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政治家失格 政治家失格
半久/政治家の器
「勝ちすぎ」というか「勝たせすぎ」というか、まあ、比例代表制一本だったらこんなに差はつかなかったわけだ。国によって事情が異なるので、小選挙区制あるいはその優位制なら「どこでも・いつでも」こうなるわけではないが、この「激変効果」には負けたほうが茫然自失になるのも無理はない。これでは、日本は二大政党制にはならないという意見もでてきている。以前、5%が帰趨を左右すると書いたが、民主党は得票率にして11%の上積みをはたした。事前予想では、投票率が70%半ばまで上がれば、増加分はこんかいは民主党に流れやすいだろうから民主党の大勝が見えてくるというものがあった。それほど投票率は伸びなかったが、それでも民主…  全文読む 評価する

現代の政党と選挙 現代の政党と選挙
半久/18歳からの、政党と選挙を考えるための基本書
《本書の狙いは、政党と選挙に関する新しい研究動向を平易に説明し、現段階における政党研究および選挙研究の水準を示すことである。》18歳のみなさんでなくても、もっと大人の人でも、いざ「政党とはなんなのか」(定義付け)とか「政党の機能・構造はどうなっているのか」と聞かれて、すらすら答えられる人は多くないと思う。だけど、それは恥ずかしいことじゃない。学者だって《政党を定義することはそれほど容易ではない。》といっている。イギリスの政治学者のウェアは、こういっているんだ。《政党とは何かを定義しようとすることは、象とは何かを定義することと似ている。》これまで多くの政治学者が定義付けをしてきた。でも、どの定義…  全文読む 評価する

首相の蹉跌 首相の蹉跌
半久/彼らはどこで躓いたか
なかなか重厚なノンフィクションだ。派手な演出はないが、渋いドラマを見ているようなおもしろさがある。あらすじは知っているから再放送のドラマではあるけど、見逃した回がけっこうあったし未公開映像もたっぷりであきさせない。ドラマのようなというのは9割はほめ言葉だ。1割は、盗聴マイクをつけたわけでもないだろうに、どうやってこんなのまで拾えたのだろう?という疑問だ。それだけ、生々しい発言が飛びかっている。いらついたときでも皮肉な調子を崩さず、激怒指数が低そうだと思っていた福田元首相だが、べらんめえな怒号を発したときにはびっくりした。《本書は、善悪の彼岸から、なるべく醒めた視点で政治ゲームを眺めてみたい。》…  全文読む 評価する

政権交代論 政権交代論
半久/手段としての政権交代、目的としての政権交代
一般論としての政権交代必要論と、著者の政治的立ち位置が要請する政権交代必要論が同伴している。別言すれば、「ときどきは政権交代があったほうがよい」という考えと、著者が念願する中道左派政権(第三の道・社会民主主義)を誕生させるために「いまこそ政権交代が必要だ」というアピールの同居である。両者が渾然一体となっているとまではいわないが、ちきんと切り分けられているかは疑問だ。「ときどきは政権交代があったほうがよい」という考えからすると、中道左派政権もいずれは澱んで行き詰まってくるのであって、そのときは第2勢力に民主的に権力を移譲するのが至当ということになるだろう。しかし時の第2勢力は、カウンターとして強…  全文読む 評価する

政権交代の法則 政権交代の法則
半久/派閥政治と政権交代
中心になるのは、自民党の派閥を主役にした権力闘争の政治史だ。派閥政治が疑似政権交代を促進してきたとしている。それを「あえて捜せば」とことわっているが、功であると評価している。このあたりは、著者も認めるように語り尽くされてきたことでもあり、とくに新味があるわけではない。もちろん、ご存じない方なら読んでみていい本だと思う。どちらかというと政府与党寄りの立場で、体制内改革に期待しておられたとのことだが、そろそろ真の政権交代について、(「すべき」とまではいっていないが)視野に入れなければと考えておられるようだ。民主党に1章割いていて、各グループの解説をしたあと自民党と類似の派閥が生まれるかどうかといっ…  全文読む 評価する

