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スーパー・アヴァンギャルド映像術 スーパー・アヴァンギャルド映像術
新田隆男/映画はついにフィルム不要の時代に突入
 なにしろ映画の概念が変わろうとしているのである。サイレントからトーキー、モノクロからカラーへ移り変わった時に勝るとも劣らぬ第三の映像革命、それが「映画のデジタル化」だ。映画はついにフィルム不要の時代に突入するのである。 「トイ・ストーリー」から始まった日本のデジタル上映は、作品の完成形態がネガフィルムではなくデータとして存在する「千と千尋の神隠し」を経て、今年の夏、「エピソードII」の上映で飛躍的に広がると思われる。超大作の代名詞と思われた「スター・ウォーズ」の最新作は、ソニーの開発したHD24P、すなわちデジタルカメラで撮影されている。劇場用映画は70mmや35mmフィルム、比べて自主映画…  全文読む 評価する

トリュフォー、ある映画的人生 トリュフォー、ある映画的人生
新田隆男/トリュフォーの生涯を綴った映画のような一冊
 1994年に平凡社から出版された『トリュフォー、ある映画的人生』が増補版として甦った。とにかく、映像と活字ではメディアとしての資質が違う。作品の意味を読み取れば映像としての映画の本質はどんどん逃げて行き、逆に映像の魅力を追おうとすれば、単に無意味な言葉の群れだけが並んで行きかねない。活字で映画そのものを掴むことはほとんど不可能なのだ、ある特殊な才能に恵まれた人間を除いては。そして、そうした才能に恵まれた一人が著者である。そして、そんな著者の代表的な作品のひとつが、フランソワ・トリュフォーの生涯を綴った本書なのだ。 ヌーヴェル・ヴァーグの作家の中でも多作に類し(59年の長編デビュー作『大人は判…  全文読む 評価する

映画監督の未映像化プロジェクト 映画監督の未映像化プロジェクト
新田隆男/映画監督の未映像化プロジェクト
 「私の最良の映画は、まさに私が作らなかった映画である」と言ったのは、かのジャン・リュック・ゴダールだが、それを映画ファンが言いかえれば、「私にとって最良の映画は、まだ見ていない映画である」ということになるだろう。 面白い映画はまあ、誰が見ても面白いはずである。が、まだ見てもいない映画を楽しめるのは映画ファンだけに違いない。あの監督が今度、あの原作を映画にすると聞けば、その監督の過去の作品を思い出して、どんな作品になるのか、イメージを膨らませてみる。見てしまえば映画はわずか2時間程度。ところが、映画ファンというものは、製作が発表されてから公開されるまでの間、時には2年や3年もそうして楽しんでい…  全文読む 評価する

日常洋画劇場 日常洋画劇場
新田隆男/日常洋画劇場BacktotheTVfeature,ride!映画のことはぜんぶTVで学んだ!
 今のようにビデオやDVDが普及する前、映画は一期一会の存在だった(わずか15年くらい前まではそうだったのだ)。劇場で見逃したらアウト、次にはいつかテレビで放送されるのを首を長くして待つだけ。だから、たとえカットされていようが、吹き替えられていようが、映画に対して飢餓感を覚えていた少年たちは食い入るようにテレビを見守ったものだ。かくして、その少年たちが大人になり、その思いのたけを書き綴ったのが本書である。 人生で必要なことはすべてテレビで見た映画で学んだ、そう言ってはばからない映画ファン、もといテレビで映画を見たファンたちの情熱がひしひしと伝わってくる。映画は劇場で、しかも原語で見てナンボ、と…  全文読む 評価する

『地獄の黙示録』撮影全記録 『地獄の黙示録』撮影全記録
新田隆男/『地獄の黙示録』撮影全記録(ノーツ)
 ジャーナリストが記したメイキング本の類は今までにもあったが、撮影に同行した妻が記した、というのは他に類がなく、しかも相手がフランシス・コッポラで作品が『地獄の黙示録』となれば、興味は尽きない。とにかくエレノア・コッポラによれば、『ゴッドファーザーPARTII』が、金、権力、家族というコッポラ自身が私生活で抱えていた問題をそのまま映画のテーマとして取り組んだ作品だったように、『地獄の黙示録』も脚本を書きあげて行く過程で、自分自身も発見しようとする過激な試みだったのだとか。 コッポラはすでに解決した問題を映画にすることは出来ず、一歩引いて客観的に考えられることはテーマに出来ないのだという。かくし…  全文読む 評価する

