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触れもせで 触れもせで
〜花巻温泉〜/「時間ですよ」も、「寺内貫太郎一家」も見たことはないけれど。
著者である久世光彦さんに興味を持ったのは、川上弘美さんが日経新聞によせた追悼記事(2006年3月4日付け)を読んだ時。「時間ですよ」も、「寺内貫太郎一家」も、見た記憶はない。だけど、川上弘美さんの文章から想像する久世さんは、久世さんの文章は、心にすっと沈み込んでいきそうで、著書を探した。辿りついた本書。久世さんが向田邦子さんに想いをよせて綴った文章だという。向田さんといえば、表紙のモノクロームの写真の中でお気に入りのコーディネートで魅力的に微笑む「向田邦子の恋文」で、実らなかった恋に一所懸命だった姿を知った。その邦子さんに、指一本「触れもせで」、だが、久世さんが深い感情をもっていたという。向田…  全文読む 評価する

包帯クラブ 包帯クラブ
〜花巻温泉〜/傷、痛い、不安。
天童荒太の著書を読むのは、「永遠の仔」以来。物語は、中学生時代にクラブを一緒に立ち上げた「親友」たちが高校生になって、微妙に距離感に変化が生じ。それぞれに悩み、不安があり。物語はあくまでも高校生を中心に語られる。大人の存在は薄い。『人が受けた深い傷に、わたしたちができることはほとんどないように思う。でも、相手の沈む心を想いながら包帯を巻くことで、<それは傷だと思うよ>と名前をつけ、<その傷は痛いでしょ>と、いたわりを伝えることは出来るかもしれない。』そんな思いから、高校生になった彼女たちがたちあげたのが、「包帯クラブ」。傷の舐めあい、失態の暴露ごっこか、と読み進んだ。クラブの運営にも曲折があり…  全文読む 評価する

ジョゼと虎と魚たち ジョゼと虎と魚たち
〜花巻温泉〜/ゴージャスな1冊です。
田辺聖子さんによる、「若いだけの季節」を過ぎた女たちの恋を描いた短編9編を集めたものです。表題作「ジョゼと虎と魚たち」は2004年に映画化されました。それぞれの短編で、「別れた元ダンナと」「近所の大学生と」「引先の営業マンと」、etc.,,, 微妙な距離感を楽しむ女たちの、さまざまな恋心を、お聖さんが贅沢に描きます。私のお気に入りの1編は、「恋の棺」。主人公はバツイチのインテリアコーディネーター、29歳。「恋」のお相手は10年下の甥っ子、大学生。「おばさん vs. 甥っ子」だったり、「イイ女 vs. 大人の男への出航間近の青年」だったり。甥っ子との距離を主人公は自在に操ります。女って、こんなに…  全文読む 評価する

英語+α 英語+α
〜花巻温泉〜/英語を学ぶ、道しるべ。
毎朝の「α−モーニング京都」(FM京都アルファステーション)のOne point English のコーナーが活字になりました。期待以上の1冊でした。著者は大使館勤務経験のある現役外国語大学講師というだけあって「英文法は強い味方」「英語はせっかち、日本語は鷹揚」など実際に英語を学ぶ、使う場面で心がければ役立ちそうなことが記されている一方で、外交場面での体験から想起されたであろう記述にも力が入っています。「身をもって語る」より抜粋します。「言葉は両刃の剣です。言葉には、人の痛みを和らげて苦悩から救い出す力もあれば、簡単に人を傷つけ、あるときは致命的な傷を負わせることがあります。(中略)ある不用心…  全文読む 評価する

