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イギリス田園都市の社会学
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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都市再生論がにぎやかだ。「鉄の宰相、サッチャー流の新自由主義的都市再開発手法の導入で都市改造を」という主張がある。しかし、本書の六章「現代都市と田園都市の理念」は、サッチャー政権の都市政策が貧富の差を拡大し、「現代の二都物語」を生み出したことを指摘する一方、ロンドンの下町で「市民による土地の共同取得」「非営利組織による都市経営」というハワードの田園都市論に通底する試みが行われていることを紹介していて興味深い。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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ウォルマートの真実
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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ここ数年、日本進出を噂(うわさ)されていた世界最大の小売業、米ウォルマート・ストアーズはこの三月、西友を事実上、買収することを発表し、噂は現実のものとなった。本書は、創業約四十年で巨大企業に急成長したその原動力を創業者の故サム・ウォルトン氏のエピソードを交えながら同社の経営理念を紹介し、歴代の経営陣らの業務改革の取り組みなどを詳細に解説している。 著者は約二十年近く、ウォルマートウオッチャーを続けている。その膨大な資料と、店長や従業員からヒアリングを重ねた取材をもとに書き上げた。そこで導き出されたのは、同社は情報技術(IT)の整備でも民間企業として最大と言われているが、それは事務の効率化が主…
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桂米朝
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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「私は上方落語の不毛期に育ち、成人し、人生の晩年になって米朝さんという巨人を得た」と書いたのは司馬遼太郎。滅びかけた上方落語を再興し、多くのうずもれていた古典を復活した桂米朝。その苦闘の一代記だ。本紙に連載した「私の履歴書」を大幅加筆、大阪の芸能史としても貴重な記録となっている。「落語家はしょせん世間のおあまり。むさぼってはいかん」と喜寿でなお至芸といわれる話術に磨きをかけ続ける人間国宝の姿に打たれる。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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中国商人の知恵
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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広大な中国を走り回っている日本のビジネスマンは数え切れないが、オムロン執行役員副社長の著者もその代表的な一人だ。世界貿易機関(WTO)への中国の加盟で、商機が増えることは間違いないにしても、中国の固有の文化、伝統などから、これを資本主義への移行の一段階などと簡単に呼ぶことはできず、数々の問題はとてつもない時間軸で考えなければならないというのが主題。足で稼いだ見聞記となっている。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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晴れ着の富士山
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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不思議な光と雲の衣装に包まれた富士山の風景を集めた。著者は米国で主に広告写真家として活躍した後、86年に山中湖にスタジオを設置。以来17年間そこに住み着き、夜明けから日没までシャッターチャンスを狙った。2万枚以上の作品の中から四季折々の80枚を選んでいる。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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ベトナム革命の素顔
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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ベトナム共産党の元幹部が、一九九〇年のフランス亡命後に著した二冊目の回想録。独立からベトナム、カンボジア戦争を経て今日に至るベトナム政治の内情を、赤裸々に描いた労作である。 ベトナム共産党が八六年にドイ・モイ(刷新)路線を採択して政治・経済の近代化に着手し、十五年たった。本書を読むと、中国に比べなぜベトナム経済の改革と発展が大きく遅れたかがよく分かる。 二十世紀の共産主義革命は、旧ソ連のスターリン、中国の毛沢東といった独裁者による血なまぐさい恐怖政治の一大悲劇を生んだ。だから両国は転換をためらわなかった。前世紀末にソ連は崩壊し、中国は市場原理を大胆に取り入れ、それぞれ二人の路線を明確に否定し…
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放送の20世紀
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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ラジオ放送が始まって今年で七十七年、テレビは来年で五十年になる。人々の日常生活に浸透したという点で、二十世紀はまさに放送の世紀だった。本書はNHKがOBや外部の専門家らを執筆陣に迎え、研究者を対象にまとめた「20世紀放送史」の普及版。当事者のエピソードを交えながら、民放を含めた放送の歴史を親しみやすい文体で紹介している。規制に抗しながら番組作りに取り組んだ草創期の放送人の姿が興味深い。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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明治のジャーナリズム精神
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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ジャーナリストを形容するときに決まって使われるのが「反骨」という言葉だ。しかし幕末から明治初期の日本のジャーナリストたちは、硬骨漢だけであるには忙し過ぎた。岸田吟香は上海で目薬を販売し、福地桜痴は政党創設をもくろみ、栗本鋤雲は島崎藤村に漢学を教えた。福沢諭吉には、当然ながら大学経営があった。 本書は、日本の近代新聞黎明(れいめい)期の動きを綿密に追った研究書である。書名こそやや堅苦しいが、内容は激動期の文人、知識人、外国人の豊富なエピソードがつづられており、実に人間くさい読みものになっている。 日本の近代新聞は文久元年(一八六一年)の英字新聞「ナガサキ・シッピング・リスト・アンド・アドバタイ…
