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コーネルの箱
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レム/―小空間に自らの嗜好や記憶を詰め込んだ作品で知られるコーネル。一見等身大の芸術家でありながら、ダリを唸らせ、高い芸術作品の数々を残した人物。―
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ジョセフ・コーネル(Joseph Cornell、1903-1972)は、小さな箱にオブジェを詰め込んで、一種の空間世界を作った人物だ。 その作風は、一つの箱にオブジェを閉じ込めたようにも見えるが、見るほどに時空が広がり、小さなインスタレーションとも呼べそうだ。 これが、いわゆる「コーネルの箱」と呼ばれている作品だ。 その作品傾向からも察せられるように、コーネルは閉ざされた空間に何らかの偏執狂的な嗜好があったようにも思える。 事実、自動販売機や三分間写真機に対する「偏愛」や、「小さなガラス張りのブースに入った」映画館の切符売り場の女性に恋をしたといった過去は、彼の感性を如実に表し…
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三島由紀夫の愛した美術
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レム/―時を経ても、三島由紀夫が愛した絵画や彫刻から三島の美的感性や思想が反射されてくるようだ―
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しばらく前になるが、2006年11月に『三島由紀夫文学館レイクサロン』で『三島由紀夫の愛した美術』と題した対談が開かれた。 本書の著者である宮下規久朗氏と三島由紀夫文学館研究員である佐藤秀明氏、井上隆史氏(本書の共同著者)との鼎談であった。 本書はこの時の内容を元にまとめた一冊である。 写真資料をふんだんに加えて、三島が好んだ美術作品の作成背景や時代を掘り下げながら、三島の美術に対する造詣の一端に触れ、その鋭い感性に触れていく。 なお、このレイクサロンでの貴重な記録は、三島由紀夫文学館のHPに掲載されている 。 美術の中で三島が強く魅了された対象に、聖セバスティアヌス(聖セバス…
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選択の科学
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レム/―選択に満ち溢れた人生のあらゆる場面における判断の妥当性の追求。日本の社会に今以上により高いレベルが求められている科学分野かもしれない。―
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本書は我々が日々要求される様々な「選択」を科学する一冊だ。 時として人間の意外な心理に触れるその展開に、読者は読むほどに引き込まれ、そしていつしか著者の人間性にも惹かれてゆくことだろう。 著者、シーナ・アイエンガー教授はインド系米国人だ。 彼女の出自は大変興味深い。 両親はインドからの移民で、生活のしきたりや結婚相手までもが予め決められるという厳格なシーク教徒であった(違いはあるが、日本もかつてはそうだったような気がする)。 そして彼女はトロントで生を受ける。 ところが、3歳の時に網膜色素変性症に罹患していることが判明し、高校生の頃には全盲となってしまった。 しかし、彼女は常に前…
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NBCテロリズム
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レム/―どのような社会的体質で危機理体制を整えていくかを問う一冊―
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NBCとは、核Nuclear、生物Biologicalそして化学兵器Chemical weapon.の頭文字である。 著者は著名な小児科医で、癌の研究にも果敢に取り組んでもいる。 本書は著者のハーバード大学大学院に留学したときの研究内容であり、また、その中で折に触れてハーバード大学の教育姿勢に触れる。 著者が留学したのは名門ハーバード大学のスクール・オブ・パブリックヘルス(Harvard School of Public Health、HSPS)で、日本語では『公衆衛生大学院』とも訳される。 公衆衛生という場合の「衛生」の意味は広い。 例えば菌やウィルス量が一定以下であるというよ…
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写真でみるアメリカ・インディアンの世界
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レム/―人類のヘゲモニーに訴えるメッセージとして、これを未来に活かせるかどうかは、我々の歴史認識のいかんによるだろう―
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日本語には先住民という言葉がある。 加えて土人という単語もあり、これは差別用語としての側面が大きいのだが、明治期に法律用語としても用いられ、「北海道旧土人保護法」はつい最近の1997年まで存続した。 英語ではNativeやAborigine、固い言葉ではindigenous peopleとも言うらしい。 オーストラリアの先住民を指すアボリジニーは固有名詞化している。 さて、米国の先住民はアメリカ・インディアンとされている。 インディアンという定義は相当大雑把であるのだが、その名称自体がコロンブスの大航海時代の認識と誤解から生まれたもので、現在ではネイティブ・アメリカンと呼ぶのが一…
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クジラとイルカの図鑑