屁タレどもよ! 屁タレどもよ!
〜花巻温泉〜/オモロカッタァ。
ちょちょい、と読んでしまいました。オモロカッタァ。うさぎねえさんが、週刊誌をめくりながらワイドショーを見ながら「何言ってんのよぉ」とつけたイチャモンの数々。もとは夕刊フジの連載です。冒頭で述べられているとおり、人って悪口の好きなもんです。だから、売れっ子文筆家の書いた人の悪口はとうぜん面白いわけです。でも「そ、そこを、突くぅ?」と自分自身にグサグサくるところもあります。何はともあれ日々の雑事から、ふぅっと一息ついたときに、楽しめます。しかしながら、この本には賞味期限がありますのでご注意を。書かれたのは多分2000年くらい。俎上にのせられてる有名人の中にはうさぎねえさんの予言通りすでに「え? い…  全文読む 評価する

関西弁講義 関西弁講義
〜花巻温泉〜/逆らえない関西弁DNA
書評子は東北地方ゆかりのニックネームを名乗っているものの、実は京都生まれの京都育ちである。学生時代と会社員時代を通じて標準語のトレーニングを重ね、「私の標準語能力って、けっこうイケテル」と信じていたのだが、どうも最近それが怪しく思えてきた。プライベートでも仕事でも、インターネット、メールで用件を伝えることが多くなり電話をかける機会は気がつけばめっきり減っている。たまに東京方面へ電話をかけると「私ってなまってる!」。親戚の集まりへ行くと、以前は「年寄りくさくて使わない」と思っていた純京都弁が口をついて出る。具合が悪いのが、普段メールで連絡を取り合っている関東人と、電話なり実際に会って話をすると「…  全文読む 評価する

ラッキーマン ラッキーマン
〜花巻温泉〜/ドジな中年男のマイケルが見たい
マイケルの出世作「バック・トゥー・ザ・フューチャー」を初めてみたのは大学1年生の時だった。ガルウィングドアのステンレス製スポーツカー「デロリアン」にびっくりし、原っぱが住宅街になり、黒人ウェイターが市長になり、売れない映画俳優が大統領になる、「健康なアメリカ」を舞台に繰り広げられるドジな高校生のドラマに、アメリカへの憧れを強くした。そのドジな高校生を軽やかに演じていたマイケルが、パーキンソン病になっていた。タイトル「ラッキーマン」を知ったときは、反語的な意味に受け取ったが、読んでみて思った。やはり彼は「ラッキーマン」だ。パーキンソン病は進行性の神経系の疾患で、決め手となる治療法はない。主な症状…  全文読む 評価する

寺山修司名言集 寺山修司名言集
〜花巻温泉〜/読むドラッグ
詩、短歌を残し、演劇実験室「天井桟敷」を主催した寺山修司が亡くなって20年たち、修司が名言集になった。装丁がいい。懐かしさを感じさせる少女のイラストと、手のひらでくるくると弄ばれることをこばむ、硬めの表紙。この本は、座って身体の真ん前に持ち両手で開かなければならない。この本を開くと、中では言葉が踊っている。言葉が自由に翼をひろげる。脳の中で言葉がスパークする。「名言」は、青春を語る、愛を語る、人生を語る、世界を語る。でも、説教じゃない。ドラッグだ。説教じゃないけど、また明日もがんばろー、善きものを生み出せるようがんばろー、という気分を残す。  全文読む 評価する

書を捨てよ、町へ出よう 書を捨てよ、町へ出よう
〜花巻温泉〜/青春。青春。青春。
詩、短歌を残し、演劇実験室「天井桟敷」を主催した寺山修司の作。昨日で、寺山修司が亡くなってちょうど20年たった。改めて思う。修司が早死にしなければ、どんな表現を見せてくれただろう。本書は、『書を捨てよ、町へ出よう』、『きみもヤクザになれる』、『ハイティーン詩集』、『不良少年入門』をおさめる。青森県三沢から、東京へ出る。町へ出る。青春のにおいが充満する。修司の少年時代も見えてくる。『ハイティーン詩集』も楽しい。そこからの一節。「穴があったら、出てみたい」嗚呼、青春。  全文読む 評価する

