがこの時代を解く鍵だ
 判じ物のような楽しさがある。この著者の推論がすべて正しいとはもちろん思えないが、といって「トンでも本」とも言えないだろう。いくつか強引な推論があったり、言葉遊びのように感じられるところもある。しかし、百済王朝と大和朝廷との関係に関しては、従来の教科書的解釈は納得し難い面があるのは確かで、任那とは何だったのかを含め、さらに研究が求められると思った。  著者の日本書紀に対するスタンスは、一貫して百済王族の藤原氏が、蘇我氏の事績を抹殺するために編纂されたものとして捉えている。そのため、著者は聖徳太子がそのように論議を呼ぶ存在になっているのは、蘇我入鹿の功績を消すために、それを仮託する人物として祭り…  全文読む 評価する

ハゲタカ ハゲタカ
GTO/果てしなき闘い
 また、冒頭で一人の人物が死ぬ。自殺ではない。事件の匂いがする。さらに、今回はアメリカの軍需産業が登場し、冒頭からいきなり緊張はピークへ。それぞれの思惑が交錯し離合集散が繰り返され、最後の最後まで緊張が緩むことなく、心地よい。善悪を超えたなにかに突き動かされながら、そのなにかを時に見失い、また取り戻して、生きていく主人公たち。作中のどの人物にも正義はない。それがこの作品の魅力である。  現在の経済活動にはある種の狂気が内在していると思う。大きな仕事に立ち向かっている充実感と同時に、常に空しさが伴う。差し挟まれる引用が、前作の「武士道」から「堕落論」へと変わっているのも、経済活動と人間性の相克を…  全文読む 評価する

ホーキング、宇宙のすべてを語る ホーキング、宇宙のすべてを語る
GTO/分かりやすくなったが、私にはまだ分からない
 前作『ホーキング、宇宙を語る』(早川書房)よりも分かりやすくなった。数式もなく、複雑な計算もなく、イメージがうまく使ってあり、相対性理論や量子力学の考え方くらいまでは、分かった気になれた(もちろん、あくまでも気のせいだろうが)のだが、超ひも理論や統一理論になってくると、この本でも、私にはイメージを想起することさえできなかった。といっても、これ以上分かりやすい本には出会ったことがないので、本ではなく私の知的レベルのせいであるし、分からなさがロマンを加速させる。私でも十分に楽しめたので、数学や理科が苦手な人にもお薦めです。  全文読む 評価する

ハゲタカ ハゲタカ
GTO/企業は誰のものなのだろうか
 一人の人物が壮絶な自殺を遂げるところから物語は始まる。そして、主人公と3人のキーパーソンをめぐる話が並行して進んでいく。バイアウト、ターンアラウンド、倒産、不良債権処理、企業買収などが目まぐるしく展開し、読者に息つく間を与えず最後まで引っ張っていく大型の経済小説である。ミステリー的な要素も盛り込まれていて、心地よい緊迫感に包まれながら、読み進めることができる。  モデルとなった企業はWikipedia等を覗いて見ると分かるが、あくまでもフィクションであり、それゆえに作者の日本に対する思いがストレートに表現されている。ただ、全体に政治家や官僚の影が薄いことが気になった。行政関係の話は、主に上か…  全文読む 評価する

超電導はおもしろい! 超電導はおもしろい!
GTO/そんな昔に見つかっていたんだ
 超伝導と聞くとリニアモーターカーを思い浮かべる私は、超伝導研究は最近のものだとばかり思っていたが、なんと1911年にオランダの物理学者オンネスにより発見され、日本でも戦前から研究が始まっていたと知り驚きだった。  絶対零度(-273℃)を0度とするケルビン温度で4Kで突然電気抵抗がほぼ0になったとか、17Kで超伝導が起こる物質が見つかったとか、途中で超伝導体から磁力線が排除されることが分かったりとか、わくわくする研究成果が歴史を追って解説されていて楽しい。(理論が理解できなくても、楽しめます)後半は、日本での研究が詳しく述べられていて、ここがこの本一番の山場である。戦後直後の研究者の苦労が偲…  全文読む 評価する

