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ある愛の詩
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くろねこ/美しい海、心、歌声、それが心を癒していく
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友人に誘われて行った小笠原の島で、イルカと交流する力を持った青年拓海と出会った流香。出会いのシーン、月の光を浴びた砂浜で、1人流香が歌うシーンの幻想的な美しさ。拓海にしか心を許さないイルカのテティスさえ聴き入るその歌声。無邪気に流香に近寄り、あっけらかんと「好きだ」と告げる拓海。なんて無邪気に微笑むヒトなのでしょう。翳りなんて、かけらもないような太陽の微笑み。天使の歌声を持ちながら、哀しい闇を心に秘めた流香。彼女には、拓海の微笑が、どれほどまぶしく見えたことか。それは、自分の気持ちに封をして、気付かないふりをしてしまうほどに。そんな2人を見守る拓海の祖父留吉の持つ包容力。幼くして両親を失くした…
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黄昏の百合の骨
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くろねこ/謎と疑惑に満ちた恩田ワールドを堪能
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不思議な雰囲気の漂う恩田ワールド思いっきり堪能できました。近所の人から<魔女の家>と呼ばれる古い洋館屋敷の主である祖母がなくなり、その遺言によってその屋敷に暮らすことになった理瀬。彼女が、半年間そこで暮らすことを言い残した祖母の真意はどこにあるのか。同居するのは、もとからそこに暮らしていた理瀬の叔母に当たる梨耶子、梨南子の2人。彼女たちにすれば、母が、いきなり、その家に理瀬を半年以上暮らさせなければいけないと遺言を残すなんて、面白いわけがなくて。理瀬がなんのためにやってきたのか、何を探しているのか、と疑心暗鬼。きっと、何か財宝が隠されているのではとあれこれ探りをいれてくる。姉妹でありながら、ま…
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ホワイトグッドバイ
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くろねこ/雪は降りしきる。全ての想いを覆い隠すように。
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大好きな、「天国の本屋」シリーズの作者の作品ということで、同じような雰囲気を期待して読み始めたので前半部分の展開には、ちょっとびっくり。雪に埋もれた街はるばる訪れた男彼は、世界的に有名なテロリスト彼を追うのは、ユーロポールと、そして、もっと恐ろしい組織白い、白い世界どこまでも白い世界全てを覆い尽くして、なお降り続く雪はこの物語に、なんてふさわしい12年ぶりに、その街に舞い降りた男の心情12年前、ただ1度、訪れた街を、選んだ彼の想い追い続ける捜査官、一瀬の想い響き渡る銃声も醜い人の罪さえも降りしきる雪は包み込んでいくから
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今日を忘れた明日の僕へ
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くろねこ/記憶が蓄積できず、自らの拠って立つところを失った男。彼は事件の犯人なのか?
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交通事故のため、記憶を蓄積できなくなってしまった<僕>うたたねであっても、眠ってしまえば、それ以前の記憶がまったくなくなってしまう。頼りは、自分自身がことこまかくつけている日記。たとえ、それを自分が書いたことすら覚えていなくても。なんて、なんて不安定な心理状態に置かれるのでしょう。自分自身が、昨日の続きの自分でないということ。拠って立つ記憶がないということ。恐ろしく、残酷なこと。それを、毎朝目覚める度に<新しく>おしえられるなんて。そして、毎朝、毎朝、それを夫に告げなければならないなんて。妻、奈々美の繰り返す地獄。目覚める夫は、毎日新しい夫。目覚める自分は、昨日の続きの自分。自分自身のふがいな…
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不安な童話
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くろねこ/生まれ変わり?心の中から生まれる知らないはずの記憶の意味は?
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「あなたは母の生まれ変わりです」そんなことを突然言われたら?しかも、悪いことに、その人の言う根拠に、一々、もっともな点があったら?おまけに、その前世というのが、25年も前に変死した女流画家高槻倫子だなんて。転生というものが、本当にあるのかどうか、私には、分かりません。ただ、ありえないとは言い切れないとは思っています。万由子だって、とりたてて、そういうことを真剣に考えたことなんて、そうなかったはず。でも、どう考えても接点なんてなかったはずの倫子に関わる<記憶>が、自分の中にあるとしたら?自らの根源に関わる問題。だって、自分がもし、「倫子」だとしたら、万由子は、いったい、どこに行ってしまうのでしょ…
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あかんべえ
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くろねこ/不思議な力を持つ少女おりんが出会ったおばけさんたち。彼らの過去にあるものは?