映画監督という仕事 映画監督という仕事
新田隆男/映画監督という仕事
    アメリカ映画監督協会が主催する毎年の最優秀監督セミナーの中から、興味深い発言をピックアップし、さらにそれを映画製作の順番、「脚本を書く」、「製作準備を始める」、「製作に取り組む」、「ポスト・プロダクション作業」といった具合に並べた一冊。 スティーブン・スピルバーグからロバート・ゼメキス、オリバー・ストーンに、ロベルト・ベニーニら、第一線の監督がそれぞれの作業をどう思っているのか、その違いがわかるうえに、作業の極意もわかって実に面白い。脚本なんてものはとにかく、椅子に座って書くだけだ、というオリバー・ストーンがいるかと思えば、まず人物を重視し、場面の構成が変われば人物の反応も変わるはずだ…  全文読む 評価する

キューブリック全書 キューブリック全書
新田隆男/キューブリック全書
 スタンリー・キューブリックは自作について語ることを好まず、“『モナ・リザ』の絵の下に「この女性は秘密の恋人がいるので微笑んでいるのです」とダ・ヴィンチが記していたら、あの絵の神秘性は失われていただろう”と生前語ったという。DVDの音声解説で自分の意図や狙いをとうとうと語る監督(フランシス・フォード・コッポラなどは撮影の苦労話だから楽しいが)が多い今、作品は作品として、それだけで勝負をしてみせたキューブリックの姿は今更ながら潔い。が、そのキューブリックも今は亡く、作品に残された様々なミステリーは永遠に解明されないものとなってしまった。まさにモナ・リザの微笑みのように。 そこで誕生した本書は、題…  全文読む 評価する

ザ・ゴッドファーザー ザ・ゴッドファーザー
新田隆男/ザ・ゴッドファーザー
 ハリウッド映画史上屈指の大河ドラマ『ゴッドファーザー』の製作には、実はスクリーンに映し出されたドラマ以上の想像を絶するドラマがあった、という衝撃の一冊。 今までにもプロデューサーであるロバート・エヴァンズが自分の伝記本の中で、フランシス・フォード・コッポラは演出こそ素晴らしいが、編集の才能はない(で、俺が編集した、という自慢話が続く)と書いたり、あるいは最近発売されたDVDでは音声解説の中で、幾度も監督を降ろされかけた、とコッポラ自身が自ら撮影の大変さを告白したり、その苦労はちらほらと耳に入ってはいたが、あらためて、それだけをまとめて一冊の本として読むと、本当によく完成したと思えるほど。 映…  全文読む 評価する

ハリウッド・ビジネス ハリウッド・ビジネス
新田隆男/ハリウッド・ビジネス
 ハリウッド・スターの誰と誰が付き合っているとか、そんなゴシップは結構日本にも流れてくるものの、著作権での訴訟といった情報が聞こえてくることはほとんどない。とはいえ、アメリカといえば訴訟大国なわけで、巨額の金が動くハリウッドでは、その華やかさの裏でやはり様々な裁判が行われていた、というのが本書。著者はロサンゼルスでエンターテインメント、映像ビジネス、著作権保護を専門とする弁護士である。それだけに、様々な事例を懇切丁寧に教えてくれて実に面白い。 オーストリアの作家が『バンビ』を出版した時、うっかり著作権表示をつけなかったことから始まる騒動、ヒッチコックの名作『裏窓』で著作権法の改訂が招いたリバイ…  全文読む 評価する

メメント メメント
新田隆男/メメント
 妻が殺され、自身もその時の衝撃から、わずか10分しか記憶することでができない前向性健忘という記憶障害に陥ってしまったレナード。忘れてはいけない情報はすべてメモに残すだけでなく、「妻が殺された」など最重要な情報はタトゥーとして体に刻んだ彼が、妻殺しの犯人を追う。 主人公の設定も凄いが、映画はまず犯人を射殺する場面に始まり、そこから10分間程度ずつ時間を遡って行く奇抜な構成。一瞬、何が起こっているのか観客はキツネにつままれるが、それこそが記憶を失った主人公を体感していることを意味している。とにかく、よく思い付いた、としかいいようのない発想をパズルのように組み合わせた秀作。一度見たら二度見たくなる…  全文読む 評価する

