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ニッポンの刑務所 ニッポンの刑務所
ぽむ/塀の向こうにも人間の社会が
 発売されたときから気になってて,やっと図書館で借りてきたの。 できれば自分はずっと外側にいたいなぁって思うけど,中の様子は気になっていたのよね。 ここ数年過剰収容の問題とか刑務官の不祥事とかよくニュースになるものね。 刑務所ってどんなところなのか,基礎知識や中の生活を知るにはとってもコンパクトで内容の深い本だと思う。  一日の流れとか刑務作業のことはおおむね想像の範疇だったけど,運動会や盆踊り,観桜会といった行事や職業訓練と技能大会のことは初めて知った。 そうよねぇ…運動会とか,ちょっと何が起こるか怖いよねぇ。 だけどもそういうハレの日があるっていうのは,人間の生活にとって意義のあることなん…  全文読む 評価する

男の子のための軍隊学習のススメ 男の子のための軍隊学習のススメ
ぽむ/軍隊,それは…
 むろん女の子が読んじゃダメってことはないのよ。 このタイトルはあくまでも修辞だから。 そして別に軍隊賛美の本じゃない。そして軍隊批判の本でもない。 およそ世の中の“軍隊小説”の記述から,生活の様子や内部の空気などを感じ取ってみるのが眼目。   当然軍隊経験のある人は今や相当なご年配だったり故人だったりするけど,あの人があんな経験を…というのがおもしろいの。 とくに富士正晴“三等兵”どのの兵営体験はペーソスを感じるよ。 この頃改めて思うのはね,やっぱり個人の規模にまで落とし込んでいかないと反戦や平和を訴えることは難しいのかもしれないってこと。 逆にナショナリスティックな人はどんどん話を大きくし…  全文読む 評価する

日清戦争 日清戦争
ぽむ/「国民」になるということ
 サブタイトルが,「国民」の誕生。 カッコ付きの「国民」。 明治の戦争は日清・日露と一つながりか,日露戦争の方に重きが置かれることが多いような気がするのだけど,ここでは日清戦争が日本社会を大きく変えたんだってことが主張されている。 その前後で社会のあり方が一変し,日清戦争を共通の核とする「国民」が生まれたんだって。  そしてもう少し広い視野で見ると,これを契機に東アジアの国際秩序が激変したって。 どちらも言われてみればなるほどなぁと思うけど,どうしても日清戦争って日露戦争の前段階にとらえられることが多いのはなぜだろう。 日露戦争の方が国民統合の上でもグローバルな影響度でもインパクト大だからかな…  全文読む 評価する

茶の世界史 茶の世界史
ぽむ/ティーカップを持つ手がふと止まる
 テーマ史が好き。そして,身近なモノの歴史が好き。 特にお茶は入試問題にもよく取り上げられる,世界史的にもおもしろいテーマだから,こういったタイトルの本はわりとよく出ているのだけど,霊薬とされていた頃から現在のフェアトレードにつながる問題までをひとつながりで扱っているのがこの本のおもしろさじゃないかな。 各章の最初に出ている茶に関する史料文献の引用もいいね。 それぞれの時代や地域の人の茶に対する意識がよくわかる。  第一部「東から」では,中国における茶の起源や中国文化圏での茶の広がりについて,第二部「西へ」がヨーロッパ人の茶との出会いが彼らの生活にもたらした変化,そして茶の普及が背景になって起…  全文読む 評価する

日本の歴史 日本の歴史
ぽむ/日々の生活があるから文化も生まれる
 ようやっと長大なシリーズが完結したと思ったら,別巻。 思えばちゃんと巻数順に出たところがあっぱれだわ。  で,これは別巻なのだけども江戸時代の内容が中心になってるよ。 通史的な事柄よりも現代にまでいたる文化のバックグラウンドを生活にそくした要素から解説しているご本。 人々の食べていたもの,住んでいたところ,学びのあり方とか,あくまでも庶民に焦点を当てているところが新しくもおもしろい。 古文書の解読はだいじ。 だけどその内容が書かれている紙がどこから来たか,そういった文書がかくも頻繁にやりとりされている裏にある人々のリテラシーを考えることも重要だよね。 庶民が日々の生活に追われて,取り上げるに…  全文読む 評価する

