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プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/ベガルタ仙台の躍進を振り返る。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、プロレス(新日本、全日本)、ダンス、フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、というプロスポーツに特化した年鑑。 この1冊には第34回内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」を受賞したシアトル・マリナーズのイチロー選手が登場する。アメリカ大リーグに移籍したとはいえ、イチロー選手の活躍はプロスポーツの花形選手だが、これは文句なしの大賞だろう。 すでに、10年ほど前の内容の為に、「懐かしい」の一言。近鉄バッファローズ時代のタフィー・ローズ、男子プロゴルフの伊沢利光、ヤクルト・スワローズの古田敦也選手…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/男子サッカー、トルシエジャパンの時代。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、プロレス(新日本、全日本)、ダンス、フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、というプロスポーツに特化した年鑑。 この中には2002年に活躍したプロスポーツ選手を顕彰する内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」受賞者の写真が扉の写真を飾るが、FIFAワールドカップで初めて勝ち点、初勝利を挙げベスト16入りを果たしたサッカー日本代表が選ばれている。トルシエ監督を中心に誇らしげな選手の顔が揃っている。この2002年、原巨人はリーグ優勝、日本一となったのだが、その勢いもサッカー日本代表の前には霞んでし…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/WBCでの優勝、そういう栄誉があったことを振り返る。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、ダンス、フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、 キックボクシングというプロスポーツに特化した年鑑。 この年鑑は2006年の総括になるが、巻頭には第39回内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」を受賞したWBC優勝の王監督の胴上げシーンが印象的。プレイヤーとして世界の王と言われながら、監督として、それもワールド・ベースボール・クラッシックの初代優勝監督になっている。これは、まさに記念すべき一冊。申し訳ないが、やはり、世界を制した監督の前では、日本ハムの優勝も霞んでしまう。 しかしながら、やはり…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/プロ野球激動の一年。
 この一冊にはプロスポーツ界の2004年の動向が記録されているが、その内容として、プロ野球は外せない。球界再編による新規参入、史上初となるストライキの決行、日本ハムの北海道移転、ソフトバンクのダイエー買収という話題に事欠かない一年だった。そんな中、パ・リーグは観客動員数の更新、福岡ダイエーホークスの松中信彦選手の三冠獲得など明るい話題があったのも確かである。プロ野球のファンであれば、もう一度、この一年を振り返って眺めてもおもしろいのではないだろうか。 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、プロレス、 ダンス、フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、競…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/スポーツ界の将来を考えて。
 近年、オリンピックにプロ選手が参加するようになって、プロとアマの境目がどこにあるのかがわからない。アマチュアと言いながら、そのユニフォームにはスポンサーのロゴが縫い付けられていて、線引きが困難である。そのプロとアマとの交流について、228頁には「指導者について」というタイトルでプロアマとの連携について記されている。盛んなプロスポーツ団体もあれば、まったく交流のない団体もある。 思うに、プロスポーツ選手の寿命は長いとは言えない。セカンドキャリアの形成のため、アマチュアのレベルアップのためにもプロアマの交流は必要と考えるが、ドラフト問題を抱えるプロ野球では早々、簡単には処理できないのかもしれない…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/佐々木のフォークに沸き、横浜ベイスターズが燃えた。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、プロレス、 ダンス、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、というプロスポーツに特化した年鑑。 巻頭には「ハマの大魔神」こと佐々木主浩選手、サッカーの中田英寿、中山雅史、オリックスのイチロー選手、地方競馬の佐々木竹見騎手の姿がある。佐々木主浩選手は第31回内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」を受賞し、中田、中山、イチローの各選手は殊勲賞、佐々木騎手は特別賞を受賞している。 そうだ、こういう時代だったと思いながら、横浜ベイスターズが1998年に日本一になった写真もある。「お兄ちゃん」こと若乃花勝が第66代横綱になった…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/震災支援が継続された男子プロゴルフ。
 1996年のプロスポーツ界のトピックスが満載された一冊だが、この中で男子プロゴルフにおいて、話題となるものがある。ひとつは、ジャンボ・尾崎こと尾崎将司選手が通算100勝となり、見事、第29回内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」の大賞を受賞したことにある。 ふたつめ、阪神淡路大震災の後、プロゴルフ界はプロアマチャリティマッチを開催したが、たいていは災害が発生した年だけで終了する。しかしながら、男子プロゴルフにおいては震災翌年の1996年もプロアマチャリティが開催されていることである。地元兵庫県での開催ということで関心が高かったのかもしれないが、2年連続の開催に意義がある。災害からの復興は長い…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/記念すべき一冊であるのは間違いない。
