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最高裁物語
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奥原 朝之/知られざる裁判所の歴史
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三権分立という言葉が有る。説明するまでも無いが、行政(政府)、立法(国会)、司法(裁判所)の三権は独立しているという意味だ。 本作品はその中でも司法の中心である最高裁判所の歴史に焦点を当て、戦後の裁判所機構の設立から本書が出版される平成8年あたりまでの歴史がつまびらかに描かれている。 最高裁判所の判決は判例となり、後の似たような裁判に対して大きな影響を与える。日本はアメリカと異なって判例主義では無い。それは法律で担保されていないからである。したがって一審でも過去の最高裁判決に反するような判決を出しても構わないのである。しかし実際には最高裁判決に反する判決が出るのは稀である。なぜなのか? しか…
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家栽の人(ビッグコミックスワイド)
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奥原 朝之/異色の裁判所物語
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時代の先取りなのだろうか。初出時には今ほど凶悪な少年犯罪はなかったように思う。現在は十年前に比べて明らかに少年による凶悪犯罪は増加しているだろう。その少年犯罪を裁く家庭裁判所を舞台にして、桑田判事を中心に家裁調査官や他の判事が触法少年にどのように接していくのかを描いている。 優しく接するばかりが能ではなく、厳しく罰すべきときもあるのだと判事は言う。こんな大人が少なくなったのだろうか。甘やかすだけ、厳しくするだけの大人が増えているのかも知れない。 桑田判事は花好きで、物語の中で花や木を引き合い出して少年たちの胸のうちを説明するシーンや対処法を決定するシーンが多い。この花や木を引き合いに出して語…
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釣りバカ日誌(小学館文庫)
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奥原 朝之/島耕作の対極にあるサラリーマンコミック
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いやはや、これを読んでると『サラリーマンは気楽な稼業と来たもんだ』というフレーズを頭に思い浮かべてしまう。映画化もされているのでご存知の方は多いだろう。 一介の平社員が社長と仲良く週末に連れ立って釣りに行くって、あんな大きな会社でそんなの有るか! しかし世の中うまく回っているときには案外こんなものかもしれない。作者の理想が描かれているのかしら。そういう意味ではバブルのはじけた今現在、どういう描き方をするのかが非常に楽しみ。 まぁ突っ込みどころは満載なのだが、読んでて元気が出るマンガです。万人にお勧め。疲れたサラリーマン諸君。これを読んでたまにはリラックスしましょう。
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黄昏流星群(ビッグコミックス)
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奥原 朝之/人生色々
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作風は人間交差点を彷彿とさせる。しかし今回は原作、画ともに弘兼憲史である。 黄昏は中年の男女を意味しているのだろう。どの物語も中年男女を主人公に据えたものばかりである。これが面白い。人生の機微を知っているというか、酸いも甘いも知り尽くしているというのか、切ない物語が多い。 こう書くと著者に失礼かもしれないが、人間交差点の話の中でも中年男女を主人公に、且つ恋愛をテーマに描いた物語の集大成と言えるのではないだろうか。 これもまた大人の物語ばかり。20代ではちょっと早いかもしれない。
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人間交差点(小学館文庫)
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奥原 朝之/社会派コミックの先駆け
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原作者の矢島正雄は好きな作家だ。テレビドラマのシナリオなども手がけている。そのせいか、矢島正雄原作のコミックはいずれも社会派ドラマである。 最近でこそ社会派コミックは数多くあるが、その中でもこの人間交差点は一番早い時期に描かれたものではないだろうか。 特に切ない物語が多い。本当の大人にしか解らない悲しみが数多く描かれている。大学生でもまだ早いだろう。このコミックは30〜40代で理解できる作品じゃないかと思う。 人恋しくなったら、寂しくなったら読んでみることをお勧めいたします。
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課長島耕作(講談社漫画文庫)
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奥原 朝之/サラリーマンコミックの古典
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言わずとしれた弘兼憲史の代表作。 物語は課長に昇進したばかりの島耕作の通勤シーンから始まる。 初出時はバブル華やかなりし頃で、その雰囲気も味わうことが出来る。初っぱなから不倫シーンである。出来る男は違うのである。 会社組織の中で不まじめに、しかし誠実に働く島耕作。なんか理想的すぎて嫌みなところもあるが、読んでいる方々はきっと島耕作のような生き方をしてみたいと思うに違いない。なぜなら決してそんな生き方は出来ないからである。 最初の頃は<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01853819&volno=0000" target="_…