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宮部みゆきの世界って、どうしてこんなに暖かいのでしょう。幽霊がたくさん出てくる話なのに、なんだかほんわり優しくて。料理屋「ふね屋」の1人娘おりん。両親に、祖父母、店で働く人たちに囲まれて、何不自由なく育った少女。そんなおりんが、命に関わる大病の後、身につけた不思議な力。それは、この世の者でない存在が見えるようになったこと。素晴らしいのは、おりんが、幽霊を見て、きゃーきゃー騒ぎ立てるだけの少女でなかったこと。そんなおりんだからこそ、亡者たちも、見えるようになったのかもしれませんが。実に様々な亡者たちが、ふね屋に現れます。色男優男な玄之介、なんとも艶っぽいおみつ。おどろおどろなざんばら髪。あかんべ…
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鳥人計画
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くろねこ/大空にはばたく夢に実利が絡み…
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スキーが、ゲレンデを滑る感覚。恐怖と紙一重のスピードで、ゲレンデを滑り降りる爽快感を知っています。雪を蹴っていてさえそうなのです。ジャンプ台から飛び出して空中を行くその開放感はどれほどのものでしょう。トレーニングに次ぐトレーニング。自らを鍛え上げ、スキルアップを目指し、1mでも、1cmで先へ。1秒でも長く空中へ。それが、組織の中に入り、組織を代表して飛ぶようになると、そうはいかなくなってしまう。純粋に自らの力で飛ぶだけではなくなってしまう。なんて悲しいこと。どんなことをしてでも、「人よりも」距離を伸ばすことが目的になってしまう。自分自身をステップアップしての、「昨日の自分」が敵ではなく。なぜ、…
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地下街の雨
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くろねこ/優しさあふれる宮部ワールド
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なんて優しいお話。特に、表題作の「地下街の雨」婚約者に裏切られ、仕事まで失った麻子。失意のまま、ウェイトレスのアルバイトをしていた彼女の前に現れた、似たような境遇にある曜子と知合ってから、事態は動き始めたのです。そんな中で交わされる「地下街の雨」についての会話は、すごくセンスがあって好きなシーンです。それと、地下街の喫茶店は、外の風景が見えるわけでないのに、やっぱり窓際の席に座ってしまうのって、なんだか、分かる気がするのです。彼女が偶然見掛けた見覚えのあるネクタイ。するべき人でない人がしているそのネクタイのその謎とは?関わるべきでない人と関わってしまい、傷ついた麻子を待っていた素敵な出会い。心…
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探偵はひとりぼっち
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くろねこ/すすきのをねじろにする何でも屋<俺>の孤独な戦い。
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<俺>のキャラが、なんともユニーク。定職にはつかず、ギャンブルで儲けたり、便利屋のようなことをして毎日を過ごし、夜は、行き付けのバー「ケラー」に。友人は、北大の大学院に在籍する武道の得意な高田や、暴力団幹部の桐原。意気に感じると、とことん突き進んじゃう。周りに制止されても、事件に首をつっこんでは、危ない目にもあってしまう。そういう奴だから、事件が政治家がらみらしくて、警察も触らぬ神にたたりなしになっちゃってる事件だって、放っておきません。孤軍奮闘。四面楚歌。夜の世界の住人たちが、活き活きしている世界でもあります。バーテンや、呼び込み屋。ゲイバーの方たち。札幌の、特にすすきのの風景も、さすが、実…
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奪取
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くろねこ/偽札作りに燃える男たち、それを狙う悪党たちの駆け引き。
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なんとかして、「本当の」偽札を造ろうとする男たちの物語。きっかけが、やくざに不当な借金を負わされたり、仲間がひどい目に合わされたりしたところにあるせいもあってか、冒頭からの印象。「これは、和製「スティング」だ!」冒頭から、暴力団と手塚道郎の会話ににまにま。そんな奴ら相手に、ひるむどころか、得意技を使って煙に巻いちゃうやり方、なんてかっこいい!この時点で、すでに道郎のファンになりました。自動販売機から、外国コインで小銭をくすねて生きてるような小悪党なのに。それでも、本当に、ものすごく魅力的。そこに、力自慢・体力自慢の雅人。正体不明のじいさん。お転婆お嬢の幸緒。みんな、ものすごく魅力的。彼らが、パ…
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ターン
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くろねこ/くるりんに取り残されたヒロインの行方は?
