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生き物をめぐる4つの「なぜ」
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田口善弘/「4つのなぜ」から見えてくる進化的な生物理解を楽しむ
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高校時代に生物学を学び、その羅列的な記述にうんざりした向きはかなり多いのではなかろうか。本書はそんな人にもお勧めの1冊である。著者の長谷川眞理子は気鋭の動物行動学者で、一般向けの著書・訳書が多いことでも知られている。本書もまた、進化という観点から生物学を切り取った著者の十八番的な書物で充分に楽しめる。 タイトルにある「4つの『なぜ』」とは、至近要因、究極要因、発達要因、系統進化要因のことであり、各々、直接の原因、進化的な意味、成長の過程でどう発達するか、また、系統進化的にどのような起源を持つか、を扱っている。このような「4つのなぜ」という観点からアプローチすることで、生物学にありがちな羅列的…
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相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学
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田口善弘/最先端の宇宙論と分かち難く結びつく100年前の業績
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アインシュタインの伝記は『神は老獪にして…』(アブラハム・パイス著、産業図書)をはじめとしていくらも出ている。だから「なんで今また」という疑問を持たれる方も多いかも知れない。しかし、そこで始まり、そこで終っている不可思議な現象「宇宙の膨脹は加速している?」の発見に、事の発端はある。宇宙の膨脹が加速していることがなぜ不可思議なのかを説明するために、この本はアインシュタインが一般相対性理論を作りだした時代へと遡る科学史の旅を始めるのだ。 その理由は読めば解るようにていねいに書いてあるので本書をじっくり読んでいただくことにして、他の読みどころをいくつかあげよう。 例えば、アインシュタインは実はかな…
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カウフマン、生命と宇宙を語る
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田口善弘/複雑系スター研究者がとらえなおした生命の起源と進化の仕組み
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著者のカウフマンは知る人ぞ知る複雑系の研究者である。本書は複雑系入門書というより、そのカウフマン自身が行ってきた、そして現在行っている複雑系の研究の紹介が主だ。 彼がまず、考察の対象とするのは生命の起源だ。カウフマンによれば、生命とは仕事をすることができる代謝系(平たくいえば、もっとも原始的なエンジンということなのだが)にすぎない。このような生命は、十分にたくさんの種類のたんぱく質が存在すれば必然的に発生するものだということになる。なぜなら、すべての代謝系はたんぱく質の化学反応ネットワークにすぎず、十分に多種類のたんぱく質が存在すればそれらの間に必ず化学反応のループが生じて、エンジンとして仕…
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レイチェル
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田口善弘/あくまでも自然を愛する一サイエンスライター、レイチェルの生涯
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レイチェル・カーソンといえば『沈黙の春』、とすぐに出てくる人は多いだろう。じゃあ「カーソンってどんな人?」と聞かれたら、どれくらいの人がどれくらいのことを答えられるだろうか。僕自身、「女性で生態学に素養がある、筆の立つ人物?」くらいのイメージしかなかった。あとはまあ、反体制派のジャーナリストか、どこかの大学の助教授、そんなあたりかな、と漠然と思っていた。 本書はそのカーソンについての、本文のみで700ページにもなる詳細な伝記である。著者は環境史を専門にする女性大学教授。読み通してみると、カーソンの人生はそれほど劇的なものではない。科学をテーマにした啓蒙書を書き、ベストセラーにするという稀有な…
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死体につく虫が犯人を告げる
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田口善弘/コロンボ刑事も愛読するであろう、「虫」からわかる死体の謎解き
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昔、「刑事コロンボ」というTV番組があった。殺人事件を扱う刑事物なのだが、番組は最初に犯人を明かしてしまい、コロンボがいかにして犯人を追いつめるかをひたすら描く、というミステリの常道を完全にはずした路線で大人気を博した。人気の秘密は普通の人は気にも止めない「些細な証拠」にひたすらコロンボがこだわることで、真相に迫って行くという筋立にあったと思う。 本書はまさに題名どおり、“死体にたかる虫たち”という「些細な証拠」から、死亡時刻を主とする死亡時の状況をあきらかにする科学についての非常におもしろい啓蒙書だ。 こういうと異端な感じがするが、どうして、要求される生物学的な知識は相当に本格的だ。まず、…
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ゾウの耳はなぜ大きい?