 表紙をめくると、オリックスのイチロー選手が出てくるが、若い。ヒゲも生やしておらず、「かわいい」と言ったら失礼になるか。 その次のページには横綱になった貴乃花の土俵入りのシーンだが、太刀持ちが「お兄ちゃん」こと若乃花関というのが良いシーン。 さらに、隣には東京読売ジャイアンツが日本一となり、長嶋監督が胴上げされている。その胴上げシーンの写真の中に子息の長嶋一茂氏の背番号姿が映っている。この写真だけでも記念になる。 この年鑑には相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、キックボクシング、ボウリング、プロレス、中央競馬、地方競馬、競輪、モーターボート競走、オートレース、というプロス…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/キング・カズの勇姿。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、ボクシング、キックボクシング、ボウリング、サッカー、プロレス、中央競馬、地方競馬、競輪、モーターボート、オートレース、というプロスポーツに特化した年鑑。 この中には1993年に活躍したプロスポーツ選手を顕彰する内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」受賞者の写真が扉の写真を飾るが、第26回の大賞を獲得したのはキング・カズこと三浦知良である。さすがに若い時から風格がある。 1993年、華々しくプロサッカーJリーグの幕が開いたが、わずかに10チームで始まった記録がこれには記されていて、Jリーグファンは歓喜の声をあげるのでは。 そして、大相撲では大関時代の若貴兄弟…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/今は昔か、旭日の勢いの朝青龍が懐かしい。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、ダンス、フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、キックボクシングというプロスポーツに特化した年鑑。 プロスポーツ選手を顕彰する2005年の内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」は大相撲の横綱朝青龍が受賞している。実力、人気、知名度からいっても群を抜いている。まるで、殊勲賞の野球、サッカーすらも霞んでしまうのではと思うほど。 プロスポーツの世界も女性の進出、活躍が注目されるが、なかでも、女子プロゴルフにおいては第1回ワールドカップ女子ゴルフにおいて日本チーム(宮里藍選手・北田瑠依選手)が優勝の…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/スーパーダイエーの89円セールに燃えた時代。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、プロレス、 ダンス、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、というプロスポーツに特化した年鑑。 この中には1999年に活躍した代表的なプロスポーツ選手を顕彰する内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」受賞者の写真が扉の写真を飾るが、第32回の大賞を獲得したのは西武ライオンズの松坂大輔投手である。身長180センチ、体重78キロのシャープな肉体から繰り出される投球フォームは重心の低さと気性の強さが加わって、頼もしい。 この一冊はホークスファンにとって記念すべき内容ではないだろうか。松坂投手の活躍に隠れているが、福岡ダイエー…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/世界に立ち向かうプロ選手たち。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、ダンス、フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、キックボクシングというプロスポーツに特化した年鑑。 この2008年版には、2007年 第40回 内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」受賞者である「浦和レッドダイヤモンズ」のAFCチャンピオンリーグ優勝の雄姿が目に飛び込んでくる。FIFAワールドカップでも徐々に日本チームが実力を発揮するようになってきたが、Jリーグが世界レベルの戦いの場になってきていることを示しているのではないだろうか。 また、この年、女子プロゴルフの上田桃子選手の記録を見てみ…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/石川遼選手の好調の要因とは何かを推察する。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、ダンス、フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、ボートレース、オートレース、 キックボクシングというプロスポーツに特化した年鑑。 この2010年版には、2009年 第42回 内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」受賞者である男子プロゴルフの石川遼選手が扉を飾っている。少々はにかみながら、「史上最年少賞金王」のプレートを掲げた身長174センチ、体重68キロの石川遼選手の姿が初々しい。この年、ドライビングディスタンスベスト10の第9位に石川選手の名前があるが、292.37ヤードという数字が出ている。1位の額賀辰徳選…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/プロ選手の好調さはデータ予測から。
 相撲、野球、男子ゴルフ、女子ゴルフ、サッカー、ボクシング、ボウリング、プロレス、 ダンス、フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、 キックボクシングというプロスポーツに特化した年鑑。 この2009年版には、2008年 第41回 内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」受賞者である男子プロゴルフの石川遼選手のウォーター・ハザードからのトラブルショットがハイライトとして扉を飾っている。それに続いて、殊勲賞の西武ライオンズ、東北楽天イーグルスの岩隈久志投手、大相撲の白鵬関があり、最高新人賞には日本中央競馬会の三浦皇成騎手が選ばれている。 このプロスポーツ年鑑はシーズン…  全文読む 評価する

