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迷惑メールは誰が出す?
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SnakeHole/で,結局,迷惑メールは誰が出してるのよ?
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正直期待外れ……というか,これはオレ題名にヤラれたな。なんつかオレとしてはこういう「迷惑メールって困りもんですね。ではそれが送られる仕組みと対策についてちょっと勉強してみましょう」って本ぢゃなくて,もっと額面通り「実はワタシ,迷惑メールをみんなに送り付けてる人物を知ってるんです。この本では彼の,誰でも知りたがっているくせに ちょっと聞きにくい仕事や収益のすべてについて教えましょう(ウディ・アレン風)」てなバクロ話を期待したんだよね。オレも一応プロのコンピュータ屋なので「インターネットでメールが届く仕組み」とか「ウィルスに感染しないためには」みたいなの,ヒトにすることはあってもヒトから聞きたい話…
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帰ってきたもてない男
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SnakeHole/「もてない男」シリーズ,待望の第二弾?
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数年前に前作「もてない男」(これシリーズなのか?)を読んだ時には知らなかったのだが,著者の小谷野クン,あの本を出してすぐ結婚し周囲に裏切り者呼ばわりされながらそれなりにシアワセだったらしいのだが3年後に離婚。しかもその結婚生活と離婚の顛末については相手側から「書くな,書いたら訴える」と言われているので書けない,と。とにかくそんなわけでいろいろありましたが「もてない男」のコヤノ,はずかしながら帰って参りました……これぢゃ横井さんか,という本である。いや,本人はそうではないと書いてますが。内容はまぁ例によって八面六臂というか縦横無尽というか満身創痍というか神経過敏というか,つまりは自分の書いた「も…
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コンビニのレジから見た日本人
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SnakeHole/たしかにコンビニで暗澹たるキモチになるとき,あるよね
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案外スラスラと読める本なんだが,内容はけして軽くない。実を言えばオレはあんまりコンビニを使わない。ウチから最も近いコンビニまでの距離のウチ側にスーパーが2軒もあるし,基本的に早寝早起きなのでそれらのスーパーが開いてない時間に買い物になんか行かないし。が,それでもたまぁに入るコンビニで,暗澹たる気持ちにさせられるコトがある。で,この本によれば,ああいうのってあの店の客ばかりぢゃないんだ……ちうか,あの店でオレが見かけた客なんてまだマシな方なんだ。うーん。具体的にどんな,というと,まず(1)商品を落としてダメにしておいて代価を要求されると怒る,(2)店に入って来てモノも買わずいきなり店員に道を訊く…
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ゴーレムの生命論
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SnakeHole/ゴーレムって「フランケンシュタインの怪物」つうより「鉄人28号」だよね
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オビにこうある。「神をも畏れぬ不遜な企て,人造人間は可能か?」タイトルのゴーレムは,ユダヤ教の高僧が土くれから造り出すという人造人間。命令は聞くが言葉は話せず善悪の判断もつかない,魂のない存在とされている。……だものワタシは田近信和「未来のアトム」とかスティーブン・レビー「人工生命」みたいな,そっち方面の話だと思って読み始めた。すなわち人造人間の実現可能性というか,「生命論」つうことは「もし鉄腕アトムが実現したら彼は『生きている』と言えるのか」とか,そういう方面の議論かと。でも違った。そもそも著者の金森先生はフランス哲学とか科学思想史とかの研究者であり,その興味はゴーレムに始まる「人工生命体」…
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フロスト気質
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SnakeHole/主人公がハナから「推理なんかしない」という常識外れのミステリの第四弾
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大英帝国デントン警察署に勤めるジャック・フロスト警部が下品なジョークをまき散らしながら大奮闘(ではあるが「大活躍」とは言い難い)するシリーズのこれが4作目である。内容は……相変わらずと言えば相変わらずハチャメチャだが,そのハチャメチャぶりがパワーアップしていると言えばパワーアップしてるな(笑)。ハロウィンの夜,お菓子をもらいに街に出た7歳の男の子が行方不明になり,その捜索中に同じ年頃の男児,だけど別人の死体が発見される。それでなくても市内では家に忍び込んで寝ている幼児の尻などを傷つけるヘンタイ野郎が横行中。なのにデントン警察署は例によって人材払底,休暇中ちょっと様子を観に(実は署長がストックし…