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田口善弘/餌という「エネルギー」から「動力」を取り出す「代謝エンジン」として生き物を眺める
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昔、物理学者寺田寅彦は「キリンのまだらはメロンのひび割れ」と断じて、生物学者の猛反発を喰らった。この例からも解るように生物みたいなごちゃごちゃとしたテーマをすっきり説明したい、というのは物理学者の夢である。本書はそんな系譜に属する「物理学的な制約が生物の形や行動を決めている」というテーマの書物だ。 キーワードは「代謝エンジン」、つまり、餌という「エネルギー」から生物がいかに「動力」を取り出して利用するか、という観点から生物を理解しようという試みなのだ。例えば、「なぜアフリカには猛獣ばかりで猛爬虫類が全然いないのか?」という普段あまり気にはしないが、いざ訊かれると答えるのが難しいような問題が議…
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まただまされたな、ワトスン君!
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田口善弘/シャーロック・ホームズの世界を舞台に作られた最高の数学おもしろ物語
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人は数学に弱い。なぜ、弱いのかは<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01451371" target="_blank">『科学がきらわれる理由』(青土社)を読んでいただくとして、この弱さを逆手にとれば「あ、そうだったのか!」と思わせるおもしろい本を書くことができる(文章力さえあれば)。それほど、数学的な真実には直観に反する話が多いからだ。 この手の本はごまんとあるし、実際、なかなか良くできた本も多いとは思う。が、書き方の“うまさ”という点において、これほどの出来の本はおそらくなかったのではないだろうか。「シャーロック・ホームズ…
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最新恐竜学レポート
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田口善弘/虚々実々の恐竜学で、常に最先端の常識を追う
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待望の金子隆一による恐竜学の解説書が出版された。金子は定期的に、学術的になるべく正しい恐竜本を執筆してきており、かねてから、恐竜学ほど嘘だったり時代遅れだったりする本が堂々と書店で売られている分野はない、と警鐘を発してきた。定期的な恐竜本執筆もその愁いによるものだろう。 今回の本もその御多分に洩れず、恐竜にまつわる事実で一般に誤解されていることをただすことに多くのページが割かれている。いわく、最大の恐竜はなにかということをめぐる誤解、「ジュラシックパークIII」に登場した巨大肉食恐竜が実はちっとも強くないこと、ジュラ紀末の竜脚類絶滅をめぐる誤解などなど、さすがよく勉強していると感心させられる…
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第二の創造
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田口善弘/ドリーの「産みの親」が自ら明らかにするクローン研究の意義
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1997年にクローン羊のドリーが生まれたと知ったとき、世界は熱狂した。それは主として「これで人間のクローンが可能になった」と感じたからだ。だから、あのときの熱狂はクローン羊についての科学的な興味というよりも、昔ながらの新技術と社会規範の問題としての側面にばかり光があたっていた。本書はこれまで欠けていた「科学的な観点から見た」クローン羊についての本格的な科学啓蒙書ということになろう。 本書の何よりの特徴は、研究を遂行したイアン・ウィルマットとキース・キャンベルの2人が一人称で語っている形式をとっていることだ。無論、実際の執筆そのものはサイエンス・ライターのコリン・タッジによりなるのだが、欧米で…
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〈標準〉の哲学
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田口善弘/ネジがぴったりとネジ穴にあうという「贅沢」
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あなたは何かの電気製品を修理している。ネジ止めされた蓋を開け、修理が済んで再びネジを止める段になる。あなたははずしたネジの中から無造作に1個を取り上げて、ネジ穴のひとつにねじ込むだろう。 この当たり前のことができるようになったのは、実はごく最近のことにすぎない。どのネジもどのネジ穴にぴったりあうという互換性の問題だ。 ネジにネジ穴をあわせるだけなら、ネジどうしが同じものである必要はない。個々のネジとネジ穴が対応していればいい。それじゃあ不便じゃないか、と思うかもしれないが、どのネジもどのネジ穴にあうように作るのは、ネジとネジ穴がぴったり一対一対応にするようにつくるよりずっと手間がかかる。だか…
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ロケットボーイズ
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田口善弘/ロケットボーイズも本音はやっぱり!
