|
コレクション日本歌人選
|
|
安之助/歌はというものは、恋を詠んでいるものばかりではない、ということを、改めて知った。
|
高校時代、「古典」の点数を稼ぐためにだけ、山上憶良の名前を覚えた。「山上憶良=貧窮問答歌」、それだけである。当然、貧窮問答歌の中身は読んでいない。いや、教科書に載っていたから、授業で1、2回、目を通したかもしれないが、こちとら、古典の成績は「4(10段階です)」の劣等生、記憶にはない。それが、このたび、何がきっかけで、憶良の歌ばかり39編読む気になったのか。簡単にいえば“大人になった”んでしょうか。 歌(和歌)というと、恋を詠んだ歌がどうしても頭に浮かぶ。ところが、山上憶良の作品は傾向が違う。出典が主に万葉集だからかもしれない。万葉集に取り上げられている歌は、憶良が五十歳より後の作品で、もし…
|
|
|
桂米朝句集
|
|
安之助/人間国宝らしい端正な句、噺家らしいクスリとしたくなる句、みんな合わせて桂米朝
|
説明するまでもなく、上方落語の第一人者で人間国宝の桂米朝の俳句集である。米朝が最初に俳句に興味を持ったのは、まだ小学生のときだというから、いまどきの小学生とはかなり違う。当時の小学生向けの雑誌には、わかりやすい俳句が載っていたという。中学生(旧制)になってからは、さらに夢中。正岡子規の影響で、蕪村を好きになったり、一茶をよみふけったり、いやいや、やっぱり芭蕉に戻らねば…。『ホトトギス』も読んでたそうだ。もちろん、作句もしたようだが、残念ながら戦火でみな失ってしまった。 戦後のどさくさでは、趣味を呑気に楽しむ余裕はない。噺家になってから、しばらくは俳句とはひとまず縁が切れた。それが復活したのは…
|
|
|
漢語の知識
|
|
安之助/中国は、漢人の末裔の国だが、日本人が「漢語」と思っている語句が、違う意味のことがある
|
「勉強」というと、いわゆる「学ぶ」の意の「漢語」だとばかり思っていた。しかし、“本場”の中国では、そのような意味がないという。そう聞かされて、書き下し文で読んでみると「強(し)いて、勉(つと)める」。なるほど、学問の意味など、ほとんどないではないか。国語辞典で引いてみると、最初に「学問や技芸などを学ぶこと」とあり、最後におまけのように「商人が商品を値引きして安く売ること」とある。中国では後者の意味だけしかないそうだ。「一生懸命“勉強”する」という意味だと、「勉励」のほうが近いそうだ。 「一衣帯水」。普通、四字熟語といえば「2文字+2文字」で成り立っているものだが、「一衣帯水」は、「1文字+2…
|
|
|
長屋の富
|
|
安之助/活字に起こした落語として読むか、あくまでも小説として読むか。
|
本書の表題を、最初、目にしたときは、古典落語に「宿屋の富」という演目があるので、正直な話、それと混同していた。ところが違った。談四楼のオリジナル。『ちくま』連載を単行本化したものである。 左官の次郎兵衛が珍しく賽子博奕で大勝ちした。皆に、椀飯振舞をしてるところに、寄ったのが、大家の昔馴染みの日向屋の隠居。聞けば、隠居して、暇を持て余しているから、富くじ売りをやることになった。ちょうど、一枚、売れ残りがあるから、「次郎さん、買わないかい」と水を向けると、次郎兵衛は気が大きくなっているから、一分を出すことにした。なんと、それが一番富・千両が当たったのである。金をめぐる長屋の人間模様。 これは「小…
|
|
|
女騎手
|
|
安之助/例えば「野球界」をテーマにするときは、いちいち用語の説明が要らないけれど、「競馬」ではそうもいかない。それが、不利かな。
|
趣味を聞かれると、私は「読書と競馬」と答える。だから、競馬を題材にした、いわゆる「競馬ミステリー」などは、好きなジャンルのひとつである。だだ、一般論として見ると、日本の競馬を舞台にする作品は、なかなか難しいことも事実である。欧米とは違って、生活の中の「競走馬」、スポーツとしての「競馬」の文化が根付いていない。なにせ、競馬をテーマにして直木賞受賞作品のタイトルが『八百長』(新橋遊吉著=1965年下期)だというのだから、競馬が市民権を得にくかったのは当たり前。1961年に、いわゆる「長沼答申」で、競輪、競艇、オートを含む公営競技に足かせが付けられたのも影響したに違いない。 したがって、本書には、…