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江戸の大普請
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SnakeHole/呪術都市としての江戸の成り立ち
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家康が初めてやってきた時には湿地に囲まれた台地に潰れかけ城が建っているだけだった土地が,200年後には人口100万と数える世界最大級の都市になった江戸。本書は日本美術を学ぶうち,そこに描かれた江戸という街の持つ魅力に絡めとられたイギリス人が著した,その都市計画の裏側にあった宗教的・文化的意味合いの解析結果である。日本橋は富士山を借景し,この京都からは見えない日本一の山と江戸城を同一視できる構図で掛けられたとか,上野の寛永寺は江戸にとっての鬼門(北東の方角)を守護するため比叡山延暦寺を模して建立されたとか,知ってた話も数多いが,家康の神格化がなぜ「東照大権現」なのか,そしてそれがまたなんで日光に…
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ジャガイモのきた道
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SnakeHole/一冊まるごとこれ「ジャガイモ本」
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「文明を生み出すのは穀物農耕である」……もっと下世話な言い方をすると「イモなど食っていて文明が生み出せるか」という定説に抗い,アンデス山岳地方に生まれやがてインカ帝国に引き継がれる文明の源泉がジャガイモであることを立証すると共に,歴史上常に誤解され,日本では現在でも正しく評価されていない(と山下センセイは言うのだ)ジャガイモという農作物を見直す契機になればと著された……他の表現は思いつかんな,一冊まるごとこれ「ジャガイモ本」である。 今もティティカカ湖畔に自生する原種「キツネのジャガイモ」(有毒物質であるソラニンの含有量が多く食用に適さないことからこう呼ばれている)の話から筆を起こし,いかな…
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エノケン・ロッパの時代
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SnakeHole/今後の生涯に何の益ももたらさないであろう,でも愛おしい逸話たち
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昭和初期の浅草で輝き並び称された2人の喜劇人,榎本健一と古川ロッパ(「緑波」というのはカタカナ芸名が白眼視された戦争中の表記で本人はたいそう不満だったようだと本書にある)。 青山の鞄屋の長男として生まれ(麻布の煎餅屋と書いている資料が多いがこれは彼が生まれてから親が転業したものだそうな),麻布尋常小学校をでたあと父親が入学手続きをした私立中学にはほとんど通わなかったというエノケンに対し,一方のロッパは麹町の華族の家柄に生まれ,早稲田中学からエスカレータ式に早稲田大学英文科を卒業している。このあまりと言えばあまりに対照的出自が,のちに「エノケン・ロッパ」と呼ばれ同時代の喜劇シーンを席巻した二人…
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魂への態度
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SnakeHole/先哲が増えるほど後進が辛くなるのが哲学かいな
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どこだかの書評で「最後にあっと驚く結論」とか書いてあったので購入したのだが(んで,確かに少なからず驚かされはするんだが),イワユル「哲学」と呼ばれる学問のウチのオレのキライなエッセンスばっかり寄せ集めたような本でちとぐったり。 なんつうかなぁ,導入部は面白いのだ。一時期オレが相手構わず「面白いから読むべし読むべし,脇を締めアゴを引きえぐりこむように読むべし」と勧めてた「神々の沈黙」(ジュリアン・ジェインズ著)に言及していたあたりなどを読んだ時には「ああ,ちゃんとわかってくれるヒトもいるんだ」と感激したりしたんである。 が,章が進むにつれその議論はジェインズ的な科学的知見を基礎に構築される理論…
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古⇄今比べてわかるニッポン美術入門
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SnakeHole/もうワタシは「こちらが上なり」を探さない
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手塚治虫に「月世界紳士」という短編がある。古典「竹取物語」を換骨奪胎したSFなんだけど,この中で主人公のサヨコ(この娘が月から地球に送り込まれたスパイなんだけどね)への求婚者の1人が「サヨコの面影を描いた」と言って抽象画を贈るくだりがある。サヨコを拾って育てた老父(ヒゲオヤジだ)は,この絵を観てもなにがなにやらさっぱり解らず,サヨコに「それはさかさまよ」と言われて恥をかかぬように脇に「こちらが上なり」と書いておく。横丁のご隠居が絵に詳しいというので見せにいき,「この絵を何と思う?」と訊くとご隠居は笑って「これは『こちらが上なり』という絵に決まってる」と。美術館に出掛けて絵や彫刻を観ているとき,…
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ホモ・フロレシエンシス
