bk1 オンライン書店ビーケーワン

送料無料キャンペーン10,000円以上(税抜)、30,000円以上(税抜)、50,000円以上(税抜)購入でもれなくポイント進呈!寄付コースもあります

> トップ > 書評一覧

1 - 21 / 21 件
藤子・F・不二雄大全集 藤子・F・不二雄大全集
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/いまはどんな夢をみてもいい
この作品のことは、「藤子・F・不二雄大全集」が出るまで知りませんでした。まったく知らない作品だったので、本当のこども向け作品でしたが、ほかの馴染み深い作品に先駆けてまず手が伸びました。見開き2ページで1話完結、ほとんど「ドラえもん」に近い設定、その翻案のような、もっとシンプルな話が続きます。だから「ドラえもん」なんかを知っている目には、ふむ、知っている、とか、あ、あれに似ている、というような感じのエピソードがほとんどです。だけど、読んでいると、決してそれだけではない魅力に気づかされる気がします。印象的なのはまず、フルカラーで展開する絵がどれもとてもきれいだということ。贅沢といってもいいほどです…  全文読む 評価する

テロリスト群像 テロリスト群像
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/複雑で多面的な
ロープシンの筆名で書かれた「蒼ざめた馬」を読んでいるときにも似た印象を持っていたのですが、著者の思いを読みとろうとしても、安易に心情を重ねられない、容易にそばに近づききれない、そういうなにかがあるという気がしました。それは、著者がテロリストだから、書かれていることは理解の範疇にないというような単純な理由からではなくて、むしろ著者はものごとを静かに眺めて伝えています。だから、著者が意図的にそうしているというより、そういう文章を書く人なんだろうという気もします。置かれた状況が違うから、暮らしいてる時代も、国も、生活も、比べれば、なにもかもが同じではないから、本当のところに思いを至らせるというのは簡…  全文読む 評価する

蒼ざめた馬 蒼ざめた馬
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/ひとりでどの星を見ているのか
最後の数ページを残したところで、読み切ってしまうのがためらわれて、そのまま少しの間、読まずにいました。日割りで出来事が綴られていく文章は終始淡々としています。主人公の暮らしの中心はテロの実行に向けたものですが、そういう活動を軸に置いていればありそうな、誇張や強引さのようなものはなく、ただ淡々と、だからといって努めて冷静というふうでもなしに、目に映る景色の描写と等しく、見たまま、感じたままが書かれているという感じです。これは、孤独で悲しい活動家のヒロイックな物語なんかじゃないし、そもそもテロやテロリストの宿命的な悲しさが描かれた話でも、その正当性や崇高さが謳われた話でもない、むしろ寒々しい極限的…  全文読む 評価する

須賀敦子全集 須賀敦子全集
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/光と陰りの背中を見送る
回顧の文章なので、須賀敦子さんの基本的な姿勢はまず、後ろを振り返るというところにあって、しかもそれは肩越しに見やるといった感じではなく、立ち止まって、しっかりと後方に正対するような感じです。その眼差しの向こうに見るのは、人生の中の若く大事な(ご本人は「晩い青春」といったりする)時間を過ごした遠いイタリアという国で出逢った人たちの後ろ姿であって、どちらから去っていったかにかかわらず、日本に帰国した須賀敦子さんがイタリアの暮らしから時間を隔てて、その遠い日のことを書かれているので、自然、時間の流れとともに、後日談を含め、ほとんどの人たちの背中を眺めることになったといえるように思います。流れ着いたと…  全文読む 評価する

悪魔の涎・追い求める男 悪魔の涎・追い求める男
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/現実と非現実が隣り合わせる、ものごとの薄い輪郭
この本は短編集ですが、物語の書かれ方にいくつかの種類があるように感じました。あるいは読み手の受け取り方にもよるところでしょうか。たとえば、一見まったく無関係の世界、複数の視点が交錯して渾然一体となっている、マーブル模様のような物語、こういう言い方で大きく違ってはいないと思うのですが、「夜、あおむけにされて」や「すべての火は火」なんかはそういう作品のように感じました。印象がすごく鮮やかだったのですが、読んでいて、藤子・F・不二雄のSF(すこし・ふしぎ)作品のいくつかや、大友克洋の初期作品(「夢の蒼穹」)のイメージと重なる部分があるように思ったりもしました(引き合いに出すのがマンガで偏るようですが…  全文読む 評価する