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オークション・ハウス(ヤングジャンプコミックス)
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奥原 朝之/舞台を変えての復讐劇
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復讐劇という設定で見ると、話の筋は傷追い人と大差ない。主人公の劉宗厳が素性を隠しているのも共通している。しかしこちらは美術界という舞台に設定されており、それが違った趣をもたらしている。 劉宗厳は絵画、彫刻、陶磁器等々数多くの美術品の造詣に深く、オークションマネージャーとして超一級品の腕を持っている。それは過去に両親を殺された復讐のために磨いた腕であった。劉の父親は絵画コレクターで、あるオークションでレースを編む女を落札したその夜に妻と共に誰かに殺され、その時にレースを編む女も持ち去れた。現場を一部始終見ていた幼い劉は復讐を誓い、レースを編む女に秘められた謎を追うために美術界に身を投げるのであ…
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傷追い人(小池書院漫画DX)
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奥原 朝之/復讐に生きる人生
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舞台はブラジル。ここでバラキと呼ばれる一人の日本人がガリンペイロ(金を掘る男)として生活していた。 ガリンペイロを取材しに来た日本のテレビ取材班の一員、日下夕湖はバラキに突然犯される。バラキは別れ際に取材の中止を要請する。見返りにこぶし大の金塊を添えて。 ガリンペイロの取材は中止となったが、バラキに興味を持った夕湖はバラキと行動を共にする。一緒に生活する内に二人は愛し合うようになり、そこで初めてバラキの過去が語られる。 バラキの本名は茨木圭介といい、アメリカンフットボールで将来を嘱望された男であった。しかしその逞しい肉体に目を付けた謎の秘密組織GPXが圭介に接触する。GPXの申し出を断ったが…
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黒い家
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奥原 朝之/怖いの一言に尽きる
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怖い。とっても怖かった。なによりも保険金のために両腕を切り落とすシーンが一番ぞっとした。指でなくて腕ですよ。腕。もうコップも持てないんですよ。こんな人間が本当にいるのか?と思ったら、実は存在するらしい。 著者が保険会社勤務経験者のためにモラルハザードの背景とその実態がわかりやすく描かれている。中には保険金欲しさに指や腕を切り落とす人間が実際にいるのだ。しかも病院もがグルになって。中には借金を返済するためにやる者もいるらしい。 しかし同じ指でも親指と小指とでは保険金に大きな差がある。小指程度であれば実生活に大きな不便は無いが、親指になると物を持つ時に苦労するので、親指の喪失に対する保険金支払額…
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パラサイト・イヴ
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奥原 朝之/バイオホラーの金字塔
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映画化もされ、ゲーム化もされた有名な作品。 作品中でも説明が為されているが、ミトコンドリアは細胞の中でエネルギーを生成する重要な役割を果たしている。つまり呼吸である。呼吸とは生物学的定義で言うならばミトコンドリアに酸素を受け渡すことなのである。酸素を受け取ったミトコンドリアは酸素を利用してエネルギーを生成する。 またミトコンドリア自身はほぼ独立した形で増殖することが可能である。 増殖を独自に行えることから、ミトコンドリアの起源は好気性細菌の寄生によるものではないかという説もある。この話も文中に出てくる。 自己増殖可能でエネルギーを生成する。もしミトコンドリアが意識を持つならば、これはまさに独…
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ホワイトアウト
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奥原 朝之/文句無しの五つ星
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これは文句無しの五つ星。異論のある人はいないだろう。 映像化を意識して書いた作品と著者が別の場所で述べているように、ロングショットで撮影すると映えるようなシーンや、息も吐かせまいとする連続した危機。あぁ、一度手にするともう眠れない。 水力発電所(正確には下流域に住む住民)を人質に取ったテロリストと、発電所に勤務する一人の男の戦いを描いた作品。もう何度も絶体絶命になるわ、何度もこれはどうやって逃げるのかとドキドキさせるシーンは満載。 無茶な脱出シーンもあったが、あれはご愛敬として差し引いても文句無しの出来栄え。 伏線の張り方も良いです。驚きの連続。 映画よりも原作の方が数段面白い。真保裕一の作…
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国家と犯罪
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奥原 朝之/渾身のルポルタージュ
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メキシコ、新彊ウイグル自治区、クルドなどこれまでに著者の作品で描かれたその土地その土地を取材した記録である。 そもそも船戸与一氏の視点は、いわゆる弱者の視点である。そういう立場からこれまでの作品が出来上がっており、最終的には強大な力を持った権力者潰されてしまうもの悲しさが描かれている。 おそらく著者はそういう国家体制を告発したいわけではないのだろう。ただ、今現在の実体をえぐり出し、そこにスポットライトを当て、弱者側の動きを歴史に埋もれさせないようにしたいだけなのではないだろうか。砂のクロニクル然り、蝦夷地別件然りである。 本書は精力的に取材したその過程を克明に記した著者渾身のルポルタージュで…