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時の流れから取り残されて、自分だけが同じ1日を延々と繰り返すことになったとしたら?しかも、正常な時を過ごす人は、どんどん先に行ってしまうから、この世界には、ただ自分1人だけ。自分以外の生き物の気配すらない。ある日突然、そんな世界に放り込まれたとしたら?孤独と絶望。やりきれない思い。何をしても、何を作っても、持ち時間は24時間。ごご3時15分には、前の日の状態に戻ってしまうなんて。そんな状況で、何をする気になれるというのでしょう。自暴自棄になって、生きる気力だってなくしちゃいます。自ら命を絶つことだって考えるでしょう。究極の最後の手段。でも、それでも、また元に戻っていることに気付いたら?それを考…
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空飛ぶ馬
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くろねこ/円紫師匠と女子大生「私」のシリーズ1作目
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・織部の霊「私」と円紫師匠の出会いが「夢解き」だったとは知りませんでした。女子大生と大学教授と噺家の対談なんて、なかなかしゃれた企画ですね。その中でひょいと飛び出た不思議な夢の話。まるでつかみどころのない話のようなのに、円紫師匠にかかると、見事に説明がついてしまうのが不思議。しかも、それでいて、淡々としているのが円紫さんの魅力の1つ。長年の謎が解決して、教授もさぞかしすっきりしたことでしょう。それにしても、人間の育った環境とか血筋って、大きな意味を持つのですね。・砂糖合戦怖いですね。人間の考えることって。喫茶店での女子大生とおぼしき3人組の謎の行動。「私」が見た「マクベス」との関わり合いは?マ…
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静寂の叫び
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くろねこ/聾学校の教師と生徒たちを人質にたてこもる凶悪犯たち。内からと外からの二手にわたる息詰まる交渉。
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彼らの乗ったバスが3人の凶悪犯に乗っ取られる。閉鎖された工場に立てこもった彼らを投降させようと交渉するのは、FBIの交渉のプロ。そのポターと、立てこもり犯のリーダー、ハンディとの、息詰るような駆け引き。相手の反応を読み、心理状態を分析し、要求を、あるものは飲み、あるものははねつける。そうやって、少しずつ人質を解放させようと必死の心理戦。とにかく、もう、このハンディって男が、凶悪この上なし。自分の思うようにならないというだけで、人を殺すことをなんとも思わない。むしろ、殺されるようなことをするのが悪い、殺されて当たり前と思っている。話しているうちに、ハンディのペースに巻き込まれそうになってしまうポ…
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スナーク狩り
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くろねこ/交差する哀しみの暴発。そこに巻き込まれた人々
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タイトルのスナークとは何か、最後まで分からずに読んでいました。でも、哀しい、人の心って、あまりにも哀しいですね。憎しみは、たとえそれが、どれほど正当なものであっても、心を蝕んでしまう。まず、慶子。お金持ちで、甘やかされた少女。人と付き合ったらいいのかがうまく分からずに、安易な方法に頼ってしまい、それを、1番傷付く方法で利用された彼女。その傷を治す方法なんて見付からない。散弾銃を持って、彼の結婚式に乗り込む以外には。織口邦男。慶子が銃を持っていることを知り、自らの計画のためにそれを奪っていった男。なんのために?そんな2人のために、車を走らせる若い男女。2人は、織口に追いつくことができるのか?司法…
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ステップファザー・ステップ
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くろねこ/けなげな双子と泥棒さんで繰り広げるほのぼの宮部ワールド
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W不倫の両親がそれぞれ不倫相手と駆け落ちして取り残された中学生の双子、宗野直と哲。ものすごく悲惨な状況のはずなのに、彼らは、さばさばしています。両親には、好きに生きてもらいたいから。なんて、まぁ。でも、よそに引取られたり、大人に自分たちの生活に干渉されるのはまっぴら。そんな彼らのところに、天から助けが降ってきます。はい、それは、もう、文字通りの意味で(笑)それは、ある日、重力に従ってやってきた泥棒さん(笑)2人が泥棒に持ちかけた(脅迫した?(笑))提案は、彼らの保護者となってほしいということ。そうして、不思議な3人の組合せは、次々事件を解決していくのです!双子たちは可愛くて、いじらしい。最初は…
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スキップ