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レム/―各地でホエールウォッチングが盛んな今日、是非復刻して欲しい一冊―
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クジラ・イルカの精緻なイラストがふんだんに掲載された図鑑である。 イラストの数は900点以上とあり、しかも隅から隅までフルカラーだ。 掲載されている種の数は79種で、この本が出版された当時としては最大の数だろう。 表紙には英語のタイトルも付してあり、そこではクジラ、イルカ、ネズミイルカ、と3つの言葉が並ぶ(Whales, Dolphins and Porpoises)。 イルカの他にネズミイルカを突出させるのは、目立つくちばしをもつかどうかという外見的な分類としている。 ネズミイルカのグループをつくるのは、日本では一般的ではないかもしれないが、実は海外でもイルカとネズミイルカの混…
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アイヌ語地名で旅する北海道
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レム/―北海道の地名を中心としたアイヌ語入門―
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北海道の地名の多くが、アイヌ語由来であることは知られている。 北海道の地図を見てみると、どのような山奥にも小さな河川にも、びっしりとアイヌ語の名称がつけられていることに気付く。 本書の特色は、アイヌ語で北海道の地名を解説しながら、当時のアイヌの人々の生活そのものを感じさせるところにある。 街道を進みながら、地形や土地の高低、水域の地形的形状やその名称の背景について、どのようなアイヌ語に基づくのかを語る。 それは、アイヌ語から日本語へ右から左へと語るのではなく、当時実際にそれぞれの道を歩いたアイヌの方々の苦労、狩猟や流通といった生活に由来する名称であることを伝えている。 日…
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すぐにつかえる日本語−ロシア語−英語辞典
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レム/―日本語から引くコンサイスな三か国語辞典―
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語学学習に王道はない。 詰め込みは必須だ。 ただ、時として日本語の単語から直接外国語の単語に訳したい時がある。 特に、メールを書いているときなどにそう感じる。このような時にこのような本が役に立つ。 本書は、50音順に日本語の単語が並び、それぞれにロシア語、英語の順で訳語が掲載されているという構成だ。 巻末の付録には日常表現集と、各シーンで多用される単語一覧がある。 全体的に日常生活に一般的に用いられている単語が主体で、ロシア語の基本的な語彙を確認するのにも役に立つ。 英語の単語も付されており、一種の客観性も確認することができる点も本書の特徴と言えよう。 ところで、外国語の辞…
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こども大図鑑
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レム/―地球外の知的生命体向け『地球博物館のガイドブック』のようで面白い。ただ、日本からも世界に打って出るこういう図書が欲しい―
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この図鑑は、私たちの住む地球が何であるか、人類とはどのような生命体なのかを人間活動にやや中心を置いて、生物、地学等の科学の面から、そして社会・文化・歴史・芸術といった面から、一冊で広く紹介した博物館のような図書だ。 その視点はどこか地球外の知的生命体向けの『地球博物館のガイドブック』のようにも思える。 ところで、世の中にはただ羅列しているだけの博物館というものがある。 思い入れだけが先行してしまい、広く一般に啓蒙しようという意思やその展示手段のレベルが不足しているからであろう。 当然ながらつまらない。 その点、海外の博物館は次元が違うほどにプレゼンが上手であり、かつ展示が立体的で…
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カミーユ・クローデル
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レム/―巨匠ロダンに影響を与え、その作品は今もなお多くを語ろうとしている―
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カミーユ・クローデルと師匠であるオーギュスト・ロダンとの関係が広く世界に知られるようになったのは、おそらくは1984年3月23日(金)付のヘラルド・トリビューン紙・国際版の7ページ目に、カミーユ・クローデルを取り上げた大きな記事が掲載されてからだろう。 タイトルには「フランスが、忘れられた彫刻家とその葬られた人生を賛美」とある。 なお、彼女が注目されたのはこれが最初ではない。 なぜなら、没後8年目の1951年にはカミーユの回顧展がなんとパリのロダン美術館で開催されているからだ。 このヘラルド・トリビューン紙の記事は、明らかに1884年生まれのカミーユ生誕100年を狙って「英語」で世界に…
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澁澤龍彦ドラコニア・ワールド
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レム/―澁澤の深遠な内面の片鱗に触れる快感に酔う―