|
|
|
海自レシピお艦の味
|
|
安之助/カレーは大人数分作ったほうが美味い。
|
前書きで宮嶋茂樹氏(フリーカメラマン兼ジャーナリスト)曰く「海上自衛隊のみ帝国海岸以来、めし係を給養員と呼び、乗る船がかわろうが、ずうと調理一本で自衛隊生活を送るのである。その点、めし係が交代制の陸上、航空、他自衛隊とちゃうとである。だから、めしの伝統とノウハウが完璧に現代まで受け継がれ、戦前、戦中、戦後を通じて、海のめしが一番旨いと言われているのである」。本書は、海上自衛隊の監修の下に集められた、艦艇&基地の味51皿の「特選海自レシピ」である。 Part1 海自カレー(15皿) Part2 海自の和食(11皿) Part3 海自の洋食(14皿) Part4 海自のアジアごはん(11皿) な…
|
|
|
漬けもの博物誌
|
|
安之助/奈良漬けは、本来「白瓜」を漬けたものだけを指す。
|
本書は1974年に毎日新聞に連載の『漬けもの風土記』を基にして、単行本化されたものの再刊である。だから、本文中で「いまでは」とか「このごろでは」という時制の表現がある場合、「いま」が指すのは2010年ではなく、1974年の“過去”のことである。しかし、それを割り引いても、いまでも通じる漬けものの蘊蓄がいろいろ記されている。 第1章 漬けもの風土記 第2章 漬けものめぐり 第3章 漬けもの博物誌 『カムイ伝・第一部』(小学館発行:白土三平著)を読んだのは、かなり昔のことで、記憶が曖昧だし、本筋にそれほど、関連があるとは思えないが、確か「やたら漬け」というものが、出てきたと思う。本書の解説による…
|
|
|
拮抗
|
|
安之助/15対8と7対4-どちらのオッズのほうが、どれだけ分がよいかが判らないと、ブックメーカーのカモになるかも
|
暮れから正月にかけて、ディック・フランシスの競馬ミステリーと、ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズの新刊を読むのが、私の年中行事となっていた。それが、3年前に両方の訳者・菊池光氏が亡くなったのに続いて、今年になって、どちらも著者が亡くなってしまった。ぽっかり、穴が開いた気分である。 結果的に本書が“遺作”と、なってしまったわけだが、子息のフェリックス・フランシスとの共著の割合は、どのくらいだったのだろう。以前は、フェリックスがサーチを手伝ったり、フェリックスの知識自体が、大きな範囲を占めている場合でも、あくまでも著者として記すのは《ディック・フランシス》単独だった。それが、わざわざ共作…
|
|
|
世界の犬の民話
|
|
安之助/犬は、人間のよき“仲間”
|
犬が人間の“仲間”になってから、1万5千~2万年が経過している。もちろん、他の動物よりも早い。したがって、犬にまつわる民話は、世界中のほとんどに語り継がれている。「ほとんど」と、制限を付けなくてはならなかったのは、イスラム圏のそれは、拾えていないから。理由を推測すると、イスラムでは犬を不浄の存在としているからだろう。 一章 火を盗んだコヨーテ-神話の世界(6編) 二章 人間と縁を結んだ犬-由来の話(16編) 三章 夜の狩人-魔的な犬(24編) 四章 狼の歌-こわい犬と狼(9編) 五章 月をかむ犬-人を助ける犬と狼(19編) 六章 犬と友だちになったコヨーテ-動物たちのつきあい(22編) …
|
|
|
よくわかる「世界の恐竜」事典
|
|
安之助/一口に「恐竜」というが、恐ろしくない“草食系”もいます。
|
男の子の小さいころは、大体において「恐竜」に興味を持つものだ。それは『ジュラシック・パーク』(マイケル・クライトン著=スティーヴン・スピルバーグにより映画化)のヒットでも分かるだろう。私の子どものころというと、「ジュラシック・パーク」が発表されるだいぶ以前だが、それでもご多分にもれず、代表的な恐竜の名前を何種類か、覚えたものである。 ただ、厳密に言えば、「恐竜」でないものもあったようだ。というのも、「恐竜」の定義は「地上で生息し、直立歩行をする爬虫類とされている。空を飛ぶ翼竜や海を泳ぐ魚竜・首長竜などは日常的に恐竜と誤解する人もいるが、分類上は恐竜とは扱わない」そうである。だから、ティラノサ…
|
|
|
競馬必勝放浪記
|
|
