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ゴールデンラッキービートルの伝説 ゴールデンラッキービートルの伝説
かつき/不穏な空気を跳ね返す天真爛漫な夢
ほとんど偶然に6年3組になった3人の子どもたちを語り手に、爽やかな友情を描きます。ところどころ、大人になったクラスメイトの挿話が挟まれます。すぐに担任に告げ口をする女の子は頼れるキャリアウーマンに。勉強のできた男の子は、やや情けない医者に。酒屋の男の子は、父親がコンビニに業態変換したことに少々淋しさを覚えながらも経営者として。構成はよくあるパターンですが登場人物同士がほのかな繋がりが見えてくる趣向をほどこしおやっと惹きつけられます。彼らが子ども時代にはきっぱりと別れを告げて成長してるのがいい。面影が全くなさそうに思えます。ところが、担任の要重吾郎の挿話によってそれが覆されます。さらに、この先生…  全文読む 評価する

玄米ごはんと野菜のおかず 玄米ごはんと野菜のおかず
かつき/ふつうのごはんをマクロビでつくると……プラス甘酒や酒粕を利用したレシピ
千葉県香取郡「発酵の里 神埼」の寺田本家の蔵人なかじさんと奥さまでマクロビオティックの料理家南智美さんの「みなみ屋さん」のレシピ。麹や酒粕を使ったレシピかと思ったら普通のマクロビオティックのレシピ+玄米甘酒やぬか漬け、もろみなどのレシピ。レシピもカレーライス、親子丼、クリームシチュー、餃子、回鍋肉ならぬ回鍋麩、酢豚ならぬ酢麩太など普通の食卓に並ぶメニュウなので作りやすい。でもぜひ玄米甘酒からつくる塩甘酒や甘酒コチュジャン、甘酒ねぎソースを使ったレシピに挑戦してみたい。甘酒ねぎソースを作ってみましたが、おいしいです。八宝菜やキャベツ炒めの調味料としても活躍しそう。さっそく使ってみます。  全文読む 評価する

海岸通りポストカードカフェ 海岸通りポストカードカフェ
かつき/葉書の距離感と、人と人のクッションとなるカフェ
横浜海岸通りにある、ポストカードが壁一面に貼ってあるカフェ。タイトルと設定から想像すると若い女の子の恋と友情の話のオンパレードになりそうだが、そんなアマアマベタベタな展開ではない。ポストカードだからこそ伝えられる言葉の数々が連作短編の物語になっている。恋人時代に通ったポストカードカフェに飾られる自分の葉書。しかし、今の嫉妬深い彼女が見つけたら――。という話だけが、推測するに若い世代の物語。10数年前に卒業した生徒からポストカードカフェ経由で届いた葉書。顔も名前も思い出せない生徒だが、しかし教師を忘れていないのが心に痛い。30年以上前に失踪した夫からの葉書を待つおばさん。疎遠になった娘へ72枚の…  全文読む 評価する

東京ヴィレッジ 東京ヴィレッジ
かつき/なんの取り柄のない30女の生きる道
おもちゃ会社に勤める33歳の明里は、会社が大手ゲームメーカーに吸収合併される噂に動揺する。同時に大規模なリストラが始まるようだ。一方、青梅の実家には、見知らぬ夫婦が半年以上にわたって居候し、怪しげな商売を始めている。叔母や幼馴染みから心配の電話が入るが明里自身がそれどころではない。しかし、同期の恵や7年越しの恋人の郁人に背中を押され帰ってみれば怪しげな夫婦はにこにこ愛嬌があり、口八丁手八丁でとても一人では太刀打ちできない。お人好しで、自分で考えたり行動したりできない両親と姉夫婦は、その夫婦の言うがまま。家の増築まで始めている。おそらく夫婦の部屋になるだろう。明里は東京生活を守りたいが(明りに言…  全文読む 評価する

今日もごちそうさまでした 今日もごちそうさまでした
かつき/肉派最右翼の旬のごちそうさま
肉派最右翼を名乗る角田光代の食べものエッセイ。毎日三食きちんと食べる彼女だからこそ書ける、普通のごはんのこと。春は筍、山菜、新玉ねぎ、アスパラ、新じゃが。夏はとうもろこし、ナス、ゴーヤ、枝豆、オクラ。秋はサンマ、栗、里芋、マツタケ、きのこ、鮭。冬はさつま芋、白菜、れんこん、蟹、ふぐ。肉の話題が多いのですが、季節ごとに編集されているのがいい。それも彼女が旬のものをスーパーではなく肉屋や魚屋、八百屋で買っていて、その季節にしか食べられないものに目がないから。食って季節と結びついているな~と改めて感じる。自分の食生活ともリンクするのでエッセイの中の角田光代に、頭の中で語りかけてしまう。素麺に薬味はつ…  全文読む 評価する