ハリウッド100年史講義 ハリウッド100年史講義
新田隆男/ハリウッド100年史講義
 映画史の本は数多いが、本書は作品の歴史だけでなく、「つくる人・上映する人・観る人」という新しいフォーカスを通して、100年以上にも渡る歴史をたどる。確かに、この100年の間に映画は想像を超えた変化(進化)を遂げた。それは単に白黒サイレント映画『大列車強盗』(03)が、CGを含む特殊効果の結晶であり、カラーであり、ドルビーサラウンドまで兼ね備えた『タイタニック』(97)になった、というだけでなく、ヴォードビル劇場を真似た即席ホール(入場料が5セント=ニッケルだったことから、ニッケルオデオンと呼ばれた)の時代から、大劇場への時代を経て、ビデオを使って家庭で映画を見る時代への変化(進化)でもある。…  全文読む 評価する

われ映画を発見せり われ映画を発見せり
新田隆男/「われ映画を発見せり」
 カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に2年連続エントリーする、という快挙をなしとげた日本映画界期待の俊英・青山真治が書き綴ってきた全評論・エッセイを一冊にまとめたもの。 95年の『教科書にないッ!』での監督デビューと併行し、あるいは先行し書きつづけられた言葉たち。映画を撮るように書き、見るように撮る。ヌーヴェルヴァーグが可能にした(ヌーヴェルヴァーグだけが可能に出来た)方法論を今、実現できているのは(そういった場が与えられている、という意味でも)、日本のみならず世界映画界広しといえども、ひょっとしたら青山真治と黒沢清の二人だけかも知れない。しばしば、繰り出されるゴダールへの言及、黒沢清への…  全文読む 評価する

映画批評のリテラシー 映画批評のリテラシー
新田隆男/「映画批評のリテラシー」
 そういえば、映画に関する本は多く出版されているが、映画批評に関する本はあまり見当たらない。本書は、その盲点をつき、映画批評のあり方を検証し、さらに映画批評の書き方まで指導する画期的な一冊。 まずは必読本として、ヴァルター・ベンヤミンの『複製技術時代の芸術』やアド・キルーの『映画のシュルレアリスム』など20冊が紹介され、続いてアンドレ・バザンやポーリン・ケイル、日本の蓮實重彦ら、映画状況や映画批評状況に影響を及ぼした重要批評家の考え方とその立脚する場所、思想が明らかにされる。 今世紀初頭からの日本の映画批評の流れを総括した後は、いよいよ実践編。これは真剣に映画評の書き方を指導していて、例えば、…  全文読む 評価する

怪奇大作戦大全 怪奇大作戦大全
新田隆男/「怪奇大作戦大全」
 今年四度目の映画化となった『エコエコアザラク』(加藤夏希主演)にはどうしても違和感があった。「黒井ミサが魔女だ」ということになり、現代の日本において魔女狩りが起こる、という設定に無理がありすぎる。何故、日本で何のメタファーもない、そのものズバリの魔女狩りが起きるのか? 『怪奇大作戦』を振り返って、最も感心するのはその点だ。 例えばハマーフィルム的な吸血鬼を出しながらも、違和感なく成立させてしまう(血を吸う設定はOKだが、コウモリに変身させたりはしない、微妙なルールの正確さ)、あるいは人を殺すフランス人形を描くかと思えば、落武者の怨霊も描くバランス感覚。高度経済成長期、日本が経済的な繁栄も含め…  全文読む 評価する

きれいな猟奇 きれいな猟奇
新田隆男/「きれいな猟奇」
 ローラ・パーマーの死体を発見し、保安官事務所に電話通報した男はこう言った、「少女が死んでいる、ビニールにくるまれて」。かくして「きれいな猟奇」。世界で一番美しい死体、とも言われたローラ・パーマーの登場以降、死の娯楽化が始まった。 本書はまず、すべての始まり「ツイン・ピークス」を再訪し、再度、その意味を検証する。ローラ・パーマーが発見された浜辺を呼び水にして、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフェーリア」=19世紀のセイレーン・テーマの絵画群を語ったり、部屋の窓から出入りする少女の姿から、性器のメタファーとしての窓を読み取ったり(それはやがて窓から侵入する「ドラキュラ」のエロティシズムにも繋が…  全文読む 評価する