安之助/かつて「日蔭者の遊び」だった。それが今では「カタギがが競馬をやる時代」になった。
|
本書を手に取る前までは、著者の素性を知らなかったから、どうせ「必勝放浪記」というから、何やら胡散臭い人物が、説得力がない“必勝法”を説く本だろうかと、さして期待せずに、読み始めた。ところが、思いがけずに私のツボにズッポリはまった。著者は元週刊現代の編集長。初めて競馬場で競走馬を見たのが高校3年のときで、シンザンのダービーだというから、今年で64歳ほどになる計算か。仕事柄、競馬に一家言ある(あった)有名人と接した思い出(彼らの必勝法)を書き連ねたのが本書である。私は著者より年下で競馬ファンになったのは、年代的にもう少し遅いが、ここで挙げられている人物の発言は、ほとんどリアルタイムで読んだり聞い…
|
|
|
一手千両
|
|
安之助/ちょっと古いけれど『赤いダイヤ』(梶山季之著)を思い出した。
|
先物市場自体は大昔から存在しているが、組織化された取引所において集中した形で先物取引が行われたのは、一七三〇年、大阪で堂島米会所が開発されたのが、世界で最初のことである。(エスケープ・トゥ・ザ・フューチャーズ 金融先物市場の父 レオ・メラメド著) 作品の本文の前に、この文が提示してあるように、本作品の横糸は“先物相場”。そして縦糸は、主人公の友人の不可解な死である。 主人公は仲買の倅で、親から独立(分家)して、まだ二十代にもかかわらず店を構えている。十代の前半から学問所で机を並べた仲間(吉之助=主人公、藤吉、弥五郎、作右衛門、善太郎)のうち藤吉が、不可解な「心中」で死んだ。ところが、藤吉は…
|
|
|
文科系のための暦読本
|
|
安之助/『金色夜叉』での、貫一の「今月、今夜のこの月も、僕の涙で曇らせてみせる」というセリフも、月を基準の「太陰暦」だったから。
|
「ジューンブライド」という言葉がある。日本語に訳せば「6月の花嫁」。では、なぜ「6月」と「花嫁」が結びついたのか。これなどは必ずしも本題ではないが、本書を読むことによって「暦」に関する知識が膨らむことは間違いない。 古代ローマで皇帝ロムルスにより暦が初めて制定されたとき、「春」を基準に定められた。だから、今の「3月」が新年の始まりで「第1月(一番目の月)」は「軍神マルス(Mars)の月」と名付けられ、「第2月」は「春と美の女神アフロディテ(Aphrodite)の月」、「第3月」は「豊穣の神マイア(Maia)」、「第4月」は「母なる結婚の神ユノー(Juno)になった。つまり、今の「6月」は「ユ…
|
|
|
読めるようで、なぜか読めない漢字
|
|
安之助/「鞴」という字をを読む(読める)必要があるのか? 誰が平仮名表記にするというのでしょうか!
|
「漢字検定」はどうなってしまうのだろう。理事長、副理事長の退任で、すっかり膿を出せて、すっきりと続くのだろうか。もっとも、「漢字検定」は能力の計測手段であって、それ自体は目的ではない。「検定」がなくなっても、「読める」ことが役に立つのは変わりがない。 世間の人の“漢字力”はどの程度なのだろうか。本書は「漢字検定」に準拠して作られているわけではないが、一読したところ、ここに掲げられている漢字は「漢字検定」の2級程度のものである。だから、2級を受検するとき、この本をマスターしてあれば、「読み」という点では、かなり合格に近付くのではないか。さらに、本書のいい点は、漢字の「読み」だけでなく、長文の「…
|
|
|
誰も知らない語源の話
|
|
安之助/「民」の中国語での語源(字源)は、「片目をつぶされた奴隷」ですって。そう聞けば、いくら橋下知事が腹をたてても、国交省としては、字義どおりにしただけなのかなあ。
|
桜も散って、いまさら「春の七草」もなんだけれど、「すずな」「すずしろ」の語源に納得。言わずもがなかもしれないが、「すずな」は蕪、「すずしろ」は大根のこと。まず「すずな」だが、語源は「鈴+菜」。「神楽の鈴のような葉の菜」だという。対して「すずしろ」には二説あって、説1は「スズ(スズナ)+シロ(代わり)」で「蕪の代わり」の意。説2は「スズ(スズナ)+シロ(白)」で「真っ白な蕪」。いずれにしろ、どちらも蕪を“中心野菜”としていたことがうかがえる。これまで「春の七草」を言えたことは言えたが、実を言うと、どちらが蕪やら大根やら、甚だ心もとない状態だった。それが、語源を知った今度からは、自信もって“発表…
