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丸かじりドン・キホーテ
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tujigiri/抱腹絶倒の悶絶古典をダイジェスト版で読み解く
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「ドン・キホーテ」。ものの本によれば、聖書に次いで世界中でもっとも読まれた本らしい。 ある時代のヨーロッパでは、聖書のとなりには必ずと言っていいほどこの本が置かれてあって、字を読めない家庭ですらこの光景が目にされたのだそうだ。誰しもがその書名と、痩せ馬ロシナンテに跨ったドン・キホーテが風車を巨人と思い込んでまっしぐらに突撃していくくだりだけは知っているのだけれど、実はまともに読んだことのある人はかなり少ないのではなかろうか。高校の世界史では絶対に押さえておかなければならないトピックスなのに、あんまりと言えばあんまりの仕打ちである。本書の著者・中丸 明は若かりしころからスペインに魅せられ、毎年の…
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冷たい方程式
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tujigiri/ハズレの少ないSF入門編
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SFに興味はあるけど、長編となるとなかなか手が出にくい。そんな人にはこの本がおすすめです。長く日本のSFシーンを牽引し続けてきたSFマガジのが厳選した中短編集である本書は、いわゆる御三家のうちのアイザック・アシモフを筆頭に、当ブログでも取り上げた「タウ・ゼロ」 のポール・アンダースンら6人の作家の手になる作品が収められていて、宇宙を舞台にしたものやタイム・スリップもの、超能力ものなど、サイエンス・フィクションのエッセンスを抽出したバラエティ色豊かなアンソロジーとなっている。収録内容は以下の通り。「接触汚染」キャサリン・マクレイン(マクリーン)「大いなる祖先」F・L・ウォーレンス「過去へ来た男」…
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ソラリスの陽のもとに
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tujigiri/共存か敵対かの二元論を超えた、遭遇SF
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海に覆われた無生物惑星ソラリス。どういうメカニズムによってか、惑星の公転軌道を調整する機能を果たす海それ自体に知性が宿るらしいことを突き止めた人類は、この奇妙な星に研究チームを派遣し続け、地球にソラリス学を隆盛させるほどの興味を示してきた。しかし当初の熱気と学術的な成果が退潮し、特に近年の事故と停滞によって研究は限界に到達したと目されるようになり、ソラリス学は急速に失速をみせているといった状況である。恒星間航行船プロメテウス号から射出されたカプセルでソラリス上空に浮かぶステーションに到着したケルビン博士は、死んだように静まり返るステーションの奇態に驚かされる。なんと、先任研究員のスナウトとサル…
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惑星カレスの魔女
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tujigiri/スペース・オペラとSFの幸せな融合
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表紙の画像をよく見てみてください。そうです。小さくてわかりにくいんですが、あの宮崎駿のイラストなんです。最初に告白すると、この本を読んでみる気になったのも、ひとえにこのイラストのせいでした(笑)。なので、正直あまり期待していなかったんですが、これが滅法おもしろい。読み終えてみると、宮崎駿が仕事を請け負った理由がわかりました。それはなにか。主要人物の女の子が、すごく活き活きとしているからなのです。よく知られているように、宮崎駿は活発な少女を創作のテーマにしています。男の論理に支配された世界で溌剌と、あるいは気丈に立ち振る舞う女の子。この小説に出てくる魔女「ゴス」は、そんな宮崎駿の琴線に触れたので…
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凶器の貴公子
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tujigiri/テラン、新境地を拓く!