むずかしい愛 むずかしい愛
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/海塩をふりまく
この本を読み終わってとにかく印象に残ったことは、カルヴィーノという作家を読む上で重要なことなのかどうか、あるいはそれが意図的なことなのか、無意識のうちに出てきてしまうことなのか、カルヴィーノ作品を全て読了したわけでもない人間の目にはまったく判然としませんが、とても鮮やかで、それがいつまでも残っています。先に読んでいた短篇集「パロマー」が素晴らしく、中でも「はてしない草原」と「蛇と骸骨」という文章を読んだときに、カルヴィーノという作家に対して強い信頼感が生まれたのですが、しかし実は、その「パロマー」の冒頭、“浜辺のパロマー氏”としてくくられた3つの文章、とくに「太陽の剣」と題された文章を読んだと…  全文読む 評価する

美術愛好家の陳列室 美術愛好家の陳列室
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/ご使用上の注意!
誤解を恐れず大雑把にいってしまうと、この作品に限らず、ペレックの作品にはいつも一風変わった細密画のようだと思わされるものを感じます。伝えようとするよりも、そこに説明すべきものがある文章になっている。ある程度コンセプトが決まれば、あとは、ある意味で自動的な作業の積み重ね、緻密に設計された細密な部分を描き継いでゆくだけ、というような(この、だけ、という表現でも誤解を生みかねませんが、単にそれだけという意味ではなく)。しかし果てしない根気と情熱が必要とされる作業です、とはいえペレックには十二分にそれがあるから、驚くような込み入った作品を描き上げる。その尋常では考えられない根気というか、モチベーション…  全文読む 評価する

聖の青春 聖の青春
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/長くて、ややこしくて、もう届かない恋文
村山さんが亡くなった年度の、A級順位戦最終局のテレビ中継を今もはっきり覚えています。何度も画面に現れるA級順位戦対戦表の左端に村山聖八段(追贈九段)の名前がありました。既に前期、A級復帰を決めてすぐに次期の休場を決断していた村山さんの対戦表は空欄で、当の村山さん本人も、最終局のその日から半年さかのぼる8月に、もう鬼籍の人となっていました。対戦表のボードが映るたび、あるいは緊迫する対局場の様子を眺めていると自然に何度も、ああ、もう村山さんはいないんだと思えてくるのが悲しくて、ほとんど呆然とした気分で画面を眺めていた気がします。この本に書かれている、奨励会の26歳の年齢制限までに昇段がかなわず、プ…  全文読む 評価する

カルヴィーノの文学講義 カルヴィーノの文学講義
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/とにかく読もう
最近、カルヴィーノ作品は未読という友人の誕生日にカルヴィーノの本を贈って、その際、簡単な紹介のつもりでノーベル賞受賞作家と書いたメールを送ってから、あれ? と思っいたって調べてみたところ、カルヴィーノは受賞者ではありませんでした。あと二年もあればそうなっていた、という人もあったようですが、しかしこの際問題なのは賞なんかではなくて、なにより彼の書き遺した文章の数々です。「文学講義」の日本語の副題は、遺稿を纏めた奥さんによって考えられた原題を訳したもので、カルヴィーノは二千年代の文学を念頭に置いた上、六つのテーマを選び、それぞれについて独自の考えを語るつもりでしたが、実際この本にはその内の五つしか…  全文読む 評価する

パロマー パロマー
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/ここから遠くを見つめるまなざし
結局のところ、いろんな意味でちがうのですが、読み始めるまえからパロマー氏について、ジャック・タチの映画、ぼくのおじさんシリーズの主人公ユロ氏に似た印象を持っていました。どういったわけかというと、この本の最初に海にまつわる文章があるのですが、本を手にとってぱらぱらめくっていたときに、そこでなんとなく海辺のユロ氏と重ねたせいかもしれません。更にいうなら、その海に関する項目には「パロマー氏の休暇」というタイトルがつけられている、これもさらに影響を与えている気がします。それに、パロマー氏もユロ氏も、なんだか寡黙です(わりとそうでもない可能性も垣間見えますが)。この本では、なにか哲学が結果ありきの結論に…  全文読む 評価する