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SnakeHole/現生人類の出自探求に大きな意味を持つホネの発見
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人類の進化と言えば,オレが子供のころには,サル(との共通の先祖)→猿人(アウストラロピテクスとか)→原人(ピテカントロプスとかシナントロプスとか)→旧人(ネアンデルタール人)→新人(クロマニヨン人)と,まるで昆虫の変態みたいな一本道の説明がされていたような気がするのだが(オレは確かそういうマンガの本を持っていた),最先端の研究によれば……いや言われてみれば当たり前なんだけどもっと遥かに複雑なんである。以前ディスカバリーチャンネルで観たように初期の現生人類とネアンデルタール人はヨーロッパの一部で共存していた時期があるというし,その現生人類の出自に限ってもアフリカで発生した一種が爆発的に広まったと…
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日本人の脳に主語はいらない
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SnakeHole/日本語,英語の違いというものが違う脳を作るんだと
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どんな本か,と言えばタイトル通りの論を懇切丁寧に語っている本である。そんなの当たり前ぢゃないかとおっしゃるかも知れぬが最近はカンバンに偽りありというか,そういうのも多いんでね。……著者の月本さんはもともとは人工知能の研究者で,その流れで脳のハタラキを研究するうち,「日本語は英語と違ってよく主語が省略される」というよく言われる話はなんか違うんぢゃないかと,省略されてるんぢゃなくてもともとなかったんだってば,と。もそっと丁寧に論理をたどると,まず我々がコトバをどのように理解しているかという話から始まる。つまりですね,例えばオレがここに「赤いマフラー」と書くと,それを読んだあなたの脳は懐かしい「サイ…
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巨乳はうらやましいか?
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SnakeHole/「うらやましいか?」と言われてもこまるんだが。
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「うらやましいか?」と言われても,オトコのオレは「はぁ?」とか間抜けな返事をするしかないのだが,とにかくこの本の著者を含む女性にとっておっぱいの問題というのはなんつうかオレが(そしておそらくは多くの男性が)思ってるよりもメチャメチャ深刻かつ切実なんだな。世に言う「巨乳」,70Hカップというバストを持つ著者は(この数字だけでは具体的なモノが想像できまい。そういうヒトは「Hカップ」でGoogleの画像検索をしてみるといい。オレもそうした),日ごろから男性が自分の胸ばかり見るので「ちょっと! あたしには顔もついているのよ」(この啖呵はちょっといいよね)と思い続け,おしゃれに見えるブラジャーを求めて彷…
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疑似科学入門
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SnakeHole/なかなかどうして我がポンニチ国民も騙されやすいことにかけては人後に落ちない……か
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かなり前,故カール・セーガンの書いた「人はなぜエセ科学に騙されるのか」という本を読んだことがあり,コトその道(どの道だよ?)ではアメリカよりも日本のほうがなんぼかマシだと思った覚えがあるが,この本を読むとなるほど,なかなかどうして我がポンニチ国民も騙されやすいことにかけては人後に落ちないというか……そういえば家電業界がこぞって「マイナスイオン効果」だかを流行させたこともありましたね(何を隠そうあの頃買ったウチのエアコンには「マイナスイオン発生装置」ちうのがついている。効果は疑問だが,確かにオフにしたときとは違う感じの風がでます)。池内センセイはいわゆる疑似科学の類いを3種類に分類する。第1種は…
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イカの哲学
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SnakeHole/このヒトの言ってることって日本人であれば肌で知ってる類のコトではないかと思う
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中沢新一・波多野一郎共著……というか,60年代市井に消えた元特攻隊員の哲学者・波多野一郎の著作を読んで感動した中沢新一が紹介し解説を加えるという体裁(こういうのは「体裁」とは言わないか)の新書。これまたどうでもいいけど,最近のこのテの本はやたら内容解説めいた長たらしい副題がついているのが多いので,この潔い書名はココチヨイね,そう思いませんか。原著者である波多野一郎は戦前早稲田大学に学び,昭和19年に陸軍に入隊。航空特別攻撃隊,いわゆるカミカゼ特攻隊として南満州で訓練を受けるも出陣直前に終戦。そのままソ連軍によってシベリアに抑留され,4年後帰国し,その2年後の昭和26年に単身カリフォルニアに渡り…
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中国動漫新人類