日々のおしゃれ 日々のおしゃれ
かつき/ナチュラルな美意識
内田彩仍さんのおしゃれと日常、旅を追う一冊。そのマメさには頭が下がります。コーディネートノートをつけアイディアを出し続けたり、その日に着た服のお手入れはかかさず、衣替えには4日かけます。特に洋服のリメイクがすごかった。無地のスカートに刺繍をしたり古くなった服の襟を裁断したり。特に革ボタンにつけかえるのには感心しました。ボタンをつけかえれば、たしかに服が高級になります。でもクリーニングのたびに、外してつけて……。できません……。それからブラウスやチュニック、スカートの裾上げはいいですね。背の低い人の場合、どうしても重くなりがち。こういうのはその人にあう微妙なバランスがあるしナチュラルな服の場合、…  全文読む 評価する

あきらめない あきらめない
かつき/普通の人のロールモデルからの転落にもめげない強さ
郵便不正事件でキャリアを断たれそうになった厚生労働省の官僚村木さんによる女性が仕事を続ける上でのアドバイスと逮捕、拘留、裁判、無罪判決までを綴った本。彼女の生い立ちから仕事につくまで、そして労働省(当時)に入庁してからの仕事論が本の半分を占める。「普通の人のロールモデルになりたい」という彼女が明かす仕事論はキャリア官僚だけに通用するものではなく、どんな仕事にも共通する。奇をてらったものではなく、今まで書かれてきたノウハウとあまり変わらない。だからこそ等身大でまねできる。また女性の上司というよりも、「調整型の上司」としての考え方を記す。そんな彼女が事件に巻き込まれ、逮捕、拘留、裁判、無罪判決まで…  全文読む 評価する

ワナビー ワナビー
かつき/ネットアイドルに仕立てられた顛末
ネットの視聴者参加ゲーム「イリンクス」で一種のネットアイドルとなった枯神。しかし、トラブルがあったらしくそこに至るまでを、ブログを立ち上げて語る。過去の出来事と自分の感情がわかりやすく描かれる。しかも彼の「いい人」ぶりに共感し、好感を覚える。枯神は一般的な二十代後半の男性で家を結婚する弟に追いだされる形で一人暮らしを始め深夜のコンビニアルバイトで生活している。容姿も頭も至って普通。ただし、彼はゲームよりも人に気を使い、思いやり深く優しい。そのためにゲームのルールを逸脱してしまう。それもあからさまではなく、日常のなかでも常に一般人が選択させられる小さな手助けやアクションのようなもの。この「いい人…  全文読む 評価する

夢の花、咲く 夢の花、咲く
かつき/朝顔同心興三郎と安政の大地震
松本清張賞をとったデビュー作『一朝の夢』続編。朝顔の栽培だけには才能がある、ぼんやりとした中根興三郎が植木職人・八十助殺害事件を追う。朝顔仲間の吉蔵の娘のお京と将来の約束をしている同僚の岡崎と事件を追ううちに安政の大地震が起こる。新聞連載を単行本にしたのでおそらくこの地震は偶然の一致なのだろうが地震後の人びとの様子を読むにつれ東日本大震災と重ねずにはいられない。食料配布、御救い小屋の設置、怪我人の施療などは炊き出し、避難所、緊急医療施設などと簡単に結びつく。この時代は町の人びとの暮らしを守る奉行所が緊急の際にも駆り出されたのも初めて知る。警察と役所を兼ね備えていたんだな。炊き出しや甘いもの、お…  全文読む 評価する

望月のあと 望月のあと
かつき/大宰府に追いやられた瑠璃姫をめぐる王朝ミステリー
『千年の黙』『白の祝宴』に続く源氏物語シリーズ3冊目。玉鬘(葛)から若菜までを執筆する紫式部とその周辺を描く王朝ミステリー。源氏物語の謎を丁寧に拾い集めそれをきれいに解き明かす。昔読んだ記憶がバシバシ甦ってきて心地よさにひたる。今回の大きなミステリーは「若菜」に出てくる「瑠璃」姫について。女性はあだ名や局名、官位で登場するのになぜ、瑠璃だけは本名なのか。道長がこっそりと匿う、やんごとなき身分ながら日蔭者の瑠璃姫。彼女の幸せを祈る香子(紫式部)の策略が光る。さらに突然身罷った一条帝から三条帝へと帝位が引き継がれるものの、道長とは全く相いれない三条帝が失脚していくまでを見事に描く。道長の長女彰子は…  全文読む 評価する