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「神は銃弾」で鮮烈なデビューを果たし、続く「死者を侮るなかれ」でノワール界に確固たる地位を築いたボストン・テランの放つ、長編第3弾。今作では、暴虐の詩人と賞されたテラン独特の韻律は影を潜め、かわりに内省的な筆致で世界や主人間の不安定性を強調した。前2作までの立ちくらみを引き起こすような情念の奔流は抑えられているが、それに反比例して登場人物個々の背景と、それが各人におよぼす影響が丁寧に書き込まれており、あらたなファンの発掘が期待されそうだ。奇しくも本書カバー写真が象徴するように、寒々と垂れ込めるにび色の心象風景を鉤裂くがごとくに稲妻が明滅を繰り返し、「神は銃弾」で衆目を驚かせた怒涛の疾走感から解…
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ブッシュの戦争
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tujigiri/アフガン戦争はどうデザインされたのか
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本書は、2001年の同時多発テロ事件の発生を受け、第一次ブッシュ政権が主にホワイトハウスで積み上げていった意思決定の過程を、膨大な文書や証言を基に時系列順に明らかにしていくノンフィクションだ。 500ページに迫ろうかという結構な厚みを持つこの本では、チェイニー副大統領、パウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官、ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官、テネットCIA長官ら長官級スタッフとジョージ・W・ブッシュの度重なる会議の記録を中心に、アーミテージやウォルホウィッツら副長官級や国防総省内部、またアフガニスタンに派遣されたCIAエージェントや中央軍司令部などの多彩な視点を交え、緊迫感あふれる戦略…
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満漢全席
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tujigiri/目で楽しむ中華料理小説
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講談を思わせる洒脱な書き味と、珍味麗食美酒秘瓶を紙上に再現した垂涎の記述ですっかり僕を虜にした南條竹則が、その「酒仙」 で得た賞金を大胆にも全額投じ、知人郎党引き連れて杭州に遊んだ顛末を描いた、本朝屈指のどたばたグルメ小説。本書の題になった満漢全席を総勢40名が散々に堪能するのが「東瀛の客」で、亭主の南蝶(なんでふ)こと、でふ氏の飲み仲間が、卓狭しと並べられた山八珍海八鮮の美食に舌鼓を打ち、用意された宴席の出し物にやんやの喝采を浴びせるだけの小編なのだが、さすがに名にしおう食客揃いとあっては、ただのレポートにとどまらない。漢籍の知識を紐解き、あるいは各自の肥えた舌が賞味してきた幾多の妙味と引き…
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経済ってそういうことだったのか会議
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tujigiri/血の通った経済学議論
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マックス・ウェーバーによると、資本主義の根幹はプロテスタンティズムとともに萌芽した。ルターと並び宗教革命の立役者と評されるカルビンの論法によって、それまでのヨーロッパの社会通念では後ろ暗いこととされてきた利殖行為が、一挙に善に転化したのである。キリスト教の考えによると、信仰心の強弱にかかわりなく、実は神の国に迎えられる人間は最初から決まっている。神に選ばれる資格などというものは端から存在せず、ただただ主の御心によって神の国に入れるかどうかが決まるのである。熱心なキリスト教徒だからといって無条件に選ばれる保証は一切ない。逆に、不信心を理由にリストから外されるとも限らない。だからこそかえって信者は…
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チベット旅行記抄
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tujigiri/チベット潜入!明治精神の体現者
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河口慧海の名を知っている人は、現在どれくらいあるのだろうか。この不世出の探険家は、仏典を求めて単身チベットに潜入した人間である。彼の事跡はむしろ海外において高く評価されており、それは主に著作「西域旅行記」が英訳されたことに起因し、中央アジア探検の機運が盛り上がっていたヨーロッパ学会において稀有の書とされた。ほぼ同時期の著名なアジア探検家にはスウェン・ヘディンやオーレル・スタイン、大谷光瑞などが挙げられる。これら数多の探検家の事跡が団を組んでの学術調査隊であったのに比して、慧海のそれはまったくの単独行であり、これによって彼の旅を第一等のアジア探検と評価する声も高い。ときあたかも19世紀末葉から2…
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快楽通りの悪魔
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tujigiri/悪所のダイナミズム
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20世紀初頭、ニューオーリンズ。その街にはかつてアメリカ最大の奴隷市場が存在し、西インド諸島から移住してきた大量のクレオール(白人と黒人の混血)やそれぞれのルーツの異なる白人たち、奴隷解放後も困窮を余儀なくされる黒人たちの混在する人種の坩堝である。街には一方で白人たちの形成する優雅な社会があり、また一方では貧民たちの汗と垢にまみれた暮らしがあった。住民は厳しい人種差別によって階層化され、有色人種たちは困窮にあえぎながら明日をも知れぬ生活に明け暮れていた。彼らの大半はカトリック教会に属しながらもブードゥー教 の影響を強く受け、数多の娼館と低俗な酒場の集まるストーリーヴィル街区に入りびたっては、欲…
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ヒトはなぜペットを食べないか
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tujigiri/タブーの人類学
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ヒトはなぜペットを食べないか。剣呑な問いかけである。本書はなぜ現代のペットが捕食領域に入らないのかを糸口に、洋の東西に残された広範な歴史資料を渉猟して性と食のタブーの仕組みを解明しようと試みる。以下、章立てを列挙してみる。Ⅰ章 イヌを食べた人々(ドッグ・イーター) 一 日本の犬肉食 二 中国の犬肉食 三 西洋の犬肉食Ⅱ章 ネコを食べた人々(キャット・イーター) 一 ネコの飼い初め 二 西洋の猫肉食 三 東洋の猫肉食Ⅲ章 ペットを愛した人々(ペット・ラヴァー) 一 獣姦の世界 二 民話の異類婚譚 三 食と愛Ⅳ章 タブーの仕組み 一 コト分けとしての文化秩序 二 境界…
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アメリア・イヤハート最後の飛行
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tujigiri/イヤハート伝説に幕?