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SnakeHole/中国の若者はアニメを観て「アメリカ」ではなく「日本」に魅了されたのである
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NBOnlineにまだ連載中の記事の「まとめ第1弾」みたいな本なんだが,これは読む価値あります,ホント。……タイトルの動漫というのは「動画」と「漫画」をくっつけた中国語。著者の遠藤センセイはもともと理学博士なんだけど,中国で生まれ12歳まで彼の地で育ったという経歴から多くの中国人留学生の世話を焼きまた指導をしてきた。その過程で,日本にやってくる中国の若者たちの意識に明らかな変化を見いだし,やがてその境目が中国で始めて日本アニメ「鉄腕アトム」が放映された1980年前後にあることを発見,日本のアニメ,漫画が中国社会にもたらした影響について調べ始めた,と。まず誰でも驚くと思うのは,今やNBAを代表す…
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ゲゲゲの女房
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SnakeHole/天下の講談社から「少年マガジン」への執筆を依頼されるあたりでは読んでるほうもコブシに力が入っちゃうもんね
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著者の武良布枝って誰だ? と思った人は書名をよく見るべし。その本名は知らずともこの世に「ゲゲゲの女房」と言ったら一人しかいるまい。あの漫画家・水木しげるセンセイの奥様である。昭和36年1月30日(これはオレが生まれる2日前である),見合い後5日で当時貸本マンガ家だった武良茂(水木しげるはペンネーム)と結婚。新婚旅行もヘチマもなく上京し,調布の水木宅で極貧の新婚生活を始める。センセイの代わりに原稿料3万円を貰いに出版社に行き,「水木さんのは売れないから」と1万5千円に値切られて食い下がり,往復の電車賃だけ上乗せして貰って帰るくだりや,「こんな収入で生活して行けるはずがない」と申告所得を疑う税務署…
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銀座のプロは世界一
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SnakeHole/今度銀座に行ったらまた七丁目のライオンでビールを飲もうっと
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銀座のタウン誌「銀座百点」に2003年から2005年まで連載された「プロを極める」というルポをまとめたもので……へぇとかほぉとか感心はするけど正直あんまり縁のない世界でもある。午前中から銀座に出かけてまずは創業80年の老舗理髪店米倉で散髪をしてもらい,天賞堂にここでしか直せないアンティークの腕時計を預け,メガネのユニで18金の手作りフレームの出来栄えをチェックして煉瓦亭でランチを取る。午後は鞄のタニザワでダレス・バッグを注文,ナカヤでシャツの,高橋洋服店でスーツの採寸,渡辺木版画店に北斎の浮世絵を,丸八碁盤店にヘラ盛りの本カヤ盤をお願いしてお土産に文明堂で週に252個しか作らないバームクーヘン…
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特盛!SF翻訳講座
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SnakeHole/それにしてもあの「あるいは牡蛎でいっぱいの海」って正しくは「さもなくば海は牡蛎でいっぱいに」だったのか
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これがどんな本か,そんなこたぁお前の言を待つまでもなくすべて書名に盛り込まれているではないか,この書名こそ文字通りの「特盛」だぜ,と思うかもしれないが,あのベイリーの「時間衝突」からルーディ・ラッカーの「セックス・スフィア」,チャールズ・ブラットの「バーチャライズド・マン」,またラッカーで「ハッカーと蟻」,J・C・ハーツ「インターネット中毒者の告白」,コニー・ウィリス「リメイク」,グレッグ・ベア「ダーウィンの使者」,再びコニー・ウィリスで「犬は勘定に入れません」と……それほど熱心なSF読者でもないオレでもこんだけ読んでいるという面白本翻訳者・大森望がそんな額面通りの本など出すわけはないのである…
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坂の町・江戸東京を歩く
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SnakeHole/新書としては大冊400ページを費やし江戸東京の「坂」を読み解く
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タイトル通り,東京の町中にこれでもかこれでもかと存在する「坂」について,その由来や故事来歴などを調べ上げた本……と言ってももちろんすべての坂が網羅されているわけではなく(そんなこたぁ不可能だ),有名どころや面白い話のある坂に限っているのだが,それでも新書としては大冊400ページを超えている。ウチの近所で言えばまず権之助坂。この坂を拓いた江戸時代の名主の名前と聞いていたが実は(1)目黒の住人六代目菅沼権之助という人が切り開いた。(2)不正な年貢の取り立てに異議を唱えて処刑された権之助が連行される際にこの坂の上で田道にあった我が家の見納めをした。(3)目黒を根城にした悪人(偉人とも)権之助が捕縛さ…