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くろねこ/たった1晩で飛び越えてしまった25年。そこから成長していくヒロインの物語。
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17歳の高校生の高校生だった真理子は、なんと、一晩眠って起きたら、42歳になっていた!しかも、結婚していて、ゆうべの自分と同じ年齢の娘がいる?なんてこと!17歳から42歳という、人生の花も実もある時間を、たった1晩眠っただけで飛び越えてしまうなんて、理性のたががふっとぶような事件。東野圭吾の『<a href="/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/?aid=&bibid=02025946&volno=0000" target="_blank">秘密』の、逆バージョンのような設定ですね。でも、せめてもの真理子の救いは、「娘」の美也子と「夫」の桜木が、とてもいい人であるという…
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修羅の終わり
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くろねこ/誰もが心に抱える修羅が浮き彫りに…
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人の心って、恐ろしい修羅を抱えていたりするのですね。それが、警察権力を持った人間だと、よけいに恐ろしい。鷲尾のように、ある意味分かりやすい修羅を持った男より、久我のように、一見まともに見えてという男の方が、実は恐ろしい気がします。彼は、公安警察の花形とも言うべき「桜」の訓練を受けます。まっすぐで、自分の信じるところを疑わない久我。正義感に燃える男。けれども、その正義感が、自分の信じる正義しか見なくなる時、それは、恐ろしい凶器<狂気>となってしまうのです。同室の男へ向ける敵愾心。久我の様に一途すぎる男は、<桜>には向いていないのです。世の中に矛盾があることも、「正義」だけが全てでないことも清濁併…
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十三番目の人格
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くろねこ/人の心の弱さと悲しさ。それを乗り越える強さを彼女が持っていてほしい
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香里は、人の感情を読み取る能力を持っている。それを活かして阪神大震災の被災者の心のケアをするボランティアをしていた彼女は、多重人格障害と思われる少女と出会う。人の心が見えてしまうというのは、便利なこともあるでしょうが、むしろ、重荷になることが多いのではないでしょうか。由香里にとっても、それは、ある意味、背負わされた十字架のようなものでした。それを、その重荷を少しでも軽くするために、その力をボランティアとして活かす道を選んだのです。そして出会った千尋という少女。人の心を読むことができる由香里だけが、彼女の中に、複数の人格が同居していることに気付きます。次第に打解けるにつれ、その症状を把握して行く…
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朱色の研究
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くろねこ/禍々しい朱の色が読んだ事件?
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夕焼けって、不思議。見る時の気分によって、果てしなく美しいものにも、途方もなく禍々しいものにも見えてしまう。あの、赤。どこまでも真っ赤な赤。美しいと感じる時ですら、それは、心を和ませる美しさではなく、何か、胸騒ぎのようなものをあるいは息苦しいような何かを感じさせる美しさ。その「赤」が、「朱色」が、事件の引金になったとしても、なんら不思議ではないような感じ。夕焼けのお告げのせいで事件に巻き込まれることになった、大学の助教授の火村。大学で犯罪社会学を教えながら、フィールドワークと称して警察の捜査に関わって事件を解決する探偵。心に深い傷を負って、どこか不安定な名探偵。捜査の過程で関係者と話していても…
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死の谷から来た女
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くろねこ/シンデレラ・ストーリーの裏にあるもの
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四国の実家でやっていた鉱山の事故の後、1人、生き残って東京に出てきた恵。サウナの洗身メイトをやって地道に暮らす彼女にふってわいたようなシンデレラ・ストーリー。莫大な資産を持つ、天涯孤独な老人相庭の養女?ただ、娘らしく接するだけで、80億の資産が転がり込んでくるなんて。恵でなくても、夢のような申し出にぼーっとなりながらも、うますぎる話に不安になるものですね。そんな恵を後押ししたのが、恋人の俵。結婚を約束した恋人が、大金持になるなんて、めったにない幸運ですものね。不安になりながらも、次々に見せられる相庭の地位の証拠に、疑っている自分の方がどうかしていると思わされていきます。それとは別に、恵自身にも…
