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コレクション日本歌人選 コレクション日本歌人選
ベニスの商人/『坊ちゃん』の作者というより、『それから』の作者のものだと考えたほうが、これらの詩句は分かりやすい。
 漱石と俳句の繋がりは、子規との交流を知っていれば、ま、分かるけれど、漢詩のほうは、ちょっと唐突な感じがした。だが、よく考えれば、東京帝国大学文科文学部英文学科に特待生として入学しているのだから、直接の専攻でなくとも、そのくらいは簡単だっただろう。そういえば、漱石のペンネーム(本名は金之助)の由来は、「漱石枕流」の漢語(四字熟語)。そこにも、漢文への造詣の深さが表れてるとは言えないか。 「名月や故郷(ふるさと)遠き影法師」-時期的には、松山中学校には赴任していたころである。小説『坊ちゃん』の主人公は大暴れしたが、現実の漱石はこのような句を詠むしか、なかったのだろう。「十五夜の夜、夜道を歩いてい…  全文読む 評価する

屋久島発うみがめのなみだ 屋久島発うみがめのなみだ
ベニスの商人/海岸線の開発は、ウミガメの絶滅を助長しかねない。
 産卵するウミガメは、その愛らしい目から、糸を引くような涙を流す。テレビのドキュメント映像で見たことがある人は、決して少なくないだろう。そして、この「涙」を初めて見た人々は、それをお産の苦しみから流す涙と思うだろう。ひいては、現在の環境汚染で、産卵する場所がだんだん無くなった悲しみと抗議の涙と、思うかもしれない。だが、そんなに擬人化して、捉える必要はない。 実は、「ウミガメの涙」と思われているのは、「涙」ではない。ウミガメはエサと同時に大量の海水を摂取している。そこで、余分の塩分を「涙もどき」として、目から排出しているだけなのだ。つまり、単なる生理作用。その塩分濃度は海水の3倍に及ぶという。本…  全文読む 評価する

下村博文の教育立国論 下村博文の教育立国論
ベニスの商人/教育は財産である
 支持政党は、と問われたら「なし」と答えることにしている。ただ、どちらかといえば、長年、政権を担っていた政党だということで「反自民」になるかもしれない。実際、地方選、国政レベルのどちらでも自民党(及び、与党)に投票したことはない。もっとも、いわゆる左翼思想にも与しない。支持政党がないのは、「是々非々」で、そのつど判断したいがため。本書の著者は自民党の代議士である。政治家の出版する本ときたら、選挙目当てのパブリシティーが大半で、ましてや自民党、普通なら一顧だにしないはずだが、本書の発行日は2010年の10月31日で、その少し前に、総選挙が行われていたから、宣伝には役に立ちそうもない。さらに、テー…  全文読む 評価する

こだまでしょうか、いいえ、誰でも。 こだまでしょうか、いいえ、誰でも。
ベニスの商人/童謡詩の裏には、陰鬱な翳がある
 東日本大震災に派生して脚光を浴びたのが「AC」のコマーシャル。この非常事態で、正規のCMを流すのはまずかろうというので、大半が、差し替えられた。もっとも、当初は、「電車乗車マナー啓発」など、見当違いの、CMも流されたと記憶している。その中にあって、淘汰を潜り抜けたのが、詩を題材にした2本。1本は「こんにちは こんにちワン~」で始まる宮沢章二の作品であり、もう1本が「「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。~」で始まる金子みすゞの作品だ。本書はサブタイトルにもあるように「金子みすゞ詩集百選」である。 みすゞを西条八十は「若き童謡詩人の中の巨星」と評したという。もっとも、生前には、実際の童謡と…  全文読む 評価する

文字・文・ことばの近代化 文字・文・ことばの近代化
ベニスの商人/“資料”としては、整理されている
 ちょっと、詰め込み過ぎた感がある。そのため、著者の主張するところが、見えなくなってしまっている。「文字」「文」「ことば」、どれか一つに絞って、話を開陳すれば、よかったのではないか。 1 文 学  第一章 漢字をめぐる諸問題  第二章 維新期における文学事情  第三章 文字雑談  第四章 当用漢字・常用漢字 2 文・文体  第一章 文体の変遷  第二章 仮名遣いと敬語  第三章 文字・ことばにみる男女差  第四章 漢文体・文語体・和語 3 ことば  第一章 ことばをめぐる議論  第二章 世界の言語とその状況  第三章 外来語  第四章 いろいろな用語 約200ページの中に、全12章が詰まってお…  全文読む 評価する