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信長と十字架
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SnakeHole/いかにも理系出身の碩学らしい分析と感心はするものの……
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題名の通り「信長による『天下統一』の背後には日本を植民地化しようと企むイエズス会,すなわち南蛮勢力の支援があった。そして『本能寺の変』は,権力を手に入れて意のままにならなくなった手駒(信長)を交代させるために彼らが仕組んだものだった」という,聞きように(読みようか)よってはかなり奇想天外,というか今までの常識から言うと無茶苦茶ですがな,という人もいるであろう話を,しかしそれなりに説得力のある史料解釈と,いかにも理系出身(この人もともとは東京教育大学で数学の修士号を取った人,その後古文書に取りつかれて2002年お茶の水女子大学で人文系の博士号)と思える論理で組み上げたものである。まぁさ,雀百まで…
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江戸のおトイレ
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SnakeHole/日本のトイレウンチク本(そんなジャンルはない)の決定版
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江戸の庶民文化を語らせたら右に出る者は……いるかもしれないけどオレは知らない渡辺信一郎先生の「雪隠本」。時代劇で裏長屋,その井戸端で洗濯をするおかみさんたちまでは出てきても,こいつがちゃんと描かれることはない共同便所(後架という)を始め,外出先での用足しから遊女屋の糞尿処理,果ては江戸期の女性が用いた生理用品まで,およそ江戸の排泄文化に関わる全ての実相を余すところなく,古川柳の研究家として名高い蕣露庵主人こと渡辺信一郎センセイが解説してくださるもったいなくもありがたく,ついでに多少臭い本である。オレの好きな落語に「開帳の雪隠」というのがある。目端の効く男2人が,回向院のご開帳に参拝客が押し寄せ…
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天下之記者
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SnakeHole/果たして赤塚不二夫が一時使った「山田一郎」というペンネームはこの人に由来するのであろうか
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突然だが,皆さんは「山田一郎」という名前を聞いてすぐに誰を思い浮かべるだろうか。オレが即座に思い出すのは赤塚不二夫が一時期使っていたペンネームである。あれはいつごろだったかなぁ,73,4年くらいか? 全巻持っている「天才バカボン」を繙けば分かるのだが,そんなことをしたらきっと読み始めてしまって仕事に支障が出る。どういう事情だったのか,そもそもその事情を読者に説明したのかどうかも覚えていないが突然「ペンネームを山田一郎に変える!」と宣言し,3ヶ月くらいそのペンネームで「天才バカボン」とか「レッツラ*ゴン」とかを描いていたはずである。ああ,懐かしいなぁ。おれは「レッツラ*ゴン」で初めて日清のカップ…
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司馬史観と太平洋戦争
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SnakeHole/右のヒトも左のヒトも,上着と一緒にハンガーを着ちゃってることでは変らないように見えるんですけど
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オレが司馬遼太郎にハマったのはかれこれ30年ほど前のことだ。大河ドラマの原作になった「国取り物語」を皮切りに,当時図書館などで手に取ることができたほとんどを読んだはずである。そんだけ読むとガキはガキなりに司馬さんの考え方のパタンとかカタヨリとかが見えてくるもんで,高校を出る頃には「司馬史観」というものに対してちょっと「?」な感じを持ってた。いやヒトコトで言うとね,司馬さんって関西人だからか,所謂「明治の元勲」にはとっても点が甘くて逆に彼らの敵となった江戸幕府側に冷たいんだよね。いや,北関東のからっ風少年にはそういう風に読めたわけ。そんなわけでこの本のタイトルを目にしたとき,オレが長年持ってた司…
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文明としての教育
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SnakeHole/やっぱ好きやわぁ,この爺さん
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山崎正和と言えば確か大学入試の模擬試験だか,それとも本番だったかにそのエッセイが国語の問題に使われてて,その試験の出来は忘れたが(本番だったのなら出来は良かったはずだ,だって合格したんだから),イナカのジャカイモ高校生だったワタシはその内容にイタク感動し,以降著書を見かけると極力読むようにしてきた。申し訳ないことに本業(なんでしょ?)の戯曲は未だに1本も観てないんだけどさ。なんでもセンセ,昨年から中教審……こりゃ何の略だ,中央教育審議会か? ほんぢゃ末端教育審議会ってのもあるのかしら? とにかくそこの会長に就任し,今後の我が国の教育制度とかについて拘束力はないんだけど話題にはしてもらえて,文部…