プロスポーツ年鑑 プロスポーツ年鑑
佐々木 昇/プロスポーツは時代とともに。
 大相撲、プロ野球、男子プロゴルフ、女子プロゴルフ、サッカーJリーグ、プロボクシング、プロボウリング、プロレスリング、ダンス競技、F1 フォーミュラ・カーレース、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレース、キックボクシングに特化したプロスポーツの年鑑。 この中には2003年に活躍したプロ選手を顕彰する内閣総理大臣杯「日本プロスポーツ大賞」受賞者が扉の写真を飾るが、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手の打撃シーンは流石に豪快。 さらに、最高新人賞には福岡ダイエーホークス(当時)の和田毅選手の初々しい姿が懐かしい。さらに、この年、4年ぶり2度目の日本一に輝いたのも福岡ダイエーホークスであり、ダ…  全文読む 評価する

日本の右翼 日本の右翼
佐々木 昇/「右も左も蹴っ飛ばせ」を思い出しました。
 右翼と言うと、黒塗りのバスに日の丸、軍艦旗をはためかせ、軍歌をがなりたてる暴力的な集団というものを連想する。そういうイメージを抱いている人は、まずもってこの本を手に取ることもないだろうし、ページすらめくってみようとも思わないだろう。 孫文の辛亥革命を支援した宮崎滔天について知りたくなり、書店の棚をなぞっているときに本書が目にとまり、たまたま目次をみたらば宮崎滔天の名前があったので手にした次第だった。 二部構成になっていて、第一部が歴史と変遷、第二部が人物と思想とに分かれていて、そもそも「右翼とは」というところから説明が始まるのがうれしい。「またそんな右翼的なこと言って」とか「左翼的なこと言っ…  全文読む 評価する

寺社勢力の中世 寺社勢力の中世
佐々木 昇/中世日本のことながら、現代日本にも十分に共通項を見出せる内容でした。
 長い日本の歴史の中で、複雑で興味がぶれてしまうのが中世史だが、「無縁所」という観点から中世史を見直してみると現代の日本に重なる部分が見えてくる。物価高、狭い住居、長時間の通勤時間を要する都市でありながら、都市に人々が集中する要因を読み解くことができる。都市の資源はヒト、モノ、カネだが、その構成の中心をなすものはヒトである。そのヒトが中世日本の都市、京都に集中していた。 そして、そのヒトの拠り所が「無縁所」だった。 格差社会といわれながら、かつての日本には現代よりもさらに厳格な身分社会が横たわっていた。その厳格な身分社会において、縁を切られた者、切った者が混在しながらも生きていける場所が都市だ…  全文読む 評価する

