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生命の起源を宇宙に求めて 生命の起源を宇宙に求めて
Skywriter/生命は宇宙で誕生したとする、異端ではあるが刺激に富んだパンスペルミア説をご存知ですか?
 パンスペルミア説というのをご存知だろうか。地球の生命の起源が宇宙にある、というやや異端の説である。 御存知の通り、生物は親が子を生む、あるいは分裂して同一個体を増やすことで子孫を残し、時代を超えていく。これからもそうだし、過去もそうだ。しかし、肝心のスタート地点で、我々はその当たり前が使えなくなることに気付かざるをえない。即ち、最初の生命である。 地球に生まれた最初の生命について、有力なのは雷や紫外線のエネルギーによって複雑な化学物質が作られ、それがやがて生物へと進化したとするものだ。ユーリー-ミラーの実験等で、アミノ酸のような、生命に必須の化学物質が作られ得ることは示されている。 だが、そ…  全文読む 評価する

巨大翼竜は飛べたのか 巨大翼竜は飛べたのか
Skywriter/海や空といった、これまでデータ収集の難しかったところで生きる生物の姿をデータロガーで解き明かす格好の生物学の入門書。翼竜に触れたページは少ないけれど、翼竜にだけ興味が有る方も読んで損はありません。
 『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待』で、データロガーという武器を引っさげ、地上からの限られた観察ではすべてを把握することなどできない動物の生態を明らかにした著者が、更に新しい実験結果でパワーアップして帰ってきた。 前著では、ペンギンとクジラという、種もサイズも食べものも異なる生物が、同じほぼ同じスピードで泳ぐという、意外な事実を紹介していた。ところが、本書では、この結論の否定から始まる。総論として、秒速1~2メートルで泳ぐというものは変わらないが、それでも種の中で比べてみると、サイズの大きい種の方が小さい種より速く泳ぐ、というのだ。 本書で提示されているグラ…  全文読む 評価する

移行化石の発見 移行化石の発見
Skywriter/化石に見られるダイナミックな生物進化の道筋を、最新の知識を駆使して伝えてくれる名著
 例えば、アウストラロピテクス。原始的なサル類と、我らヒトの間を繋ぐこの生物は、残念ながら現在では絶滅してしまっている。しかし、化石を用いれば、我々は彼らの姿をある程度は知ることが可能だ。それによって、遙か昔に森林に棲むサルがどのようにしてヒトへと進化を遂げたのかを知ることができる。このような、祖先と現在の生物を繋ぐ、今はもう絶滅してしまった生物の化石を、移行化石と呼ぶ。 生物はおよそ40億年前に微生物として生まれ、長い時間を掛けて進化してきた。数度に渡って全地球を襲ったと見られる大災厄(そのうちの一つが、白亜紀後期に鳥へ進化した以外の恐竜類を絶滅させたもの)を生き延び、しばしば激変する環境に…  全文読む 評価する

ハチはなぜ大量死したのか ハチはなぜ大量死したのか
Skywriter/蜜蜂大量失踪は何故起こったのか。また、その何が問題なのかを丁寧に追った見事なサイエンス・ノンフィクション。
 近年、蜜蜂が大量に失踪している。女王蜂と幼虫と蜂蜜だけが巣に残され、働き蜂が姿を消してしまう。巣に戻らなくなった彼女ら(働き蜂は全てメス)が、命を長らえられるわけはない。何処かで死んでしまっているのだ。 蜜蜂が居なくなったらと言って、何か困ることがあるのかと思う方もいらっしゃるかも知れない。蜂蜜が高くなっても別に構わない、と思われるかも知れない。しかし、そんな単純な問題ではない。蜂の大量死は、食卓の崩壊に繋がりかねないのである。 植物の受粉には、花粉がメシベに辿り着く必要がある。その手段は2通りある。一つは花粉を風で飛ばし、運を天に任せる方法。風を媒介とするために風媒とよばれるこの方法は、ま…  全文読む 評価する