|
|
|
三木助歳時記
|
|
安之助/「とんち教室」の三木助といっても、わかる人は少ないだろうな
|
暮れの毎日新聞・東京夕刊に「高座にかける叔父の夢 桂三木男さん「四代目三木助が励んだ芝浜を」」という見出しの記事が載っていた。かと思えば1月4日の「情熱大陸」に取り上げられていたのは立川談春、彼が独演会で「芝浜」を演じるところがクライマックスになっていた。それに触発されて、本書を読み返そうと思ったが、30年ぐらい前の本だから、蔵書にあるはずが、行方不明。半ば、あきらめていたら、なんと、オリジナルと違う出版社から、昨年、再版されているではないか。そして、さらに奇遇なことには、その再版にあとがきを寄稿しているのが立川談春であった。 本作品は、安藤鶴夫の未完絶筆。安藤鶴夫(安鶴)は思い込みが激しく…
|
|
|
新三河物語
|
|
安之助/「一将功成りて、万骨枯る」
|
大久保彦左衛門といったら、小さいときに見た東映映画の「一心太助」のわき役が最初の印象で、次いでは山本周五郎の『彦左衛門外記』の主人公もろくなものではない。どちらも、頑固または偏屈な年寄りという印象だった。後になって『三河物語』を著者だと知ったが、自分では原書を読む気はないから、おそらく『三河物語』に書いてあるのも「彦左衛門の愚痴が詰まった」ものだと思い込んでいた。それを宮城谷昌光が、本書で修正してくれた。 宮城谷の著書は、おおむね“タネ本”となる史書がある。得意の古代中国を舞台にしたものがそうであり、その“タネ”を膨らまし、肉付けして、ときには想像で補う。本書は彦左衛門が『三河物語』を執筆す…
|
|
|
いだてん剣法
|
|
安之助/600ページで730円。面白さを含めたコストパフォーマンスは抜群
|
かつて五百円紙幣の“顔”と言ったら岩倉具視で、82年に五百円硬貨が発行されるまで、明治維新の元勲として、かなり有名な人物であった。公武合体論を唱えて和宮降嫁の実現に活躍した下級公家であると、確か、学校の歴史で習った。それが、金がないため、家の一角を博打場に貸して、“ショバ代”を取っていたとは-。そのことは、澤田ふじ子の作品でも読んだことがある。そのときは話を面白くするための創造かもしれないと、半信半疑だったのだが、別々の著名の作家が触れているのであれば、いわば“ダブルチェック”済み。岩倉が、ショバ代で生活していたのは、事実なのだろう。 それはさておき、本書の主人公は「瀬越しの半六」という元武…
|
|
|
最新コレステロールを下げる知恵とコツ
|
|
安之助/生活習慣病を予防するための必須の知識
|
“特定検診”だか何だか知らないが、例年のように区から案内が来たので、健康診断を受診してきた。結果は「わずかながら悪玉コレステロールの基準値がオーバーしている」とのこと。もっとも、それに続いて「善玉コレステロール値は標準だから、いまのところ、とりたてての治療(服薬)はは不要で、節制に励めばいい」と言われて一安心。ただ、その「節制」が本当は苦手なんだけどね。 Part1 食生活の改善で下げる Part2 簡単な運動で下げる Part3 油のとり方で下げる Part4 常識を変えて下げる Part5 有効成分で下げる Part6 特効食品で下げる Part7 食べ方や調理法で下げる 著者は1人だけ…
|
|
|
尿酸値を下げたいあなたへ
|
|
安之助/痛風はゼイタク病ではない。いまの食生活では“一億総予備軍”
|
果たして私は痛風なのだろうか。疑問に思っていた。 30年ほど前、夕刻に下腹部が激しく痛くなった。症状が軽くなったときを見計らい、日大駿河台病院の夜間診療に飛び込んだ。診断の結果は尿管結石。痛み止めの注射と水分たくさん摂るようにとの託宣で追い返された。 20年ほど前には外傷が何もないのに、左足首のあたりが腫れて、歩けないほどの激痛が走った。当時、東大病院には母が定期的に通院していて、都合が悪いときには代理で薬をとってくることもあったので、まったく知らない病院ではないからと、2、3日我慢したあげくに、出かけた。即、行かなかったのは、痛みが治まるかもと待っていたこともあるが、どの診療科にかかればい…
|
|
|
患者よ、もっとワガママになれ!
