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アダムス・ファミリー全集 アダムス・ファミリー全集
AQUIZ/「普通」の棘と、毒々しい幸福の日々
愛する夫と可愛いこどもたち。好みの植物が生い茂る庭からは、父に縁の大木が見守ってくれている。居間の窓からの眺めは素晴らしく、古い屋敷は隅々まで家族の趣味に合わせ、手入れされている。バスタブに模型の船を浮かべ、ドールハウスに花を飾る兄妹。祖母の焼いてくれるクッキーを楽しみに待つこどもたち。休日には、家族揃ってランチ持参のピクニックへ…最高に幸せそうな(ちょっと変わった)ファミリー!実写映画で有名になった「アダムス・ファミリー」の原作は、アニメやテレビドラマにもなっているアメリカのカートゥンである。一場面に、わずかなキャプションを添えた1コマ漫画だから、映画となった際には、多少の脚色がされた。その…  全文読む 評価する

電波オデッセイ 電波オデッセイ
AQUIZ/おかえりなさい、オデッセイ!
帰って来てくれないと困る本が、無事に帰って来てくれました。「出版:復刊ドットコム」をご覧頂ければ、本作品を初めて目にされた方も経緯を想像できるのでは。残念ながら、一度は絶版になってしまった作品でした。1995〜1999年に連載されていた、物凄く古いのでもなく、最近の…とは云えない時期の作品です。あまりに古くて入手困難と云う性質でもないわけで、残念ながら、埋もれて消えてしまったのです。これが復刊された、と云う意味。内容を知っているのは、当時の読者と、今でも繰り返し読み続けている永野のりこファン=「ナガノ者」が大半でしょう。旧版の単行本を当然ながら持っている(自分を含めた)人間です。例え持っていよ…  全文読む 評価する

パパラギ パパラギ
AQUIZ/パパラギの国。
 いつだったか、手にしたことがあるような気もしたが、恐らく紹介文か書評か何かを目にしただけで、実際に読んだことは無かったのらしい。古く、有名な本だったらしいが邦訳が文庫となったのは、これが始めてだとのことだったので。「パパラギ」と云う、奇妙で理解しがたい風習を持つ人々について、ある身分の高い男性が同胞へ語ろうとした演説をドイツの編者が彼の意志に背く可能性をも冒しながら編纂したのが本書の原典だと云う。 ツイアビ氏という語り手は、異様な格好を最善のものであると信じて着飾る「パパラギ」達を冷静に観察して同胞へ伝えようとする。不健康で、目的の判らない奇妙な着衣や装身具は、彼らの文化には存在し得ないもの…  全文読む 評価する

ぼくと1ルピーの神様 ぼくと1ルピーの神様
AQUIZ/奇跡的な必然。
「不幸な境遇の少年」などと云う、もはや泣ける話の題材に散々使い古されて、擦り切れたような主人公を掲げての、予想外な快作。出自で差別があり、宗教で対立があり、誰にも保護されないばかりか搾取され、虐待される孤児たちの居る国で、無知で教養がないのが当然だとされる少年。事実、主人公である少年も、真っ当な教育を受ける機会は得られず、天賦の才で世界のすべてを見通せるわけはなくて。それでも、難問の並ぶクイズ番組で、10億ルピーと云う莫大な賞金を獲得してしまった。そこから事件が始まるかに思える幕開けだが、物語は彼が出会った「正解」の出所を追っていく……作中の年度が明確に示されていないが、おおよそ現代。20億円…  全文読む 評価する

しゃばけ しゃばけ
AQUIZ/置き去りの哀しさ
 江戸が舞台の時代物であり、出自通りに人ならぬ妖達が罷り通る和製ファンタジィであり、広義の安楽椅子探偵ものである(実質は、椅子に座るも侭ならぬ病床探偵であるが)。 古典推理小説の様式を雛形とすれば、あらかた規格外揃いとなりそうな近年のミステリの体裁に近い構造となっている。 しかし、当シリーズの本質は「置き去りの哀しさ」ではないのだろうか。 探偵役たる主人公、一太郎は、両親始め、現代社会に置き換えれば大企業である店の一同、揃いも揃っての溺愛が過ぎ、布団に沈んでいるような少年である。 幼時の一太郎は、今と変わらず寝付いてばかりで、家の回りで友だちと遊ぶにも不自由する有様。家族は誰も優しく、その気に…  全文読む 評価する