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「翼よ、あれがパリの灯だ」で有名な飛行家リンドバーグほど高名ではないにせよ、同時代に生きたアメリア・イヤハートの名を知る者は少なくない。航空史上に名を残すこの女性パイロットは、女性が世に出始めたブルマーを履くことすら眉をひそめられた時代にあって、愛機ロッキード・エレクトラを駆って初のアメリカ大陸単独往復飛行や最高度飛行記録の樹立、そして女性初の大西洋単独横断飛行を成し遂げたスーパーヒロインである。当時の飛行技術はまだまだ未発達で、彼女の業績は今で言うところの宇宙飛行と同等の困難と認識されていた。アメリア・カットと呼ばれたショートカットでわざと着古した感じを出したフライト・ジャケットを羽織り、そ…
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二人のガスコン
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tujigiri/痛快無比の冒険活劇
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アレクサンドル・デュマ作「三銃士」でアトス・ポルトス・アラミスらとともに活躍し、ドーバー海峡を股にかけてフランス宮廷政治の暗闘をかいくぐった快男児ダルタニャンの後日譚。 栄光の銃士隊が解散の憂き目にあってより数年後、ダルタニャンは大宰相リシュリューの後継者マザラン枢機卿の密偵として、鬱々とした日々を送っている。正義感に燃える若き銃士の面影はすっかり影をひそめ、まだ30になったばかりというのに彼は骨の髄まで非情な裏の世界の住人となっていた。かつてフランス中に馳せたその勇名も、今ではイタリア人宰相の犬と嘲られるばかり。なまじ有能なばかりに重用され、それでも粛々と任務を果たしていくダルタニャンの心は…
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雷電本紀
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tujigiri/この魂に括目せよ
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朝蒼龍という力士が好きでたまらない。相撲道を体現したような千代の富士の、ひたむきで力強い土俵は、かつて子供心にもまぶしく映ったものだが、彼の涙の引退から後の横綱の面々にはほとんど魅了されることはなかった。初の外国人横綱たる曙の孤独には、やや同情に似た思いを抱いたこともあったが、若貴の兄弟横綱となるとお手盛りの権威のみを感じさせられ、ことに貴乃花から発せられる偽善の臭いには心底吐き気を覚えた。相撲とはこんなに胡散臭い代物だったのか。花よ蝶よと甘やかされた横綱が大人らしく振舞えば振舞うほど、大相撲の虚構性が透けて見えるような思いに襲われたものだ。そこへいくと、朝蒼龍の強さは実に明快である。さすがに…
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レイジング・アトランティス
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tujigiri/南極ピラミッド、極寒のサバイバル!