阿修羅のジュエリー 阿修羅のジュエリー
ぽむ/光を身にまとうということ
 阿修羅立像といえば,とかく表情に注目されがちだけども,ここでは身につけているジュエリーの形状とその意味に注目しようというご本。 そういえばそうだなぁ…資料集の写真でも顔だけクローズアップされたものもあるもんね。 菩薩像だとお顔に安心しながらも,華麗なジュエリーに目を奪われるけども,阿修羅のジュエリーはちょっと見過ごしていた。 あらためて見直してみると服装もジュエリーもいろいろな意味を含有しているのね。 そして,ジュエリーそのものの意味なんかもやさしく説明してくれていて,ああなるほどとうなずける。 エッセンスだけ抜き出していえば,「ジュエリーは地上の花,天上の光を象徴している」ということだ。 …  全文読む 評価する

第三帝国の興亡 第三帝国の興亡
ぽむ/日本にその日が来ないために
 出始めたときから気になっていて,ようやっとこの頃読み始めた。   ヴァイマル共和国時代のドイツというのは,高校世界史においては何やら死角めいていて,ヴァイマル憲法やドイツの賠償問題についてはとりあげるものの,なかなかその実情に迫る機会がない。 だけど,どうして20年を経てまた世界大戦が起こったのかって疑問は生徒からだって出てこなくはないほどプリミティヴでしょ。 そしたらやっぱり戦間期のドイツにあった政治状況や国民の気分にも目を向けていかなくちゃだよね。 そのあたりがとても丹念で,すごくおもしろい。 “ミュンヘン一揆”のプロセスなんかも,恥ずかしながら,ああこういうことだったのねぇとようやく納…  全文読む 評価する

日本の国宝、最初はこんな色だった 日本の国宝、最初はこんな色だった
ぽむ/看板を見たら暖簾をくぐれ!!
 最近の新書はドキッとするようなタイトルが多いなぁ。 乱発気味だから工夫してるんだな。  これもちょっと,おおって思うよね。 だけど,やや看板に偽りありといえなくもない。 だって,デジタル復元されたその色彩が必ずしも実物どおりとは限らないのだもの。 だからってそれはこの本の価値を損なうようなものではなくて,むしろおもしろい部分はタイトルからは見えない部分にあるから,じっくり読んでみないとわからないってこと。 デジタル復元の意味や,そのプロセスで見えてくるもの,作品の本来的な楽しみ方や絵師や仏師の意図,そういったことを丁寧に説明してくれてるのが嬉しいな。 なので,看板に目をとめたら暖簾をくぐって…  全文読む 評価する

おしえて、ぼくらが持ってる働く権利 おしえて、ぼくらが持ってる働く権利
ぽむ/若くたって学生だって労働者
 労働法を学ぶにあたっては,このくらいのレベルのものが一番とっつきやすいのかなぁ。 『プレップ労働法』とか『ベーシック労働法』なんてのもがんばって読んだけれども,なかなか理解を体感するのは難しい。 だから,実際によくあるケースに即して,その場その場でこういうルールがあるよっていうのを学んでいくのが一番わかりやすいし,現在必要とされていることなのではないかと思う。 そういう意味では,このご本は事例を4コママンガで最初に提示しているから,中高生にも理解しやすいはず。 オトナだけじゃなくって,この景気悪化で高校生のアルバイトだってバシバシ解雇されているっていうからね。 こんな法律があることも知らない…  全文読む 評価する