荒川アンダーザブリッジ 荒川アンダーザブリッジ
AQUIZ/異端の邑
 異端に指差すのも、目を逸らすのも簡単だ。 彼らを受け入れることは困難で、自らも異端として生きるのは殊更に厳しい。 大切な人間が居ようと居まいと、本質的に人は独りで、だからこそ多数派に身を置いて異端に唾を吐いてみせ、だからこそ異端に辿り着くようだ。 河川敷に住み着くホームレスのコミュニティが、本作の中心となる。ただし、あまりに彼らは自由過ぎて、理想的な村の機能が成立してしまっている。不便や危険の圧迫感が無いのだ。異端者の集落と云うのは、揃いも揃って同じ奇行を取るのではない。個々に自分であり続けるだけだ。 踏み外す寸前の端に立っているだけに、誰もが他の仲間を異端視しない。彼らは、常識の世界に暮ら…  全文読む 評価する

聖☆おにいさん 聖☆おにいさん
AQUIZ/恋無く愛、世界は平和だ。
 彼等は愛に満ちているが、恋でもないし、恋にも繋がらない。 異世界からの来訪者が主人公になる物語では、テンプレとでも云うべき定番の型がある。 何らかの使命を携えて、それを遂行するため。その推進力は意欲や好奇心の場合もあるし、罰則的に強制され送り込まれることもある。あるいは、職業的な任務であるか。来訪者が修行と称して人間社会で暮らす姿を描いたものも少なくない。 本作の主人公達であれば、世を救うための来訪と云うのが普通だろう。漫画的な意外性を打ち出すのなら、有り得ない失態を仕出かして追い出されて来た、と云うのでも良い。 ところが、彼等は呑気に日本の平凡な町で暮らすことが目的である。 イエス・キリス…  全文読む 評価する

不思議な少年 不思議な少年
AQUIZ/金髪碧眼の火の鳥
  キャラクタは当然のことながら、個々のエピソードも直接的な関連は無いのに、この短編群からは手塚治虫の「火の鳥」の血脈を感じます。「不思議〜」は、世界の傍観者である謎の少年が、様々な土地・時代に現れて人々の人生を眺めます。友人のように話しかけたり、超常的な力をもって対象となった人物に影響を与えることもありますが、スタンスは傍観者に過ぎません。 少年は、人々の一点に興味を持っていることが多く、単純に善悪を見極めて罰するということはしませんし、絶対的な力で彼らの選択肢を絞ったりもしません。 金髪碧眼の、美しい白人少年の姿で現れ、時によっては不審がられたり、異様な状況下にありながら受け入れ…  全文読む 評価する

ヘタリア ヘタリア
AQUIZ/ヘタリア!
  著者初単行本で、総描き下ろし。 ある意味ではパロディとも呼べなくはないが、同人的な二次創作ではないオリジナル。 人気の原作付きでも無いし、話題作のコミカライズでも無い。 そんな条件で、商業漫画誌的には「突発」な登場となる本作、ウェブ漫画好きなら未知の人がいないんじゃないだろうか?  賛否両論の部分もあるとは云え、知名度の高さは圧倒的だ。 日本名産と云えるかも知れない「擬人化」。万物に神々を見た日本古来の性質は、動物どころか、物体や現象までをも「擬人化」するのが得意。「ヘタリア」 が「人」と見なしたのは、何と「国家」である。 ○○人って、こんなタイプだよね…なんて、ステロタイプを笑…  全文読む 評価する

少女ファイト 少女ファイト
AQUIZ/それしか描けないんだろ?
 少々非現実的な学園、命懸けで漫画を描く少年。今度はバレーボールだ。 暑苦しい熱気は、一歩踏み外すと「マンガ」であるだけに、虚構だからと白々しく、魔法の世界ほどには現実との相違が無いことが、余計に大人を萎えさせる。 ヨヲコ漫画で描かれる少年少女には、もっと楽で安全な道がいくらでもある。安っぽい剣を握らされて、魔王を倒して来いと送り出される勇者たちと違う。 例えば、主張せず、こだわらず、無難に日々を過ごすことだけに邁進すれば良い。 なのに、少年少女は必死に生き抜かなくてはいけない道を進む。立ち止まったり、脇に逸れたり、逆戻りすれば命が終ってしまうように。実際、そこで彼らの生涯は終るのだ、多分。 …  全文読む 評価する

ギャグマンガ日和 ギャグマンガ日和
AQUIZ/社会科の教科書に落書きした事ある奴は読め。
 どこに行きたいのだ。 雑多な作品群の、いわゆる短編集的な単行本であるが、恐らく主軸であると思われる「飛鳥」と「細道」だけを念頭に置いてみることにする。 前者は聖徳太子と小野妹子、後者は松尾芭蕉と河合曾良(例え読んだ事は無くとも、誰でも知っていそうな紀行文、「おくのほそ道」の随行者である、念のため)をモデルとした一連のシリーズだ。 どちらも日本の神々と並べられるような偉人と、その傍に居た者が題材だが、扱いは粗末で酷い劣化コピィのような人物像が描かれる。ギャグ漫画だから(タイトルに明言されている)といえば、それまでだが、完全な別物という印象では無いのだ。あくまでも、「劣化コピィ」で納まっている。…  全文読む 評価する

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