自宅で迎える幸せな最期 自宅で迎える幸せな最期
佐々木 昇/がんばらずに「死」をみつめることから始まる、「生きる」ということ。
 現代の日本、人は病院で生まれ、病院で死ぬというシステムになっている。 都会を彩る集合住宅には葬儀を行える満足なスペースすらなく、よって、お通夜、葬儀は斎場を借り切って行う方が遺族、さらには弔問客にも便利なシステムになっている。 この夏、都内のある斎場でのお通夜に出向いた時、まるで巨大スーパーのレジコーナーのごとく各家ごとの会場が分かるように大きな看板がずらりと並んでいた。都会においては「死」が流れ作業で処理されていくことに疑問と不安がよぎっただけではなく、両隣の斎場からは宗派の異なる読経が入り乱れ、「死」は都会においては雑踏のなかに埋没していると感じた。 そんな都会での「死」に対する現実を目…  全文読む 評価する

俠客の条件 俠客の条件
佐々木 昇/臭いものに蓋をしたがる日本だが、この階級闘争、政治裏面を抜きにして現代を語れない。
 政界の黒幕といわれた杉山茂丸は伊藤博文の刺客として上京したものの、いつしか長州閥に入り込んで様々な政治的問題の解決を行った。その杉山茂丸に関する資料を読んでいたとき、本書のメインテーマである吉田磯吉と幼少からの知己であることを知った。 吉田磯吉は侠客の世界の大親分とある。しかも、いまや全国にその勢力を張り巡らしている山口組の始祖ともいうべき立場であり、民政党選出の代議士でもあったという。小泉純一郎元首相のお祖父さんは倶梨伽羅紋紋の閣僚であったが、裏世界の代表である吉田磯吉も代議士であったことに驚く。 ここで、政界の黒幕といわれた杉山茂丸の勢力が長州閥だけではないことが分かったが、はたして吉田…  全文読む 評価する

広田弘毅 広田弘毅
佐々木 昇/処刑の前に、腹いっぱい酒を飲ませてあげたかった。
 日本が欧米主体の連合軍との戦争に負けてから60年余り。A級戦争犯罪人として、それも文官として唯一、絞首刑となった元総理大臣の本など、誰がどんな風に書いているのだろうと興味があって手にした。 広田弘毅という人物は、城山三郎の『落日燃ゆ』の影響からか、悲劇の宰相という印象を多くの読者に与えている。しかしながら、現職の大学の教員であり、戦後20年以上も経って生まれた著者は悲劇という感情を交えることなく、膨大な資料を読み解き、著者なりの政治的、歴史的解釈を加えているのが本書の特色だろうか。 そして、城山三郎が『落日燃ゆ』のなかで広田弘毅を政治結社玄洋社の社員ではないと断定しているなかで、著者は広田を…  全文読む 評価する

金印偽造事件 金印偽造事件
佐々木 昇/いいじゃないの幸せならば、と思うのですが。
 これが金印なのか、と初めて目にしたそれは模造品だった。 今から40年以上も前、太宰府天満宮の境内の一隅に設けられた特設の展示館で金印を見たのだが、ガラスケースに入り、その脇には監視役のおばちゃんが一人、呑気に座っていた。まあ、金印とはこんなものだろう、という程度だった。 その日本の歴史に燦然と輝く金印は偽物ではないかとして著者は論理を展開しているが、その推察はなかなかおもしろいなと思った。先般も旧大蔵省造幣局が所有する昔の金貨を競売にかけることになった際、そのうちのいくつかが偽造金貨とわかったが、逆に、コインマニアの間では偽造の方に価値を見出す人もいるのではと思った。そして、どんな人がどうや…  全文読む 評価する