あした選挙へ行くまえに あした選挙へ行くまえに
半久/4~6年後に選挙に行くまえに
いま14歳の少女少年は、もしかしたら4年後に選挙権を得ているかもしれないな。選挙については教科書で教わるのだろうけど、著者はこういっている。《この本は、選挙というものについて、じっくり考えてみようというものです。学校の教科書にも選挙についての解説は出ていますが、なかなかわかりにくく、無味乾燥なものが多いですね。そんな教科書とは違う、まったく新しい解説書をめざしました。まずは読んでみてください。》はいっ、読んでみました。それで「まったく新しい解説書」になってるかどうかについては太鼓判は押せない。だけど、調べた範囲では、中学生向けでこういった選挙ものの本はあまりなかったんじゃないかなという気はする…  全文読む 評価する

14歳からの日本の選挙。 14歳からの日本の選挙。
半久/45分で
著者はどんな人かということは気にかけずに読み終わって、なんの気なしに奥付を開いたら、あれ~、これはときたま(すみません、TVタックルはめったに見ないもので)テレビでご尊顔を拝見する、あの三宅氏ではないですか。失礼ながら名前のほうは失念しておりました。しかし、これは気づきませんよ。《歯に衣着せぬ辛口評論でお茶の間の人気を博した。》人なのに、本書での語り口はとってもソフト。議員名は”さん”付けだ。宣伝文句のとおり、45分あれば14歳でも読めそうだ。親子で読んでみるのもいいと思う。ところどころで政治評論が入るけど、マジメ一本槍の内容。「過激」にとはいわないが、もうちょっと脱線してもよかったかもしれな…  全文読む 評価する

自民と民主がなくなる日 自民と民主がなくなる日
半久/政界のあさってはどっちだ!?
「選挙前に大がかりな政界再編があるのでは?」という観測が一部でささやかれていたが、少数離脱があっただけで結局はそうならなかった。たしかに、再編して対立軸をもっとはっきりさせて選挙に臨んだほうが、すっきりしてよかったのかもしれない。しかし、そうはならないのには「大人の事情」というのがいろいろあったようで・・・。著者は、政界の人間関係に通じていて「ヒューマンファクター」ということばを使う。それが再編の軸になるそうだ。横文字にするとかっこよさそうだが、惚れた腫れた・・・じゃなかった、好き嫌いという感情的な人間関係要素がそこにはふくまれていて、ある程度は離合集散の方向性に影響しているのではと思ってしま…  全文読む 評価する

アメリカはなぜ変われるのか アメリカはなぜ変われるのか
半久/日本だって変われます
《デベリは犯行宣言で不気味なことを予告した。「さらに多くの人がこうしたビデオをつくるだろう。アメリカ政治の将来は普通の市民の手に握られている。ゲームのルールは変わったのだ」。デベリの予告はそのとおりになった。》話はガラッと変わる。読む前にタイトルを見て、ああだこうだ考える癖がある。『アメリカはなぜ変われるのか』の”なぜ”だけど、これは帯文にあるように「日本はなぜ変われないのか」という問いが裏に張りついている。セットで考えるなら”答え”は、「民主主義体制を敷いているのだから国民の過半が変わりたいと思えば変わるのだし、変わりたくないと思っていれば変わらない」ではないだろうか。じつに陳腐な”答え”で…  全文読む 評価する

地方自治体をめぐる市民意識の動態 地方自治体をめぐる市民意識の動態
半久/多文化世界における市民意識の動態 2
全11章のうち、7章分が日本、3章分が韓国、1章が日韓比較になる。すべて執筆者の異なる単発論文集だ。地方自治体というテーマは大きいというのも一要因だろうが、まとまりが悪い感がある。韓国に関心がないわけではないが、韓国編は後巻に回したほうがよかったのではないかと思う。目次紹介第1章 地方分権時代における地方自治体の現状と課題 小林良彰第2章 日本における住民意識の基底要因 名取良太 第3章 日本における社会参加と住民意識 三船毅 第4章 日本におけるソーシャル・キャピタルと住民意識 羅一慶 第5章 日本における情報公開と住民意識 中谷美穂 第6章 日本における高齢者福祉と住民意識 佐々木寿美 第…  全文読む 評価する