中高年、鼻で確かめる消費期限 中高年、鼻で確かめる消費期限
ベニスの商人/中高年の女性以外には、若干、辛い
 綾小路きみまろの著書の出版数は、本書以前に累計70万部にも及ぶというが、実は、綾小路きみまろはの本を私が読むのは初めてである。もちろん、ライブにも出かけたことがない。そういう意味で、熱心なファンではないが、その代わり、「極めて面白い漫談家」という先入観もない。割と、冷静に、“面白さ”を評価できるものと思う。 綾小路きみまろは、いわゆる“お笑い番組”には、出演しない。それが、正解だろう。中途半端にテレビに出捲くったおかげで、一発屋というレッテルを貼られた芸人が、どれだけいるものか。その点、綾小路きみまろは、ライブ主体で稼いでいるから、このような著書も出版できる。「太く短く」でなく、「やや太く長…  全文読む 評価する

カップヌードルをぶっつぶせ! カップヌードルをぶっつぶせ!
ベニスの商人/尊敬しているからこそ、「ぶっつぶせ」。
 いま、NHKの大河ドラマ「江」の主人公は、もちろん江である。では、江の夫は誰か知っているだろうか。徳川二代目将軍・秀忠である。ただ、実績の割には、あまり思い出せない人物であることも確かだ。その原因は、“徳川系”の偏諱(へんき)でないことと、二代目という割の合わないポジションにいることが挙げられるだろう。ちなみに偏諱とは、貴人から臣下への恩恵の付与として名前の一文字を与える。秀忠は豊臣秀吉の“秀”を貰ったわけだ。 それはさておき、二代目は結構、大変である。ともすれば、偉大な創業者の陰に、隠れてしまう。創業者はダメでもともとという面があるけれど、二代目になってポシャッてしまってみた日には、何を言…  全文読む 評価する

新聞記者で死にたい 新聞記者で死にたい
ベニスの商人/「書く」ことが、頭のいい“リハビリ”になる。
 かねてから読みたいと思っていた『新聞記者で死にたい-障害は「個性」だ』が、十数年経ってから、『新聞記者で死にたい-オウム事件と闘病の日々』という題名となって文庫化された。毎日新聞の記者であり、サンデー毎日の編集長も務めた著者が、働き盛りで脳卒中を患った。一口でいえば、その闘病記である。 実は、私も著者同様、脳卒中を患い、その後遺症で現在も右片麻痺(半身不随)で、構音障害に悩まされている(軽い失語症もある)。その意味では著者は病気の“先輩”である。ただ、著者が脳卒中を発症した時点では、私は健常者だし、冒頭の新書版が出版されたときでも、同様。したがって、無関係な本だと、見過ごしてしまっていた。と…  全文読む 評価する

和食の基本レシピ 和食の基本レシピ
ベニスの商人/基本は甘みが先
 よんどころない事情で、ひとり飯にならざるを得なくなった。期間は暫くだから、外食三昧でもいいのだが、どうせなら、自炊を試みよう。幸い、台所に立つのが初めてというわけではない。本書を参考書にして“復習”-いやいや、やはり、心構えとしては、新規に学ぼう。 最初に載っているレシピは「肉じゃが」。これは基本中の基本だから、私も作ったことがある。使う肉も牛と豚と、どちらも経験あり。ただ、いま一つ、味が安定しなかった。ま、素材と調味料は失敗しようがないものだから、“大”は付かずに、順調に片付けられた(胃袋に)のだが、自分としては満足していなかった。それが、今回、原因判明。調味料を加える順番が、違ったからな…  全文読む 評価する

裁判員 裁判員
ベニスの商人/あなたは裁判員として「死刑」を宣告できますか?
 裁判員制度による裁判が行われるようになってから、1年あまり経つ。新聞やテレビなどで見る限りでは、「犯行」そのものは被告人側も認めていて、争点は主に「量刑」だけ。「やったか、やらないか」の判断を求められるのではなく「どのくらいの刑罰でいいのか?」なら、まあ、一般人の“常識”で答を出せるだろう。ちなみに、大きく取り上げられた事件の一審判決は、概ね、プロの裁判官だけが下した、いわゆる“相場”を上回っているようだ。 だが、裁判員制度による裁判で被告人が「無罪」を言いだすとどうなるのだろう。ここ、しばらくは、「有罪」が明らかな事件だけだけれど、制度としては、検察の起訴した罪状により、裁判員制度に適して…  全文読む 評価する