|
|
安之助/タイトルほど過激ではありません。
|
最近、話題の“モンスターペイシェント(問題患者)”になることを勧める本ではない。ドクター(病院)の言うことをおとなしく聞いているのは、患者自身のためにはならないから、常識の範囲内でもっと積極的(ワガママ)になったらどうですかというのがテーマである。 例えば、テレビで見かけるようになったジェネリック薬品についてだが、「安い薬に替えてくれ」と考えるのは、財布の中身からも当然のリクエスト。直接、医者に口頭で伝えにくければ、「ジェネリック薬品お願いカード」がインターネットでダウンロードできるから、それを手渡せばいい。また、それ以上に申し出にくいのがセカンドオピニオンを取りたい場合。主治医と良い関係の…
|
|
|
凄い漢字
|
|
安之助/76画の字も載っています
|
「金」扁に旁が「玉」と書いたひと文字。さて、あなたはこの漢字の「読み」と「意味」がわかりますか? 念を押しておきますが、「金」扁に旁が「玉」です。両者をバラバラにして「キン○マ」は不正解ですよ。 もったいぶることはありません。解答は「読みはギョク、意味は硬い金属」です。本書に網羅してある漢字のレベルとしてはこれが序の口。精査したわけではありませんが、おそらく、本書で取り上げられた漢字は、どれも直接の表記はできないでしょう。扁(部首)と旁の組み合わせで間接的に説明できればましなほうで、それすら不可能なものがたくさんあります。冗談としか思えないものもでも、“本当の字”。多くの<異体字>と<書体>…
|
|
|
メタボの罠
|
|
安之助/森3中の村上知子は、メタボに引っ掛からないのかなあ
|
今年の4月からいわゆる“メタボ検診”が制度化したという。私はズボンのウエストサイズに限れば、85センチをはいているから、危険水域に入っているのだろうか。詳細な検査を受けたほうがいいのかもと、不安に苛まれる。ところが、その「ウエスト」で診断する方法が当てにならないという意見がある。日本では「男性≧85センチ、女性≧90センチ」がウエスト周囲径の基準値だが、「国際糖尿病連合」の発表によれば、他のどの国(地域)でも、男性のほうが女性よりも小さいところはないらしい。欧州人は「男性≧94センチ、女性≧80センチ」だし、人種的に日本人と近い中国人も「男性≧90センチ、女性≧80センチ」だ。素人考えでも、…
|
|
|
カンガルー・ハッチのおやじな毎日
|
|
安之助/「ハッチ」といってもミツバチではない
|
オレはハッチ。もしかすると日本で一番有名なアカカンガルーかもしれない。そのきっかけとなったのは、パートナーとして一緒に須坂市動物園に来たオードリーが亡くなって、一人ぼっちになったこと。かわいそうに思った飼育員の人が、寂しさを紛らわせられるかなと、サンドバッグをつるしてくれたんだ。お恥ずかしいことに、まんまとその手に乗って、トレーニング三昧の日々。評判を聞いて、地元のテレビ局が取材に来たときにも張り切って、頭突き、キックの大サービス。放映を見てますます来園者が増えたというわけ。今では、新しいお嫁さんのクララが来て、クララが産んだ子どももいて、家族が増えた。でも、クララが嫁入り時に既…
|
|
|
祝宴
|
|
安之助/主人公がミシュランの星をもらっているシェフというのは、偶然だろうね
|
落語に「三題噺」という手法がある。一見して無関係な「題」を三つ、観客に出してもらい、噺家が即興(といっても、30分程度の猶予はある)で噺を作る。しかし作った噺は、「題」が本筋に密接に関係していなくてはならないという厳しいルールがある。古典の名作だと言われている「芝浜」、「鰍沢」も「三題噺」として作られたのだという。本書の「題」はというと「食中毒」、「爆弾テロ」、「ポロ」だろうか。客(読者)が出題したのではないが、三つの「題」がどのようにつながるかはわからない。おそらく9割がた読まなければ、事件の真相は見えてこないだろう。「Who done it」、「Why done it 」-本…
|
|
|
名門校に席をおくな!