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超古代文明伝説の花形アトランティス。その出自はインドの老僧が口伝したというムー大陸伝説よりも確かなもので、かの哲学者プラトンが神官からその存在を伝え聞き、実際に著書に書き残している。アトランティスがどこにあったかには諸説あって、大西洋の真ん中という説や地中海のサントリーノ島あるいはマルタ島を候補に挙げる説、またはトルコにその地を求める者もいる。のちにプラトンの弟子アリストテレスはプラトンの抱く理想郷像を伝説風に装飾しただけと一蹴したが、なんのなんの、いまもって謎の文明に魅せられる人間は多いのだ。本書「レイジング・アトランティス」は、そのアトランティスの遺跡とおぼしき被造物が南極で発見されるシー…
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飢えて狼
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tujigiri/四方、味方なし
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いち民間人が国際謀略に巻き込まれる物語というのは、さして珍しいものではないだろう。知らずに機密を入手していたり、或いは託されたり。ハリウッド映画だと、そんな主人公が敵に追われるうちに敢然と逆襲に転じて、見事に事態を解決する流れになることが多い。昔の恋人が主人公を助けたり、スパイ組織の中から懸命にサポートをする味方が現われたりするわけだ。果てはその民間人が実は元軍人だったり警察官だったりと、ある程度の訓練を積んでいたりするケースも多々ある。だが、純然たる民間人が独力でピンチを生き延びる物語は案外少ないのではないだろうか。本書の主人公・渋谷は引退した登山家である。山で仲間を失ってのち逗子でボートサ…
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コルドバの女豹
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tujigiri/めくるめくスペイン諜報戦
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1980年代、フランコ体制から民主制に移行して間もないスペインの地を舞台に、極左勢力や極右勢力入り交じっての複雑な諜報合戦を描いた短篇集。イラク戦役に加担したアスナール政権の総辞職を呼び込んだ、スペイン列車爆破事件で一躍日本でも名を馳せたテロ組織ETA (バスク祖国と自由)や、フランコ体制の復古を狙う軍部勢力などが狡知を振り絞って暗闘する表題作をはじめ、フランコ体制に加担した悪人を処刑する謎の男エル・ガローテをめぐる謀略を描く「「暗殺者グラナダに死す」や、スペインのNATO加盟を阻むべくソ連から仕掛けられる薬物テロに立ち向かう日本人医師たちが活躍する「赤い熱気球」、さすらいのギタリスト柏木亮が…
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傭兵ピエール
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tujigiri/ジャンヌ・ダルクの肖像と中世フランス貴種流譚説
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15世紀初頭、フランス。前世紀から続く「英仏百年戦争」に国は荒廃し、民は塗炭の苦しみを味わっていた。この国家存亡の危機を救うべく突如として出現したのが、ラ・ピュセル(少女)ことジャンヌ・ダルクである。神がフランスのために遣わされたというジャンヌ・ダルクは、その神威によってフランス軍を激しく鼓舞し、敵軍の一大拠点オルレアンの解放や、シャルル七世のランス入城を果たしめる。そののちイギリス軍に捕らえられ、ルーアンでの異端審問を経て火焙りの刑に処せらるという悲運の最期を迎えることになるのだが、本書は数奇な運命によってジャンヌ・ダルクと人生を交錯させる、ある傭兵隊長を描いた長編歴史小説である。男の名は「…
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ロゴスの名はロゴス
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tujigiri/ロンリーな論理
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双葉文庫刊行の呉智英本は分量、質ともに非常に読みやすいので、物語に倦んでふと脳みそに通気したくなったときに重宝している。呉智英の大きな仕事といえば、人権病に侵された日本民主主義を批判して封建主義の復権を半ば本気で唱えることだが、一方で同時代の知識人の誤謬・誤読を指摘する作業やマンガ研究に勤しむなど、知的活動にそう適していない僕のような人間にも引かれやすい面相を持っている。彼の言を俟つまでもなく言葉とは論理にほかならないが、論理の徒たるべき知識人や言論人がおよそ論理的とは思えない言葉遣いや用法の間違いを犯しているさまに、呉智英は慨嘆するのである。本書でいえば、てんでお門違いの枕詞を使用して得々と…
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酒仙
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tujigiri/芳醇なる教養ファンタジー
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さてさて今回取り出したるは、第5日本ファンタジーノベル大賞で優秀賞を授与された異境小説「酒仙」。異境と言っても舞台は平成日本、しかして神仙界と密接につながりを持ち、酒を通じて理気合一、まこと玄妙なる世界が現出されております。主役・暮葉左近は富家の裔なれど、その尋常ならざる酒量にて哀れお家は傾き、ついに用人に暇を出して明日には邸宅も処分されて無一文の身に転落するとあっては、手に職もなく呑む以外に能のないこの男、先に酒香の漂わぬ将来をはかなんで、いましも命を断たんとするところ。そこに現れ出でたる抱樽大仙、熱酒風呂に沈んで酔死寸前の左近を拾い上げ、やにわに仙界に連れ帰る。大仙、西嶽佳佳山は玉泉洞にて…
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きらきらひかる
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tujigiri/素直に泣く女と素直に戸惑う男
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情緒不安定で通院歴のある笑子と、内科医で「ホモ」の睦月。片や親の願いに沿って情緒を安定させるために、もう一方は一人息子の将来を憂う両親のために、互いの義父・義母には各々の事情を伏せたまま見合い結婚した夫婦。「自然」なるものから外れた規格外であることの生きにくさを抱える者同士、適度な関係を保って人生を分かち合うことにしたふたりの、やさしい日々を描いた小説だ。笑子の躁鬱の振幅を受け入れて紳士的に世話する睦月と、睦月と彼の不動の恋人・紺との関係を律儀に推奨する笑子。知らず知らずのうちに強まっていたふたりの独特な精神的結びつきは、直感力豊かでなぜか笑子とも馬の合う紺という存在を軸にして、やがて微妙な潮…
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ニューロマンサー
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tujigiri/超空間えんずい斬り!