宇宙進化の謎 宇宙進化の謎
Skywriter/ビッグバンから現在まで宇宙がどのように進化してきたのかを、最新の知見から解説する。豊富な情報量と驚くほどの読み易さから、格好の入門書だと断言できる。
 宇宙がビッグバンで誕生したという仮説は、今では広く知られ渡っている。宇宙論に多少の興味が有る方なら、誕生に続くインフレーション、物質の創成についてもご存知だろう。 転じて、現在。複雑な構造を持つ宇宙は、星の煌きで目を楽しませてくれることに加え、その自然の驚異に知的好奇心を刺激して止まない。 宇宙が今も膨張していること、銀河同士がどんどん遠ざかっていること、その一方で銀河団やグレートアトラクターと呼ばれる集団をなしていることもご存知かもしれない。 では、この間を繋ぐ知識についてはどうだろう。ビッグバンで誕生した宇宙はいかにして銀河団を生むに至ったのか。とかくビッグバン初期か、現在の宇宙の姿かに…  全文読む 評価する

天に梯子を架ける方法 天に梯子を架ける方法
Skywriter/異説を含め、21の科学の話題を扱っている。色々な仮説があり、どれがはっきり正しいかはわからない。それでも、それぞれの仮設が予言する世界は魅力に溢れいてる。それこそが科学の面白さだ。
 なぜ人間は笑うのか。ウェイトレスの脳が他の人とは異なる使われ方をするのは何故か(ロンドンのタクシー運転手は空間把握に使う脳の部位が通常の人より大きいのと同じ原理だろう)。蛾が光へ飛んでいくのはどうしてか。人類は水中で進化した可能性はあるか。ジャンヌ・ダルクに起こったことは何だったのか。ポエニ戦争で使われたアルキメデスの兵器とはどのようなものか。etc,etc・・・ これらのどれかに少しでも興味を惹かれた方は、是非読んでみて欲しい。きっと、めくるめく不思議の世界を堪能できることだろう。 生物関連の話題では、アリジゴクとアリの果てし無き抗争や、バクテリアを食い物にするバクテリオファージの不思議も…  全文読む 評価する

「塩」の世界史 「塩」の世界史
Skywriter/生きるのに必須な成分だけではなく、食料保存等で重要な役割を果たしてきた塩を通して歴史を振り返ると、実に面白い話が沢山出てくる
 あらゆる生物が生きていくのに必須の成分である、ナトリウム。その補給方法は簡単。塩を摂取すれば良い。だが、その一方で塩分濃度が高くなりすぎると、生物は生きていけなくなる。塩分が水をがっちりと保持してしまうため、生物が更に重要とする水分を使えなくなってしまうためだ。 それ故、塩は食べ物を保存するのに使われてきた。微生物の増殖を抑える=腐敗しない=食べ物を保存できる、ということだから。冷蔵という手段が発達する以前、収穫期を過ぎてから再び暖かくなって食料を手に入れられるまでどう食いつなぐか。人類の永い課題に、塩は絶好の回答を与えてきたのである。 そんなわけで、世界中で塩を手に入れるための努力が重ねら…  全文読む 評価する

地球と一緒に頭も冷やせ! 地球と一緒に頭も冷やせ!
Skywriter/地球温暖化防止として二酸化炭素排出抑制が叫ばれているが、それが本当に正しい施策なのか。京都議定書の達成が全く見込めない今、”他のやり方”を冷静に、かつ論理的に語る本書は実に貴重な視点を提供してくれている。
 地球が温暖化していることは、多くの証拠から間違いのない事実であろう。そして、その傾向は今後も更に続くと見られている。温暖化が進むと何が起こるのか。多くの団体が、末恐ろしい未来像を描いては大々的に発表するため、多くの方々がその情報を得ていることであろう。 曰く、寒冷地の動物(とりわけシロクマ)が滅亡の危機に立たされている。曰く、マラリア等の疫病が世界中で猛威を振るうようになる。曰く、世界中を熱波や強力なハリケーンが襲い、死者が続出する。曰く、南極やグリーンランドの氷が溶け、水没する地域が増える。 危機を乗り越えるにはどうすれば良いか。決まっている。温暖化の元凶である二酸化炭素の排出を直ぐに削減…  全文読む 評価する