クライヴ・バーカーのホラー大全 クライヴ・バーカーのホラー大全
新田隆男/「クライヴ・バーカーのホラー大全」
 スティーブン・キングと並び称されるホラー小説の大家クライヴ・バーカーが手がけた、ホラー百科事典である。まずは「アメリカン・サイコのA」というところから始まり、かの有名な実在の殺人鬼エド・ゲイン、そして彼をモチーフとしたヒッチコックの『サイコ』、トビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』、アカデミー賞映画『羊たちの沈黙』などアメリカ映画に登場したサイコパスの歴史が紹介される。「ベルゼブル(悪魔の首領)のB」では、究極の悪魔憑き映画=『エクソシスト』、「カオスのC」ではH・P・ラヴクラフトのクトゥルー神話、「エスケープのE」では郊外へ“脱出”した人種の悲劇として『ハロウィン』が語られたり、ほとんどこじ…  全文読む 評価する

ハリウッド大作映画の作り方 ハリウッド大作映画の作り方
新田隆男/「ハリウッド大作映画の作り方」
 今年の夏の映画興行は『A.I.』や『パールハーバー』、『猿の惑星』『ジュラシック・パークIII』、と空前のハリウッド超大作ラッシュに沸いた。ハリウッド映画といえば、当たり前のように超大作を想像するが、ではメジャー・スタジオは時に100億円を越えたりもする莫大な製作費をどのように捻出しているのか。「史上最高の製作費!」といった謳い文句はよく聞くが、その製作費がどうやって調達されているかは意外と知られていない話では? 本書は、そもそもハリウッドとはどうして誕生したのか、その言葉の由来といったところから、企画の成り立ち(どういった理由で企画が進み出すのか、決定権を持っているのは誰か?)、脚本の開発…  全文読む 評価する

宮崎駿の〈世界〉 宮崎駿の〈世界〉
新田隆男/「宮崎駿の<世界>」
 今年の宮崎駿は、『千と千尋の神隠し』が『タイタニック』の持つ日本興行記録を破ったかどうかのみで語られるかも知れない。ヒットメーカーは数字でしか語られなくなる。だが、宮崎駿ほど作家性の高い監督は今や日本には存在しないし、子供も大人も老若男女が劇場に駈け付けるといっても、その映像はディズニー的なものとは一線を画しているのだ。しかも『ルパン三世/カリオストロの城』から『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』に至るまで、同じことを繰り返したがらず、絶えず変貌を続けている。作家性が高いにもかかわらず、評論家泣かせ、非常に語りにくい、というのが宮崎駿の特徴でもある。 本書は、圧倒的な好評で迎えられるか、あるい…  全文読む 評価する

硝子の塔 硝子の塔
新田隆男/刑事コロンボ/硝子の塔
 二見文庫から出ているいつもの「刑事コロンボ」ノベライズとは違って、本国の若手作家がオリジナルで執筆した小説を訳出したもの。つまり、これはいつまで待っても、テレビでオンエアされることはないわけで、ファンには本書を手にとることをお薦めする。 スタンリー・アレンという著者のプロフィールは詳しくはわからないが、どうやら初期「刑事コロンボ」の熱狂的なファンらしく、往年の味わいの再現に奮闘している。まず犯行が描かれ、それから刑事が登場し、完全犯罪と思われた犯行の陥穽を暴く、いわゆる倒叙スタイルで知られる「刑事コロンボ」だが、89年に新シリーズとして復活して以来、その基本スタイルを崩しがち。近年は特に、誘…  全文読む 評価する

映画突破伝 映画突破伝
新田隆男/映画突破伝
 「映画突破」とは何のこっちゃ、と思えば、これは、数十年続く旧弊なシステムがすべての利益を吸い取り、実績よりも経験の長さと権威が尊ばれ、さらに新規参入者を徹底的に排除することで成り立って来た、映画界というジュラシック・パーク、もといバトル・グラウンドを生き残ったインディペンデントのディストリビューターたちの熱い戦いの記録だった! 80年代の未公開ビデオ・バブル時代に遡る、B級C級映画のタイトル付け千本ノック、さらにインディーズ・レーベルでのビデオ発売術から、インディーズでの映画配給のゲリラ戦。いかにメジャー配給の物量宣伝攻勢と闘うか、映画ファンの手元に届く情報以前の劇場営業の部分から語られて、…  全文読む 評価する