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りんごは赤じゃない
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日本経済新聞/2002/06/16朝刊
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一人の中学校教師が、卓抜した指導力で生徒の才能を開花させ、美術コンクールで続々上位を占めるまでに育て上げる教育ドキュメンタリーだ。「りんごは赤」というような固定観念を取り払い、生徒たちが自発的に対象に向かうように導く。「環境問題」などというテーマだけを示し、自主的な調査研究を促す。また、結果だけでなくプロセスを評価することで、自尊心を養う。教育ばかりでなく、指導する立場にある人すべてに通用する貴重なヒントがあふれている。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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ア・ピース・オブ・ヘヴン
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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昨年木村伊兵衛賞を受賞した写真家の作品集。異郷へと向かう客船上の光景で、光と色にあふれた海、空を軸にして鮮やかな花を効果的に配置している。 ほぼ同時に、女性を撮った『like a peach』(講談社)も刊行した。「今」を映す旬の人である。(エディシオン・トレヴィル・2,700円)(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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イングランド
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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熱戦が続くサッカーのワールドカップ(W杯)。イングランドは、フーリガンという一部の乱暴なファンで悪名高いが、選手たちのプレーはクリーンなことで知られる。英国在住経験のある解説者の著者が、母国の誇りに裏打ちされた剛毅(ごうき)なサッカーの本質に迫った。味方にもずるを許さない精神、代々受け継ぐ地元クラブへの愛情のほか、スコットランドとの確執、アルゼンチンとの因縁まで、最新事情を交えて解説する。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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唄に聴く沖縄
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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今年は沖縄の「本土復帰」三十周年。本書が沖縄音楽入門書の形をとりながら、名曲ガイド以上の深みを感じさせるのは、「植民地」や「植民地後」の文化として沖縄の「うた」をとらえ直す視点が貫かれているからだろう。 〓唐ぬ世からヤマトぬ世、ヤマトぬ世からアメリカ世……。沖縄を代表する歌い手だった嘉手苅林昌(かでかる・りんしょう)の「時代の流れ」を引用しながら本書は、様々な支配者の植民地となってきた沖縄の歴史に言及する。「支配」がどんな影響を及ぼしてきたのか。数々の「うた」を通して、沖縄の人たちの心の変遷を考察していく。 「ヒヤミカチ節」は「七回転んでも、エイッと起き上がり、私たちのこの沖縄を世界に知らせ…
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オーラル・ヒストリー
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日本経済新聞/2002/06/02朝刊
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個人や組織の体験をインタビューして記録を作成し、口述の歴史を伝えるオーラルヒストリーの意義や課題を、分かりやすく解説した。政治家や官僚OB、企業トップなどの口述には時に錯誤や人間関係の絡み合いなどが如実に表れる。著者はオーラルヒストリーを「公人の専門家による万人のための口述記録」と定義し、史料ばかりでなく、政策意思決定のケーススタディーとしても利用価値が高いと説く。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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新卒無業。
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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文部科学省の調査によると、昨年三月の大学卒業者のうち就職も進学もしていない者、つまり「新卒無業者」は二一・三%に上った。十年前は五%台、五年前は一五%台だったことを考えると、異常な増加ぶりといえる。 なぜ、就職できないのか、あるいは就職しようとしないのか。本書は、リクルート社内にあるワークス研究所が、学生、大学、企業など現場の声をもとに調査、研究した結果をまとめたものだ。 就職試験などで実社会の厳しさに直面すると、いとも簡単に就職そのものをあきらめてしまう学生が増えたという。彼らは、働くことについて考える機会を持たないまま、就職という決断を先送りする。「就業観なきままの漂流」状態が続くのだと…
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世界最強の経営者
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日本経済新聞/2002/06/02朝刊
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グローバル化、技術革新の進展などで企業のトップは新しいビジネスモデルや世界に通用する経営手法の確立を迫られている。激しい環境変化を勝ち抜くリーダーシップ、経営戦略とは何か、ルイス・ガースナー米IBM会長、カルロス・ゴーン日産自動車社長ら著名経営者が実体験を踏まえて語る。ブランド論、情報技術(IT)の活用など多彩な内容。昨年秋に開いた第三回日経フォーラム「世界経営者会議」の講演、討議をもとに構成(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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大反転する世界
