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スピリット・リング スピリット・リング
佐々木 葵/少女の冒険物語
舞台はルネサンス華やかりしイタリア。高名な錬金術師であり、大魔術師として名高いプロスペロ・ベネフォルテを父に持つ、フィアメッタという少女が主人公。父の手伝いをしながらこっそり魔法の勉強もして、そして父のところにお城の仕事でくる近衛隊長に恋心をいだき、結婚していく友人たちに嫉妬をし、女の子だからと本格的に魔法を教えてくれない父に怒りを覚えるフィアメッタ。領主の一人娘の結婚式の当日、その結婚相手に城をのっとられることからフィアメッタの生への冒険が始まる。敵はロジモ公、目的は父の魂の「死霊の指輪=スピリット・リング」化の阻止。相棒は、淡い恋を抱いた近衛隊長の(彼とは似ても似つかぬ田舎男だけど)弟、ト…  全文読む 評価する

ネアンデルタール ネアンデルタール
佐々木 葵/雪男などの伝説をうまくまとめた作品
古人類学者のマットとスーザンは、恩師ケリカットがタジキスタンで行方不明になったと連絡を受け、先史調査研究所へ向かう。ふたりはそこで、25年前!のネアンデルタール人の頭蓋骨を見せられ、そのネアンデルタール人を追って行方不明になったケリカットを探しに、タジキスタンへ向かう。「雪男」などの超常現象話をうまくまとめ、そこに人類の進化の過程での謎、ネアンデルタール人を絡めた作品。古人類学の勉強もついでにできるお得なお話。進化の過程をかいま見ることができる。果たして、本当にネアンデルタール人はいるのだろうか。なんだかとてもわくわくさせる物語だ。  全文読む 評価する

炎蛹 炎蛹
佐々木 葵/人間以外の恐怖
新宿鮫シリーズ第5作。今回は「蛹」というタイトルからもわかるように、「虫」が影の主人公。そしてその虫を扱う植物防疫官の甲屋(かぶとや)が、鮫島とともに敵を追い詰めていく。連続娼婦殺人、連続放火、外国人マフィアによる盗品の売買、この3つが絡み合い、そんな中で殺された娼婦が日本に持ち込んだと思われる、南米の「フラメウス・プーパ」という恐ろしい害虫の蛹が消えていた。その害虫は、羽化すれば恐らく日本の農業全てを全滅させるであろう、恐ろしい虫だと甲屋はいう。実際、南米では「フラメウス・プーパ」によってその年の作物が全滅しているとも。とにかく数日後にせまっている羽化までの間に、蛹を見つけ出して処分しなけれ…  全文読む 評価する

男たちの絆 男たちの絆
佐々木 葵/父と息子の物語
パウダー警部補シリーズ第3作。着実に年を取っているこのシリーズの主人公たち。パウダーはその独善っぷりにみがきがかかり、いやみな口調は冴え渡っている。だけどそんなパウダーに年老いた男の寂しさのようなものが感じられる作品。父親が消えたとパウダーのいる失踪人課へやってくる少年。その少年の依頼を受け、父親の消息を探していくが、まず彼の家に写真や手紙などの身元を示すものが一切ない。勤めていた会社でも彼を切羽詰って探している風でもない。父親を探しているのは、少年とパウダーだけ。少年との交流も交え、パウダーは父親の居場所を探すがそのうち、父親の正体を暴くことになっていく。部下のフリートウッド刑事は身障者だけ…  全文読む 評価する

破線のマリス 破線のマリス
佐々木 葵/もったいない作品
 ストーリーとして書き出すと、いったいどこがミステリーなんだ、と首をひねってしまう小説。もちろん、謎解きをするばかりがミステリーではなく、動機を探っていくのミステリーがあってもいいのだが…。それにしてももったいない。 テレビドラマ出身の作者だけあって、話の進みはスピーディ。場面の切り替えもうまい。だけど、それだけ。内容的にみれば、主人公の女性の壊れていく様は唐突に感じるし、ミステリーとしても、結局汚職に関わって死んだ弁護士の死の謎は解けないまま。郵政省を舞台にしたCS&BS放送に絡んだ汚職という、これからの時代にいかにもありそうなうまい題材を選んでいるにも関わらず、その謎も放りっぱなし。 視点…  全文読む 評価する

ホワイトアウト ホワイトアウト
佐々木 葵/日本を舞台にした冒険小説
 季節は真冬。深淵の森と雪に覆われた奥遠和にある日本最大のダムがその舞台。そのダムが職員を人質にテロリスト達に占拠される。かろうじて難を逃れた富樫という職員が、ダムと仲間を救うべく、テロリストに立ち向かっていくのがメインのストーリーです。もう一本のストーリーとして、富樫の過失で死なせてしまった(というと語弊はあるけど)、このダムの職員と婚約をしていた女性がテロリストに捕らわれてしまい、その女性が見るダムの中、つまりテロリスト達の内情が語られていきます。 富樫は身に付いているダムについてのあらゆる知識を駆使して、テロリストに向かっていきます。ストーリーとしてはそのテロリストがどうやって身代金を受…  全文読む 評価する