脱原発社会を創る30人の提言 脱原発社会を創る30人の提言
かつき/小さな社会と政治、グローバルな経済へのシフト
東京電力福島第一原子力発電所の事故後脱原発について深く考えなければならないと思いました。それまで漠然と「原子力発電をやめなければ」と思っていましたがこの事故後、果たして本当に原子力発電に頼らない日本社会、日本経済が可能かどうかを考えました。原発については賛否両論あり、現実的に原発がないと日本の工場が成り立たないのではないか。工場が稼働しなければ日本経済は、日本人の雇用はどうなるのだろうと思いました。しかし、本書を読んで、そんなものは原子力発電の危険性の前には小さな問題だと感じられました。まず、コストの問題。原発は安いというのは、思い込みでしかない。実際に大島堅一氏が「脱原発の経済学」でそのコス…  全文読む 評価する

君は噓つきだから、小説家にでもなればいい 君は噓つきだから、小説家にでもなればいい
かつき/浅田次郎の生活、人生をたどるエッセイ
単行本未収録のエッセイを加筆訂正し、編集。内容も旅、家族、博打、映画、日本人、競馬、小説と広範囲にわたる。著書の補遺やそれにまつわるエピソードがおもしろい。『天国までの百マイル』がお義母さまの闘病にまつわることから派生したことなど、ジンと胸を打つ。浅田次郎、いい人だなあ。小説家を志した中学生の頃から一日一冊を自分に課し、現在も続いているのもすごい。これが多作で、多岐にわたる彼の著作の根幹となっていると自負するのも当然だと思う。生活はかなり個人的で、変則だけど週に5日、書くことと読むことに費やされる。超人的。週末、競馬場に足しげく通い、40年にも及ぶとなるとその知識や、歴史的レースの思い出なども…  全文読む 評価する

親鸞 親鸞
かつき/親鸞の思考、苦悩、人間的情をエンタメとして描く
親鸞と聞いて難しい仏教の話と思ったがエンターテインメントとして描かれ、二日間で一気呵成に読んだ。流罪となった親鸞の前に、才も力もある人々が現れ、躍動する。外道院金剛、彦山房、六角数馬、香原崎浄寛、宇都宮頼綱、早耳の長次、鉄杖など、印象深い。前作からの登場人物も絶妙な間で登場する。越後や常陸の人びとと触れ合うなかで親鸞は因果応報、念仏の意義、死後の世界、身分の平等などを考え人々に諭していく。時にははぐらかされるかのように話が逸れ不完全燃焼となるが、小説は一貫して「念仏とは、救済とは」といったシンプルな問いを問いかける。物語が進むにつれ、仏教的疑問が人生に深く交わっていく。この小説では、答えを知る…  全文読む 評価する

「いのち」を養う食 「いのち」を養う食
かつき/繰り返される食の大切さ、日々の大切さ
森のイスキアの佐藤初女さん。内容は『初女さんのお料理』とほぼ同じ。ただ構成がすっきりとして短い章と文章にまとめているのでちょこちょこ読むのに最適。日本食が世界で見直されているけれどその繊細な味はていねいな下ごしらえから生まれてくるものが多い。だから「めんどうくさい」と思わず姿勢をただす。初女さんも日々、そう思うことがあるのだな~と思うとホッとする。楽をすることで失うことが多い。というのは実感。また料理をしながらおしゃべりすることがないという初女さん。食材と対話しながら、意識を料理に向ける。ほんと、見直すことが多いですね、初女さんの本は。同じことを何度も読んでいるはずなのに。それから最期に食べた…  全文読む 評価する

ヘルシーエイジング ヘルシーエイジング
かつき/アンチ・アンチエイジング
「老化を止めるなんてムリ!」というアンチ・アンチエイジングを唱える。第1部の「ヘルシーエイジングの科学と哲学」は科学の部分はさっぱり理解できませんが哲学(思想)の部分は共感することしきり。例えば、整形にしても、それによって気分がよくなり人間関係が向上するのならよいとしています。しかし、その底にある本当の動機、欲望を確認し「老化が止められる」と思うことこそ間違いであり多くの利益優先企業の餌食になると注意を促しています。ヘルシーエイジングとは「健康な加齢」。心身ともに健康に老いるための第2部「潔く優雅に老いるには」では身体、精神、霊性について細かくアドバイスしています。老いるのは自然なことだからと…  全文読む 評価する