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映画『遠い空の向こうに』の原作としても有名なベストセラー『ロケットボーイズ』の続編である。『ロケットボーイズ』を未読の人はまずそっちから読もう! じゃないと話がわからない。 時は1959年。ソ連やアメリカが初の人工衛星を打ち上げたばかりの時代。アメリカの片田舎ウエストバージニア州のそのまた片田舎のケープ・コールウッドという名の炭鉱に、手製ロケットを打ち上げる少年たちがいた。その中の一人がその後、夢がかなってNASAのエンジニアとなり、書いた自伝が『ロケットボーイズ』であり、本書はその第二弾となる書である。 元技術者とは思えない流暢な筆致で、子供のころむさぼり読んだ児童小説を髣髴とさせる物語が…
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異星人伝説
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田口善弘/ハンガリーが知の巨星たちを輩出した理由はどこにあったのか
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20世紀初頭のハンガリー。社会主義の暗黒に沈む日々はまだ遠く、二重帝国の一翼を担う国家として欧州列強の一角を占めた時代。ある意味「大国」の一つとして繁栄していたといえる時代。そして、その時代に科学技術分野でもキラ星の如く輝く巨星たちを輩出していた。 有名なところではノイマン、シラード、テラーといった数学、物理学者がいるが、それだけに留まらない。その多くがユダヤ系であり、欧州におけるナチの台頭とともに他のヨーロッパ諸国やアメリカに脱出する。あまりにも優秀なハンガリー人が殺到したために「やつらは異星人だ!(だからかなわなくても仕方ない)」というような半ば冗談がかった風説が生まれることになった。こ…
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時間の矢の不思議とアルキメデスの目
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田口善弘/なぜ時間には方向があり、過去と未来を区別できる?
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あなたは坂を転がり落ちる玉のビデオを見せられ、そして「このビデオは坂を転がり落ちる玉を撮影したものでしょうか、それとも坂を登っている玉を撮影したビデオを逆回したものでしょうか?」と問われる。あなたは決してどちらが真実を言い当てることはできない。なぜなら、物理学の基礎法則は時間の方向を逆転させても何も変わらないからだ。じゃあ、なぜ、時間には方向があり、過去と未来を区別できるのか? これは長いこと物理学者を苦しめてきた難問だった。 本書は(物理学も十分学んでいるらしい)哲学者の書いた、この難問への答えについての啓蒙書である。著者はこの本の前半で、熱力学の第二法則や、波紋の進行方向など、一般的に時…
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イヴの七人の娘たち
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田口善弘/新しい人類観をちょっと予感させる楽しい科学啓蒙書
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「アイスマン」と呼ばれる、アルプスで見つかった氷づけの古代人の死体からミトコンドリアDNAを取り出すところから本書は始まる。そして、なんと5000年前に生きた古代人のDNAが、現代人のDNAとよく一致することを見出す。遠い祖先と思っていた古代の人類と現代の人類の直接の結び付きを科学的に証明できる可能性が示唆された瞬間だった。 数万年単位の個々人の親戚関係を調べることができるDNAの発見で、全人類はお互いの血縁(古代人も含めて)を正確に知ることができるようになった。本書はこの技術を開発した科学者が自ら著した啓蒙書である。実にこなれた文章で最後まで飽きることなく、読み通すことができた。 ロシア皇…
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脳の探究
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田口善弘/豊富なカラー図版に驚かされる
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本書はBBCで製作された脳に関する科学番組をもとにして単行本化したものである。日本でいえばNHKスペシャルの「生命」とか「人体」をイメージすればいいんじゃないだろうか。全体は12の章からなっており、脳に関する研究について、分子生物学的な脳の生理反応のレベルから意識の存在まで、まさに微視的なレベルから巨視的なレベルまで順を追って網羅的に記述されている。脳についての啓蒙書をそれほど読んだことはないが科学についてはある程度素養がある、というタイプの読者におすすめだろう。 何よりも驚かされるのは豊富なカラー写真である。全頁にカラー印刷可能な上質紙が使われており、多数のカラー写真やカラーイラストが満載…
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未来のアトム
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田口善弘/ロボット工学のできること・できないこと?