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死の蔵書
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くろねこ/希少価値のある本が死を招いてしまう…。
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私には、古本を投機的に見る習慣はないので、アメリカで、あんなふうに、古本に、ここまで高い値がつくというのは、驚きでした。そう、それは、殺人の動機になるほど。希少価値のある本の、ましてや初版で美品だと、ものすごい高価なのですね。となると、そういう本を、できるだけ安価に発掘して高く売るという商売が成り立つのも納得です。そして、その事件の捜査に当るのが、クリフ。彼と、恋人のキャロルとの関係は、微妙なバランスで、事件とは別の、この2人の関係もとても気がかりでした。特に、2人の関係を他人にひた隠しにされることで、彼女がとても傷付いているだろうことに、心が痛みました。そして、宿命のライバルというか、天敵の…
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蜃気楼の彼方
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くろねこ/再会尽くしの章
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イシュトバーンとナリスの再会には、ものすごい緊張感がありました。あの状態で、イシュトを落ち着かせられるとは、ナリすの弁舌は、やはり空恐ろしいですね。そして、イシュトと、グイン、リンダとの再会。変わってしまった彼らの立場。彼らがあんな形で再会するなんて、なんて運命なのでしょう。それにしても、グインのもつ帝王としての風格。生まれながらの帝王としか思えません。そして、おてんば娘から立派な王妃になったリンダ。この2人の将来からも目が離せません。
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死国
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くろねこ/死者を呼ぶ逆さうちが、恐怖を呼ぶ
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四国八十八ヶ所を、死者の年齢の数だけ逆に巡ることで死者を甦らせることができるとする逆打ち。死んだ者を思う気持ちの深さが、そんな伝説を生んだのでしょうが、悲しいですね。ましてや、親が、死んだ子を思って、ひたすら霊場を反対に巡る姿。悲しく、そして鬼気迫るものがあります。そうはいっても、通常、本当に、我が子が黄泉の国から戻ってくると信じてそうする人間はいないでしょう。先に逝った我が子をあきらめきれない思いを断ち切るための儀式として、そういう伝説が存在するのではないでしょうか。けれど、それが、「本当に」死の国の扉を開いてしまったとしたら…。幼くしてこの世を去った莎代里。その母親の妄執が、彼女を、この世…
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散歩道
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くろねこ/ブラックなばかりがショートショートではない
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赤川氏が、公認ファンクラブの会報に書き下ろしていたショートショートを1冊にまとめたもの。ショートショートって、なんとなく、ブラックな味わいを思い浮かべてしまうのですが、そればっかりがショートショートではないんですよね。特に、第一部の「ラブストーリーはショートショートで」は、いかにも赤川氏らしい、ほんわかした、温かい恋愛模様が綴られていて、心がほっこり暖かくなる感じ。冒頭の「指揮者に恋した少女」こそ、ちょっと切なくて悲しくなってしまいましたが、その後は、もう、赤川節全開といった感じ。第二部の「OLもビジネスマンもミステリー」は、一転、ぞっとする物語も混じっています。働くって、理不尽なこともいっぱ…
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三月は深き紅の淵を
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くろねこ/謎の本にまつわる4つの謎の物語
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作者不明、たった200冊しか作られず、それも、大部分は作者の代理人によって回収されたとされる自費出版の本。『三月は深き紅の淵を』。この、1冊の本をめぐる4つの物語。もう、この設定からして、素晴らしく魅力的、そして魅惑的。恩田陸というこの作者の本は初めて読みましたが、初めて読むのがこの作品というのは、とてもラッキーでした。第1章から、もう、夢中なってしまいました。友人が持っていたはずのその本を、膨大な書庫の中から、謎のメッセージを解いて探し出そうとする老人達。彼らが巧一を招待したその目的は?なんとも、富豪というのは酔狂なことを、という感じなのですが、この4人の老人が、とっても魅力的。ちょっと風変…
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淋しい狩人
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くろねこ/老人と少年のコンビが活き活きと活躍する宮部ワールドの本領発揮