鬼平の給与明細 鬼平の給与明細
ベニスの商人/「火付盗賊改」は、割に合わない役職
 早い話が、江戸時代の“国家公務員”は、いくら給料を貰っていたかという本。「鬼平」は“つかみ”のようなもので、徳川家直属の、旗本、御家人の全体としての懐具合が記されている。 1.鬼平の懐事情~金策に苦心する 2.金品が飛び交う江戸の武家社会~給与の表と裏 3.御家人の生活簿~武士の財テク 4.旗本の家計事情~農民への借財 5.武士の消滅~消え行く家禄 長谷川平蔵(鬼平)が就いていた「火付盗賊改」は、町奉行所の補完的役割を担っていた。町奉行は、いまでいう都知事兼警視総監兼最高裁判所長官の役目。時代劇では、捕り物ばかりがクローズアップされるが、実は、犯罪を検挙する町回り同心は、20人ほどしかいなか…  全文読む 評価する

検察審査会の午後 検察審査会の午後
ベニスの商人/小説ですが、検察審査会の仕組みを知るしるべとしても役に立ちます
 検察審査会。制度としては60年ほど前からあったそうだが、今年になるまでは、ほとんどの一般人は知らなかっただろう。検察が不起訴とした案件を、本当にそれでいいのかと、審査するものである。今年になって、突然、脚光を浴びるようになったのは、昨年の今頃、法律が改正されたから。 審査会のメンバーは11人。いままでだと、過半数により、不起訴が「不当」であるか「相当」であるかだけを判断すればいいし、仮に検察審査員が「不起訴不当」と判断しても、検察庁は審査会の議決に拘束されなかった。つまり、検察審査員の誰もが「不起訴不当だろ」と考えても、検察がそのまま、不起訴にするのであったとしても、許されたのである。 それ…  全文読む 評価する

戸籍を読み解いて家系図をつくろう 戸籍を読み解いて家系図をつくろう
ベニスの商人/戸籍地は、自分の“好み”で定めることができる。
 日本は戸籍に関しては、諸外国の及ばない先進国である。なぜなら、江戸時代に既に「宗門人別帳」という、今の戸籍の前身というものがあった。それどころか「無宿人別帳」というものすら存在した。「無宿」は字面(じづら)通りに“直訳”すれば、「ホームレス」だけれど、実際は「住所不定」程度だろう。その住所不定の面々の「人別帳」があったというのだから、驚くというより“あきれる”ばかりであるが、その信頼性により、ギネス記録で「最年長○○」といったようなものも、達成者が日本人ならば、すんなり認められるようだ。それほど正確な戸籍なのだから、それを読み解いて家系図をつくろうというのがこの本の趣旨。家に居ながらにして、…  全文読む 評価する

日本最初の盲導犬 日本最初の盲導犬
ベニスの商人/盲導犬は、mate(仲間、航海士)である
 1939年5月26日、ポツダムのドイツ国立盲導犬学校を卒業したばかりの、リタ、アスター(資料によってはアルマ)、ボド、ルティの4頭のジャーマンシェパードが横浜港に上陸した。出迎えたのは《カリーライス》で有名な新宿中村屋の相馬安雄氏である。 そもそものきっかけは、しばらく前にアメリカ人大学生ゴルドン君(今の読みだと「ゴードン」か)と盲導犬オルティが日本に訪れて、2週間ほど滞在したことだ。当時の日本は、日中戦争(日華事変)を戦っていて、失明軍人がかなりの人数が存在した。そこに、ゴルドン君=オルティ号が来たのだから、失明軍人の社会復帰に役立てられないのかと、「臨時東京第一陸軍病院」の、一部の軍医が…  全文読む 評価する

全身落語家読本 全身落語家読本
ベニスの商人/志らくの高座を見ていないのが、残念である
 35年ほど前、立川談志が『現代落語論』(三一書房刊)というのを著している。名著だと評判であった。しかし「現代」と題している以上は、“今”でも、生きがよくなくてはならない。しかし、35年前ではあまりに時が過ぎてしまっている。当時、革命的な発想のものでも、今では当たり前の部分もある。だから、「落語論」を論じようと思えば、改めての“レジュメ”作成が必要だろう。それに手を挙げたのが著者である。 実は、本書の初版が出版されたのは2000年9月である。だから、既に9年も経っていて、これまで読んでいなかった私は半ば諦めていたが、なんと、刷を重ねて、今年の3月にも八刷が刊行されたのだ。そこで遅ればせながら、…  全文読む 評価する