すすんでダマされる人たち すすんでダマされる人たち
Skywriter/巧みに忍び寄る嘘情報(カウンターナレッジ)の問題点を明らかにし、それに対抗するにはどうすれば良いかを提案する本。そう書くと面白くなさそうだが、嘘情報の中身と、それが何故間違っているかを明らかにする過程はなかなかに面白い。何故こんな与太話に騙されるのかと思う点もあるけれども。
 インターネットの発達による情報発信の容易化は、皮肉なことにウソの情報を蔓延させることに繋がってしまっている。 それが示されるのは、例えばID説。聖書にある、神が世界を創造したという御伽噺に科学っぽい装いを凝らしたもの(ID説が科学ではないのは、それが検証不可能な点にある)であるが、こうした妄説は通常なら広がる経路を持たないのに、インターネットのおかげで世に蔓延してしまっている、と著者は指摘する。 ID説だけではない。薬は薄めれば薄めるほど効果が高まるというホメオパシー(水が薬を記憶するそうな)もそう。 ホメオパシーを嘘だと思いたくない方は、ちょっと実験してみて欲しい。まず、お酒を用意します。…  全文読む 評価する

温度から見た宇宙・物質・生命 温度から見た宇宙・物質・生命
Skywriter/温度を測る術を手に入れてからの200年は、科学の知見が積み重なった200年でもあった。温度という切り口から見た世界はわくわく感に溢れている。
 著者は言う。長さ、時間、温度の3つは日常のリズムを決める。そのうち、長さと時間は昔から尺度が用いられてきたが、温度については計れるようになって、たかだか200年の歴史しかない、と。 しかし、人類が温度計を手に入れてからの200年で、新たな指標を武器に知の地平が切り開かれてきた。 本書はタイトルどおり、温度についてかなり広く話題を取り上げている。哺乳類の体温が37℃であることが、地球環境上でどのような意味を持っているのか。熱をコントロールすることで文明がどのように発達してきたのか。地球規模で起こった大規模な環境変動はどのようなものだったか。驚くべき海底の生物層の姿。恒星で起こっていること。そし…  全文読む 評価する

葡萄酒か、さもなくば銃弾を 葡萄酒か、さもなくば銃弾を
Skywriter/確立された視点に基づく同時代の政治家・外交官の評伝。彼らが何を行い、世界がどう評価しているのかがよく伝わってくる。
 ジャーナリストである著者が得た莫大な知識を活かして、内外の政治家・外交官29人の功罪を明らかにしている。 NHKのワシントン支局長を務めただけのことはあり、オバマ、ヒラリー・クリントン、レーガン、ケネディといったアメリカ大統領、彼らを支えたキッシンジャーやダレス、ライス、ラムズフェルドらの重臣たちのように、アメリカの人物が多い。次に多いのはもちろん日本で、小泉、麻生、安部、小沢といった面々が取り上げられている。ヨーロッパの人物は少なく、西ドイツの首相を務めたヘルムート・コールら数人が取り上げられているに過ぎない。 中には綺羅星のごとき功績を打ち立てた者もいるし、反対に功を焦って汚点が記憶され…  全文読む 評価する

翼竜の謎 翼竜の謎
Skywriter/恐竜と同時代に生きた空と海の覇者の姿を、最新の知見で蘇らせていることに感服
 ”翼竜”の”謎”である。あの、恐竜と同時代を生きた空の覇者。有名なプテラノドンは、翼を広げると8メートルにもなったという。その翼竜の名を冠するとは、なんとも心躍るタイトルではないか。サブタイトルも凄い。翼竜に加え、海の覇者である首長竜と魚竜も顔を揃えている。これで恐竜さえいればもう怖いものは何もないような陣容である。 ここで念のために断っておくと、翼竜・首長竜・魚竜はいずれも恐竜ではない。恐竜は直立歩行する爬虫類を指すのだから、空を飛ぶ、あるいは海を棲み処とする者は、爬虫類であったとしても恐竜ではないのだ。つまり、本書は他でも取り上げられることの多い恐竜を意図的に外し、その上で古生物にはまだ…  全文読む 評価する