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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何がどう「大反転」するのだろうか。そんな思いに誘われて読みすすむと、著者のまことに懐深い歴史意識と鋭利な現代感覚に魅せられてくる。社会主義が崩壊しグローバル化が進展した一九九〇年代以降、現代史は急激に「大反転」しつつあるという。 二つのみ例示しよう。一つは「商品化」の加速。近年、情報通信やバイオなど、新しいテクノロジーにもとづく新しい商品群が続々と登場した。そこにあるのは、資本主義が科学・技術を総動員したテクノ資本主義として、臓器から知識まで万物を商品化しつつ、途方もなく自己を拡大した姿である。第二は「不平等化」であり、これは世界総所得の分配にかんする国連の数字に生々しい。一九六九年と九四年…
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対立か協調か
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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本書は、サンフランシスコ講和条約五十年記念プロジェクトであり、米国の若手研究者九人による日本と日米関係を安全保障、経済、メディア、技術など多角的な視点から考えた論文集である。編著者がこれらの研究成果を踏まえて日米関係の展望を示す。そこにあるのは悲観的ではないが、これまでの延長でもない新しい姿である。 編著者の父であるエズラ・ヴォーゲル氏の著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が日本で爆発的に売れたのは、およそ二十年前である。当時の日本は上り坂の途中にあり、その後十年間、それを上り続けた。米国では優秀な若者たちが日本研究に身を投じた。本書の著者たちもそのなかにいた。 著者のひとりグリーン氏は現在…
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なぜ日本の街はちぐはぐなのか
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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日本の都市はなぜ建物の高さがバラバラの街並みになっているのか、立派な住宅街にどうして、がらくた山積みの資材置き場が混在しているのか——こうした日々の暮らしの中で感じる疑問から掘り起こし、「都市計画法と建築基準法が街をダメにする」と喝破している。都市生活者としての視点を欠いた街づくりが都市空間の質を劣悪なものにしている、というのが本書の基本的な考え方。都市政策立案の現場にいた著者の反省の記でもある。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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人間科学
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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昨今は大学の学部名などで、旧来の名称を変えて、本書の書名のようにする例を、多く見かけるようになった。しかしそのような例の多くは、かつては人文科学とか、教養部とか言われている分野、あるいは各分野寄せ集めの部門の名称を、そう変えただけというものがほとんどである。その内容を伴う実体として新たに、人間科学なる新しい学問分野が誕生しつつあるわけではない、とそう思っていた。正確に言えば、本書を読むまではである。著者は、人間科学を次のように定義する。 「人間という普遍的尺度」は「科学的に」「客観的に」規定されなくてはならない。ただしその科学が物質・エネルギー系だけを対象とするなら、人間活動の大部分が抜け落…
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松下復活への賭け
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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松下電器産業の中村邦夫社長は二〇〇〇年六月に就任後、「破壊と創造」を掲げて時代に合わなくなった組織や事業構造に相次ぎメスを入れてきた。めまぐるしい技術革新や新しいビジネスモデルの登場によって、既存商品の競争力が急速にすたれるデジタル革命の荒波をかぶり、高度成長期に確立した大量生産・販売型の事業モデルは再構築を迫られている。本書は中村改革の歩みとこれまでの成果を検証した中間報告だ。 中村社長がまず打ち出した事業部制の実質的な解体は、縦割りの度が過ぎて組織が硬直的になり、経営資源のヒト・モノ・カネを効率配分できなくなっていたから。「パナソニック」「ナショナル」のブランドごとに商品企画や宣伝の組織…
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マネーロンダリングの代理人
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日本経済新聞/2002/06/02朝刊
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E・バックスほか著 国際的な資金取引の多くは、ユーロクリアまたはクリアストリームという決済会社の口座を経由する。そこには膨大な匿名口座があり、一部はブラックマネーの洗浄に活用される。クリアストリームの元幹部の内部告発をもとに構成した本書では、決済会社の裏の機能が詳細に語られ、どんな人や組織がこの特殊な会社に群がっているかを検証している。「知り過ぎた人」が不可解な死を遂げるなど、資本主義の暗部は底知れない恐ろしさを秘める。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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エスキモーが氷を買うとき
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日本経済新聞/2002/06/02朝刊
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氷がふんだんにあって買う必要のないはずの極北地域。そこに暮らすエスキモー(イヌイット)に氷を買う気にさせる。この常識破りのアイデアこそがマーケティングの極意なのだと著者は言う。 バスケットボールやアイスホッケーなど北米のプロスポーツビジネスで、数々の成功を収めた著者の文章はユーモアと機知に富み、赤ペンで線を引きたくなる個所が随所にある。業績改善に腐心する営業マンは特にそうだろう。 例えば勝てないバスケットチームの試合を観客で満員にするにはどうするか。必ずしも高い報酬で強い選手を集める必要はない。著者はかつてエルビス・プレスリーのそっくりさんのショーを試合とセットで開催する企画を立て、ラジオや…
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江戸浮世絵を読む
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日本経済新聞/2002/06/02朝刊