世襲議員ゴールデン・リスト 世襲議員ゴールデン・リスト
半久/生き残るのは誰か?
肖像写真がデカッ。一人の議員あたり1ページを割りあてているが、写真がタテ9.5センチ前後、ヨコ7.5センチ前後(一部例外あり)の大きさで上半分を占有している。政党のHPから収録したとのことだが、解像度の荒い写真をスムージング処理せずに拡大した、輪郭がギザギザの見栄えの悪いものが掲載されている。その写真の右横にやたらでかい議員名が、左横には白抜きの一口コメントが添えられている。このカクカク・ギザギザ写真は、たぶん手抜きではないのだろうと深読みしてみた(深読みというほどのものではないが)。代々続く老舗には、伝統と格式を感じる日本人はけっこういるだろうが、世襲議員はそうではないんだよということかな。…  全文読む 評価する

民主党の研究 民主党の研究
半久/「政権担当能力の虚実」
おっ、新書でバージョンアップ版(新版)をだすというのはそうあることではないが、よい試みだと思う。研究といっても切り口はさまざまだが、本書は歴代リーダーの人物像を軸とした民主党史・政界探訪が中心になっている。全体の5分の4ほどの分量を占める。政界ものというと、自民党に焦点を当て野党は脇役の政界戦国史といったものが多い。本書のように野党の動きを追う形で見ていくものもあっていいと思う。でも、事前にはもっと多彩な研究内容を勝手に期待していただけに、ちょっとここが長い気がした。これはこれで割り切って読めば、つまらないということではないのだが。それにしても、2002年には党内から早くも「賞味期限切れ」とい…  全文読む 評価する

オバマの原点 オバマの原点
半久/原点を忘れずに
バラク・オバマ本人のこと以上に、オバマに影響を与えた人物について描写しているのが本書の特長だ。思想的な支えとなったのが、コーネル・ウエスト。アフリカ系アメリカ人初のシカゴ市長となった、ハロルド・ワシントン。コミュニティー・オーガナイザーからは、サウル・アリンスキーを筆頭に、ジェリー・ケルマンにリンダ・ランドル。オバマの上院議員議題からの腹心アル・キンドル。公民権運動の側からは、マーチン・ルーサー・キングにジェシー・ジャクソン。公民権運動に理解を示したロバート・F・ケネディ。有名人もいるが、こういった人たちのことはよく知らないという方に価値ある本だと思う。たとえば、ジェシー・ジャクソンの功績に民…  全文読む 評価する

選挙裏物語 選挙裏物語
半久/「表」が「裏」を超えていく時代へ
「あとがき」は構成者が書いている。聞き書きなのかな?と想像したが、構成者がいるのに、「選挙必勝の実戦ノウハウ」の章で関係ない「国会議員の美味しすぎる特権」が語られるなど組み立てが雑なところがある。内容にも、部分的に首を傾げたくなるような箇所があった。以上がマイナス点になる。著者を疑うわけではないが、伝聞についてはどこまでが真実でどれが「都市伝説」の類なのか、判然としがたいものもある。「事実は小説より奇なり」なのだし、たぶんありえる話なのだろうけれど。裏物語としては、公職選挙法が改正され連座制が強化された1994年以前のほうが、「豪快な(あきれるような)エピソード」にはこと欠かなかった。「政治が…  全文読む 評価する

民主党 民主党
半久/民主党の基礎知識
「民主党のことがよくわかる。だが、民主党がなにをやりたいのかはよくわからない」というフレーズが、読後浮かんできた。上記はだいぶ語弊がある。まず、なにが「わかる」のかというと、1.民主党の10年史、2.代表交代劇と人事抗争から見た歴史、3.選挙の戦績、4.主要人物・グループ図鑑、5.機構・地方組織・資金力、6.公約・マニフェストの変遷などだ。一言でいえば「民主党の歴史と組織」ということになるだろうか。著者は過去に民主党の事務局長を務めたことがあり内部事情にも詳しいのだろうが、各ポイントとも冗長にせずに簡潔にまとめている。民主党について、ざっとでいいから知っておきたい人には好適のガイドになっている…  全文読む 評価する