ヒトはなぜのぞきたがるのか ヒトはなぜのぞきたがるのか
Skywriter/行動人類学という窓から覗いた人間の姿が予想外の姿をしていることに驚こう
 覗き。ああ、その甘美な響きよ。などという文章を見た閲覧者がモニターの向こうで顔を顰めるのが見えるようだ。しかし、”覗き”をピーピングに限らないとなると、多くの人が覗きに抗し難い魅力を感じていることが分かる。 例えばワイドショーである。この、芸能人のスキャンダルを中心にした番組が、しばしば莫迦にされながら、決して絶えることが無いのは何故か。それは、多くの人の支持を得ているから、だ。 これは日本だけの話ではない。新聞王・ハーストは、スキャンダルを徹底的に利用して読者を増やすことに成功している。ダイアナ妃がこうしたスキャンダル暴露を狙う記者に追われて亡くなったこともその一つの現われだ。 そう言われ…  全文読む 評価する

イラスト図説「あっ!」と驚く動物の子育て イラスト図説「あっ!」と驚く動物の子育て
Skywriter/生物の面白さと美しさは、子育てのシーンでこそ発揮されるのかもしれない。そう思わせてくれる良書。
 生物が生きる目的は、子孫を残すためである。それゆえ、子孫を残すための様々な手段が編み出されてきた。 表紙にあるエンペラーペンギンは、厳冬の南極で生まれ、子育てをして、死んでいく。しかも、何を考えたか、その繁殖地は餌場から50キロほども離れたところだという。ヨチヨチ歩きで50キロを歩こうとすると、当然物凄い時間がかかる。そのため、卵を産み終わったメスが食事に行く間、なんとオスは120日間もの間、飲まず食わずで抱卵するという。 120日の絶食ダイエットの効果は抜群で、オスは見る影も無くやせ細る、という。ダイエットをしたい皆さん、決してマネしてはダメですよ。人間なら死にます。 それはともあれ、この…  全文読む 評価する

噓発見器よ永遠なれ 噓発見器よ永遠なれ
Skywriter/映画やドラマで余りに有名なこの装置がいかにして生まれ、どれほど広く社会に拡散したかを、二人の対照的な発明者を通して追う
 アメリカの映画やドラマで広く取り上げられているこの装置を知らない方は少ないだろう。その嘘発見器を取り上げた本書のタイトルから、強烈にアメリカの物語であることが伝わってくる。それもそのはず、嘘発見器はアメリカで生まれ、事実上アメリカでしか用いられていない技術なのである。 なぜ、嘘発見器はアメリカ以外の国で広く使われないのか。一つには、嘘発見器がその名に反して、嘘を見抜く装置ではないことが挙げられよう。本書でも繰り返し説かれているが、嘘発見器が示すのは、嘘発見器に掛けられた人物が信じているかどうかを明らかにする装置に過ぎない。要するに誤ったことでも確信さえ持っていれば嘘発見器では見破れない、とい…  全文読む 評価する

ハッブル望遠鏡宇宙の謎に挑む ハッブル望遠鏡宇宙の謎に挑む
Skywriter/ハッブルが捉えた驚嘆すべき美しい数々の画像から宇宙の姿を探る
 望遠鏡は、なんといっても宇宙に置くに限る。 地上に設置したものは、メンテナンスが楽という利点はあるものの、大気によって光が散乱してしまう、波長によっては吸収されてしまい観測できない、などといったデメリットを抱えている。このデメリットは直接観測精度に影響を与えてしまうのである。 この問題を解決するために作られたのが、ハッブル宇宙望遠鏡。打ち上げ当初にはミスがありぼやけた映像しか得られなかったものの、修復を経てからは知の世界を切り開く最大の武器として活躍し、目を見張るような成果を次々に生み出している。 本書はそのハッブルの打ち上げから現在に至るまでの歴史を豊富な画像と共に紹介している。 銀河、星…  全文読む 評価する

ロケットボーイズ ロケットボーイズ
Skywriter/ロケット作りに夢を追った少年たちの成長物語
 炭鉱の町、ウエストバージニア州コールウッドに生まれた著者が高校生のとき、とんでもないニュースが飛び込んできた。ソ連が、人類初の人工衛星、スプートニクの打ち上げに成功したのである。そのニュースは、著者と仲間たちの人生を大きく変えることになる。 スプートニクの軌跡を眺めた著者は、友人たちを集めて「これからロケットを作る!」と宣言する。ところが、現在とは違って、まだ参考文献など存在しない。比推力のように、ロケット開発においては最も基本となるような言葉すら誰も知らないし、調べようも無い時代。そんなわけで、最初に作ったロケットは、空を飛ぶどころか垣根を吹っ飛ばしてしまう。 そんなスタートを切った彼らだ…  全文読む 評価する