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タイトルにあるドラコニア ”Draconia” とは澁澤龍彦の造語で、「龍の王国」という意味合いの言葉である。 澁澤の持つ世界観がドラコニア・ワールドだとすれば、この本に紹介されているオブジェは、澁澤が好んで集めた住人達と言えよう。 それらは、購入したり譲られた工芸品であったり、鎌倉の海岸で拾った貝殻や骨であったり、木の実や鉱石であったり、彼が執着した様々な形状であったりする。 そして、その解説は、澁澤龍彦自身である。 つまり、彼の著書の中から、そのオブジェや美術品に触れた文章が引用されているという構成なのだ。 この本のおかげで、昆虫や貝殻のような自然の造形のような、澁澤が抱いた…
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シンボルの謎を解く
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レム/―人類の精神文化の産物としてのシンボルが意味するところを解説する―
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人間の社会生活には、文字の他に意味を持った形状や模様が使われている。 それは、共通したメッセージを伝える一種の言語として、それが意味するものの重要性、神聖さを伝えるものである。 それがシンボルだ。 あるシンボルがその文化圏内で共通認識として通用するためのコンセンサスを得るには、相当の時間と力が働いてきたことは容易に想像できる。 それは例えば宗教のように無条件に精神を高める領域であったり(それ故に宗教間での対立は激烈だ)、国運を賭けた戦争での勝利のような覇権的なベクトルが働いた結果であったりするだろう。 ひとつひとつのシンボルは、重く長大な人類の歴史の産物なのだ。 著者は世界…
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鯨類学
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レム/―神、大いなる鯨(うお)を創造(つく)りたまえり―
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「神、大いなる鯨(うお)を創造(つく)りたまえり」 ”And God created great whales” これはメルヴィルHerman Melvilleの『白鯨』(Moby-Dick; or, the Whale)の冒頭、「文献抄」の書き出しを飾る旧約聖書の創世記(1・21)の一文だ。 「大いなる鯨」は「おおいなるいお」と読んだ方が古めかしくていいかもしれない。 英語の旧約聖書のこの箇所はwhaleとする他にgreat sea-monsterとしている版もある。 そこで旧約聖書の原典であるヘブライ語でどのように書かれているか確かめたら「怪物のような大きさのものやあらゆる生き…
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よくわかる生物多様性
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レム/―類い稀な進化を遂げたカタツムリ。身近ながらなんと奥が深いことか。―
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肉眼で見ることのできる生物で、深海から山岳地帯まで、海水にも淡水にも、森林地帯から砂漠に近い乾燥地帯まで広範囲に生息しているものは何だろうか。 その答えは軟体軟体動物の貝類である。 地球上の生き物で、細菌を別にすれば、貝類ほど環境に適応して類い稀な進化を遂げ、これほど広域に生息する生物種はないだろう。 本書のタイトルにあるカタツムリも、肺を持った立派な貝の仲間である。 陸に住むことから、一般に陸貝と称されることもある(ちなみに海の岩礁地帯に棲む有肺類や、肺を持たずに鰓呼吸で陸の湿った場所に頑張って棲んでいる貝もいる)。 なんだデンデンムシか、と、ある意味で身近に感ずる方もいるか…
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新漢語林
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レム/―血の通った漢字を使いたい方へ―
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実はこの本の旧版はいつも通っている図書館でよく利用していたのだが、ついにこの第2版を手元に置くことにした。 かつて所有した漢字辞典の印象は、いわゆる辞書であり、字引の一つに過ぎなかった。 ところが、本書は漢字辞典として字源を訪ねる機能もさることながら、「読める」辞書なのだ。 では、最近の漢語辞典は他社も似たり寄ったりかと思いきや、案外そうではない。 これは、著者の願いとして、漢字を通じて東洋文化を理解するための一助になれば、と言うことのみならず、さらには時代の変化とともに漢字の知識(日本語全般という意味もあろう)が極端に低下したことによる「狂言偽後」の反乱に耐えかねるものがあると…
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ニッポンには対話がない
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レム/―対話のできる社会を築くための提案―
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「対話」は単なる話し合いとも違う。 それぞれの主張のぶつけ合いでもない。 数学的な唯一の解を求めたり、相手の考え方に身も心も帰依したりするようなことでもない。 議論や主張の勝ち負けではなく、相互の立場を理解してそれぞれの提案事項にpros and consを並べて建設的に到達点を求め、その時点で妥当な判断をともに求めることでもある。 だから対話を通じて逆に自分自身や自らの考え方も見えてくるであろう。 本書のタイトルは否定形で終わっているが、内容は極めて建設的であり、未来の展開を肯定的にとらえる考え方を育む教育や社会の在り方が述べられている。 本書では、教えること、個性をいかに伸…