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ぐわあ〜。わけわかんねえ!でもスゴイ……。電脳空間に没入(ジャックイン)し、氷(アイス)と呼ばれるセキュリティブロックをかいくぐって自由自在にハッキング行為を行う「カウボーイ」、ケイス。かつてその稼業でヘタをうち、電脳空間にアクセスする能力を封じられて、混沌の悪徳都市チバシティーの片隅でボロクズ同然の暮らしを送っていた彼は、ある日突然えたいのしれぬアミテージという男にとらえられ、能力回復の手術を受けさせられる。ただし回復は一時的なものであり、アミテージに従ってある任務を果たさなければ再び路地裏の惨めな生活に戻らねばならなくなるという。やむなくアミテージの組んだパーティに加わったケイスは、同様の…
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120% coool
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tujigiri/都会の恋愛模様
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山田詠美? ああ、女版村上龍ね。いつかしら、こんな台詞を聞いたことがある。女版、村上龍。僕のなかで村上龍の評価は定まっている。外部社会の目線を身体に取り込むことに成功し、愚昧なままにとどまる社会を挑発する作家。よくも悪くも、優越感をにじませる作風。山田詠美も同じなのだろうか。ぼんやりとした異物感を抱きながら、僕は本を開く。ふむ。90年代風の、小さな高揚感と軽い憂欝をないまぜにした恋愛小説が9篇ばかり。篇によって男女の主客は替わるけれど、基本的には女が能動的な立場にある(あるいは、そう思いたがっている)男女関係を、都会的なフレーズや小道具を散りばめてムーディーに描こうとしているようだ。恋愛に付き…
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愛国の旗を掲げろ
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tujigiri/文句なしの大傑作!
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目新しいアイデアやそれまでにない表現技法に興を誘われる小説は多かれど、寝食を忘れてむさぼりつける小説というのはそう多くない。僕の場合、年に4冊も出会えれば十分当たり年ということができる。おおよそ1年に1冊のペースで刊行される本シリーズは、ひとり海洋冒険小説ファンのみならず、あらゆる読書家の胸をときめかせるだけの魅力に満ちている。ストックウィンの、輝く大海原や起伏に富んだ陸地をありありと映し出す筆力は、それだけで読む者を陶然とさせるし、登場人物らが訪れる先のエスニックな土地風俗や心臓を鷲づかみにする冒険の描写は、読書の中断を決して許さない。本書は全編にロマンあふれる、そう、雄渾の海の叙事詩なので…
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海のサムライたち
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tujigiri/海賊小説のブックガイド
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2004年に物故した本邦海洋冒険小説界の巨峰・白石一郎による、11編からなる歴史読本。わが国の周辺海域で活躍した代表的な海の男たちを取り上げ、彼らの生きた時代背景や、果たした歴史的意義を説く。 謎に満ちた古代の海賊王・藤原純友から起草する第1章以降、瀬戸内に海の王国を現出した村上水軍、九州を根拠地として外海に躍動した松浦党などから中世海賊の生態を解き明かす第2、第3、第4章を経て、続く第5章からは織豊時代から江戸時代にかけて大海原に名を馳せた男たちを列挙する。史上初の甲鉄船を作り上げて海賊の勢力図を塗り替えた九鬼嘉隆、豊臣秀吉の子飼いとして水運を一手に担った小西行長、日本漂着のはてに徳川家康に…
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本が好き、悪口言うのはもっと好き
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tujigiri/本が好き、悪口言うのはもっと好き/字から事象を読み取る
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愛読家心をくすぐるタイトルにひかれて購入したものの、はて高島俊男とはどんな人なのかしらん。丸谷才一と親交があるところをみると、文芸評論をナリワイとしているのかもしれない。とにかく読んでみよう、読めばわかるさ。と、あまり気負わずに本を開いてみれば、これがなかなかおもしろい。テレビや新聞で散見される言葉の乱れをバッサバッサ、ときにはねちねちと料理する第1稿、第2稿では、正確を期すために辞書数冊を駆使して語源にまで遡り、過てる言葉遣いや言い回しを糾していくのだが、一方で言葉の変遷性にも案外と鷹揚で、ただの頑迷固陋な御人とはいい難い。本というよりは、とにかく字義を閲すのが大好きな方のようで、言葉—なか…