BANG!BANG!BANG! BANG!BANG!BANG!
かつき/事故で亡くなったばんちゃんを巡る物語
朝比奈あすかを読むのはデビュー作以来5年ぶりだったがとてもうまくなっていてびっくりした。これからは追っていきたい作家の一人になった。2編の中編小説を収録。「BANG!BANG!BANG!」はクラスメイトで親友の事故をきっかけに学校でしゃべるのをやめた三沢がクラスの裏掲示板での評価や書き込みを気にしながら過ごす日常を描く。勉強もスポーツも処世術も人間関係もうまくこなす三沢と、太っていて内気で、場の雰囲気に溶け込めないばんちゃん。わかりやすいクラスの立ち位置と幼馴染の二人の関係も微妙でうまい。三沢は自分を客観的に見られ他者からの視点を感じられる繊細さを持っている。だから、最初は本当に傷ついていたの…  全文読む 評価する

日本でいちばん大切にしたい会社 日本でいちばん大切にしたい会社
かつき/顧客第一主義の徹底から生まれる社員の団結力、モチベーションの高さ
「人を大切にする会社」として日本の中小企業を中心に紹介するシリーズ3冊目。今回は7社をとりあげています。高齢者のための靴を製造している徳武産業株式会社(香川)サービス重視の中央タクシー株式会社(長野)MEBOで親会社から独立した株式会社日本レーザー(東京)精神障害者を雇用する株式会社ラグーナ出版(鹿児島)障害者雇用に力を注ぐはんこ屋さん株式会社大谷(新潟)おたすけ隊で有名な島根電工株式会社(島根)東日本大震災でも人への尊厳を尊重した株式会社清月記(宮城)まず社員を大事にし、お客様を大事にする会社としてここまで徹底的にできることに感心します。時には業界の常識を破り足りないところを補い人のために働…  全文読む 評価する

ぬいぐるみ団オドキンズ ぬいぐるみ団オドキンズ
かつき/クーンツの児童書!
クーンツが児童書を書いていた!ぬいぐるみに命を宿すことができる魔法の手を持つ職人ボドキンズさんが亡くなり、その後継者として選ばれたシャノンさんに知らせるため、テディ・ベアのエイモス、ゾウのバール、うさぎのスキッピイ、犬のバタースコッチ、猫のパッチ、長老のギボンズが嵐の街に駆け出す。彼らはオドキンズと名乗る、ある使命を帯びた特別なぬいぐるみ。しかし悪いおもちゃたち――操り人形やロボット、びっくり箱、ハチ――と凶悪な心を持ちボドキンズさんの後釜を狙うニック・ジャッグ、ボドキンズさんの甥で遺産相続をした金儲け主義のヴィクターもまた、オドキンズを追いかける。悪い者たちの企みや追跡の怖さはさすがクーンツ…  全文読む 評価する

吉田キグルマレナイト☆ 吉田キグルマレナイト☆
かつき/着ぐるみ劇団の謎
着ぐるみ劇団「鞍馬からかさ一座」のアルバイト団員水野が着ると手足を勝手に動かしてくれる不思議な着ぐるみに出会いテーマパークのステージを盛り上げます。着ぐるみ劇団という一度は誰もが見たことがある舞台ですがその存在はあまり知られていません。アクション劇団での失敗から新しい劇団への移行、老人が目立つ鞍馬からかさ一座の歴史をたどり自然にこの業界の奥深さを知ることができました。とても新鮮でした。また、その舞台のおもしろさ、エンターテインメントの醍醐味を味わせてくれます。「孫悟空」の舞台は見てみたくなりました。そこに集う人々の個性的なキャラクターがまたユニーク。老人となってもなお衰えない体力には脱帽。キャ…  全文読む 評価する

夜中に犬に起こった奇妙な事件 夜中に犬に起こった奇妙な事件
かつき/クリストファーの頭を一回通過して語られる殺犬事件
マーク・ハッドンは児童書の作家ですが本書は大人が読んでもおもしろい。自閉症のなかのアスペルガー症候群のクリストファーが近所の犬が殺された事件をきっかけに養護学校の先生に本を書くのを勧められ起きたことや気持ちを正直に書き表すスタイルがとられています。事件はクリストファーの頭の中を一回通っているのでそれが少し普通の人とは認識が違ってきます。彼が苦手なこと――知らない人としゃべること、体を触られること――、苦手なことを避けるために彼がとる行動。はじめはちょっと不可解。でも、アスペルガー症候群の言動が明らかになるにつれ彼を理解しようとする心がこちらに湧きあがってきます。彼は数学に天才的な才能があるので…  全文読む 評価する