完璧な赤 完璧な赤
ぽむ/人の欲はかくもエキサイティング
 学校の図書室に入ったときから目をつけていたのだけど,実際に手に取ったのは何ヶ月もあと。 いいよね,装丁の段階からドキドキするもの。 衣類の色なんていまでこそどんな色でもあって当たり前だけども,昔はそうではなかったのよね。 染料だって当然自然にあるものからとるしかなかったし。 ある色の衣装を身につけていることがすなわちステータス。 古代の紫色なんか,小さな貝から取るんでしょ。 コチニールもそうだけど,最初にそれから色が取れると気づいて実行した人は偉いなぁ。  "大航海時代"っていう表現にはさまざまな議論があることはもちろん承知しているけども,このワクワクする語感はやっぱり魅…  全文読む 評価する

ピクトさんの本 ピクトさんの本
ぽむ/ピクトさんとラムネ
 あなたはそういう名前だったのねぇ、ピクトさん。 しかもこんなにワールドワイドに活躍してるなんて知らなかったわ。  私も日々カラダ張って働いているつもりでいたけれど、ピクトさんにはかなわない。 …てかそんなことしたらあっという間に二階級特進。 転落したり、手首切り落としたり、つまづいたり、巻き込まれたり、はさまれたり…とてもじゃないけど身がもたない。  ピクトさんのえらいところは、我が身をこれほどまでに犠牲にしながら、世の人々に注意喚起をしているところ。 ”ロウソクは我が身を滅して人を照らす”なんてコトバがあるけども、まさにそれを体現する存在なのね。  でももっとすごいのは、こういうピクトさ…  全文読む 評価する

新シルクロード遙かなる四千年の旅路 新シルクロード遙かなる四千年の旅路
ぽむ/やっぱり漫画あなどりがたし
 テレビで『新シルクロード』をやっていたときには全然ノーマークだったけれど、必要に迫られるとこうして出会う機会が持てた。 歴史の流れをつかむには漫画の力はすごく大きいと思う。 そのかみの私もそうだった。  とくにシルクロードというのはなんともロマンティックで想像をかき立てるけれども、実態はいまひとつつかめない言葉で、そういう文化圏や地域を整理して勉強するには漫画ってとても役に立つんじゃないか。 絵はいかにも歴史漫画にありがちな絵柄だけども、漢字で”張鶱”って出されるよりも、堂々たる風采で不敵な人物が描いてあるほうがイメージつかみやすいもの。 ストーリーもアレクサンドロス大王から2…  全文読む 評価する

中国の歴史 中国の歴史
ぽむ/中国近代史のウェットな部分
 中国の近代史というのは私にとってはちょっと特別な時代で、ぐいぐい読んだ。 太平天国や北伐、長征を”南からの風”という見方で説明しているところがおもしろい。 まるで中国での改革はいつも南からはじまるみたいね。 経済的な変化はだいたい南部からだもんね。 ”失敗の英雄”孫文の失敗ぶり、伝統的思考から抜けきれなかった部分も興味深く読んだよ。 やっぱり中国のような国は専制で治めるしかないんだろうか。 どこか古代的。  西安事件の顛末もなるほどこういうことだったのかと。 張学良の真摯な気持ちはわかったけれど、甘かったんだな。 青年元帥、その後の人生が長すぎた。 ああ、宋美齢も波乱万丈なわりにはめちゃめち…  全文読む 評価する

女帝の古代史 女帝の古代史
ぽむ/女帝ってダメなの?
 現皇室の行く末はなるようになるさということで。 軽い気持ちで女性が天皇でもいいんじゃないっていう気持ち。 でもいろんな議論があるものなのね。 ふむふむと新聞報道を眺めているこの頃。 で、何とはなしに前から気になってたこの本を借りてきた。 日本の古代史もこのところ興味があったりするもんで。 古代の女帝はとかく十把ひとからげに”中継ぎ”即位といわれていたけれど、そんなこともないんだなぁとこれを読んで思ったさ。 日本の古代社会における女性の地位と王権のあり方から、個々の女帝の統治を分析している点でなるほどと。 もちろん通説どおりの”中継ぎ”女帝もいたけれど、個人の資質から推されて即位した人もいたん…  全文読む 評価する