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バースデイ
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奥原 朝之/リングシリーズ番外編
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短篇が3本収録されている。三編目のバースデイがループの続編に辺り、一編目と二編目はバースデイを書くために描かれた物語りと言える。 ループ界へ飛び込んだ馨がどのようにして転移性ヒトガンウイルスを駆逐するのか。ループ界のガンである貞子をどのように駆逐していくのか。残された礼子はモニターを通して馨を観察する。 テーマはやっぱり『愛』でしょうか。人々を救うために、家族を救うために身を投げ出す無償の愛を描きたかったのでしょう。 リングシリーズに比べると勢いは落ちてます。ループの続編に当たりますが、ループで謎は解明されて物語は完結してますので特に読む必要はないでしょう。 強いて言えば馨がどうなったかに興…
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ループ
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奥原 朝之/涙の大団円
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リングシリーズ第三弾。堂々の完結である。 リング、らせんを読み終えた直後は夜だった。翌日本屋が開くまで悶々と過ごしたことをよく憶えている。しかし翌日は仕事だった。終業までまた悶々と過ごした。終業とほぼ同時に本屋へと向かった。 あっという間に読み終えた。リング、らせんを通しての謎が一気に解明されていく。その展開が非常に心地よかった。 ループ。この言葉の持つ意味は大きい。それが何なのか。自分の目で確かめて欲しい。最後は涙の大団円である。ちょっと切なかった。
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らせん
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奥原 朝之/続編なんだけど・・
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リングシリーズ第二弾。 前作の終わりで高山が死亡し、その司法解剖の現場から物語は始まる。 今回は前作リングのようなホラー色は強くない。どちらかというとSFに分類されるだろう。 『らせん』とは何を意味するのか。これは中盤以降ではっきりする。本作品はこのタイトルに凝縮されている。 SF、らせんと言えばもう分かりますね。そうそれが今回の鍵なのです。 じっくりとお楽しみ下さい。
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リング
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奥原 朝之/単なるホラーではない!
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リングシリーズの第1弾。 リングといえば貞子。貞子といえばリングと言うほどに定番化してしまった感は有るが、初めて読んだときにはその魅力に引き込まれてしまい、一気に読んでしまった。 最初の掴みが良い。このビデオを見たものは一週間後に死ぬという死のビデオ。実際に何人か死ぬ。そのネタを追って新聞記者の浅川も興味からそのビデオを見てしまう。見た後でこれは本物だと感じて恐怖に駆られ、死から逃れるために大学の同級生だった高山の知恵を借りることにする。 しかしその裏側で浅川の保管していた死のビデオを妻と子供が見てしまう。 事態はどう展開してくのかと思わせて、予想を裏切るような展開を見せる。 これはホラー作…
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官僚たちの夏
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奥原 朝之/通産官僚の栄枯盛衰
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時は昭和30年代後半。日本国内は高度経済成長の波に乗り資本自由化を目前にしていた。資本自由化によって国内産業が大打撃を受けると考えた通産官僚は特定産業振興法(略して特振法)を制定して国内産業の保護を図ろうとする。 しかし時代の波は自由化に動いており、保護政策よりも競争政策だという通産官僚と対立する。 経済産業省(旧通産省)は省庁の中でも比較的規制の少ない省庁である。それは国内経済が発展するにつれて国内産業の保護を段階的に無くしてきたからである。それが自然な流れだと思う。 最後は保護政策を主張した官僚たちが破れて幕が下りるのだが、それは時代の要請であり避けられなかったことなのではないだろうか。…
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不毛地帯
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奥原 朝之/戦後日本の不毛地帯
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シベリア抑留から引き上げてきた元陸軍参謀が、商社に入社しその商社を過去の陸軍時代の個人的な人脈を駆使することによって軍事産業に参入し、中堅商社であった会社を大手の一角にまで成長させる物語である。 著者は明言しないが、主人公壱岐のモデルは明らかに伊藤忠の元会長、瀬島隆三氏であることは疑う余地はないだろう。瀬島隆三氏のドキュメントとしては沈黙のファイル(共同通信社社会部編著、新潮文庫)に詳しい。そちらも併せて読むことをお勧めするが、本作品の後が良いだろう。 壱岐が如何にして軍事産業に食い込んでいくのかを描き、戦後日本の政界と財界を見事にあぶり出している。著者はこの手の社会派ドラマを書かせると非常…
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狩りのとき
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奥原 朝之/ダニーとボブの物語