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この本は科学書ではない。それはまずはっきりさせておこう。例えば、著者は第6章で心が脳の機能に過ぎない、ということを否定してしまっている。つまり、唯物論にたたないわけだ。観念論的に精神が物質の外にあることを否定しない。少なくともこの様な立場に立つ本を僕は科学書と認めることはできない。この様な考え方の行きつく先には空中浮揚を信じてしまい、サリンを作ってまいてしまった某教団があることは間違いが無いからだ。 本書は「ロボット工学のできること・できないこと」とでも題するべき本である。ロボット工学の究極の目標がアトムであることは疑うべくもないだろう。人間の「様に」(実は原作のアトムは人間と同じ心をもって…
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相対論の正しい間違え方
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田口善弘/いわば「相対論FAQ集」
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物理学が科学の王座を滑べり落ちてから久しい。そんな昨今に「物理の雑誌」を堂々と名のってしまう「パリティ」にはいつも感心してしまうのだが、さすがに物理が斜陽産業であることは正しく認識しているようで、パリティの連載から誕生する「パリティ ブックス」のタイトルの付け方もなかなか斜に構えたものが少なくない。「いまさら○○○?」と銘打って○○○に物理のある学問分野を入れて刊行される「いまさら」シリーズ、あきらかに「いまさら」シリーズのもじりである「いまこそ相対性理論」などなど、書名だけでも楽しめる(勿論、内容もなかなかすばらしいできばえの物が多いのはいうまでもない)。 さて、本書の題名もなかなか洒落て…
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ポストゲノム情報への招待
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田口善弘/入門書的な教科書
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本書はヒトゲノム解読以後の分子生物学の研究の最前線を簡単に紹介した入門書的な教科書である。ヒトゲノムの「解読」でわいた生物学分野だが、あくまで「文字」が読めたにすぎない。その意味するところの解明はこれからやって行くしか無いのだ。そして、その道程は実際には非常に遠いのである。著者はこの、これから先の部分を「ポストゲノム情報の時代」と読んでいる。本書はその分野への招待状と言った趣の著書となっている。実際、本書は非常に薄く、これだけで内容を理解するのは困難である。あくまで、現状を概観したパンフレットの様なものであるとみなすべきだろう。 塩基の配列が読めたとしても、それがつくり出すタンパク質の機能は…
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わかる!学問の最先端
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田口善弘/「内容」本位で大学を特徴づけ
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少子化で入試が易化し、大学生の学力崩壊が起きていることは大きく報道されているのでもはや知らない人はいないだろう。しかし、一方でいいこともあって高校生の大学の選択理由の一位が「学べる内容」になったという。W大ならどこでもいいからと複数の学部を受けまくる学生が多くなり世も末だと嘆かれたのはそう昔のことではない。大学に受かるのが簡単になれば偏差値が高い大学に行く意味も薄れてくる。 だから、というわけではないだろうが、まさに「内容」本位で大学を特徴づけて大学選びの指針にしよう、というのが本書だ。物理、化学、生物、情報などいわゆる「理工学部」の範疇に入る学問分野を94分野選び、分野ごとに研究の活性度で…
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不思議宇宙のトムキンス
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田口善弘/装いも新たに、帰ってきた名著
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おそらく私(≒40歳)くらいの年齢で、ここ(=サイエンス・テクノロジー棚)にアクセスするような奇特な人の中で「トムキンス」の名を聴いたことも見たこともないという人は皆無ではなかろうか? そう、あのトムキンス氏が装いも新たに帰って来たのだ。僕等が子供だった頃、未来は科学の光でピカピカ輝いていて(そろそろ「公害」なんてものがその輝きをくすませ始めていたりしたものの)、そしてその中心には物理学がでんと構えていた。本書はそんな時代に子供達に科学についての夢を与えてくれた名著の一つだ。 トムキンス氏のシリーズはどれくらいあったのか僕は良く知らないが、本書の冒頭に収録されているガモフ自身の前書きからする…
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鏡という謎
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田口善弘/鏡と我々の認知世界
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鏡をテーマにした著書は多いが、本書は認知心理学者が書いた鏡をテーマにしたエッセイである。扱うテーマは鏡の歴史から量子力学まで多岐に及ぶが真骨頂はなんと言っても視覚による認知の部分である。視覚は3次元の外界を2次元で表現するという段階で既に解釈の多義性を不可避的に持っている。俗にいう錯覚とかいう現象はこの多義性により現実とは異なった外界認識をしてしまったことに他ならない。 面白いのは、知識的にはこれは錯覚だと解っていても錯覚は解消しない、ということである。著者は言う。鏡にうつった像もこの錯覚に過ぎないと。我々は鏡にうつった像が虚像に過ぎないと知っていても鏡にうつった像が見えなくなったりはしない…
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怒りのブレイクスルー
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田口善弘/日本批判は実は日本への愛情の裏返し?