西の魔女が死んだ 西の魔女が死んだ
佐々木 昇/まるで、童話のような小説でした。
≪西の魔女が死んだ≫で始まるこの小説は、どんなメルヘンが待ち受けているのかと思いながら読み進んだが、リアリズムに即したものだった。 友人関係の面倒くささから孤立してしまうまいを気遣ってくれたのは、一人暮らしのおばあちゃんだった。それも、日本人ではなくイギリス人。自称、魔女という。 否定ではなく、肯定からおばあちゃんの言葉は始まるが、すべてを受け入れてくれる存在に、登校拒否、イジメ問題に悩む子供も親も羨望のまなざしでおばあちゃんを見ることができるのではと思う。 おばあちゃんの口からは生活の知恵、ルーツ、生きる意味、死、それらが次々に言葉という魔法で繰り出されてくるのだが、それらがストンと納得づく…  全文読む 評価する

柳澤桂子いのちのことば 柳澤桂子いのちのことば
佐々木 昇/37年間の言葉の集約
 病に臥しての37年間、搾り出された言葉の数々が集約されているが、この真理に行き着くまでに著者はどれほどの苦しみを経てきたのだろうか。 たとえ血肉を分けた親子といえども、長年連れ添った間柄の夫や妻であっても、身体や心の痛みは完璧には理解されることはない。ましてや、他人にも、医療現場の人にでもである。その苦しみ、悲しみ、悩みの結晶が言葉として綴ってある。 著者が今のような情況に陥る前、それはそれは人も羨むような学識と美貌の人であっただけに、その乖離の大きさに他人よりも本人の衝撃のほうが大きかったのではと思わざるを得ない。自身はそこにあっても、常に他人はそこにあるわけではないのだから。 この、わず…  全文読む 評価する

寝ぼけ署長 寝ぼけ署長
佐々木 昇/敗戦後まもない作品なのに、内容に古さを感じないのは「ねぼけ署長」待望の気持ちがあるからか。
 ねぼけ署長こと五道三省による10編の事件簿だが、罪を憎んで人を憎まずという警察署長の事件解決に安心させられるというか、人としての道を教えられたというか、「良かったなあ」という充足感で満たさせるものだった。 読み始めの第一編目、すっきりとしない結末に少しばかりいらだちを覚えるが、なにか次には意外な面白さがあるのだろうと期待を抱いて読み進む。これまた肩すかしを食らったような読後感が残る。 そういった期待感と軽い失望の繰り返しが続き、いったい何なのだこの小説は、と思っているうちに、「ねぼけ署長」のペースにはめられていっている。極悪非道の悪人でもない限り、善良なる庶民に救いの道が用意されているところ…  全文読む 評価する

若きサムライのために 若きサムライのために
佐々木 昇/欧米を基軸とした世界がブレ始めた今、三島の語りが理解できるのでは。
 三島由紀夫が自決したニュースが映像として流れたとき、平凡な日々を送っていた田舎の中学生どもにも衝撃をあたえた。 たまたま、額に怪我をしてぐるぐる巻きの包帯を巻いたやつが赤のマジックで丸を描き、三島の演説のまねをしてクラス仲間の人気を博したのを覚えている。町に一軒しかない本屋に行くと、三島由紀夫の小説はわずかに数冊しか残っておらず、本屋のおばちゃんは売れ行きの良さに相好を崩していた。 その三島由紀夫が自決する以前に語った対談や書きおろしなどが収録されているが、福田首相の父である福田赳夫元首相が総理になる前に対談したものまでが含まれている。なんとも掴みどころのない対談内容だが、互いに東大法学部か…  全文読む 評価する

車輪の下 車輪の下
佐々木 昇/振り回される人生も、ころがる人生も、周っている。
 ヘッセ自身の経験をもとに書かれた小説ではあるが、時代の背景や場所は別にしても現代の日本にも十分に通じるものがあるのではないかと思う。 天性の頭脳と努力の結果、神学校という頭脳集団に選抜された少年たちが集められ、将来の大学教授、役人、牧師というエリートコースを歩むことになる。その登竜門ともいうべき神学校に入学した主人公ハンス・ギーベンラートの心の葛藤を描いたのがこの作品だが、それはヘルマン・ヘッセ自身の心情をそのまま映し出しているといっても過言ではない。 本人の意向よりも神学校の教師、少年たちの親や関係者という大人たちの名誉のために過酷な勉学を少年たちに強いていくが、それは「お前の将来のため」…  全文読む 評価する