世襲議員のからくり 世襲議員のからくり
半久/「世襲」というお仕事
全173ページ。このところ、薄い新書には文春新書であたることが多い。まあ、たまたまなのだろう。本書のばあい、テーマが世襲問題一本なのだし、一般向けにはこれくらいの分量でも十分なのかもしれないなと思い返した。さらっと読めていい。世襲議員が「絶対悪」だとは思わない。だが「立候補の自由」を叫ばれても、とくに国政において私ら市井の人間の大半には「立候補の自由」なんてほとんどないようなものだ。事実上、規制されているようなものなのだ。ただでさえハードルが高いのに、特定の人だけが有利になる「からくり」に支えられているなんて納得がいかない。だから立候補の自由は原則として確保するが、「機会の平等」を高めるための…  全文読む 評価する

世襲政治家がなぜ生まれるのか? 世襲政治家がなぜ生まれるのか?
半久/「トラの皮をかぶったヒョウ」ではいけません
内容紹介はこちら目次はこちら(補足をすると、「はじめに」が6~13ページ。第一章 「講演 一票の格差と日本の将来」が17~84ページ。第二章 「講演のあと、さらに考えたこと」が87~97ページ。「付属資料」が101~285ページ。付属資料が本論のおよそ倍もある珍しいタイプだ。)章題を見ればすぐわかるように、これは「一票の格差」問題についての書なのである。著者は格差というより「投票価値の不平等」の問題として論じたいというのが本意のようである(格差は相対的平等の概念。投票価値の平等は絶対的平等の概念)。それには賛成だし、重要な問題だと認めるが、なんでこんなタイトルにするのかなあ(嘆息)。たぶん世襲…  全文読む 評価する

日本における有権者意識の動態 日本における有権者意識の動態
半久/多文化世界における市民意識の動態 1
本書は、このシリーズの第1作なので最初に目論見文を引用させていただく。---------------------------『叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態』 について本叢書は、平成15年に文部科学省により選定された「21世紀COEプログラム」の研究教育拠点のひとつである「多文化世界における市民意識の動態」(21COE-CCC)の事業推進に伴う研究成果の一部である。21COE-CCCでは、グローバル化が進展して多様な文化が交錯する21世紀に必要とされる市民政治学の立ち上げを目指して、従来、政治指導者層の研究に偏りがちであった政治分析に、アクターとしての市民の意識分析…  全文読む 評価する

浮動票の時代 浮動票の時代
半久/浮動票が時代を変える
浮動票(層)と無党派層はどう違うのだろう。著者の表現では《浮動票の時代の中心をなすのは、無党派層+α(支持政党への離反層)だ。》とのことだ。地盤が液状化し、組織・団体など既得権益の空洞化が広がったため、この浮動票の影響力が増している。《旧来の政治家にとっては、票読みのできない混沌とした時代になったといえるかもしれない。一方、しがらみのない有権者から見れば、自分が一票を投じることで政治の流れを変えやすくなったのだ。ようやく日本でも、民主主義を一般の有権者の手中にしっかりと収めることができるようになったともいえる。》浮動票だけで選挙に勝つという現象すら起きている。著者もほとんど浮動票だけで市長の座…  全文読む 評価する

選挙協力と無党派 選挙協力と無党派
半久/無党派層が時代を変える
選挙・投票行動の研究書は、数値データをもちいた重回帰分析などの統計処理をメインとしたものが多い。学者の書いたものは、記述が無味乾燥というか坦々としがちなのだが、これはしょうがないことなのだろう。本書はジャーナリストの手になるだけあって、数値データも随所にでてくるが、政治家の発言をふんだんに織りこんだドキュメンタリー・タッチになっていて退屈せずに読める。高度な統計解析はないが、一般人をターゲットとするなら十分なレベルだろう。著者は冒頭で、せっかくの比例区なのに衆議院選挙では「死に票の山」ができていると嘆く。衆院選では全国を11のブロックに分けているのでそうなるのだが、これでは民意反映を重視し、少…  全文読む 評価する