だましの手口 だましの手口
ベニスの商人/私は騙されるほどの財産がない。安心していいのか、嘆いていいのか。
 石川五右衛門が捕えられて、釜煎りの刑に処される際の辞世の句が「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」だというが、“詐欺犯”は「盗人」の同類項だ。したがって、五右衛門がいい残した「世に盗人の 種は尽きまじ」というのはまさにその通り。だましの手口(種)は、未だに尽きていない。 「俺(私)は絶対に詐欺に引っ掛からない」、「詐欺に引っ掛かるのは、間抜けだ」と、豪語する人がいる。しかし絶対にそうだろうか。プロのマジシャンの妙技は、同業者は別として、素人には見破れないことが多い。その理由はやっているのが「プロ」だから。それを「詐欺師」に置き換えて考えると、“だましのプロ”がだましにか…  全文読む 評価する

にっぽん町工場遺産 にっぽん町工場遺産
ベニスの商人/「工場(こうじょう)」ではない。「工場(こうば)」である。
 昨日、テレビを見ていたら、「医療機器メーカーのテルモ(TERUMO)は、いわば“痛くない注射針”を開発しました」というようなCMをやっていた。痛くなくするためには、注射針を「蚊の針」ほどに細くする。それで、“痛くない注射針”は完成。糖尿病患者がインスリンの自己注射をするのには、えらい福音だ。 だが、実際の“肝”の部分の開発は、従業員6人の岡野工業株式会社が行った。つまり、テルモの求めに応じて、極細の注射針を作ったのである。従来の「注射針」の製造法と異なる画期的な方法だから、大威張りしてもいいのに、岡野工業の社長は、縁の下の力持ちで満足している。それは「町工場が日本の技術をさせている」との確固…  全文読む 評価する

世界の偉人たちから届いた10の言葉 世界の偉人たちから届いた10の言葉
ベニスの商人/ガリレオ・ガリレイがに日本に興味があったとは-。
 厳密に言うと、「世界の偉人から届いた」のは八つで、後の二つは日本人のなした善行について一般の人から発せられた“感謝の言葉”である。 the first massage アインシュタイン the seconnd massage ヘレン・ケラー the third massage チャップリン the fourth massage エジソン the fifth massage ジョン・レノン the sixth massage ゴッホ the seventh massage ザビエル the eighth massage ガリレオ the ninth massage 杉原千畝 the tent…  全文読む 評価する

中学の教科書でこんなに話せる!英会話 中学の教科書でこんなに話せる!英会話
ベニスの商人/文法先行でないとダメなのかなあ。むしろ、習うより慣れろではないかな。
 中学時代は割と英語の点は高いほうだった。ところが悲しいことに、そこがピークだったようで、下降線をたどってしまった。これではならじ。これから飛躍的な伸長は望むべくはないだろうが、とりあえず、中学時点まで戻そうではないか。 まず、一通り読んでみた。難しい単語もなさそうだ。Step1~3までは「be動詞」。まだこの順序で習うのか。この本だけでは、それほど役に立ちそうもない。しかし、私の中学時代と決定的に違うのは、本書の付録としてCDが付いていて、本書の英文をネイティヴによって読み上げられていること。それも、一語一語、丁寧にではなく、普通の会話のリズムだ。 私は中学時代に、ザ・ビートルズの楽曲に夢中…  全文読む 評価する

社長は知っている 社長は知っている
ベニスの商人/今の時期、会社が順調な時に言った建前と照らし合わせてみれば、本音がかけ離れているような社長もいる
 「会社の目的は利益で、事業は手段にすぎない。これを勘違いしている経営者が多い。会社の存在意義は四つある。従業員の生活の安定、株主へのリターン、社会への貢献、先行投資をするための自己資金を稼ぐこと。これらをやるため必要なものはなにかといったら、利益なんです。その利益を上げるために、事業をやっているんです」-本書の冒頭を飾る社長の言だが、このセリフを吐いたのは誰だと思いますか。キャノンの御手洗冨士夫(現・経団連会長)である。 御手洗が冒頭に配置されたのは、経団連会長というステータスもさることながら、その任に就く前に、「社長」として目立った実績をあげていて、“経営者哲学”のようなものが、見受けられ…  全文読む 評価する