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歯の比較解剖学
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レム/―生物進化の結晶としての歯を議論する―
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本書は、生物学の観点から歯を比較議論した集大成だ。 概論に続いて、生物種ごとの歯を論じていく。 それはまず「魚類」から始まり、「両生類」そして人も含む「哺乳類」を網または目のレベルで分類し、それぞれの種の歯を学問する。 高い技量で描かれた図もふんだんに掲載されている。 漢字の「齢」を「よわい」と読む。 よわいとは端的には年齢のことであり、この世に生を受けてから重ねてきた年数のことである。 改めて説明するまでもなくこの漢字の部首は「歯」である。 その昔は、歯が如実に老いを表した。 事実、今日では科学的にも歯で年齢が推定できる。 舌を少しでも動かせば歯にあたる。 古今東西、人々は微…
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ホネからわかる!動物ふしぎ大図鑑
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レム/―決して小学生向きだけではない。親子で共に楽しむことができ、そして大人も知るところ大であろう。―
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骨格は、その生物の生態能力を如実に表している。 しかも骨格には生物進化の痕跡までも見て取れる。 そして、骨格は美しい。 ちなみに医学や獣医学の解剖学で最初に学ぶ大きな項目は「骨学」である。 代表的な海の脊椎動物の骨格と、生態について説明している本書は、『ホネからわかる!動物ふしぎ大図鑑』シリーズのひとつで、『日本の動物たち』、『世界の動物たち』に続く第3巻だ。 本書で大きく取り上げられている生物種は11種だ。 「ヒト、アシカ、シロナガスクジラ、ラッコ、アカウミガメ、アホウドリ、ペンギン、ヒラメ、ネコザメ、アンコウ、マンボウ」の骨格が写真で示されている。 図鑑としての生物数はそれほ…
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ロリータ
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レム/―本書をきっかけとして人々は人間としての自らの本音の一部を語り始めた―
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個人の行動にはそれぞれの優先順位があり、社会規範は時としてそのあとに置かれる。 さえない中年男、文学者でもあるハンバート氏は、少女ロリータに性的魅力を感じただけではなく、妖精的な魅力に畏敬の念すら感じ、純粋な愛として結晶化しようとする。 『ロリータ』が発表された1955年という時代の社会規範では、ハンバートの優先順位を描いた、すなわち12歳(!)という年齢の少女とのセックスにまつわる小説とその発表はとんでもないセンセーショナルを巻き起こした。 序章を書いた博士(これも小説の一部)によると猥褻な表現は一切見当らないとの記述があるが、本書の中のいくつかの文章表現の受け取り方は読者によって様…
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作家の家
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レム/―作家の家は、間取りや調度品だけではとうてい語りつくせない。作家の「人となり」が表現された作品の一部であり、家族との息遣いが聞こえるその作家自身の一部でもある。―
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作家の自宅や別荘が写真と文章と平面図で紹介されている。 作家とは、小説家、詩人、写真家、画家、写真家、ブランド創設者、あるいは建築家といった面々である。 掲載された何枚かの室内あるいは屋外の写真は、書斎だけではなく、食堂や居間と言った生活部分や庭が写っており、作家がくつろぐ姿もある。 写真の枚数はむしろ控えめだ。 そこに、ごく短い経歴とともに作家本人が書いた「家について」の文章が添えられて、家族の言葉が綴られる。 本書は、このような簡潔な構成でまとめられているのだが、そうでありながらも実に雄弁に作家の人物像を語りかけてくる。 以前は、作家の家に一種の期待を抱いていた。 その期待…
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ビーチコーミング学
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レム/―オロジーにしないところが良い。海岸で漂流物を見つけたら、流れ着いた経緯に思いを馳せてみようか。―
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海辺には、ご承知の通り実に様々なものが打ち上がる。 その種類は、貝殻や魚や海藻、時にはクジラなどの海中生物やその遺骸といったものから、いわゆる「ごみ」のようなありとあらゆる人工物まで多様であり、サイズも、目に見えるかどうかの微細なものもあれば、果ては台風で座礁したタンカーといった大型のものまである。 少し乱暴な表現だが、海岸線には人間の生活や海洋生物相、気象現象、海洋物理学(海洋力学)、果ては経済活動などがいっぺんに記述されていると言えよう。 本書のタイトルには「学」という言葉があるが、重苦しい「オロジー」ではなく、砂浜に打ち上げられた漂流物に対する愛情を感じる一冊に仕上がっている。…
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プリオン説はほんとうか?