評論家入門 評論家入門
GTO/本当に書きたいことを書きたければ、職業ではなく趣味にとどめるのがよい
 私も小説家になりたかった一人である。二十歳になる頃には、小説を書く才能があるかどうかは自分で分かる。才能はなかった。それに私の人生は平穏すぎた。それで、研究者になれたらと考えたが、なれなかった。その理由はこの本ではっきり指摘されている。移り気だからである。一つの対象を徹底して追いかけることができないのである。何かに魅せられて関係の書籍を大量に読むことは何度かあった。しかし、しばらくすると、他に大切なものあるいは面白いものがあるのではないかと目移りする。壁にぶつかると、たいした努力もせず才能がないとほうり出す、その繰り返しをやめられないのだ。  小説家にも研究者にもなれないまま年を重ね、どんな…  全文読む 評価する

読むだけですっきりわかる日本史 読むだけですっきりわかる日本史
GTO/読みやすさ抜群
 通史を1冊にまとめた本としては、今まで読んだ中で最も読みやすかった。受験生はもちろん、短時間でざっと日本史を振り返りたい社会人にもお薦めである。欲を言えば、江戸時代以降をもう少し詳しくてもよいと思った。  全文読む 評価する

世界は分けてもわからない 世界は分けてもわからない
GTO/生命の神秘も宇宙の神秘とともにミステリアスである
 この作者の文章は、詩的である。それでいて、ちゃんと科学を語っている。今回の新書も『生物と無生物のあいだ』に続き、素敵な作品である。  人は、全体を見ている時には部分が見えない。そして、部分を見ている時には全体が見えない。それをどう紡いでいけばいいのだろうかと考えさせられる。それは、科学の分野だけに言えることではないだろう。経済、歴史、言語などのあらゆる研究において、同じ壁が立ちはだかっていると思う。  ヴィットーレ・カルパッチョの「コルティジャーネ」と「ラグーンのハンティング」の話は、『ダヴィンチ・コード』のような上質なミステリー小説を読むようであり、マーク・スペクターの章は一級の犯罪ドキュ…  全文読む 評価する

日本を貶めた10人の売国政治家 日本を貶めた10人の売国政治家
GTO/小者ばかりでなんだか寂しい気持ちに
 ノーベル賞ではないが、売国政治家を生存者から選んだため、小者ばかりで悲しくなった。そのような立場に立てなかったのでばれていないだけで、この10人以外の政治家がまともだというわけではない。果たして現在の政治家で一体誰に期待できるのか、その特集の方が読みがいのある本となっただろう。話の中心は歴史認識の問題である。小林よしのり編なので、メンバーに片寄りがあるとは言え、それぞれの著者がいかにも彼(彼女)らしいことを書いていて、それぞれが重視している点が異なっていることが分かる。勝谷、長谷川は気分をすっきりとさせてくれる文章だ。西尾は相変わらず文章下手である。  昭和、特に昭和の戦争をめぐる歴史をどう…  全文読む 評価する

日本国の正体 日本国の正体
GTO/新聞は再生できるのか
 著者は「東京新聞(中日新聞)」の論説委員である。東京新聞の社説は比較的好きな社説である。朝日や読売、毎日とは違って本部が名古屋であるために中央と距離を置いた記事が書けるのかもしれない。  さて、著者は記者クラブ制を批判しながらも、『記者クラブを廃止するかどうかが本当の問題ではない。』(p.208)と言っているが、著者だけでなく多くのマスコミ人が非難をしているのだから、廃止すればいいと思う。制度の問題ではなく、使う側の問題であることも確かだが、いまではうまく使えていないのだし、これだけの弊害があるものを残す理由はないと思う。政権が変わったいまがチャンスである。  新聞大手は現在、大幅な赤字経営…  全文読む 評価する

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