寂聴仏教塾 寂聴仏教塾
〜花巻温泉〜/葬式仏教ではありません。今をよりよく生きるための仏教です。
「なぜ人は愛に苦しみ、愛に苦しむのか?」この問いに対する答えが、釈迦の生涯、仏教の教え、般若心経を通して語られています。著者はご存じの通り、流行作家として名をあげ、財産もなし、そうした「傍目からみれば何不自由ない」生活の中で、「人生は努力や才能だけじゃないな。別の物があるんだな」と感じるようになり、52歳の時に出家します。そして厳しい修行を経て、京都嵯峨野に寂庵を結び、また岩手県天台寺の住職ともなり、精力的に作家活動を続けながら、今、現世に生きる人のために仏教を説き続けています。本書では、流行作家としての筆者の筆力を十分に生かして、仏教の教えを生活に生かしてよりよく生きる法を説いています。書評…  全文読む 評価する

斜陽 斜陽
〜花巻温泉〜/不確かさを増す今の時代、もう一度、読みたい。
太宰治の代表作のひとつである本書「斜陽」が発表されたのは昭和22年、戦後の混乱期です。戦前の価値観、階級が意味をなさなくなり、人々の魂は生きる意味、理由、居場所を求めてさまよいます。主人公かず子と、「最後の貴婦人」である母、戦争から帰ってきた兄、そして中年の流行作家上原。四人四様の旅路が、太宰の、一流の日本語でつづられています。変化の局面にどうあれば、あることが、可能なのでしょうか。対応を拒否して、退場する。自らが変化して新しい時代の構成員になる。いずれにも、苦悩が伴うでしょう。21世紀になった今、一応の物質的な豊かさは相変わらず日本を覆っていますが、高度経済成長からバブルの時代を通じて信じら…  全文読む 評価する

もし僕らのことばがウィスキーであったなら もし僕らのことばがウィスキーであったなら
〜花巻温泉〜/読むなら冬!寒いうちが旬です。
 村上春樹が、『6月といえどひどく寒い』アイラ島とアイルランドを訪れ、2週間かけて愛するシングルモルトウィスキーとアイリッシュウィスキーを堪能し、ウィスキーの故郷のパブや作り手をめぐるエッセイと妻の撮った写真をまとめて本にしたのだ。楽しめない本でないわけがない。 問題は、この本をさらに楽しむ方法…などと思ってしまったのですが。 私はこの文庫本を、旅先の山間のとある町の書店で購入し、海へとむかうバスの中で読みました。今年は少し雪が少な目とは言え、寒さに耐える山の光景、そうしてたどりついたリアス式の海岸。村上春樹が旅したアイラ島の荒涼とした海岸線に思いを馳せるには、一日本国民としては十分なシチュエ…  全文読む 評価する

17歳のオルゴール 17歳のオルゴール
〜花巻温泉〜/少女は脳性麻痺。でも少女のこころには…
本書の初版発行は1981年7月。でもたくさんの人に読み次がれて版を重ねています。養護学校の先生の手許に、生徒のノートが届られた。『A4の大きな大学ノートに3センチ角ぐらいのしっかりした字がぎっしりと何ページも埋めてあった』それを書いたのが著者、町田知子さん。肢体不自由で、彼女の話す言葉を、先生も理解できない。でもそのノートには、自分の障害、環境、家族、それらから感じる、苦悩、怒り、喜び、夢、感謝、愛情、さまざまな感情が豊かな感性で綴られています。そうして、恋心も。本書は、彼女が大学ノートに書きとめた字をそのまま印刷しています。私たちがペンを持ったり、コンピュータに打ち込んだりするよりも何倍もの…  全文読む 評価する