政党が操る選挙報道 政党が操る選挙報道
半久/コミュニケーション戦略の「成功」と「挫折?」
《二〇〇五年の衆院選は、「コミュニケーション戦略(コミ戦)」が試みられた、史上初の選挙となった。キーパーソンは、NTT出身の自民党議員・世耕弘成。民間企業の広報PRを政治の場に応用すべく結成された「チーム世耕」は、徹底した危機管理と情報操作で、ついには自民党を大勝利に導く。二大政党の一角とされる民主党もコミ戦に着手している今、私たちはどのように政治報道に向き合えば良いのか? 本書は四半世紀もの間テレビメディアの世界で生きてきた著者が、政党によるメディア・コントロールの手法を具体的かつ詳細に暴いた、選挙前の必読書である。》(以上は、リード文から引用)書籍試し読みはこちらあの「郵政選挙」での自民党…  全文読む 評価する

戦後政治の謎自民分裂を予感させる「30の真実」 戦後政治の謎自民分裂を予感させる「30の真実」
半久/「その時、政局が動いた」
日本自由党は、なぜ児玉誉士夫から結党資金の提供を受けたのかという謎からはじまって福田康夫前首相の話まで、政界を揺るがした「事件」を中心主題として戦後政治の謎に迫っています。本一冊書けそうな話も多く、一話ごとのボリュームのなさがもの足りないです。その反面、つまみ食い的ではありますが、戦後政治の流れに沿った政局エピソードを楽しめるのが利点でしょう。証言のくい違いなどもあって、かならずしも「真実」が白日の下にさらけだされるわけではありませんが、著者は「謎解きのヒント」にしてほしいとのことです。ただ、本編を通読しても、それだけで自民党の分裂を予感させるとまではいかなかったです。総選挙の結果によっては分…  全文読む 評価する

それはないでしょ!?日本の政治 それはないでしょ!?日本の政治
半久/「それはないでしょ!?」が、しょっちゅうなのがこの世界
この世はアイロニーに満ちています。政治の世界も例外でない・・・というか政界こそが本場かもしれません。たとえば、第4章『小泉政権の遺産』における、2.「憲法を守った小泉さん」がそれ。与党議員が3分の2の議席を占めたとたんに、「憲法改正」が遠のいたのだとおっしゃる。はてさて、これが意味するものはいかに?本書は、著者が雑誌に執筆した、政治、経済分野のエッセイをまとめたものです。時期的には小泉政権の末期から、安倍政権、福田政権の半年間までを批判的なポジションからウオッチしています。雑誌発表分をただ収録しただけでなく、各章の冒頭に解説を、各項目には後日談をつけているのがいいですね(本文が敬体、追加分が常…  全文読む 評価する

激論!「裁判員」問題 激論!「裁判員」問題
半久/裁判員制度をめぐっての白熱の討議
「おもしろい」といったら不謹慎かもしれないが、非常に白熱した「論争」になっていると思う。木村氏は《裁判員制度について賛成派と反対派がこれだけ激しい議論を戦わせた例を、私はほかに知りません。》といっている。それでも、議論がエキサイトするあまり一線を越えて、人格攻撃にいたるようなことがないのがいい。議論はディベートの形式をとる。リングに上がるのは、反対派の代表が、『裁判員制度の正体』がベストセラーになった、元裁判官で現在は大学で教鞭を執っておられる西野喜一氏。賛成派の代表が、刑事弁護界の重鎮でありロー・スクールの教授でもある高野隆氏だ。司会・進行役を務めるのがマス・メディアでおなじみの弁護士、木村…  全文読む 評価する

偶然のチカラ 偶然のチカラ
半久/偶然があなたに微笑むとき
あえていうと「宗教書」なんだと思う。たとえば、《幸運ばかり願う心にこそ災いは忍び込むものである。》というテーゼは論理的にはどうか。人の「願い」は、艱難ではなく幸運を祈念するのが普通のことだと思う。「なぜ、幸運ばかり願っていると災いが忍び込むのか」、これを論証するのはむずかしい。だけど、付随する著者の説明を聞いて、なんか「ああ、そうかもね」と肯定的に受け容れたくなる自分もいる。全42題、不信心者で不心得者の私でも、さほど抵抗感なく読めるものが多かった。《われわれの社会では、起こることは起こるし、起こらないことは決して起こらない。》これなんかも、ここだけ切りとるとモゾモゾしてくるのだ。「この地球上…  全文読む 評価する