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レム/―狂牛病プリオン説に疑問をぶつける一冊。そして近い将来、著者のすばらしい研究成果が発表されることを期待したい。―
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牛海綿状脳症(BSE; Bovine Spongiform Encephalopathy)、いわゆる「狂牛病」は、異常型プリオンによって発症するとされている。 このプリオン(Prion)とはウィルスやバクテリアといった生物ではなくタンパク質、つまりは無生物である。 しかもある程度のホルマリンや、プロテアーゼ、熱、それどころか放射線などに耐性があるから厄介だ。 正常型プリオンは誰でも体内に持っているが、現在の説では異常型プリオンにだけは感染能力があり、伝達性海綿状脳症(Transmissible spongiform encephalopathy; TSE)を引き起こすことが強く示唆されてい…
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宇宙入門
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レム/―宇宙という壮大な対象を概観するのに、まず手にしたい一冊―
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この本を手にしてから、何度も読み返している。 「はじめに」から巻末の「データ表」までわずか59頁の本だ。 最初から、「グレートウォール」、「深宇宙」、「超銀河」といった事項が全て1ページで概説されており、右側のページにはその内容を説明あるいはイメージする著者のイラストで占められている。 このような構成なので、どの章からであっても好きな箇所から読み進めることができる。 原題のTHE COMPACT COSMOSの名の通り集約された内容で、しかも簡明に書かれた(翻訳も)文章は大変読みやすい。 この本は、一般の読者を考慮してあえて分かりやすく書かれたのだろうか。 もちろんそれも事実であろう…
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ニワトリ愛を独り占めにした鳥
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レム/―それは遊び心から生まれた新たな生物種の系譜だった―
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ニワトリは、最も親しみがある家畜のひとつであり、同時にまた知られざる背景を持つ鳥だ。 この「ニワトリ」という呼称は総称であって、実際には多数の種類がいるが、本書によるとそれらの原種はただ一種、セキショクヤケイ(赤色野鶏)とされる。 ところがこのセキショクヤケイ、肉の量も産卵数も乏しくて、およそ家畜の原種としては劣等生であった。 ではなぜ、このような鳥が今日ニワトリと称される優良家畜へと育種されていくのか・・・、本書で解説されるその過程が実に面白い。 人類は、このセキショクヤケイを約8千年という時間をかけてニワトリへと改良し進化させていく。 そもそも、この鳥が家畜の先祖となったきっか…
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魯山人の書
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レム/―書とはいかにあるべきかについて、言葉を重ね続けた稀有の芸術家―
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本書は、稀有の芸術家であった魯山人の『書の哲学』を紹介する。 書家にして篆刻家、陶芸家、画家、漆芸家・・・と、魯山人は生涯を通じてその才能を尽きることなく発揮した。 さらには美食家でもあり、器も空間も含めた食の演出家として、美食倶楽部を設立し、会員制高級料亭『星岡茶寮』を開いた。 魯山人はあらゆる芸術技法を貪欲に吸収し、短い期間のうちにその道の達人になってしまう、まさに怪物のような人物だった。 著者は、この才能について「自家薬籠中の物にする」という表現を用いている。 書についていえば、顔真卿、王羲之はもとより、池大雅、良寛等々に学び、次々と自らのものとしていった。 そして何よりも書の領域…
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三島由紀夫
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レム/―もうひとつの三島由紀夫文学館―
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11月を迎えた。 三島由紀夫を思う方々は、おそらく静かにこの月の到来を感じてきたことだろう。 今回の別冊太陽の特集は、小説家であり評論家であり、戯曲の創作や美術へのディレッタントとしても偉才にあふれた三島の生涯とその作品の数々を一望する。 これまでも数多の三島論は出版されており特集も組まれてきたのだが、本書はそれらを俯瞰するかの如く、数々の作家や識者が綴った三島への思いを織り込んでいく。 その多くは三島と親交の深かった方々だ。 本書は、私生活への立ち入りや思想の背景についての分析あるいは還元などは一切行おうとはせず、三島の残した業績と多方面からの評価とを立体的に並べていく構成となって…
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チリメンモンスターをさがせ!