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バビロニア・ウェーブ
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SnakeHole/SF好きなら一家に一冊,常備しておいて損はありません
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……地球から3光日,すなわち光の速度で3日かかる距離(だいたい500天文単位……あ,天文単位というのは太陽から地球までの距離を1とする距離の尺度であります)の宇宙空間で,銀河の回転面を垂直に貫くレーザーのオビが発見される。特撮の光線銃ぢゃないので肉眼では見えないが,直径1200万キロ,全長5380光年におよぶその円柱に触れた船は圧倒的なエネルギーによって破壊されてしまう。人類はこれをバビロニア・ウェーブと名付け,その内部に反射鏡を差し入れて莫大なエネルギーを獲得した……。20年後,ウェーブ近傍の送電基地へ向かうシャトル便のパイロット,マキタは,突然目的地であるダムキナ基地からの運行ビームを打ち…
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恐怖の兜
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SnakeHole/手練の小説読みにのみお勧めしたい一冊
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オビに作家・島田雅彦の言葉として「神話はチャットから立ち上がる。迷宮をさらに迷宮化するロシアの電車男と身勝手な仲間たちはミノタウロスを出し抜けるか?」とあるのだが,これはちとよくない誤解を励起しそうな惹句なので注意しておきたい。確かにこの小説,あの「電車男」(ってオレは読んでないんだけどさ)と同様全編ネット上のチャット形式で書かれてはいるけど,当然ながら全員作者ペレーヴィン自身の「発言」だし,ついでに言うとそのことこそが小説のテーマである。もっと身も蓋もないことを言わせてもらうと「オレ,『電車男』で初めて本を1冊ちゃんと読んぢゃったよ,本って結構やばいぢゃん」とか言ってるキミ向きの本ではない。…
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銃を持つ民主主義
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SnakeHole/アメリカの「ジャイアン的体質」を解析した好著……なんだけどさ
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表立っては言わないけど,実はみんなが思っているアメリカの……ジャイアン体質というか,なんだかんだ立派げなことを言うけど結局最後は暴力で決着をつける主義というか,そういうもののルーツをその建国に遡って解析してみせた好著。それがいいとか悪いとか,そういう判断を避けてるので読んで不満を持つ人も多かろうと思うけど,ほんぢゃここで著者の松尾さんが「アメリカは正しい」とか「アメリカは間違ってる」とか断じたところでアメリカのやることが変わるんかって言ったらそんなことはあり得ないのであり,結果「絶対に仕返しされないところで振り回す拳は麻薬的に気持ちがいい」というだけのこと。俺にはとっても面白かった。唯一,41…
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日本売春史
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SnakeHole/おそらく本邦初,現代の売春についてきちんと触れている「売春史」
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……コシマキで「その昔,娼婦は聖なる職業だった――なんて大ウソ! 幻想ばかりの売春論に喝。新しい日本の『性の歴史』!」とぶち上げていて,なるほど読んでみるとこの文言,特に前半はウソぢゃない,なかなか説得力のある考察が展開されているんだが,その考察というのはたぶんあなたがこの題名から想像しているようなものではなくて,網野喜彦の「中世の非人と遊女」などの論に文献学的な反論を加えるちう……こう言うたらなんだけどつまりは「学者の喧嘩」であります。わけがわからない(笑)。オレなど「そんとき読んでるものに簡単に説得されてしまう」半可通であるので,なるほどなるほど小谷野は正しい,ような気が今現在はしてるのだ…
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イケナイ宇宙学
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SnakeHole/「なぜ空って青いんだろ」と思ったこと,ありませんか?
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一所懸命に思い出そうとしてみたのだが,どうしても思い出せなかった。いやね,ワタクシもご幼少のみぎり,「なんで空は青いのか」と疑問に思ったことがあり,周囲の大人に訊いてまわったことがあり,なんらかの(おそらくは間違ってたはず)回答をもらってそれなりに得心していたはずなのであるが,その幼いワタシが納得した「空が青いわけ」っていうのが果たしてどんなイカサマ的説明だったのか,その中身がさっぱり思い出せないのである。で,気がつけば,だ。ヨワイ40を超えるオッサンになり,実のところ「なんで空は青いのか」というコドモの時の疑問の正しい答えを知らないのだ。他にもある。潮の満ち引きが月の引力に関係していることは…
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