|
|
安之助/危機一発or危機一髪。007が混乱の種を蒔いた
|
Wordを使い添付ファイルでやり取りし、年下の同僚の文章を、頼まれて添削してあげたことがある。発表用の文章なので、万全を期すためだ。手直しが終わり「私の意見に異議がなければ、このまま使ってもいいし、それは自身で判断してください」とまとめた。それに対する返信-「意義がないから、そのまま使います」。・・・??? 第1章 名門校に席をおくな 第2章 無知な者ほど面の皮が厚い? 第3章 抱擁力はセクハラのもと 第4章 ウワキショウは病気か 第5章 トドは出世しない 第6章 ヴュッフェはオシャレ?「第一章では比較的単純な誤記を、第二章では間違いやすい四字熟語・慣用表現を、第三章では似た語が…
|
|
|
おたから蜜姫
|
|
安之助/今回のタイトルは「おたから蜜姫」ではなく、蜜姫の母親である「おたから宇多」のほうがふさわしいかな
|
本書の性格を一口で言えば、【(インディー・ジョーンズ+ダ・ヴィンチ・コード)÷2】風の趣を持ちながら、ユーモア小説の色合いでまぶしたものである。日本人ならほとんどの人が知っている「かぐや姫」の話、その中に登場する「財宝」が、お伽噺の中だけではなく、象徴するものが現実にあるのではないか。それを「蜜姫」一統が探すことになった。 「かぐや姫」の話とは『竹取物語』である。この世のものとは思えないかぐや姫に、『竹取物語』には5人のプロポーズする男性が登場する。かぐや姫は5人の申し込みに、誰とは選べないので、別々の「珍宝」を取ってくるという課題を出し、「早く成し遂げた人のものになりましょう」…
|
|
|
体をまもるしくみ事典
|
|
安之助/自己免疫を研ぎ澄ますと、医者要らず・・・かな?
|
病気になってから慌てても遅い。まず、予防することだ。そのためには、健康を維持する体のシステムが分かっていれば、かなり役に立つ。システムを知らないがゆえに、かえって悪い方向に進路を取り、初期の病気からこじらせることもある。本書は治療法の本ではない。自己に備わっている、「免疫」について記された本だ。 東京医科歯科大学の藤田紘一郎教授が、あるとき新聞社に<給食ミルクが黄色ブドウ球菌に、汚染されていて、そのため児童が集団で下痢をした>という事件が報じられた際に、コメントを求められたという。新聞社とすれば汚染牛乳の供給を非難する意見を期待していたのだろうが、藤田教授の専門は感染免疫学だから、返ってきた答…
|
|
|
野生馬を追う
|
|
安之助/「ロバを売る」-という題名では売れないから、そっちになったのかな
|
動物学で「野生」を厳密に定義すると、一度も人間の手により品種改良をなされていない「種」をいう。それでいうと、ウマ(動物学では名前をカタカナ表記する)はなまじ家畜として役に立ちすぎたので、ほぼ「野生馬」は絶滅。確認できているのはモウコノウマだけだ。蛇足でいえば、あえて漢字表記をすると「蒙古野馬」であって、決して“蒙古の馬”ではない。さらに蛇足を積み重ねると、アマミノクロウサギを漢字化すると「奄美野黒兎」であって、“奄美の黒兎”ではない。しかし、大国主命の話に出てくるイナバノシロウサギは「因幡の白兎」が正解。って、脱線しすぎかな。 閑話休題。だが、代わりにかなり前に「野生化」したウマはいる。「再野…
|
|
|
アサガオはいつ、花を開くのか?
|
|
安之助/地方新聞だけの連載ではもったいない
|
小学校時代は、どちらかというと「理科」は嫌いではなかった。それが、高校を卒業する頃になると、「理科系科目」は敬遠したい科目に化けていた。社会にでてからは、推して知るべしである。何故だろう。思うに、あまりに科学が高度に発達したため、関心や興味を「ひく」より、むしろ「削ぐ」ほうに働いていたからではないか。本書は神奈川新聞に2年間にわたり「KASTのお茶の間サイエンス」として、毎週連載したものに加筆修正したもの。お茶の間サイエンスなのだから、扱うことはそんなに難しいものでないし、少し込み入ったものは噛み砕いてある。何より、連載コラムだから、1回分が新書版の見開きで収まるのは、ほどよい分量(文量)だ。…
|
|