中国語、たった3語で通じます 中国語、たった3語で通じます
ベニスの商人/文法は別の機会に!
 日本人同士で、日本語で日常会話をするときに、必ずしも主語と述語がそろっているとは限らないだろう。「おはよう」とか「ありがとう」は、むしろ簡潔なほうが意が伝わりやすいかもしれない。ところが、外国人と外国語で話すとなると、文法的に正しい構文を使おうと思った瞬間に、言葉が出なくなり凍りつく。何も、ディベートしようというわけではない。日常会話だったら、単語を連ねるだけでもいいのだ。その中で本書は、中国語が3語で通じるという教本である。 昨夏、日本を台風のように通り過ぎた北京五輪聖火リレーを応援する中国人たち。自発的か、組織だったものかはともかく、彼らが一様に張り上げていた言葉が「加油(=ジャーヨウ)…  全文読む 評価する

生きるための日本語力 生きるための日本語力
ベニスの商人/グレシャムは経済学の説明に使ったが、いまや日本語力にも“悪貨は良貨を駆逐する”という現象が起きている
 「日本人の日本語力の低下が止まらない。そのことが具体的に表面化しているのは若者世代においてである」。著者は若者に厳しい評価を下しているようだ。「日本語の劣化、日本語力の低下は、今や小・中・高等学校の国語科教育だけでは食い止めることができないところまで進行している」。 文法で「呼応(の副詞)」というものがある。「ある特定の語を用いると後にそれに応じた特定の語や言い回しがくる、という表現の仕方である」。 ◇私は決して嘘は言いません。(決して、~ん) ◇あれはきっとイギリス人だ。(きっと、~だ) ◇社長、せめて交通費くらい出してください。(せめて、~くらい) ◇おまけに息子まで家を出たいと言いだし…  全文読む 評価する

「俺の酒が飲めねーか」は犯罪です 「俺の酒が飲めねーか」は犯罪です
ベニスの商人/「住所不定無職」は「軽犯罪法違反」。だからホームレスは拘留あるいは科料に科せられることも有り。
 本来、法律の内容に不明確性や不合理性はないはずである。だが、実際には「何だこれ?」という法律が存在する。それは立法時には合理的だったものが、年月を経て、法律が独り歩きすることがあるからだ。それなら「手直しすればいい」と言われるかも知れない。ただ、いったん制定した法律を、一部改正するのには、新法を制定するより大きなエネルギーがいる。だから、議員とお役人は、問題にならない限り、「おかしな法律」の手直しはしない。 いわゆる「六法」は「憲法」「民法」「商法」「刑法」「民事訴訟法」「刑事訴訟法」である。「日本国憲法」の公布は1946年11月3日、施行は1947年5月3日。基本となる「憲法」があって、あ…  全文読む 評価する

「宝くじは、有楽町チャンスセンター1番窓口で買え!」は本当か? 「宝くじは、有楽町チャンスセンター1番窓口で買え!」は本当か?
ベニスの商人/有楽町チャンスセンター1番窓口は、日本で一番多くのハズレくじを出している窓口でもあるのだ
 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉著・光文社)のように、アイキャッチャー的タイトルで、そのくせ実用的な内容が記されている本がある。ご多聞にもれず本書は、そのタイプである。「資産やお金にまつわる不合理な事例を集め、その原因について行動経済学、認知心理学の立場から解説を加えて」、ともすれば不合理に走りかねないみんなに、STOPをかけようという本だ。「いずれも漢方薬のようにゆっくりと確実に効いてくるものばかり」と、著者は自負している。 全12章、それぞれに、なにか卑近な行動を、行動経済学及び認知経済学で分析したものが載っている。それは例えば、本のタイトルは、同時に第1章のタイトルなのだが…  全文読む 評価する

わかりやすい戸籍の見方・読み方・とり方 わかりやすい戸籍の見方・読み方・とり方
ベニスの商人/バツイチという言葉は戸籍謄本が語源?
 戸籍というと「自分には無縁」と感じる人もいるかもしれないが、意外なほど身近に必要性が生じてくるものだ。銀行への住宅ローンの申し込み、海外渡航の際のパスポートの申請、親が亡くなったときの相続、それらの手続きには必須の書類なのだ。本書には、その戸籍謄(抄)本を取りに行く場所はどこか、交付申請用紙を埋めるのはどうしたらいいかなどの実務的なことから始まって、家系図も何代か前までは戸籍を追跡すると、ある程度は作れるということも載っている。 第一章 戸籍のキホン 第二章 古い戸籍から今の戸籍までの見方 第三章 昔の大所帯戸籍を分析してみよう 第四章 転籍 第五章 戸籍が生まれる原因、なくなる原因一覧 第…  全文読む 評価する