舞台ウラの選挙 舞台ウラの選挙
半久/舞台ウラ解説の裏側
著者は、「選挙プランナー」として9割近い勝算率をあげている。その秘訣は、「運が良くて当選しそうな人しかクライアントにしない」ということなのだそうだ。「えっ、これが秘訣?」と拍子抜けしそうになったが、考えてみれば条件にあう候補者を見極める眼力がなければ達成できないことだ。勝算率がすべてではないのだろうが、著者の非凡な才能はさすがといったところだろう。以前紹介した『選挙の裏側ってこんなに面白いんだ!スペシャル』と重複があるが、「選挙と金」の話なんかは本書のほうがくわしい。あちらはほめたので、本書については以下、ツッコミどころを指摘してみたい。まずは、「メラビアンの法則」について。他人への影響力とい…  全文読む 評価する

ホープス&ドリームス バラク・オバマ ホープス&ドリームス バラク・オバマ
半久/見て読むオバマ その3
紙質にはくわしくないので感触でいうと、ざらっとしていて平滑感がない。だからなのか、写真の粒子があらい感じがする。好みの問題だが、光沢のあるほうが私は好きだ。写真の一部を四角くカットして、そこに別の写真をくいこませるレイアウトを多用しているが、効果があるようには思えなかった。オバマ・ビジュアル本のなかでは、写真の数、テキスト量ともに多い。そこがとりえだろう。オバマが自宅で皿洗いをしている生活感のあるシーン、通っていたキャンパスの風景などがいい。ただ、先の理由と小さめの写真が多いこともあって、せっかくのビジュアルも、そのインパクトは低くなってしまっている。テキストは、オバマ語録をちりばめながら、生…  全文読む 評価する

オバマのアメリカ オバマのアメリカ
半久/いわゆる、ひとつの関連本
著者によると、オバマの勝利について《最大の勝因は「敵失」との見方がもっぱら》なのだそうだ。いやあ、いろんな見方がありますね。最大かどうかはともかく、そういう見方もありえるとは思うけれど。さて、本書はいちおうオバマ関連本の一つだが、主な内容はアメリカを震源とする世界金融危機の問題を解説し、日本とアメリカ、そして世界の経済のゆくえを展望したものだ。思えば、ここ1年で金融問題の本が多数出版された。あまり読みくらべていないので、本書が金融問題について、どれくらい的確かということはわからない。申し訳ないがそこはすっとばしたい。米中関係について1章を割いているが、ここは興味深かった。1949年以来の両国関…  全文読む 評価する

選挙の裏側ってこんなに面白いんだ!スペシャル 選挙の裏側ってこんなに面白いんだ!スペシャル
半久/「そうだ、選挙にも行こう!」
主に保守系の候補者にかかわってきた、日本初の「選挙プランナー」である三浦氏。これに対して、主に革新系の候補者にかかわってきた前田氏。両氏が経験し見聞してきた「選挙の裏側」を、(明かせる範囲でということだろうが)一部きわどいものをふくめて披露してくれる。立場の異なるお二人が、さまざまなトピックについて角度を変えて語っている。一方通行でない立体的な構成になっていて、共同執筆という作業がうまく効いている好例だと思う。お二人が「共闘」できるところもあるようで、戸別訪問の禁止に象徴される公職選挙法の改革がそれだ。たしかに、ちょっと厳しすぎるようだ。《炊き出しのおばちゃんがおむすびをこしらえて提供しても、…  全文読む 評価する

「アメリカ社会」入門 「アメリカ社会」入門
半久/「そうだ、アメリカへ行こう!」
15年暮らした日本を離れ、著者は2007年にアメリカに移住した。大半がニューヨークでの体験で期間は短いが、本作でもその鋭い観察眼がいかんなく発揮されていて、たんなる二番煎じにはなっていない。ちょっと頑なに思えるところがあるのだけれど、さほど鼻につく感じはしない。ほろ苦いユーモアをひとつまみ入れた、滋味あふれる紅茶のような味わいのアメリカ見聞記だと思う。著者は、冒頭から読み手の興味を誘う。《成人してから、ぼくはふたつの国に住んだ。いずれも母国イギリスではない。日本とアメリカだ。どちらの国に、より強い違和感を覚えるかと聞かれたら、ぼくは間違いなくアメリカと答えるだろう。》ステレオタイプなイメージと…  全文読む 評価する

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