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宮部みゆきは、本当にキャラがみんな活き活きしていて好き。小さな古本屋の主イワさんこと岩永幸吉氏と、その孫高校生の稔。で、この稔、なんだか、高校生なのに、なんとなく、10歳ぐらいみたいな印象。なんだか、やんちゃなところが、そんな感じに見せているのですね。それが、宮部みゆきの作品の魅力なのですよね。おじいちゃん(イワさん)を、いいように冷やかしては、ひっぱたかれる前にひょっと逃げてしまうところなんて、ほんと、きかないぼんずそのもの(笑)で、それを、この2人が実に楽しそうにやっているのがまた素敵。それに、あんまり出てきませんが、稔の両親(イワさんの息子とそのお嫁さん)のスタンスもすごくいいんですよね…
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殺人症候群
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くろねこ/エンタテイメントの中に刑罰とは?の深いテーマを織り込んだ秀作
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「症候群」シリーズの3作目。今回の、環チームのミッションは、一見、関連のなさそうな、事故として処理された事件の関連性の調査。共通点は1つ。それらの事件の被害者が、「未成年」であり、かつて、殺人を犯しながら、未成年であるがゆえに軽微な懲罰で社会に復帰していること。刑罰って、難しいですね。いったん、罪を犯したら、2度と社会に復帰させたくないなんて、思いません。でも、でも、未成年であるという一点のみで、ろくに罪をつぐなわず、本当に更生したかもあまり問題にされないのでは、被害者の遺族の気持ちはどうなるのでしょう。個人的な復讐を認めていては、社会の秩序は守られない。だから、それを禁じる一方で、公的な刑罰…
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殺人詩篇
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くろねこ/妻を亡くした大学教授が、親友の殺人事件の謎に巻き込まれていく素人探偵もの。懐かしの探偵小説。
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なぜ、死んだリンクは、大学の図書館から持ち出した稀少本を手にしていたのか。彼がクリフに残したメッセージにこめられた意味は?主人公のクリフ・ダンバーは、ベトナム帰りでケンカにはめっぽう強い。ひょんなことから知合ったモナと組んで事件を追うスタイルは、どこかアガサ・クリスティを思わせますが、クリスティの作品に、こんなに強い探偵は出てこないか(笑)でも、パートナーの女性、モナに振り回されるところは、クリスティお得意のカップル探偵と似ているかも。ピカ1の校正者で、才気煥発なモナ。決して「美人」というのではなさそうですが、内面からくる輝きが、彼女をとても魅力的に見せてくれます。それから、リンクの同僚であっ…
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さいごの恐竜ティラン
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くろねこ/心に残る、美しくて悲しい物語
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可愛い絵と、平易な文で綴られた優しくて、美しくて悲しい物語。絵本なんてって言えない。だって、それは、<本物>なんだもの。大切な家族を失ったおかあさんザウルス。ある時見つけた肉食恐竜のたまご。おかあさんザウルスが、そのたまごを育てることにしたのは失ったものの代わり?それとも、そのたまごを食料としか見ないトガリネズミへの対抗心?そんなことは、どうでもいいのです。おかあさんザウルスの、生まれてきたティランへの愛情は、なにものにも代え難い本物なのだから。心優しいおかあさんに育てられて、心優しい恐竜に育ったティラン。親子って、血のつながりなんかじゃない。2人は、本当の親子。おかあさんザウルスの最後の願い…
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コフィン・ダンサー
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くろねこ/『ボーン・コレクター』に続く、リンカーン・ライム・シリーズ第2弾
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今回、リンカーンとアメリアが追うのは、棺の前で女と踊る死神を刺青した男。「コフィン・ダンサー」という殺し屋。狙った獲物は決して逃さない。たった1度だけ逃げられたそのターゲットが見たのが、その刺青。リンカーンが依頼されたのは、ダンサーを見つけ出し、現在のターゲットであるある事件の目撃者を守ること。ダンサーを捕まえないと、ターゲットの安全は確保できないのです。それだけ、ダンサーが手強いということ。彼らが証言するときまでにダンサーは目的を遂げようとするはず。タイムリミットは、約2日。物語は、ライムの側と、彼が守ろうとするパーシーたちを狙う男の側と、交互に描かれます。その男、スティーブンは、潔癖症の神…
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