ハリウッド・ディレクティング・バイブル ハリウッド・ディレクティング・バイブル
新田隆男/ハリウッド・ディレクティング・バイブル
 映画は幅広く(例えば実験映画があり、ドキュメンタリー映画があり、あるいは日常的に芸術映画と呼ばれものがあったり)存在しているが、本書はその中でも「ハリウッド映画」を選び、その演出において何が重要かをテーマにしている。本書の原題は「ディレクターズ・ジャーニー」、直訳すれば「監督の旅」だが、それを「ハリウッド・ディレクティング・バイブル」と訳したのは正しいのだ。思えばハリウッドの映画製作の中で監督は不思議な存在である。多くの場合、プロデューサーは別におり、監督は雇われる立場にいる。カメラを使って自ら撮影するわけでもないし、ましてやクリント・イーストウッドなど、数少ない例外を除けば直接演技するわけ…  全文読む 評価する

ぼくの採点表 ぼくの採点表
新田隆男/ぼくの採点表
 この一冊の登場で、「ぼくの採点表」ははついに20世紀映画のほとんどをフォローするに至った!88年に「60年代編」が出版され、そこから足かけ4年で「40、50年代編」、「70年代編」、「80年代編」。その後、、「戦前編」が出版されたが、とにかく今年、91歳になられるも著者は健康そのもの。今でも試写室通いはかかさず、月刊「スクリーン」の名物連載「ぼくの採点表」も続いて、ついに「90年代編」が出版されるに至ったとはめでたい。海外にも星取り採点の類は多いが、たった一人で戦前の映画から20世紀末の映画までフォローしてしまった、というのは史上空前ではないか? 90年代編は600字前後の短評がほとんどだが…  全文読む 評価する

悔いなきわが映画人生 悔いなきわが映画人生
新田隆男/悔いなきわが映画人生
 100年以上の歴史を持つ松竹などとは違い、最も後発の映画会社として出発した「東映」。昭和26年に東横映画など3社が合併して誕生以来、5年も待たずに時代劇の黄金時代を迎え、さらに仁侠映画、実録ヤクザ路線と時代の変遷に合わせて生き残ってきた「東映」の歴史が、大川博に続く2代目目社長、現会長・岡田茂の言葉によって綴られる。 第一部が自伝、第二部が対談集、第三部が年表となっているが、全編を通して貫かれているのは、「映画は商品である」という岡田茂のポリシー。もともと、映画は「嫌いじゃないけど、溺れるほど好きじゃなかった」と言いきる人物だけに、自伝部分にも、この一本で映画の道を志したなどという話はまった…  全文読む 評価する

シーナ映画とコーキ映画 シーナ映画とコーキ映画
新田隆男/シーナ映画とコーキ映画
 ちなみに「シーナ」とは椎名誠、「コーキ」とは三谷幸喜のこと。 二人が映画監督に挑戦した際の舞台裏を、ともに撮影監督を務めた高間賢治が描き出す。まず「撮影監督」という言葉だが、英語で言えば「ディレクター・オブ・フォトグラフィー」。「撮影」「照明」とそれぞれの技師にわかれる日本のシステムと違い、照明まで担当し、撮影にまつわる一切合財の責任を持つという意味である(考えてみれば、当たり前のことにも思えるが、なぜか日本では責任者が二人いる)。かくして、異業種(というより素人)監督のビジョンを映像化するのは、すべて高間撮影監督の腕にかかってくるわけで、抽象的なイメージをいかに具体的に実現したか、そこが無…  全文読む 評価する

映画狂人、語る。 映画狂人、語る。
新田隆男/映画狂人、語る。
 「映画狂人」シリーズの第4弾は、76年から99年に至るまでの対談集。初期の対談では、構造主義的な見方、あるいは逆の記号論的な見方への批判を展開し、自らの依って立つ場所が語られ、80年代には様々な作家をどう評価するか、映画といかに併走するかのが模索される。そして90年代には…どうやら作家を育てる側へと微妙に変化しているようにも思えるのだが、どうだろう? その立場の違いのせいか、伊丹十三よりも、むしろ村上龍との対話がスリリングだ(まあ、伊丹十三はまだ監督になる以前だが)。浅沼圭司、松浦寿輝、上野昴志、山根貞男、マックス・テシエなどの対談相手の流れとは明かに違う村上龍。村上が「KYOKO」を撮った…  全文読む 評価する

