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天国に手が届く 天国に手が届く
いずみ/良質の山岳小説
耳元に、風を感じた。山間を渡る冷たい風。踵の下数百メートルを吹き抜ける、空恐ろしい風。主人公佐和俊幸は日曜登山家である。学生時代に見初めた同い年の英雄的登山家小田切敬介と偶然同じ会社に勤めていることを知り、強引に近づく。山で亡くなった敬愛する叔父の面影を追う小田切ははじめ佐和を冷たくあしらうが、やがて……というお話。ふたりの山男の近づき方、微妙な距離感がいい。ザイルパートナーとなってからの信頼関係、恋愛感情に発展するほどのめり込んでからの葛藤など、日本の名山の繊細な描写とともに丁寧に書き込まれた文章にも好感が持てる。ボーイズラブであるし、最後にはお定まりの展開も用意されているので、万人向けでは…  全文読む 評価する

赤ちゃんの値段 赤ちゃんの値段
いずみ/黒いうわさと、子育て環境の脆弱性
「養子縁組の黒いうわさは、海外では公然の秘密です。南米ではボロい商売で、弁護士が大儲けして御殿を建てたりしている」「かつて『養子輸出大国』と呼ばれていたフィリピンや韓国では、国の恥という認識が広がり、汚名を返上しようと改善を図っている。一方、日本では個人レベルの斡旋事業者が多いが、実態調査はまったく行われていない。法整備もかなり遅れている」「解決の第一歩は、養子縁組に関するハーグ条約を批准すること。しかし、国は『批准すると仕事が増えてコストがかかる』『養子縁組は個人の問題だから関与しない』と主張し、批准に向けて動き出そうとしていない。国際養子縁組の監視を強めつつある世界の潮流とは完全に逆行して…  全文読む 評価する

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