泥棒はボガートを夢見る 泥棒はボガートを夢見る
佐々木 葵/恋に落ちた泥棒
 ローレンス・ブロックといえば、マット・スカダーシリーズが有名です。わたしはそちらのシリーズも大好きですが、そちらの暗い雰囲気に疲れた時など、この「泥棒バーニイシリーズ」がオススメです。 この主人公のバーニイ・ローデンバーは、ニューヨークで古本屋を営みながら、泥棒を副業としている(どちらがメインでどちらがサブかは、多いに疑問がありますが)独身男性。毎回、なにか副業中にややこしいことに関わることに才能がある。今回は、ある書類を盗んでくれといわれるのだが、結局は失敗してしまう。依頼人にそのことを告げようとするのだが、依頼人は消えてしまっている。 また、バーニイの古本屋に美しい女性が現われ、ハンフリ…  全文読む 評価する

死の演出者 死の演出者
佐々木 葵/当時の社会事情を色濃く反映
 いつもサムスンは依頼人がなくて暇を持て余しているような感じがするが、今回も彼は暇でしょうがない状態である。そんな折、殺人罪に問われ、留置所に入れられている娘婿を助けてほしいという依頼が舞い込んでくる。しかしサムスンを選んだ理由は「一番安かったから」。がっくり。サムスンもそれにはぶつぶつとなにやらいいわけを本文中でしていたりして。 ベトナム戦争から帰還した娘婿が、ある警備会社で警備員として働き始めた。彼は警備を依頼している男をたずねてやってきた私立探偵を、警備会社から与えられていた銃で撃ち殺してしまう。殺人罪で逮捕された彼は「わたしは依頼人に、「あいつを殺せ」と言われたから殺したのだ」と主張す…  全文読む 評価する

A型の女 A型の女
佐々木 葵/揺れ動く少女の動きが実は主人公かも
 アメリカの私立探偵ものの中では、実に普通の男のサムスン。金持ちの妻と別れ、幼い娘がいるのだが妻はもう再婚して、世界中を旅してくらすような優雅な身分。反面、自分はドアに鍵もついておらず、バスタブがない部屋をオフィス兼自宅としている、ちょっと貧乏にシフトした生活。拳銃も持たず、なにかトリッキーな技も持たず、実に地道に人々に話を聞いては依頼をこなしていく。そんな彼の生活ぶりなどが鮮やかに描かれています。 この第1作目は、サムスンの元に可愛いお嬢さんが依頼人としてやってくることで始まります。「あたしの生物学上の父親を探して」。大富豪の娘が学校で血液型の検査をしたところ、父親と母親の血液型からは自分は…  全文読む 評価する

裁判はわからない 裁判はわからない
佐々木 葵/アメリカ流成功者の姿
 <a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=00625500&volno=0000" target="_blank">「探偵になりたいで始まった弁護士事務所お抱えの調査員、スタンリー・ヘイスティングスのシリーズ。 スタンリーが雇われているリチャード・ローゼンバーグは民事専門のやり手弁護士。そのリチャードの裁判を助けるための調査をするのが彼の仕事。とはいえ、その仕事は「すべって転んだ」人たちから「すべって転んだ」事情を聞き、現場の写真を撮るものがほとんど。そんな彼が何故か事件に巻き込まれて(自ら望んで…?)いくのがこのシリーズ。巻き込ま…  全文読む 評価する

死者の心臓 死者の心臓
佐々木 葵/エジプトの空気
 「古い骨」から始まるスケルトン探偵、ギデオン・オリヴァーのシリーズ第7弾。 大学で人類学教授として特に古い骨を専門にしているギデオンは、ひょんなことから警察の手伝いをするようになり、ついたあだ名が「スケルトン探偵」。そんな彼がしぶしぶ引き受けたエジプトでの仕事。エジプト学研究所の宣伝用ビデオのナレーションとして出演することになり、妻とともにエジプトへ行く。そんな中、研究所の所長がナイル川を進む豪華船で不審な死をとげる。研究所の裏に怪しい人骨が発見される。所長の死は事故なのか、殺人なのか。現地警察との協力の元、ギデオンの捜査が始まる。 このシリーズの特徴は、世界各地に出かけるギデオン夫妻の目で…  全文読む 評価する

ダーティペア独裁者の遺産 ダーティペア独裁者の遺産
佐々木 葵/SF+ラブコメ+アクション
 第4作目で封印されていた「オリジナル」のダーティーペアの新作。これはMSNのオリジナルコンテンツとして、MSN上で連載されていました。わたしもこれ目当てにMSNに入ったくち(すぐに解約したけど)。ちらっと見たかぎりでは、出来栄えはよく、へぼいわたしのPCでもそこそこ見られる、いいコンテンツだったと思います。絵もちゃんと安彦さんだったし。 今作は、ダーティーペア(いやラブリーエンゼル)結成直後の話になっています。ケイとユリの2人がまだ新人のトラコン(トラブルコンサルタント)なのですが、やってることは新人時代からベテラン時代まで大して変わってません。最初っから彼女たちは大陸は沈める、生態系はぶっ…  全文読む 評価する