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蠅の王
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tujigiri/蠅の王/少年漂流譚の極北
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非日常な社会空間に恒常的に属すとき、人はどう生きるのか。不変に北を指す方位磁針が旅人に行き先を示すように、常識から乖離した異境を生き抜くための思考様式の裡にこそ、人間の本質が隠されているのではないか。本書はノーベル賞作家ゴールディングの代表作にして、少年漂流記の極北である。核戦争を避けて空路疎開中の飛行機が墜落し、少年たちだけが生き残った島。作者は明確な数字を出していないのだが、年端もいかない子供らと比較的大きい子供(といってもローティーンだろう)を合わせて総勢20人を越えるくらいだろうか。主だった顔ぶれは、一同のリーダーに選出されたラーフ、臆病な肥満少年ピギー、合唱隊の隊長ジャックの年長者三…
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蛇神降臨記
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tujigiri/蛇神降臨記/ノストラダムス系?
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「ミッシングリンク」というフレーズを知っていますか?人類の進化段階にはいまだ謎につつまれている期間があって、人類の祖先とホモ・サピエンスを直接につなぐ過程には欠落があるとされています。その部分を「ミッシングリンク(失われた連結)」と呼び、ここに地球外生命体の介入があったとするSF作品は掃いて捨てるほどあります。その代表的な例が「星を継ぐもの」 ですね。小説以外でも民間研究者の怪しげな著作はごまんと刊行されており、比較的最近ではグラハム・ハンコックの「神々の指紋」や「創世の守護神」が話題をさらったことは記憶に新しいところではないでしょうか。好事家ならば、ここで「ノストラダムスの大予言」を流行らせ…
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国書偽造
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tujigiri/国書偽造/対馬に咲いた戦国の仇花
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ときは江戸初期、対馬の宗氏に仕えながら幕府からも別に一千石を与えられていた男がいた。男の名は柳川調興。父祖の代からの朝鮮外交のスペシャリストとして、内外に聞こた辣腕家である。 幕府における対朝鮮の公式窓口である宗家の領国経営は、その実、行政手腕に富んだ柳川家が牛耳るところであったらしい。この柳川家の若き当主が突如として幕閣に所領の返還を申し出たという事実から説き起こした小説が、本書「国書偽造」である。 三代家光の御世となり、もはや乱世は過去のものとなった時代。いかに才覚があろうと、槍先一本で領地を奪い取る戦国の風はすでに絶えようとしている。時代は急速に安定に向けて収束しようとしていた。そんなな…
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コンセント
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tujigiri/コンセント/逸脱者のインナーワールドを描く
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初読。兄の腐乱死体との対面を契機とし、日常空間で死臭を嗅ぎわけてしまう体質になってしまった朝倉ユキ。やがて異変は嗅覚にとどまらず、霊感が研ぎ澄まされてしばしば幻影や白昼夢に悩まされるにおよび、ユキは生前の兄が残したたったひとつのキーワード「コンセント」を灯明にして、みずからの心の奥へとわけ入っていく…。一見、途中から話が妙な方向に進んでいくようにみえるのは作者の狙いどおりなのか。だらだらと振幅の小さい筆運びのはてに物語は意外の結末に放散していくのだが、あえて弾道の低い話筋を選んだことによって、終盤のホップ感がいや増した観はある。が、もしもこれが全力投球の結果なのだとしたら、物足りなさを指摘せず…
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