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レム/―大人も夢中のチリモン探し。もう一つの主題は地球そのもの―
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タイトルにある『チリモン』には、なんとなく関西弁のような響きもあるが、チリメンジャコの混入者に対する造語『チリメンモンスター』の略だ。 ご存知のように、チリメンジャコはスーパーマーケットなどでごくごく普通に販売されているカタクチイワシなどの稚魚だ。 魚自体はシラスと呼ばれ、この名称の方がわかりやすいという方もいるかもしれない。 その中に、小エビやイカの幼生や、時として思わぬ生物が混入していることにお気づきの方は多いだろう。 確かに、チリモン達を拡大して見るとモンスターらしいりっぱな面構えも多い。 チリモン探しには大人も夢中になるようだが、何を隠そう、この私も浮遊性の貝(ウキヅノガイとカメガ…
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イタリア・ロマネスクへの旅
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レム/-宝石箱のような一冊-
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本書はイタリアを大きく8つの地方に分けて、それぞれの地方ごとに厳選された3つのロマネスク教会建築と関連する近隣の建築物を紹介する。 著者は宗教建築物の構造に関する専門知識に加えて、その土地に染み込んだ歴史的背景を織り交ぜながら文を書き進めていく。 そうでありながらも、専門性を前面に押し出すことがなく、ロマネスク建築と称される様式の特徴を純粋に静観するような解説の進め方が何とも心地良い。 本書には、「ロマネスク建築とは」といった書き出しはどこにもみあたらない。 そして、「多様な個性を見せるロマネスク建築に、典型など一つもない」と断言する。 ロマネスク建築とは、およそ10世紀から12…
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やまんばのにしき
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レム/―これからもたくさんの子供たちに瀬川康男の世界を―
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おそらく多くの方が、それぞれに瀬川康男氏の挿絵の絵本を思い起こされることだろう。 個人的な事で恐縮だが、瀬川氏の挿絵と言えば私はこの本を思い出す。 文は、幾多の作品でコンビを組んだ松谷みよ子氏の手による。 本書の文体には、むかし話としての物語性の他に、人としての素直な気持ちや善なるもののあり方が秘められている。 村人に切り分けても切り分けても無くなることのない「やまんばのにしき」は、「あかざばんば」への単なる褒賞ではなく、金品に換えることのできない誠意、親切、優しさの象徴、つまり誰しもが心の内に持つ宝ものなのだろう。 そして、瀬川氏の画風が物語を独特の視覚領域へと導いていく。 登場…
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海辺で拾える貝ハンドブック
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レム/―ついに出た。子どもから大人まで楽しめる「不完全な貝」の現実的なフィールド図鑑―
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本書の画期的なところは、図示されているのがいわゆる「完品」ではなく、実際の海岸で目にする「不完全な貝の姿」を示した図鑑であるという点だ。 これまでの貝類図鑑は、他の分野の図鑑でも同様であるように、完品を図示することが常識であった。 ところが、実際に海岸で目にするのは、打ち上がるまでに波にもまれて擦り切れたり割れてしまったり、あるいは打ち上がった後に紫外線に晒されて退色した貝殻だ。 いわば自然の洗礼を受けた後の姿と表現しても良いかもしれない。 実は以前から、こういう本がいつの日か必ずや出版されるのではないかと強く期待していた。 というのは、著者はこれまでに、1995年から1997年…
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