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青色ダイオードの発明で有名な中村修二氏の自伝である。全く無名な地方企業に就職し、大企業さえ出来なかった大発明をたった一人で成し遂げてしまった氏は、以前から物理学会誌などで破天荒な日本批判・教育批判を繰り広げていたが、本書はその集大成とも言うべき書物である。 氏の論の基調は明確で、日本的な「組織」内での秩序の中にいてもいいことなんかなにも無かった、ということだ。本当は理論物理学がやりたかったのに工学部へ行けと言われて工学部に行き、入った大学ではやりたくもない文系科目を学ばされて、あげくに入社した会社ではこれを作れば儲かるという上司の命令を信じて超人的な努力でいくつもの製品開発を独力で成し遂げた…
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いやでも物理が面白くなる
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田口善弘/高校物理で日常の物理を解明
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高校で物理を履修する人はごく少ししかいないと思うが、その人達も結局、なんだかよく分からない、というのが現状ではないだろうか。この本はそういう人達にお勧めだ。 本書では高校の物理で習う範囲の知識を総動員して日常的な不思議な現象を物理的に解明していく。例えば、「夜汽車の汽笛はなぜ遠く響く?」と題する第1章では、波の一般論から始まって、楽器や音速の話へと進んで最後になぞ解きをして終わる。教科書で習った無味乾燥な物理学が現実に応用されてちょっと興味がもてるようになるだろう。 一方、「物にも光にも色はない!」と題する第3章では色と光というありふれた現象に物理学から迫りながら、最後に本書の副題でもある「…
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確率とデタラメの世界
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田口善弘/乱雑さとはなにか?
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これは洋書の翻訳であり、原著名はRandomness。こっちの方が内容をよく表しているだろう。 Randomnessはランダムという言葉で日本語にもなっているので想像がつくと思うが、乱雑さ、あるいは無秩序を表す。この本はこのランダムを扱う数学について述べた啓蒙書である。数学の啓蒙書の良書によく見られるように、ランダムを扱う数学の歴史を振り返ったり、解りやすい例をおり混ぜたりしながら、本書の記述は進んで行く。ちょっと理屈っぽくものを考えるのが好きな人なら飽きずに最後まで読み通せるだろう。買うべきかどうか躊躇してしまう場合には本書198ページの最後から始まる「ある家族に二人の子供がいて、少なく…
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心にしみる天才の逸話20
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田口善弘/人物伝を読み始めるための入門書
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本書は書名のとおり20人の天才の逸話を集めた読み物である。前書きにもあるように、天才の優れた側面というより人間的な部分をクローズアップした逸話を集めている。20人の天才はどちらかというと我々日本人にとってなじみのある人々が選ばれており、順にニュートン、アインシュタイン、湯川秀樹、キュリー夫人、ファラデー、エジソン、ラボアジェ、ダーウィン、野口英世、ジュール、メンデル、ワット、パスツール、ライト兄弟、メンデレーエフ、ガリレイ、ガウス、ゲーデル、ボルツマン、北里柴三郎である。いずれも、子供の頃読む偉人伝や高校までの教科書に登場する人物だ。ニュートンが行った白色光の単色光への分解実験に使われたプリ…
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ツルはどこからやって来るのか
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田口善弘/ただただ感嘆、半世紀余のアマチュア研究の集大成
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渡り鳥、というものについて知ったのはいったい何時だろうか? ずいぶんと幼い頃だった気がする。何かの絵本で、冬になっても南国に行かなかったツバメが死んでしまう話を読んだ記憶があるからだ。とても小学生が読むような絵本だったとは思えないから、それこそ物心つくかつかないうちに渡り鳥の存在を認識していたのはまちがいない。 これは一般的なことの様でこの本に出てくる小学生達もツルが渡り鳥だということを知っている。ただ、この本の著者がちょっと変わっていたのは5歳で目にしたツルの渡りを一生の研究対象として選んでしまったことだ。「この本は1940年の秋から2000年秋までの半世紀余に渡る観察記録をまとめたもので…