戦国名臣列伝 戦国名臣列伝
Skywriter/春秋・戦国時代の歴史の面白さを人物を通して伝えてくれる良書
 春秋、戦国時代に活躍した16人の名臣の姿を描く短編集。16名は以下の通り。越  范レイ魏  呉起楚  屈原燕  蘇秦、楽毅斉  孫ピン、田単趙  藺相如、廉頗、趙奢秦  商鞅、魏冉、白起、范雎、呂不韋、王翦 こうして国別に見ていくと、圧倒的に秦が多く、1/3以上に当たる6名が取り上げられている。いずれも秦の統一に向けて、無くてはならなかった人物が揃っている。一方、他国に目を転じるとやや寂しさが目に付く。趙の3人は確かに名臣ぞろいだが、彼らが活躍したのは既に秦の一強が成立した後で、つまるところは防衛でしか活躍していない。 范蠡は呉越の熾烈な戦いを越の勝利に導きながら、主君の人間性を信用できず国…  全文読む 評価する

子供たちは森に消えた 子供たちは森に消えた
Skywriter/少なくとも52人を殺した稀有な殺人鬼は、なぜこれほどまでに犯行を重ねられたのか。また、犯人の素顔はどのようなものだったのか。世界を震撼させた事件を追いながら人の心と歴史の闇に光を当てている。
 ソ連崩壊前夜の1980年代。まだ情報公開<グラスノスチ>が行われる前、即ち、政府による情報統制がまだ社会を覆っていた時代。 ソ連の至る所に存在する、制度上は誰のものでもない森や林で、惨殺死体が次々と発見された。死体にはいずれもナイフによる執拗な刺し傷があり、幾つかの現場からは犯人のものと見られる精液が検出された。特徴的だったのは、眼窩に刻まれた多数の傷である。犯人は何らかの理由により、犠牲者の目を刳り貫こうとしていたようだった。 犠牲になっていたのは、成人女性と、年端も行かない少年少女たち。性器が傷つけられ、抉り取られていることが多いのも犯行の特徴であり、証拠からは犯人あるいは犯人たちが連続…  全文読む 評価する

インカに眠る氷の少女 インカに眠る氷の少女
Skywriter/遥かな高地に眠る少年少女たちの発見物語
 スペイン人の征服者(コンキスタドール)によって滅ぼされた、インカ帝国。この高地に栄えた帝国は黄金文明に加え、人身御供という血生臭い儀式でも知られている。生贄に供されたのは、15歳以下の少年少女だった。子供たちは、標高6000メートルを越える高地で、生きたまま神に捧げられたのである。 本書は、これらの少年少女たちの凍結ミイラ発見の物語である。 そもそも、凍結ミイラの発見自体が容易なことではない。標高6000メートルを越えるということは、高山病や雪・風といった低温という、発掘困難な環境を意味する。加えて、発掘するための道具を引っ張り上げ、発掘品を持ち帰らなければならない。高地考古学は、歴史学の中…  全文読む 評価する

オスとメス=性の不思議 オスとメス=性の不思議
Skywriter/性と繁殖の世界の不思議を通して生物の生の世界を垣間見せてくれる良書
 身の回りの生き物を見ていると、オスとメスがいて、性を介して繁殖していることが当たり前のように見える。犬や猫やネズミといった哺乳類、ニワトリやカラスといった鳥類、カブトムシやクワガタやカエルといった他の生物も然り。 見ても違いが分からないとしても、交尾のときにメスがオスを食べてしまうと言われるカマキリ(実際はほとんどのオスは逃げるらしいが)、中々見る機会は無いが、女王アリとオスアリといったことも知られている。 それなのに、本書はまず性と繁殖は本来無関係、と説く。では何のために、こうまで性は多くの種に採用されているのか。その答えは、バクテリアの接合から見えてくる。言ってしまえば、感染症対策である…  全文読む 評価する