下流社会 下流社会
ぽむ/マーケティングの視点から
 とりあえず読んでみようと思ってさっと読み。 読み物としては面白いんじゃないかな。 ときどき日々接している現実を鋭く突くフレーズがあってドキッとする。 その反面そういう類型化ってないんじゃないの?と思うところも多々あり。 私はあえて分類するなら”普通のOL”系と”かまやつ女”系の間らしいけど。  ギャル系の女の子のインタビューは笑ったなぁ。 でも背景にあるのはそれだけじゃあないんだよって反論したくなる。  この人、自分の狙ったように照明を当てるのがうまいんだ。  …けっこう私、”下流度チェック”あてはまるんだよねぇ。  全文読む 評価する

司馬遼太郎が考えたこと 司馬遼太郎が考えたこと
ぽむ/あれから10年も
 今年の初めから文庫版が出始めて、月1ペースでちっくりちっくり読んでたのが、もう12巻。 13巻も出てるよね。 ひょんなところから年の瀬感が高まる。 エッセイはともかく含蓄が深いのでいつもながらたいしたことは書けないけれど、心の残ったフレーズがあった。 …安田章生さんの言葉だっていうから孫引きで、しかもうろ覚えなんだけど。 「教師は教え子に傘を差しかけてやる程度のことしかできないんですねぇ」 そんな言葉。 できることは限られている。 しかもホントにそれがかれらのためになっているのかわからないときもある。 でもやるんだ。 電車の吊広告で「司馬遼太郎の予言」なんて見出しがあった。 なかみは読んじゃ…  全文読む 評価する

シュメル−人類最古の文明 シュメル−人類最古の文明
ぽむ/人間の変わらなさ
 冒頭に三笠宮様の言葉があって、びっくり。 そういえばこの宮様、オリエント氏の専門家だったっけ。 先日の女系天皇をめぐる私的コメントをみて「おいこら」って思ったたけどもさ. で、シュメル。 そのかみには”シュメール”って教わったし、今も教科書ではそうなっているけど、ホントは”シュメル”の方が言語に近いんですって。 駄洒落みたいな理由だけど。 私個人としては”シュメール”っていう方が雰囲気だなぁ。 どことなく呪術的な語感が謎の民族って感じがしませんか。 教科書では古代文明の始まりのとこにちょろっと出てきただけで、すぐさまオリエントのさまざまな民族の盛衰に飲み込まれてしまうシュメル人だけど、案外と…  全文読む 評価する

峠
ぽむ/立場によって生きるんだ
 昔、司馬遼太郎の作品の中ではこれが一番好きだといった人がいた。 私も嫌いじゃないけど、それよりもっと好きな作品はいっぱいあるなぁ。 なんだかね、河井継之助の人格の力に飲まれちゃう気がして、ぐいぐい読むけれども、ぐったりしてしまう。 最後に自分の火葬の準備をさせるあたりの凄みといったら。 とてもじゃないけどお墓のテレアポの非じゃないわ。 学問に陶冶された人格の強さを感じる。…教育って恐ろしい。 でも陽明学って朱子学とはまた違った意味で疲れる学問だなぁと思う。 朱子学は大義名分にこだわり続けること、陽明学は行動し続けることに疲労を覚える。 私、ノンポリ軟弱者だから。 でも「人は立場によって生きる…  全文読む 評価する

ビター・メモリー ビター・メモリー
ぽむ/生きてくことのしんどさ
 この頃また小説を読むようになった。 忘れたい現実が多すぎるからなのかどうか。 高校のときから好きだったシリーズ、気がついたら新作がいくつも出ていたのであわてて読み出した。 作中にちらちら出てくる登場人物の過去が、今回は大きな流れになってきたなぁという感じ。 だけど、枝葉の部分のエピソードの落ち着き先がわからないところは不満といえば不満。 ビターすぎたからあえてぼかしたんだってことなら納得はできるから。  全文読む 評価する