おまえさん おまえさん
かつき/二つの殺人を軸に小さな事件が頻発。派手な捕物も読みどころ。
『ぼんくら』『日暮し』に続く平四郎シリーズ。南辻橋のたもとで辻斬りにあった貧相な男。寝ている間に斬られた生薬屋瓶屋の主人新兵衛。一見、何の繋がりもないこのふたつの殺人事件が繋がる。その一方、岡引の親分政五郎の養子で、記憶力抜群のおでこの生みの親のおきえが、裕福な空樽問屋の女将になっていたり、八百屋の嫁を人質に騒動を起こす男がいたり。細かく事件が起こる。瓶屋には後添えの美しい後家、なさぬ仲のやはり美しい娘に美しい女差配人と、波乱のありそうな遺族がいる。さらに、頭は切れ、人柄は爽やかで好青年なのに見た目で9割損している同心・間島信之輔が登場し捕物の動きがいつになく派手。後半には弓之助の兄で、河合屋…  全文読む 評価する

マスカレード・ホテル マスカレード・ホテル
かつき/ホテルのお仕事、ルールブック、そして殺人
3件の連続殺人事件は、場所も被害者も凶器もバラバラながら残された数字から、次の舞台は東京の一流ホテルが浮かび上がります。そのホテルの従業員として潜入した警視庁の刑事新田と彼の教育係をまかされる、フロントクラーク係の山岸尚美。二人のクロスカッティングで、ホテルの内部、仕事を含めて殺人事件を追っていきます。まず、視点がいい。尚美と新田はホテルの玄関口ともいえるフロントにいて常にロビーを見渡し、お客様を迎え見送ります。この視点はどっしりとホテルの基点となっています。殺人事件を阻止しようとする新田とホテルを守りたい尚美の心情を視線に表現しています。ホテルの奇妙なお客様への対応を描きながら犯人としての容…  全文読む 評価する

アゲイン アゲイン
かつき/若手ピン芸人の奮闘
大阪の若手ピン芸人の奮闘を描く快作。戸田雄貴は、漫才師の父親の影響で芸人になり事務所の舞台ではそこそこウケるものの、ブレイクには程遠い。同期の芸人たちが少しずつ売れ始め売れない芸人とつるんでいることにもジレンマを感じています。そんな折、再婚した母親が、夫の海外転勤のため、半分血のつながった小学生の妹・楓と同居することになりぎこちない生活が始まります。冒頭はオーソドックな始まりで惹かれるものもないのですがおとんのエピソード、学校になじめない優等生の楓、明るいキャバ嬢で幼馴染の沙紀の壊れた結婚などだんだんとおもしろくなってきます。コミカルなテンポにホロリとさせられるシーンを挿入しうまく組み立ててい…  全文読む 評価する

本当に力がつく中国語の学び方 本当に力がつく中国語の学び方
かつき/初心者のうちに読みたい勉強法
中国語初心者から中級者向けの中国語勉強法。中国語のしくみや発音、ピンインなど基礎知識から独学、学校へ行くなど勉強の場所、どうやって学ぶかなど。挨拶や数字、十二支、ことわざといったコラムがおもしろい。授業の余談で話されていることなのでしょう。特に異文化体験談の、初めて訪れた北京で「中華人民共和国」という看板にその音を発している、というのに共感しました。ほんと、あれは迫力がある。漢字を見て、ピンインや音が自然と頭に流れるようになると中国語はおもしろくなりますね。  全文読む 評価する

語学オンチのための〈相原式〉最大効果の中国語勉強法 語学オンチのための〈相原式〉最大効果の中国語勉強法
かつき/中国語を楽しく勉強する方法
大きく分けて、語学を学ぶポイントと中国語の勉強のポイントの2分野について書かれています。語学を学ぶポイントとしては勉強はいつでもどこでもできるので、機会をとらえて勉強する。はじめは日本人の先生を見つける。語学学習の同好の士を見つける。中国語をBGMのように聞く。時には己を追い込み、お金をかける。原書を読む。1日10分ネイティブになったつもりで独り言を言う。辞書は紙と電子それぞれを使い分ける。日本語と比べてみる。正しい文章をまねる。マンダラメモで計画を立てる。マイジョークを持つ=ネイティブと親しくなる。インターネットや新しいツールを活用する。中国語の勉強のポイントとしては発音をまずマスター。漢詩…  全文読む 評価する