広告放浪記 広告放浪記
ベニスの商人/電○や博○堂だけが広告代理店ではない
  テレビなどで題材として取り上げられる“広告業界”は、ほとんどがクリエイターサイド。だが、広告代理店がクリエイターと発注者とを結び付けなければ、いい広告は生まれない。したがって、テレビドラマの主役になる“コピーライター”の陰には、十年一日の如く泥沼を這いずり回っている、多くの営業マンが存在している。 本書は著者の略歴からして、ほぼ自伝と思っていいのだろう。関西の私立大学を卒業して、いくつか試験に落ちた末に、小さな広告代理店に就職する。漠然とマスコミ志望だったから、広告代理店はまんざら無縁でもないと決めた。というより、そこしかなかった。 しかし、広告代理店は所詮マスコミではなかった。…  全文読む 評価する

理不尽な気象 理不尽な気象
ベニスの商人/♪春は名のみぞ、風の寒さよ~
  蛙を、熱いお湯の中に入れるとあわてて飛び出すが、日なた水ぐらいのぬるい湯に入れて徐々に沸かしていくと、飛び出さずに茹で上がって死ぬという。本当かどうか実験したことがない(やりたいとも思わない)が、もっともらしい話である。人間世界に目をやると、日なた水に浸かって徐々に沸かされている段階だ。いや、“されている”という受身ではなく、“している”という能動だから始末が悪い。地球温暖化の影響で「近い将来」ツバル(オセアニアの島国)は、国土のすべてが沈没すると言われている。それを知っていながら、自国の生活を優先させる。そう考えれば「理不尽」ではなく「必然」か。 「異常気象」と聞くとどうしても…  全文読む 評価する

心にしみる四字熟語 心にしみる四字熟語
ベニスの商人/受験用の文学知識では、心にしみないね
  “座右の銘”や決意表明としてとして使われる四字熟語がある。だが、それらはともすれば使い方が上滑りして「含蓄」が感じられず、心にしみないと著者はいう。「それに対して、小説の中の四字熟語は、ときに「含蓄」に富んでいて魅力的だ、とぼくは感じる。小説には、ストーリーがあり個々の場面があり、その中で作者が描写したいこと、表現したいことがある。ある四字熟語が用いられるのは、それらを踏まえた上での選択の結果だ」。推敲に推敲を重ねて使われた四字熟語、そうそうたる文章の名手たちがどのような気持ちで選んだか。 いまの学校では志賀直哉を「小説の神様」といって、教えているのだろうか。少なくとも私にとって…  全文読む 評価する

翻訳者はウソをつく! 翻訳者はウソをつく!
ベニスの商人/To be,or not to be,that is the question.-有名な『ハムレット』のセリフだが、今に至るも「to be」の“決定版”という訳はない。
  「Here's looking at you, kid.-君の瞳に乾杯!」名作映画ファンには有名な「カサブランカ」のセリフ(字幕)だ。著者は近所の本屋の店頭で、ワンコインのDVDが売られているのを見かけた。迷わずレジにいって、家でそのシーンを楽しみにして見ていたら、その字幕のないままでThe End。なぜだろう。映画「カサブランカ」そのものは1942年制作だから、著作権が切れて誰でも廉価版が作れる。しかし、映画字幕は別の著作物として扱われるから、字幕付きで販売しようと思えば、独自の字幕を付けなければならないそうだ。「君の瞳に乾杯!」などは、あまりにも名セリフすぎて、使え…  全文読む 評価する

上野の山はパンダ日和 上野の山はパンダ日和
ベニスの商人/パンダの好きな食べ物は「パンだ」-もちろん違います。パンダの好きな飲み物は「フ○ンタ」-ますます違います
  上野動物園ではこれまで9頭のパンダを飼育した。いや「した」では正確ではない。今でも1頭は飼育している。著者はこの9頭全部を、23年にわたって世話してきた。これは、日本におけるパンダ飼育経験年数として最長である。 1958年に東映で日本最初の長編アニメとして「白蛇伝」が製作された。中国を舞台にした物語だから、中国を象徴するものとしてだろうか、確かポスターに背景代わりにパンダがその他大勢で描かれていたような、おぼろげな記憶が私にはある。だが、それ以上その動物の情報は入ってこない。当時、中国は日本と国交を結んでいないし、私が積極的にアンテナを広げてはいなかったからである。それが、197…  全文読む 評価する

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