女教皇ヨハンナ 女教皇ヨハンナ
ぽむ/カトリック教会の世界は伏魔殿?
 宗教の世界は昔も今も男尊女卑ね。 カトリック史の暗部をとりあげる…というのは、『ダ・ヴィンチ=コード』が火をつけたこの頃のはやりなのかどうか。 ”女性の教皇”がいたっていうことは、前に本で読んで気にはなっていた。 だからこの本も新聞の広告で見て「おおっ」と思ったものの、手に取ったのは今。  まだ中世になりきっていない時代。教科書なんかではカールの戴冠の後はさっくり“神聖ローマ帝国の成立”って流れだもんねぇ。 男女問わず貧しい中から立身出世を遂げるにはやっぱり聖職者になるしかないのね。それでも女の子が学問するってこれだけ大変なことなんだ。 ノルマン人の襲撃や皇帝と教皇の対立を織り込みながら、ス…  全文読む 評価する

レナード現象には理由がある レナード現象には理由がある
ぽむ/ほんのりあえかに。
 表紙を見ると何だか今までと雰囲気が違うけど、読み出したら安心。 やっぱりラヴ・ストーリーはこうでなくっちゃ。 このとぼけててあえかな感じがいいのよねぇ。 もう秋も終わってしまったけど。 私も憎からず思う男の子と公園にドングリを拾いに行きたいわ。 初恋はかくあれかし。  全文読む 評価する

14歳の法律相談所 14歳の法律相談所
ぽむ/節目の年頃?
 13歳とか14歳とかってある種の境界線なんだなぁ…ということをとみに感じるこの頃。  そんなタイトルのご本を目にすることも増えてきた。  で、これはロースクールですって。 「法律を知ることで、どういった行動がどんな結果を招くのかを学び、軽率な行動、犯罪を防ぎます」とのこと。 なかみは刑事と民事に関して、若い人に起こりうる50に事例を紹介している。 万引きとか、又貸しとか暴力とか、学校の中でもよくありがちなトラブルについても出ていて参考になる。 …けっこうそういうトラブル経験してきたなぁ。 もちろん学校だからね、法律で定めるのとは違う指導のあり方ってあるんだけど。 なかなか興味深かったのは、「…  全文読む 評価する

江青に妬まれた女 江青に妬まれた女
ぽむ/まさにファーストレディ
 中国の元国家主席、劉少奇の夫人だった王光美が亡くなった。 ちょうど本読んでたところだったからびっくり。 学生の頃、文化大革命の本を集中して読んでた時期があって、そのときからこの人のことは気になっていた。 革命中国の中で、明らかにこの人異質なんだもの。 異質というと語弊があるけど、毛沢東体制の中で自分のスタイルを堅持していたことがすごいじゃない。 しかも涼やかに。 そして文革後に穏やかに暮らしている姿もまた凛として素敵。  このところ中国の急成長の陰に隠れて、めっきり文革のこと言われなくなったけど、まだ40年ほどしか経ってないんだよねぇ。 いろいろな意味でとんでもない国だよ、中国は。  全文読む 評価する

歴史はおもしろい 歴史はおもしろい
ぽむ/激しく同意!!
 そうよ、そうなの、そのとおり!! タイトルには激しく同意。だけどそれを第三者(特に関心のない)に伝えるのって難しい。  これは福岡大学の歴史学科の先生方が総出で、高校生に自分の専門分野を通じて歴史の面白さを説くってご本。 こういうのって大事だ。総出でってのがすごくいい。  個人の研究テーマと北九州というロケーションをからめた、ここの問題提起がどれも面白い。 ”九州男児”のイメージゆえに激戦地に駆り出された連隊の話、鎌倉時代末期の九州武士の話、やっぱりこれからの日本史は地方が焦点になってくるのかなぁと思わせる。  特に北九州は環日本海、東アジアの国際関係を考える上で重要な土地だから、地元の大学…  全文読む 評価する