バスター・キートン自伝 バスター・キートン自伝
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/最良の自伝
すてきな、すてきな、すてきな本です。デッド・パン、バスター・キートンの、心底正直で、おかしくて、幸福で、この上なく素晴らしい自伝です。この本を読んだら、だれだってバスター・キートンを愛さずにはいられない、本当にすてきな本でした。誕生から、家族で興行したヴォードヴィルのこと、最盛期から低迷期、その後のできごとや、関わった業界と人について、色んなことが本当に詳細に語られています。とにかくいっさい忌憚なく、ただただひたすら正直な魂によって語られているんだというのが伝わってくるので、なんだかいつまでも読んでいたいという気持ちになります。おもしろくて、おもしろくて、それからときどきは、ちょっとせつなくな…  全文読む 評価する

棒がいっぽん 棒がいっぽん
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/逸品集
寡作な、本当に寡作な高野文子さんの1995年出版のこの作品集には、’87年から’94年のあいだに、大切に、ていねいに描かれた作品が6本収録されています。帯には「昭和43年6月6日のお昼ごはん、覚えていますか?」という文章が書かれていましたが、これは、最後に収められた「奥村さんのお茄子」という、ものすごく(!!)おもしろい作品に関係していることばです。とにかく、やさしくて、ほのかにせつない物語あり、楽しくわらえるものあり、雑誌に連載されていた4コマあり、というヴァラエティに富んだ内容の上に、そのどれもが傑作という素晴らしさです。とにかくどれをとってもすごいんだけれど、この作品集の中では1番最近作…  全文読む 評価する

アメリカ短篇24 アメリカ短篇24
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/最良のメニュー
とにかくかいつまんでアメリカ文学を読むのに、とても良い本でした。気分的にも、ひとつ読み終わると、まったくちがうの作家のまったく趣向のちがう話が読めるので、とても楽しめました。たとえばこの本で初めて“ウィリアム・メルヴィン・ケリー”という作家を知りましたが、ここに収録の「ぼくのために泣け(Cry For Me)」という短篇は、けっして暗い物語ではないけれど、結末がたまらなくせつなくて、とても印象的な話でした。あんまり良かったので、このあと同じ作家の本を苦労して探して何冊か読んだりしたくらいです。また、サリンジャーの有名な短篇「エズミに捧ぐ‐愛と汚辱のうちに」は、同じ野崎孝さんの訳でも、新潮社から…  全文読む 評価する

江分利満氏の優雅な生活 江分利満氏の優雅な生活
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/最高に優雅な江分利満氏
昭和37年度下半期の直木賞を受賞している作品ですが、とにかく痛快な、というと、せつない場面だって、辛い場面だってあるんだけれど、それを全部乗り越えて最高におもしろい「江分利満氏の優雅な生活」です。的確で、リズムがあって、ユーモアがあって、たんたんとしていて、ときどき思いが込み上げてきて、というようなものすごく魅力的な文章で描かれていく江分利満氏の毎日です。かなり波乱万丈ですが、元気です。平均的な一サラーリーマンという主人公ですが、自分の決定的な弱点について考えてみたり、日々の不幸な出来事に、なんでこんな目に遭うんだと腹を立てたり、落ち込んでみたり、いろんな苦しい場面に出くわしていくのですが、そ…  全文読む 評価する

金色の玄関に 金色の玄関に
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/金色の玄関から
終止、文章を読むこと自体がとても楽しい本でした。ロシア語ができたら、溢れる隠喩にばんばん鋭く反応できるだけの十分な知識があったら、と思わされること度々といった感じでしたが、それくらいどの物語も縦横無尽な幻想と連想の駆けめぐる作品でした。作者の中で止めどなく展開する連想と、それが文章として実体化され、隠喩として表わされたときの、そこから広がる解釈や、言葉のつながり、ときには言葉遊びからさらに転がり続ける連想、特にこういう自由奔放な展開が作品となったとき、そこに表現されているものすべてを厳密に日本語に翻訳することは現実に不可能な作業なんだと思います。また、隠喩となっているものすべてに反応するには、…  全文読む 評価する

鎌倉文士骨董奇譚 鎌倉文士骨董奇譚
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/ひたすらに見極めようとする眼の向こう
追悼文というのはこの世にいくらもありますが、この本の中の「独り言‐中原の死」という文章を読むと、ここまでせつない文章はないんじゃないかという気がしました。ちょっとびっくりするくらい悲しい文章のように思います。収められているどの文章にも一切淀みがなくて、ただ端的に本物の透明感があるという感じです。信じるところがはっきりしているだけ厳しさもありますが、率直で正直で純粋なんだという気がします。本の終わりのほうに今日出海さんの「青山二郎における人間の研究」という文章が寄せられていますが、これも素晴らしいです。  全文読む 評価する