幕末の外交官森山栄之助 幕末の外交官森山栄之助
佐々木 昇/今も昔も、外交はタフでなければならない。
 身分制度の厳しい江戸時代、長崎のオランダ通詞の森山栄之助が時代の要望に応えながら幕臣という身分にまで上りつめた一代記である。 オランダ語のみならず英語にも長けていたということが彼を幕府の外務官僚という身分にまで引き上げたのだが、幕末における諸外国との条約締結における彼の功績を知る人は少ない。その森山栄之助にスポットをあてての物語となっている。 オランダ通詞の身分は町民であり、代々世襲という特異な職業である。 どちらかというと、現代の商社マンのような働きをしており、日本人とオランダ人との間で通訳を行うことはもちろん、オランダからの交易品を売り捌く仕事も行っており、生活はいたって贅を極めていた。…  全文読む 評価する

私小説 私小説
佐々木 昇/「私小説」なのか「死小説」なのか。
 いきなり火葬場のシーンから始まる書き出しに、心中穏やかではないが、読み手の思惑などお構いなしに筆者のペースで物語が進んでいく。中途中途で霞のように昇り立つ筆者の記憶が織り込まれているが、その前後の脈絡もない話が不思議と邪魔をしないのがおもしろい。 死で始まり、生が織り込まれ、死が現れ、性と生とが合間合間につづられた文章から、筆者の視点と同じ場面に出くわし、読み手は勝手に自分なりの思い出を子私小説にしたてあげていて、そこで、一瞬間、字を追う目の動きがとまってしまう。「私小説」というタイトルから筆者の往年の浮名から、出家に至る話などが本音でつづられているのかと思いきや、「そんなのあたなたの勝手で…  全文読む 評価する

失格社員 失格社員
佐々木 昇/「大人の視点」で読むか「人間の視点」で読むかで反応が異なる。
 モーゼの十戒に擬えてサラリーマンが犯してはならないモラルをもとに書かれた10の短編集である。 銀行、生保、ゼネコン、メーカーと業種は様様だが、新聞を賑わす事件、水面下で処理される事件をストーリーに仕立てているが、やはりこの著者の強み、面白みは銀行を舞台にした事件だろうか。  なかには、読み始めてすぐに結末が読めてしまうものもあるが、こういったときは読者として勝手に続きのストーリーを考える楽しみがある。この主人公はこの先どうなるのだろうか、そういえば身近でもこれに似た事件があったなあ、など、そういった事を想像するとなかなか面白い。 カミソリで削り落とすようなキレが文章に感じられない箇所もあるが…  全文読む 評価する

雨の名前 雨の名前
佐々木 昇/自然と共生してきた日本人の言葉から思い出、遊び、現実が浮かび上がってくる。
 季節、地域、状況によって雨の名前が変化するが、それほど日本人の歴史のなかに雨が染み込んでいることの表れと思いながらこの写真集をめくっていった。 懐かしい日本各地の風景、季節、著者の雨にまつわる思い出が綴られ、ひとつひとつの雨の言葉に感心しながら、自身の雨にまつわる情景をも思い浮べながらページを進めていった。子どもの頃に使っていた傘は骨太、木綿が貼られていた。生地の木綿が雨を吸い込み、ただでさえ重たい傘がさらに重量を増し、くるくると水滴を飛ばさなければ仕方なかった。使い込んでくると、骨が当たる部分から穴が空き、頭からすっぽりとかぶってしゃがむとプラネタリュウムの星となってき、そこから雨がもれて…  全文読む 評価する

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