クラッシュ クラッシュ
Skywriter/大事故・大事件の現場を訪れ、肉声を伝える優れたルポタージュ。特に阪神大震災のところは今後の震災に備えるためにも読む価値が高い。
 大事故や大災害は我々の社会が砂上の楼閣に過ぎないことを唐突に突きつけてくる。 本書は社会を震撼させた6つの事件・事故・災害現場を訪れ、その恐るべき現場の生の姿を伝えるルポタージュである。取り上げられているのは、福知山線の転覆事故、17歳の少年による犯罪の連鎖、雪印乳業食中毒事件、東海村JCO臨界事故、阪神淡路大震災、911同時多発テロ。 現場に足を運んだことの無い私のような者にとっても、いずれも記憶から消し去ることの出来ないものだった。マンションに突っ込み、原型を留めぬほどにひしゃげた電車。倒壊した家屋がどこまでも続く戦慄すべきシーン。ジェット機に衝突され、熱によって崩落したツインタワー。 …  全文読む 評価する

カラスはどれほど賢いか カラスはどれほど賢いか
Skywriter/カラスの驚くべき生態と、研究者の楽しいながらも大変な苦労を共に楽しめる、優れた概説書
 カラスは賢いとは良く言われることだ。曰く、人の顔を覚え、悪戯すると復讐される。曰く、罠のようにカラスを害そうとするものにはすぐに気がついてしまう。また、その賢さ以上に生ゴミを漁る害鳥としての印象も強い。 ところが、一歩引いて考えてみると、我々は余りにもカラスについて知らないことに気づく。 生ゴミを漁る以外の時間、カラスは何をしているのか。都会に住み着いているカラスはどんな種類なのか。夜はどこで寝ているのか。群れで行動するのか。望んでとは言えないにしても身近な生物だというのに。 カラスに魅せられた著者が、カラスについて何が分かってきたのかを驚くべき生態を交えながら語っているのが本書。本書を読み…  全文読む 評価する

移植医療の最新科学 移植医療の最新科学
Skywriter/タイトルどおり、移植医療の最新科学から社会的側面まで、日本における移植医療の姿を広く知ることができる一冊
 著者は眼科医として、1000例以上の角膜移植を手がけてきた、移植医療のプロフェッショナルである。その著者が、自らの専門である角膜移植に加え、脳死移植や臓器クローンといった最先端医療について解説しているのが本書である。 特筆すべきは、臓器移植に付き物の免疫反応についてかなりの紙幅を割いていることだろう。免疫反応があるからこそ人体は細菌やウイルスから守られているが、一方で臓器移植は困難になっている。移植が終わった後に免疫の抑制ができるようになったから移植医療が進んだのだ、ということがとても平易に解説されている。 また、免疫寛容(トレランス)についてもわざわざ一章を設けているのだが、ここに先端医療…  全文読む 評価する

脳は意外とおバカである 脳は意外とおバカである
Skywriter/人の判断がどれほど好い加減で目先のつまらぬ利益に惑わされているか、多くの実験から明らかに。脳のおバカさに驚きと面白さを感じさせてくれる。
脳はかなり上手く機能している。我々が外界をきちんと認識し、場や状況に相応しい対応ができるのは脳の力だ。小説や芸術を理解し、映画を楽しみ、スポーツで汗を流す。脳がきちんと判断を下していなければとてもできない芸当ばかりである。 ところが、脳は意外とおバカらしい。 うぬぼれやで、目先の欲望に弱く、何の根拠も無いことでも容易に信じ込む。そして困ったことに、自分の欠点を正視することができない。脳にはそうした側面もある、と本書は指摘する。 本書で取り上げられている多くの実験によってこれらの論は固められている。その実験の内容と、驚くべき事実の数々は、それ単体として知的好奇心を満足させてくれると同時に戦慄させ…  全文読む 評価する

最新・月の科学 最新・月の科学
Skywriter/日本の月周回衛星「かぐや」打ち上げまでに明らかになった事実と残された謎を示すことで「かぐや」が何を探ろうとしたのかを明らかに
 日本が打ち上げた月周回衛星「かぐや」の活躍は、様々なところで報じられていたのでご存知の方も多いだろう。しかし、「かぐや」が何を探ろうとしていたのか、その詳細は余り知られていないのではないだろうか。 人類を魅了すると共に恐れられてもきた、近くて遠い星・月は、地球にとっても大きな意味を持っていたという。もしも月が無かったら何が起こっていたのかは、刺激的な名著でそのものズバリのタイトルの『もしも月がなかったら』に詳しい。 この月の姿を明らかにするためにアポロ計画を始めとする多くの計画が立てられてきた。本書はアポロ計画以後に何が分かってきて、何が分かっていないのかを系統的にまとめていることで、「かぐ…  全文読む 評価する