女性の不安 女性の不安
〜花巻温泉〜/今度こそ、少しでも、自分を変えてみたい人向け。
ついつい、いつもの行動パターンにはまっていて、気がつけばパートナーや周囲と不本意な緊張関係になってしまうあなた。克服して良い関係を作れるようになりましょう!! という、テーマ自体はありふれたものなのですが…。本書は、なんといっても412ページという大部で活字も小さめ。そして文章は、はっきり言って直訳調です。よって、すんなり意味が通じない部分もあるし、読むのに時間もかかります。 でも、たくさんのアメリカ人女性の事例が登場し、「うん、うん、そうよね」とうなずけるものも半分くらいはありました。 女性が陥ってしまいやすい思考パターンを、「これでもか」と繰り返し読むうちに、実際の自分自身の行動・感情パタ…  全文読む 評価する

向田邦子の恋文 向田邦子の恋文
〜花巻温泉〜/20年後に明かされた、お姉さんのもうひとつの顔
 1981年夏の飛行機事故で、突然逝ってしまった脚本家向田邦子さん。邦子さんの遺品として、本書の著者である妹、和子さんのもとにダンボール箱が残された。箱の中身が姉の恋の記録であることを、妹は薄々感づいていた。 和子さんがその箱をあけるには、姉の写真を整理し、思い出を文章にして『<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01677923&volno=0000" target="_blank">向田邦子の青春』をまとめる作業が必要だった。20年近い年月がたっていた。 本書を構成するのは、30代の向田邦子さんと、映像関係の仕事を通じて知り合…  全文読む 評価する

センセイの鞄 センセイの鞄
〜花巻温泉〜/映画化決定!しないかな?(という願望)
 むかし少女と、その元国語教師の恋を描いた物語です。 いきつけの居酒屋で、ひとりカウンターで酒を飲む者同士は、20年ほど前の高校生と国語教師でした。お互い、それぞれのスタイルを背負いながら、でも少しずつ惹かれあいながら、少しずつはじきあいながら、そうしてついに愛を確かめ合うシーンは、感動を約束します(フィットネスクラブでエアロバイクを漕ぎながら読んでいた私の脈拍数は90から120に急上昇しました)。 淡々と、でも主人公とセンセイのまわりの空気がふんわりと匂ってくるような、お伽話のような、ファンタジーのような…。 映画化したら、見に行きたいな。主人公のむかし少女は、強そうに見えて寂しさが透けてみ…  全文読む 評価する

向田邦子の青春 向田邦子の青春
〜花巻温泉〜/おしゃれで、いつも一所懸命だった、私たちのお姉さん
1000本以上のテレビドラマ脚本や、エッセイ、小説を残して向田邦子さんが突然の飛行機事故で逝ってしまったのは、1981年の夏でした。 「向田ドラマ」の生の息づかいや、雑誌記事などで見せるおしゃれな姿を、若い世代はもう知らないのでしょうが… 本書「向田邦子の青春」を開いてみてください。『女性にとって、「家庭」も「仕事」も、という選択枝はなく、どちらか一方しか選べなかった』時代に、まず仕事を選び、同時に父、母、妹たちの幸せを願って、いつも一所懸命だった邦子さんの姿がここにはあります。 お手製や、誂えの服でおしゃれした邦子さんの姿は、いま見てもとても素敵なものばかりです。家庭や学校での出来事を…  全文読む 評価する

女にいらだつ男男にあきれる女 女にいらだつ男男にあきれる女
〜花巻温泉〜/遠距離恋愛中のあなたに、特にオススメ。
「男性女性心理学」の専門家として、セミナー、雑誌、テレビ等で活躍する伊東明氏の著書です。「彼に、なんで、突然こんなこと言われるのかさっぱり分からない」。「彼女のご機嫌、なんで悪くなるの。 俺、なんか悪いこと言ったわけ」。 男と女の間のすれ違いの原因を、その会話における「誤訳」に求め、職場、恋人同士の例文(ダイアログ)に沿って、男性・女性心理を解説し、より良い理解、コミュニケーションへいたる方法を教えてくれます。 職場で、学校で「私、なんか、ういてる」、「どう自分を表現すれば、仲間に、部下に理解されるのか」というお悩みに役立つフィロソフィー満載ですが、特にオススメしたいのは…、「遠距離恋愛…  全文読む 評価する

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