蝦蟇の油 蝦蟇の油
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/巨星の向こうがわ
この世で1番素晴らしい映画監督だと思っているんですが、この自伝(のようなもの)も本当にとても良かったです。手に入れたころ、ちょうど文庫が絶版だったので単行本を買いましたが、装幀もシンプルで迫力があってもう読むまえからすでに最高だ、という感動でいっぱいだったくらいだからちょっと気が早いんですが、全410ページの厚い本で、映画を観るまえのすごい期待感に似たものを感じつつ読みはじめました。とにかく素晴らしい自伝。桁違いの世界観を持った映画監督だった分だけ、その困難の規模も並み大抵ではなかったように思いますが、それと正面から闘いつづけた巨きな後ろ姿がよく見えてくる本でした。逞しくて力強くて大胆な反面、…  全文読む 評価する

友情 友情
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/邂逅
有名な本だとは知らずに、序文を書いているアーサー・ケストラーの関係からこの本にたどり着きました。著者であるフレッド・ウルマンは、序文でアーサー・ケストラーが触れているように、ナチ統制下のドイツを抜け出し、のちにイギリスで名をなした画家です。物語は、ナチがユダヤ人への迫害を徹底、本格化させていく寸前、わずか1年ほどのあいだのドイツ地方都市でのふたりの少年の交遊と、その後の顛末とについて書かれています。清廉で、詳しいけれど決して冗漫ではない情景描写や輪郭のはっきりとした筆致は、そのときどきの状況を正確に浮かび上がらせて、いかにも著者が画家であることを思わせます。この本は、日本図書館協会選定図書・全…  全文読む 評価する

ご冗談でしょう、ファインマンさん ご冗談でしょう、ファインマンさん
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/めくるめく冒険
ノーベル物理学賞を受賞されている著者によるエッセイで、原題に「好奇心でいっぱいの人物のめくるめくアドベンチャー」というようなサブタイトルがつけられている通り、愉快痛快な冒険物語を読んでいるといった感じでした。どの場面でもまっすぐに語られる文章が魅力的で、端的な文章だからこそあちこちに散りばめられた笑い話が余計におかしく、唐突で思いがけない展開に吹き出してしまうこと度々といった感じです。最終的に、その魅力的で個性的な素直な文章は著者が信条としていることに裏打ちされているものだということがわかります。そんなふうに全体に非常におかしく、気持ちよく笑えるとても楽しい本ですが、同時に、著者のまっすぐな視…  全文読む 評価する

しゃれのめす しゃれのめす
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/本物ということ
雑誌に連載されていた「気まぐれ美術館」とは別の機会に書かれていて、これまでまとめて読むことのできなかった単行本未収録の文章を集めたシリーズの2冊目です。収録されているのは「気まぐれ美術館」シリーズ以外の様々な機会に書かれた文章で、別の新聞や雑誌に連載していたもののほか、ご自身の画廊で折々に出されていた画家や絵に関する紹介文に近い短文など、原典は多岐にわたっています。洲之内徹さんの本はいま(2005年3月現在)、この「しゃれのめす」と、同じ芸術随筆の1冊目として出た「おいてけぼり」の2冊が入手可能なだけで、最近まで文庫で出ていた「気まぐれ美術館」シリーズの3作もなぜか既に絶版になっているようです…  全文読む 評価する

ニック・ドレイク ニック・ドレイク
ユー・リーダーズ・アット・ホーム!/ある青年の肖像
1997年に出版されたニック・ドレイクのバイオグラフィーの待望の邦訳です。この本が出ることを心待ちにしていた人は多かったのではないでしょうか。1948年に当時イギリス領だったビルマに生まれ、シンガー・ソングライターとして3枚の作品を残しながら不遇のまま1974年に26歳亡くなったニック・ドレイクの、作品からは窺い知ることのできない側面を伝えてくれる本です。著者のパトリック・ハンフリーズはこの本のために多くの時間を調査に割き、また当時のニックを知る人たちからできうる限りの証言を取り、綿密に、かなり詳細にニック・ドレイクという、かつてプロのミュージシャンとして名をなそうとし、一部にその才能を認めら…  全文読む 評価する

page: 1