英国=妖精と伝説の旅 英国=妖精と伝説の旅
Skywriter/妖精伝説から眺めるイギリス文化
 イギリス人は幽霊が好きである。ロンドン塔の幽霊譚は聞いたことがある方も多いだろう。そういえば、イギリスが生んだ偉大な探偵シャーロック・ホームズ(でも推理は甘い^^)の生みの親である、サー・アーサー・コナン・ドイルも幽霊だの精霊だのにコロリと騙されていた。 ともあれ、イギリス人は幽霊が好きなのだ。一部の人が好きなのではなく、全土で。地方ごとに妖精譚が語り継がれてきたことがその証左である。 本書はそんなイギリス人が愛してきた妖精の話を紹介している。著者が実際に各地を訪れ、そこで採取してきた話ばかり。人びとが愛した不思議な生物(?)の話を楽しむのと同時に、各地の紀行文にもなっているのが本書の特徴だ…  全文読む 評価する

それからの三国志 それからの三国志
Skywriter/諸葛亮死後の三国志の世界を鮮やかに描き出すことに成功している。これが自費出版されたとは、著者の努力に敬服するしかない。
 ”それから”の三国志。このタイトルは本書の内容を端的に言い表している。なにが”それ”に当たるのかというと、諸葛亮の死である。 秋風の吹く五丈原での諸葛亮の陣没は、確かに三国時代の一つのターニングポイントではある。しかし、234年の諸葛亮の死の後も三国鼎立は続く。蜀滅亡は 263年、魏滅亡は265年、呉滅亡は280年。約50年ほど、三国志の時代が続いてく。それなのに、巷で話題になるのは五丈原に星が墜ちたその時までで、後はとって付けたおまけみたいな扱いである。 血湧き肉踊るような、豪傑猛将の活躍は確かに無い。それでも、各々の国に仕える文官武官は国を盛り立てようと苦心していた。本書が焦点を当てるの…  全文読む 評価する

太陽に灼かれて 太陽に灼かれて
Skywriter/日光が敵になる、という難病ポルフィリン症と戦う女性が、病気の深刻さについての理解と医療の進歩を求めて戦う自伝
 ポルフィリン症という難病がある。酵素異常により、ヘムの前駆体が蓄積されることで発症する病気であり、太陽光線への過敏が症状であり、日光に暴露した皮膚に湿疹が発生する。治療法は無く、日光を避けることと対症療法しかない。 この余り知られていない病気は、知られていないが故に患者に悲劇をもたらして来た。何が原因か分からないために日光に当たり、苦しい症状を耐えるしかない人びとが大勢いる。 著者自身も遺伝性のポルフィリン症を抱えている。子供の頃から絶え間なく現れる湿疹、原因不明のため治療法も見つからずにただひたすら苦しみに耐えてきたという。本書で詳らかにされるその症状の強烈さには、こちらの顔まで引きつりそ…  全文読む 評価する

テロルの決算 テロルの決算
Skywriter/17歳の少年が老政治家に刃を向けたその一瞬と、そこに至るまでを丁寧に描き出す傑作ノンフィクション
 1960年10月12日、社会党の党委員長・浅沼稲次郎が、演説中に右翼で17歳の少年・山口二矢(おとや)に刺殺された。 なぜ少年は老政治家に、それも個人としては善人と評するしかない老人に、刃を向けたのか。一方にその問いかけがあれば、もう一方の問いかけはこうならざるを得ない。即ち、なぜ善人の老政治家は、少年から命を狙われることになったのか。 本書はその二つの問いの間を行きつ戻りつしながら、刺殺事件の全貌に迫っている。生き急ぎ、死に急いだ少年へ過度な思い入れをせず、老政治家を無意味に称揚しない。あくまでも冷静に、しかし激しく、二人の人生が交錯したその一瞬と、そこに至るまでの二人の人生を描き出すこと…  全文読む 評価する

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