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スワガーシリーズ第4弾(ボブのシリーズとしては3番目)である。 スワガーシリーズの根底を流れているのはベトナム戦争のような気がする。 本作品では、ベトナム戦争でスポッターとして働いてくれたダニー・フェンとの出会いとそこで育まれた友情をメインに描いている。とはいってもボブの周りには謀略があり、今回もそれを見事にうち砕くのである。 ダニーがベトナム戦争で命を落としたことは極大射程(新潮文庫、上下巻)で明らかになっているので、隠すまでもないが、そのダニーの死に陰謀が隠されていたことが本作品で明らかになる。ん〜最初の作品を伏線に使うのか。これにはやられた。 オープニングは、ボブの家族が朝靄の中馬に乗…
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ソリトンの悪魔
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奥原 朝之/ハリウッドを意識したような描き方
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これまた近未来サイファイ小説。著者はSFと呼ばれることを嫌うらしいのでサイファイと言っておこう。 沖縄近海に浮かぶ都市オーシャンテクノポリスが何者かの攻撃を受けて沈没したところから物語は始まる。 ソリトンとは形が崩れることなく進行する波のことである。今回はこのソリトン波をテーマに荒唐無稽な物語が繰り広げられる。著者はソリトン波に意識を持たせたのである。 オーシャンテクノポリスの立ち上げに従事していた主人公は、久しぶりに娘とここで落ち合うことになっていた。しかし娘は父と会うこともなく、オーシャンテクノポリスの崩壊により潜水艦に閉じこめられて海底深くへと沈んでいった。娘を助けなければ・・というと…
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二重螺旋の悪魔
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奥原 朝之/バイオホラーの先駆け
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バイオホラーと言えば、映画にもなったパラサイトイブが有名だろう。しかし本作品はパラサイトイブよりも先に刊行されている。 タイトルから分かるように遺伝子操作技術をテーマにした近未来小説である。冒頭にバイオホラーとか書いたが、ホラーというよりはアクションやサスペンスの要素が多いので正直何と形容して良いのか分からないが、スピード感あふれる展開で非常に面白い。 人間の持つ遺伝子の97%はジャンクと呼ばれる領域で何の意味も持たないとされている。果たして本当にそうなのか。というところから本作品は出発している。そのジャンクの部分をいじっていると化け物が出現してしまうというストーリーである。あとはその化け物…
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クライングフリーマン(道草文庫)
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奥原 朝之/殺し屋という職業
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ホテルのベルボーイに化けた殺し屋が、ホテルに宿泊に来たヤクザの親分を暗殺するシーンから始まる。仕事を完遂すると彼はぼろぼろと涙を流して泣いた。彼こそがクライングフリーマンと呼ばれる職業的暗殺者だった。 なぜ仕事の後に泣くのか。これが最初の謎。 その暗殺の現場を目撃した女流画家の夕湖は立ち去ろうとするフリーマンと目が合う。夕湖はきっと彼は私を殺しにくるだろうと確信し、彼を待つ。 夕湖を殺すためにフリーマンは彼女の元を訪れたのだが、口止めを条件に彼女を殺さなかった。 しかし親分を殺されたヤクザ組織は黙っていなかった。警察をも抱き込んでフリーマンの後を追う。夕湖が唯一の目撃者だと知ったヤクザたちは…
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火車
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奥原 朝之/バブルの傷跡か
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今日でこそ多重債務者の話題は一般的である。自己破産を申し立てる人間があまりにも急増しているために破産法を一部改正したのはご存じ通りである。 初出時はまだバブルの余韻が残っていた。その時には誰でも、収入のない学生でもクレジットカードを作ることが出来た。ある意味良い時代だったのだろう。 犯人である女性は一切文中に出てこない。彼女の胸の内はどうなのか。彼女を追いかける刑事と一緒に捜査しているような感じだ。 犯人を一切登場させずに犯人を追いつめていく描き方は非常に巧い。 また犯人の口から直接胸の内を語らせずに、彼女がどうして犯罪に走ったのかという心理描写は見事である。こんな描き方があるのかと驚嘆した…
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血と骨
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奥原 朝之/ただ圧倒されるだけ
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ほぼ著者の自伝らしいが、自分の父親がこんな父親だったらどうだろうかと想像してみた。しかし想像すら出来ないほどに圧倒されるだけだった。 体はでかく腕力はあり、一対一のけんかでは負けを知らない男。それに加えて独善的でやりたい放題。こんな父親だったらと何度も想像してみようとしたが無理だった。これは人間の想像を超えた生き物である。粗野にして卑とは金俊平のことを言うのだろう。 自分で起こした蒲鉾工場が当たって莫大な稼ぎを手にするが、稼ぎは全て自分一人のもの。従業員へ分配するという考えは一切持たない。 欲望の赴くままに生き、何でもやりたいときにやる。けんかも女もである。 一匹狼であるが故にヤクザでもない…
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疫病神