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浮世絵とはいかなるもので、だれのために、何を、どう表現しているかを四章構成で解説している。簡単に言えば浮世絵の入門書だが、叙述がすこぶる魅力的な点が本書の最大の特色だ。 著者は、十八世紀半ばから約一世紀の間、江戸の庶民は「地球規模でも最高の大衆文化を享受していたように思われる」と言う。その大衆文化の華である浮世絵の歴史について、通説を過不足なく取り入れる一方、意外と思わせる知見も豊富に盛り込んで、江戸文化の表情を立体的に浮かび上がらせている。 とくに興味を誘うのは「誰のための浮世絵だったか」の章だ。「江戸町人のため」というのが常識的な答えだが、ここでは旗本や大名、さらには将軍や宮中とのかかわ…
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ONとOFF
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日本経済新聞/2002/05/12朝刊
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ソニー会長兼最高経営責任者(CEO)である著者が、九八年から社内向けホームページに書いてきたエッセー集をまとめた。著者は時代の変化のスピードに乗り遅れてはならないと再三強調する。先の見えない時代に、独自の企業文化を保ち、新しい情報を発信し続けるには、変革への意志と個人の能力が必要だ。そのために生活の様々な分野に興味を持ち、仕事(ON)と仕事以外(OFF)の部分の「よい循環」を生み出そうと呼びかける。 ワインや音楽、ゴルフなど趣味へのこだわりを披露し、オフの横顔ものぞかせる。(新潮社・一、四〇〇円)(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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輝く瞳世界の子ども
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日本経済新聞/2002/06/02朝刊
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半世紀のキャリアを持つ写真家が、世界110カ国余りで撮影した作品のうち、子供にレンズを向けた写真を集めた。1960年代から途上国に足を運び、84年以降は親善大使の黒柳徹子さんに同行しながらシャッターを切った。キラキラと曇りなく輝く子供の目が印象的だ。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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紙表紙の誘惑
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日本経済新聞/2002/06/02朝刊
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アメリカにペーパーバックのようなものが出現したのは十九世紀前半、新聞の付録としてで、大きさも新聞とおなじだった。いまやすっかりお馴染みとなった新書判のものがあらわれるのは、二十世紀もだいぶたった一九三〇年代である。かのペンギンブックスがイギリスで成功したのに刺激されて、さまざまなものが登場し、結局、定価を二十五セントという「相当な安値」にしたポケットブックスが成功した。売るところは書店ではなく、新聞雑誌をあつかうニューススタンド。そこへの配送をどう安くあげるかが勝負だった。 本書は、アメリカのペーパーバックの歴史を追いかけたものだが、なによりユニークなところは、アメリカのペーパーバックを支え…
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ジェンダーの法律学
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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世界の全労働の三分の二は女性が担っている。だが、所得や資産の面で、女性は不利な立場に置かれている。家事・育児・介護などの無報酬労働は女性の仕事という性による役割分担が歴史的に固定してきたからだ、と本書は指摘する。「両性の本質的平等」に立脚した社会の実現を目指し、性差別の現状と廃止へ向けた国内・国外の取り組みを紹介した。すべての法学部で性差別廃止の法律講座を開設すべきだ、と著者は主張する。その教科書として最適である。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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初夜
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日本経済新聞/2002/06/09朝刊
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三十代以上の男女の恋愛を描く十一編を収める短編集。秘密を貫いたつもりだった不倫の思わぬ落とし穴、年かさの女性との恋愛の官能性、男性を知らぬまま子宮切除手術を受ける娘に対する父の危うい妄想など、大人の恋愛にまつわるさまざまな出来事を、丹念にすくい上げている。深い心理描写が印象的だ。官能的な場面にも美しさだけでなく、恐ろしさがある。恋愛物語の中に、現代を生きる人間ならではの屈折や想念が、たっぷりと織り込まれている。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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世界生物兵器地図
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日本経済新聞/2002/06/02朝刊
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生物兵器は「貧者の核兵器」と言われ、その脅威は昨年の米炭疽菌事件でも確認された。著者はサイエンスライターらしく生物兵器に使用される細菌に詳しく言及し、バイオテクノロジーの発展が安価な兵器開発を可能にしてきた経緯を解き明かす。オウム真理教のサリン事件など具体的事例にはじまり、遺伝子操作による特定の民族を狙った兵器の開発など背筋が寒くなる未来像まで提示している。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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棚田の四季
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日本経済新聞/2002/05/26朝刊
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各地の自然や風土を撮り続けてきた著者は、1997年春から4年半にわたり日本の130カ所余りの棚田を撮影してきた。本書はその中から64作品を選んだ写真集。人間が生きるために必死で山を耕した結果である棚田は、時に力強く時にはやさしく四季折々の表情を見せる。(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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