アジアージュ アジアージュ
ぽむ/アジアの海へ
 2005年に開館した九州国立博物館。 やっぱり時代は環日本海、環東シナ海。 この博物館のコンセプトはなんとタイムリーで興味をそそるのかしら。 「海の道・アジアの道」っていう広がりが楽しいわ。 単なる一博物館のガイドブックっていうだけじゃなくて、古代から近世(そしてきっと現代から未来へ)の九州っていう土地の重要性を再認識させる一冊に仕上がってるなぁ。  収蔵品の写真やそれについての記事もいいけど、博物館で働いている人や伝統文化を受け継ぐ人の言葉に愛と力を感じる。  私、絶対いつかここに行こう。  全文読む 評価する

イギリスの近代化遺産 イギリスの近代化遺産
ぽむ/近代化遺産の老舗
 産業革命期に建設された「近代化遺産」、橋梁・駅舎・炭坑・工場・発電所などの写真がたくさん。 こういった施設から産業革命の歴史を辿るってステキ。 この頃誰の影響か、技術史に興味がある。 技術そのものについては全然わかんないんだけどね。 ”近代化遺産”って言葉もこの頃よく耳にするようになってきたけど、そういうものを残していくのって大事なことよね。 産業革命の元祖、イギリスの橋や工場や駅舎のなんてステキなこと。 キュー・ガーデンは鉄とガラスの芸術、スミス・フィールド精肉工場やクロスネス下水処理場、ガスタンクの壮麗な装飾にヴィクトリアンな時代の空気を感じる。  全文読む 評価する

博物館の誕生 博物館の誕生
ぽむ/東博しみじみ
 日本最初の近代総合博物館は、上野のお山にある東京国立博物館ってことは何とはなしに知っていた。 東博はパスポート会員ということもあってけっこう足を運ぶ博物館だけども、いつ、どんな経緯でできたものかは、そういえば知らなかったなぁ。 明治期に近代化を進める中でできたんだろうなぁ程度の認識しかなかった。  それは確かにそうではあったのだけども、これを読んで、博物館建設がさまざまな紆余曲折をたどったことを理解した。  創設者の町田久成は薩摩藩出身で、外交官を経て博物館事業に関わった人。 ホントに不勉強で情けないけれど、彼の名前もここで初めて知った。 日本史の教科書にも出てくる内国勧業博覧会との兼ね合…  全文読む 評価する

千年、働いてきました 千年、働いてきました
ぽむ/老舗のしぶとさ
 学生の頃研究室の先輩にすすめられて、この人の『コリアン世界の旅』というのを読んだ。 気がつけば大学の先生になってたのねぇ。  最近私、技術史とか興味あるからこういう類のご本がやっと面白くなってきた。 いわゆる”老舗”の存在は、日本人には当たり前のことじゃないかと思うけど、他のアジア諸国にはそういった企業はほとんどないという指摘にびっくり。 そんなこと全然知らなかった。 直接の要因ではないけれど、著者があげているのが”職人のアジア””削る文化”と”承認のアジア””重ねる文化”の対比。 日本が前者です。 言われてみるとそうだなぁと思う。 より小さく、より高性能っていうふうに技術開発を突き詰めてい…  全文読む 評価する

下町の学芸員奮闘記 下町の学芸員奮闘記
ぽむ/文化財保護の地道な努力
 サブタイトルが”文化財行政と生涯学習の最前線”。 下町っていうのは江東区のこと。 ここでいかに文化財を保護し、活用していくかというとりくみについてまとめたご本で、博物館の活動ではなく、役所の仕事の一面というところが私には初めて出会う内容だった。 「文化財には美術品に代表されるような絶対的な価値と、地域的・歴史的要素による相対的な価値とがある。そして両者の複合的価値の把握が必要なのである。このことを理解していなければ、地域社会における文化財保護や活用は成り立たないだろう」…なるほど。 だから、地区別の文化財講習会や古文書講習会を積極的に開催しているのだな。 生涯学習と絡めて地域の人が文化財保護…  全文読む 評価する

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