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奥原 朝之/おかしな二人
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ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮の珍道中。 建設コンサルタントと言っても、工事現場の苦情処理係である。工事現場には砂利がばらまかれているだの騒音がうるさいだの、なんだかんだで難癖を付ける輩が多いそうだ。そういう輩を“捌く”ために土建会社とヤクザとの顔をつなぐ必要がある。その役割を果たすのが建設コンサルタント二宮の仕事である。 二宮は桑原の所属する二蝶会という組にけつをもってもらっていることから桑原とは顔なじみ。 この二人の珍道中のきっかけは二宮の仕事が上手くいかなくなったことからだった。依頼してきた土建屋が仕事の依頼を取り下げたことに納得のいかない二宮は顔を突っ込んで調べ始める。桑原は…
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おかしな2人(講談社漫画文庫)
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奥原 朝之/人生行き当たりばったり
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天才山倉とヤクザ室田のふたりが繰り広げる珍道中。 山倉は天才で色んなものを発明する。しかし経営の才はないようであまりお金には縁がない。室田はいけいけのヤクザで暴力しか取り柄の無いような男である。しかし決断は早い。勘で生きているようなおとこだ。 この二人はひょんなことから知り合い、山倉の発明したものをネタに商売を始める。これが大当たり。しかし世の中は甘くなかった。 室田の大成功をよく思わない昔の同僚成田(当然ヤクザ)は山倉や室田の弱みにつけ込んで上前をはねようとする。この三者を巡ってのどたばた劇が面白い。 また成田が絡まなくても山倉と室田は基本的にアホなので稼いだ金が残った試しがない。 腹を抱…
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夜光虫
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奥原 朝之/黒道
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自分の借金を詰めるために身を落としていく、主人公の加倉。日本のプロ野球を引退した後に始めた事業に失敗して借金を抱え、その借金返済のために台湾プロ野球に身を投じる。 しかし『借金返済のために』という悪魔のささやきに乗り、黒道(台湾のヤクザをこう呼ぶ)と手を結ぶ。もうあとは堕ちていくだけだった。 <a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01563236&volno=0000" target="_blank">不夜城でも見せてくれた、自己保身のために人間はどこまで残酷になれるのかという心理描写を今回も見事に描いている。
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漂流街
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奥原 朝之/お勧め出来ません
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これは酷いで出来上がりだ。<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01563236&volno=0000" target="_blank">不夜城のあの出来栄えはどこに行ったのだろう。単に人を殺せばいいと言うものではないだろうに。 不夜城では人が死ぬシーンではそれなりの理由付けがあった。今回のはそれが見あたらないのが多い。多すぎる。 粗製濫造とまでは言わないけれども、これはちょっと酷すぎる。不夜城と<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01940891&volno=0…
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北の狩人
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奥原 朝之/新宿鮫の亜流か
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舞台設定が歌舞伎町で主人公の職業も警官。ある目的のためにヤクザを相手に立ち回るところは新宿鮫と大差ない。唯一違うのは主人公は警官だけど警官という身分を利用できないと言うところだけだ。 警官なのに警官の権限という強力な切り札を使えないジレンマをどう乗り切るのかという点では読むところはあった。 しかし敵役では新宿鮫の真壁みたいな実直なヤクザも出てくるので、どうしても読んでて新宿鮫が頭の中にちらつく。また晶みたいな女の子も出てきて主人公とくっついてしまう様はちょっとお粗末。 やっぱり新宿鮫よりは出来は今ひとつかな。
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蠅の王
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奥原 朝之/狂気と集団心理
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航空機事故によって無人島に放り出された少年たちが集団心理によって暴走していく様を描いている。 描かれているのはせいぜい中学生ぐらいの子供たちで、リーダー格の二人が主導権争いをすることを引き金に、最初はうまくいっていた集団生活が徐々に破綻し、最終的に殺し合いまで発展する。 この設定はどこかで見たことあると思ったら、子供たちが殺し合いを繰り広げるという点では<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=01676106&volno=0000" target="_blank">バトル・ロワイアルに似ている。しかし両者を読み比べてみると似て非な…
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