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困ります、ファインマンさん
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田口善弘/勇気が持てて自信がつく本
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僕がまだ院生だったか、助手になりたてだったかの頃に僕はこの本を読んだはずだ。内容は勿論、覚えているが、いつ読んだかは記憶に無い。文庫に降りてもう一度読んでみると、ずいぶんと感想が違う。もはや、駆け出しの研究者とは言えず、中堅の年代になり、ファインマンと自分自身を等身大に比べられるようになったからだろう。そうなってみるとかなわんなあ、というのが正直な感想だ。理論物理学でノーベル賞をとるだけでもすごいのに、「それ以外」のことしか書かれていないこの本でもとにかく、足元にも及ばないことばかりだ。 たとえば、本書の真骨頂ともいうべきスペースシャトルチャレンジャーの爆発事故の原因を究明する委員会での八面…
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データで検証!地球の資源ウソ・ホント
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田口善弘/資源の観点から見た21世紀の地球の運命
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タイトルは「地球の資源」となっているが実際は「資源の観点から見た21世紀の地球の運命」という方が適当であろう。要するに、環境破壊の観点からみた地球の未来予測、というスタンスである。このため、「資源」と言ってもすぐ人が思い付くような「エネルギー」とか「鉱物」のみに留まらず、自然エネルギーの利用について論じたり、淡水の利用を資源として捉えたりなどしている。まあ、平たく言えば「資源版:宇宙船地球号」というところだろう。後半では、食糧、森林、水産なども「資源」という観点から論じられている。で、つまるところ、どうなんだろうか? この本の著者は専門家ではなく、長い間このテーマを追いかけて来た記者である。…
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奪われし未来
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田口善弘/深刻さを増す問題は、何一つ解決に向っていない
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既に知らぬ人はいない超有名本が増補改訂版となって戻って来た。初版出版後の状況(疑念を否定する化学産業会への反論などを含む)を総括した増補部分(15、16章、おわりに)を含み、かつ、価格も500円下がっているので、前回のブームの時になんとなく買い損ねた私の様な人には、お勧めの買物である。 しかし、あらためて増補部分を読み返してみると初版で提示された懸念はますます裏打ちされている、と言っていいだろう。その懸念とは以下のようなものだ。 かつて水俣病が問題になったとき、廃液は薄めれば危険ではないという工学的な常識が食物連鎖による凝縮という想定外の効果でもろくもついえたように、内分泌撹乱物質という概念…
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電子メディアは研究を変えるのか
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田口善弘/研究活動と電子メディア
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研究活動と電子メディア 「メディアはメッセージである」とはマクルーハンの有名なスローガンだが、学術的な研究においてインターネットを基盤とする電子メディアがどのような影響をもたらしたのかについての学術的な調査研究を紹介したのが本書である。対象となる分野は心理学、医学、物理学でいずれもインターネットを基盤とするコンピュータの普及が進んでいるとみなされている分野である。 本来、メディアはメディアなのであって、そのコンテンツを変えたりしないものなのだが、普及度がある割合を越えるとコンテンツにも影響を与えるのではないか、という可能性は誰しも考える。それをインターネットがいち早く普及した学術分野で検証しよ…
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