白馬に乗られた王子様 白馬に乗られた王子様
かつき/21歳で「一生、恋ができなくなりました」と告げられた日には
21歳になっても「白馬に乗った王子様」を待ち続ける美月。ある晩、夢のなかに現れた、いつもの王子様と白馬は恐ろしいことを告げます。「一生、恋ができなくなりました」夢を見過ぎた美月は、現実でも白馬に乗った王子様が現れるのを待つ、現実世界に適応できない女性になってしまい一生、恋に落ちることはない。美月にそんな夢を見させ続けた王子と白馬にも夢の世界「イナミア」の神さまから罰が与えられ二日間で、美月に恋をさせろとめちゃくちゃな命令が――。マンガのような設定で、読者層が限られるもののボイルドエッグズ新人賞らしいコミカルな恋愛小説。(著者は元漫画家)王子様は、実は役者で、本名はアントワーヌ。白馬はブランとい…  全文読む 評価する

なまづま なまづま
かつき/狂気のラブストーリー
粘液を引きずりながら、酸味の強い、吐き気を催す臭いを発散させ青白い姿で街を徘徊するヌメリヒトモドキ。3つの穴があるだけの姿から人間の姿に進化し、しかも人間の記憶や感情を学習し人間に近づいていきます。そんなヌメリヒトモドキの研究者である「私」は2年前に妻を亡くし、その喪失感から立ち直れません。世間との唯一の窓口的存在だった彼女がいなくなり人とのつきあいもほとんどなくなりただ会社と家を往復するだけの毎日を送っています。ヌメリヒトモドキが、ある特定の人間の唾液や髪の毛を摂取し続けると、その人間になることがわかり「私」は妻に似たヌメリヒトモドキを作り始めます。ホラーなのですが、話の主筋は語り手の妻への…  全文読む 評価する

あまからカルテット あまからカルテット
かつき/14歳から続く女の友情物語
中学2年から親友の4人組による群像劇。自宅でピアノ講師をする咲子。レシピブログが人気の専業主婦・由香子。大手出版社の編集者・薫子。一流化粧品メーカーの美容部員・満里子。「14歳の頃から月に一度は咲子の家でティーパーティーをする習慣」にドン引きし、高価な乙女チック路線のティーセットやスイーツやブランド品羅列に頭を抱えるものの、語られる物語はなかなか骨太です。咲子は6年間、交際相手となるような男と口をきいていない。奥手の恋愛物語。主婦ブロガーとして出版デビューをひかえた由香子はネットの掲示板でやり玉に挙げられます。満里子の恋愛物語には、酒造メーカーのCMに出てくる小雪のような強力なライバル出現。薫…  全文読む 評価する

プロフェッショナルの情報術 プロフェッショナルの情報術
かつき/情報とのつきあい方
テレビ番組などのリサーチャーとして数多くの人気番組を支えている著者による情報術。情報バラエティやクイズ番組などの情報収集のプロです。そのテクニックや企画書、プレゼン、習慣などはほかの仕事でも必用不可欠なノウハウ。徹底的に調べ、仕事に活かすには何が必要かをわかりやすく教えてくれます。調べる前に脳のなかにシソーラスを描きそれを埋めていく作業などは高等テクニックのように思えますが使いこなしたら、仕事のスピードアップにつながります。情報整理にノートとメモ、情報カードといったアナログなツールととともにiPhoneも自由に使いこなす柔軟さ。見習いたいものです。情報番組ですから扱う素材が多種多様ですのでその…  全文読む 評価する

水の柩 水の柩
かつき/ダムの底に消えたもの
地方の温泉旅館の長男・逸男は「普通」であることに日々、倦む中学2年。実家では祖母が隠居し、母親が女将、父親が事務長としてふんばるも、経営は右肩下がり。祖母いくは、逸男とは年の離れた弟の世話と蓑虫を飼うことで毎日が回っています。逸男と同級生の敦子は、転校してきた小学生の頃からいじめを受け、中学でもそれは続いています。そんな敦子から逸男は、小学生の時に埋めたタイムカプセルの手紙を取り換えたいと相談を受けます。その手紙には、いじめが克明に記され、20年後に開けた時に、もういない自分に対してその人たちが後悔するように書かれているという。いじめが最近なくなったから、それを取り換えたいという。逸男、敦子、…  全文読む 評価する

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