川の書 川の書
佐々木 葵/少女の成長物語と世界存亡の物語
 巨大な川が世界を分断する惑星での物語。川は人々にとっての唯一の交通路であるが、川に出られるのは女だけ。川の中心に横たわる“黒き流れ”という謎の存在のため、誰も対岸にわたったことはない。17歳の少女ヤリーンは、あこがれの川ギルドに入り、そしてそれが彼女の、果ては世界の壮大な冒険と物語の始まりだった。 <a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01064784&volno=0000" target="_blank">「星の書」、<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=0108…  全文読む 評価する

内なる宇宙 内なる宇宙
佐々木 葵/SF?科学小説?全部ひっくるめたファンタジーだ
 巨人3部作終了から10年たった1991年に出版された、巨人シリーズの4作目。 なんと今度は我々の宇宙とは全く違う物理法則で動いている違う宇宙が描かれていく。もちろん主人公は3部作から引き続いてハント、ダンチェッカーが演じるが、もうおなじみになっている2千500万年の時を越えたガニメアンたちも活躍。 そして何よりも、人工知能として宇宙船を動かしたり人と会話をしたり(ジョークまで通じてしまう)するコンピューター「ゾラック」が大活躍する。 ゾラックたちコンピューターのあまりの人間くささに、ついつい彼らが実態を持たない人工知能なのだということを忘れてしまう。きっと作者も書いているうちに忘れているんじ…  全文読む 評価する

星を継ぐもの 星を継ぐもの
佐々木 葵/タイトルが絶妙
 もしも月面で宇宙服をまとった死体が発見されたら、その正体はなんと5万年前に死亡した、現在の人類と酷似した生物だったと判明したら、どう感じますか?  近未来、月面で真紅の宇宙服をまとった死体が発見されることから物語が始まります。綿密な調査の結果その死体は5万年前に死亡しているということが判明。また、木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船が発見されるという「事件」も起こり、地球の科学者たちがその謎を解いていく物語。  「センス・オブ・ワンダー」ってこういうことなのか、と思わせるさまざまな謎・その答え・そして新たな出会い。 月面の死体(チャーリーと名づけられる)の謎をひたすら解明していくだけ…  全文読む 評価する

闇の左手 闇の左手
佐々木 葵/真摯な心
 人類が地球のほかにも存在しており、その人類たちで組んだ同盟「エクーメン」の使節として、ゲンリー・アイは惑星ゲセンへやってきた。雪と氷に閉ざされた惑星<冬>。その過酷な環境ゆえに、遥か過去に人類がやってきて放棄した植民地。彼はもちろん外交関係を開き、同盟加入を促すための使節である。まずカルハイド王国をたずね、そこでエストラーベンという実力者に庇護されつつ国王に会える日を待ちつづける。そんな中、アイは惑星を巡る陰謀に巻き込まれていく。 前半はひたすらゲセンの社会や風景を描写する文章が続く。カルハイドとオルゴレインという2大国の様子が、緻密な文章で描かれていき、まるで自分がそこを知っているかのよう…  全文読む 評価する

あいどる あいどる
佐々木 葵/作者からみた日本像が楽しい
 「ヴァーチャル・ライト」から始まる3部作の2作目。日本を舞台にすることが多かった著者であるが、今回もまた日本で物語が繰り広げられる。  世界的なアーティスト「ロー/レズ」のレズが、日本の電脳アイドル「麗投影(レイトウエイ)」と結婚したがっているといううわさが世界に広まったことから物語が始まる。レズのファンである少女チアとある特殊な能力を持った青年レイニーがそれぞれそのうわさを追って物語をつむぎ、最後には日本で(しかも日本の場末のラブ・ホテルで)その糸が結びついて物語を終焉へと導くのだ。  レイニーの持つ特殊能力が、いまいちわたしのぼんくらな頭には理解できなかったが、途中重要な役として出てくる…  全文読む 評価する

フューチャーマチック フューチャーマチック
佐々木 葵/3部作終了とはいえ
 「あいどる」に続く「廃物都市3部作」の完結編。今作は「ヴァーチャル・ライト」「あいどる」の登場人物の総結集という感じで、懐かしい顔をみることができる。 「あいどる」では脇に回った「ヴァーチャル・ライト」の主人公であったライデルが再度主人公に。「ヴァーチャル・ライト」でロスの街を自転車で駆け巡っていたシェヴェット嬢も主人公。ヴァーチャル・ライト」「あいどる」そして今作と皆勤賞の大阪大学教授・山崎が、「あいどる」で日本へ渡ったレイニーを訪ねることから、今回の物語は始まる。 レイニーは、彼の受けたある外科手術の後遺症として発病する「誰かをストーカーのように付け回してしまう症候群」が発病したと恐れ、…  全文読む 評価する

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