クリント・イーストウッド クリント・イーストウッド
新田隆男/クリント・イーストウッド
 70年代あたりの評価の低さが嘘のよう、最新作『スペース・カウボーイ』は「キネマ旬報」の執筆者選出ベストテンで第1位、何がなんだかわからないうちに映画の神様にまで祭り上げられてしまったクリント・イーストウッドを今一度詳細に分析する一冊。 サブタイトル「アメリカ映画史を再生する男」の通り、記念すべき第1回アカデミー賞を受賞した「つばさ」の監督ウィリアム・ウェルマンの遺作にイーストウッドが出演していたことなどから論じ始め、50年代に栄華を極め、やがて60年代にスペインで散ったハリウッドのシステムとイースウッドの関わり、あるいは史上初のウエスタン「大列車強盗」に出演していたカウボーイ・ヒーロー=ブロ…  全文読む 評価する

映画のデザインスケープ 映画のデザインスケープ
新田隆男/映画のデザインスケープ
 映画を監督やテーマではなく、美術の側面から語ってみよう、というのが、「Cine Lesson」シリーズの第12弾である本書。表題にある「デザインスケープ」とは、「セット、小道具、衣装、風景、あるいは微かに聞こえる物音にいたるまでが綿密に計算された、映画の空間」のことである、という。 「空間」という捉え方は人それぞれのようで、たとえば、作品全体のムード(映っている美術の年代から、編集にいたるまでの総合的な雰囲気)を語る小論もあれば、画面に映ってくる家具にこだわるもの、都市全体の捉え方を論ずるものなど、多少のバラつきもある。が、美術の側面から映画を読み解いて行く見方は確かに面白い。例えば、リドリ…  全文読む 評価する

ハンニバル ハンニバル
新田隆男/ハンニバル
『ハンニバル』(上・下) トマス・ハリス著 高見浩訳 新潮文庫 『ブラック・サンデー』以来、人探しをテーマのひとつとしてきたトマス・ハリスにとって『ハンニバル』は大異色作である。『レッド・ドラゴン』以来、獄中のシャーロック・ホームズとして、その推理力を発揮してきたレクター博士は不在、そのレクターを探し出そうとする復讐鬼ヴァージャーが登場するが、プロファイリングというハリスの得意技は、ことこの作品に至っては、使えない。ゆえに『ハンニバル』は第一部『ワシントンD.C.』では、ひたすらクラリスを掘り下げ、第二部『フィレンツェ』ではレクターの足取りを追う。そして、二人の内面へと潜りつづけるのだ。映画化…  全文読む 評価する

ハンニバル ハンニバル
新田隆男/ハンニバル
『ハンニバル』(上・下) トマス・ハリス著 高見浩訳 新潮文庫 『ブラック・サンデー』以来、人探しをテーマのひとつとしてきたトマス・ハリスにとって『ハンニバル』は大異色作である。『レッド・ドラゴン』以来、獄中のシャーロック・ホームズとして、その推理力を発揮してきたレクター博士は不在、そのレクターを探し出そうとする復讐鬼ヴァージャーが登場するが、プロファイリングというハリスの得意技は、ことこの作品に至っては、使えない。ゆえに『ハンニバル』は第一部『ワシントンD.C.』では、ひたすらクラリスを掘り下げ、第二部『フィレンツェ』ではレクターの足取りを追う。そして、二人の内面へと潜りつづけるのだ。映画化…  全文読む 評価する

羊たちの沈黙 羊たちの沈黙
新田隆男/羊たちの沈黙
 『レッド・ドラゴン』でサブ・キャラクターとして登場したハンニバル・レクター博士が俄然、クローズ・アップされることになるのが、次なる『羊たちの沈黙』だ。 殺人犯を見つけ出す方法としてプロファイリングを紹介しただけでも充分に画期的と思えた『レッド・ドラゴン』の中に、囚人探偵としてレクターを置いた構図の意味は、正直言って、いまひとつよくわからない。シンプルに追う側、追われる側、プロファイリングを使って限りなく接近する両者を描く方が得策だと思うのだが、さらにレクターが加わってしまうことで、善と悪それぞれの場所にいる二人の、鏡のような図式にひびが入ってしまうからだ。数年にもわたる徹底的な取材を旨とする…  全文読む 評価する

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